Mission : Protect Their Youth. 作:晴沙萪
一瞬の静寂。
三
二
一......
口でピンを抜く。
「フォックストロット!」
掛け声と共に投げる。
炸裂する音が響き、一瞬の閃光が砂漠を照らす。
「行こう!」
全員が走り出す。
ノノミの薙ぎ払うような射撃により、敵の最前衛が倒れていく。
「カバー入るよ!」
「ん!」
ノノミが下がると同時に、シロコとセリカが前へ出る。
二人の射撃が始まり、ノノミは走り抜ける。
「二人とも、スイッチ!」
「私も出る!」
シロコとセリカが下がるタイミングで、アタシとホシノが射撃を始める。
右腕が使えた時のように一発で仕留めることは出来ない。三、四発と撃ち込みようやく倒す。
「先生!」
「っ!」
左から飛び出してきた敵に反応が遅れる。
だが横からの射撃により敵は吹っ飛んだ。
『カバーするって言ったでしょ? そのまま下がりなさい。あとはブラボーチームがやるわ』
「助かった!」
銃を後ろに回す。
砂に足を取られそうになりつつも走る。
気付けばハンヴィーはもう目の前だった。
「全員乗れ! 運転は任せた! ノノミはアタシと荷台に!」
「はい!」
荷台に飛び乗り、リロードする。
敵はまだ追ってきている。
「アルファチーム、撤退準備完了! ブラボーチームのカバーに入る!」
無線を繋ぐ。
『了解! 下がるわよ!』
ブラボーのハンヴィーがこちらに向かってくる、その後ろから敵がわらわらと寄ってくる。
「Fire!!」
ブラボーチームと並走しながら弾幕を張る。
『受け取って〜! ば・く・は・つ!』
ムツキの放ったボストンバッグが敵の群れの中央で大爆発を起こした。
「わあ☆」
「今だ! スピード上げろ!」
カヨコがアクセルを踏み込む。
爆発によって舞い上がった砂塵と、敵の大幅な戦力低下で足止め出来ているうちに距離を稼ぐ。
それでもアタシは銃を構えたまま。
確実に安全と言えるまで気は抜けない。
爆発地点からかなり走ったところで、アヤネの通信が皆の耳に入る。
『両チーム、ホットゾーン離脱!』
その一言で、皆の張っていた糸が緩んだ。
アタシも安全を確認し、銃のセーフティをかける。
「先生......大丈夫ですか......? 痛くありませんか?」
隣で共に弾幕を張っていたノノミが心配そうな表情で、声をかけてくる。
肘から下がない右腕を見ながら。
「......大丈夫だよ」
息を少し長く吐く。
「......多分ね」
──────
お昼時だと言うのに、重苦しい空気がシャーレの部室中に漂う。
皆がアタシを取り囲む様に座る。
その中にスミも居た。
「全部説明してもらうわよ」
「......全部?」
「全部です」
アルとワカモに詰められ、逃げ場が本当にないことを知る。
どこから話せばいいだろう。
どこまで話せるだろう。
アタシが何者で。
なにをしてきたか。
ぽつりと、口から零れる
「......アタシは人殺しだ」
椅子に背を凭れさせる。
我ながらヒドイ始め方だと笑ってしまう。
それでも止まることなく、あの日を語る。
約束を、呪いを背負ったあの日を。
次から透子の過去編です