ラブゼロワン!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会   作:アークゼロ

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どうもアークゼロです。pixivの方で投稿をしていたのですが、ハーメルンの方でも投稿したいなと思ったのでこっちの方でも投稿をします!

では第1話どうぞ。


第1期
第1話 はじまりのトキメキ


 

暗い部屋に1体のロボットがイスに座っていた。そこに高齢の男性がやって来た。

 

?「彼は人工知能搭載人型ロボ、その名もヒューマギア。」

 

このロボットの名前はヒューマギア。そしてヒューマギアを紹介している人物は、飛電インテリジェンス先代社長飛電是之助。

 

是之助「彼は物体認識の技術によって私が誰であるか認識し、自分で考え、行動するのです。」

 

するとヒューマギアが起き始めた。

 

是之助「おはよう。」

 

するとヒューマギアは是之助を物体認識し始めた。

 

ヒューマギア「おはようございます。飛電是之助社長。」

 

是之助が差し出した手を握るヒューマギア。

 

是之助『飛電インテリジェンスは一部地域で新たなヒューマギア派遣サービスを始動。』

 

すると衛生ゼアの映像に切り替わった。

 

是之助『通信衛星ゼアによって制御されたヒューマギアが様々なお仕事をサポート。』

 

医者、料理師、美容師、保育士、警察など色んな仕事でヒューマギアは活躍している。

 

是之助「新時代の働き方の新たな価値を想像します。さぁ飛び立とう、夢に向かって。」

 

 

ここで映像は終わり、アナウンサー型ヒューマギアが喋る。

 

アナウンサー型ヒューマギア「飛電インテリジェンスの創業者•飛電是之助代表取締役が亡くなってから1年がたとうとしてます。今は彼の孫、飛電飛鳥氏が社長を努めてから1年……」

 

是之助は既に亡くなっており、現在社長は孫の飛電飛鳥が継いでいる。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、とあるショッピングホールでは、2人の少女と1人の少年が楽しそうに会話をしながら、商品を見ていた。

 

そしてこのショッピングモールにはたくさんのヒューマギアが働いている。

 

1人の少女の名前は『上原歩夢』。もう1人は、毛先が緑のグラデーションになっている黒髪をツインテールにしている少女『高咲侑』。そして少年の名前は『飛電或人』。彼は飛電是之助の孫で飛電飛鳥の弟である。

 

この3人は幼馴染である。

 

3人は学校帰りなのか、制服のままでファンシーショップの中を闊歩、商品を物色していた。

 

ポーチコーナーの前で止まり、歩夢が侑に訪ねる。

 

歩夢「うーん、これはどう?」

 

侑「いまいちトキメキが足りないねー。」

 

或人「トキメキね〜。」

 

歩夢「どうしよっかー?」

 

侑「他の店、行ってみよっか?或人は?」

 

或人「うん。俺も他の店行ってみたいな。」

 

侑は何気なく当たり障りのない提案をし、或人は他の店に行く事を賛成し、歩夢はそれに「そうだね〜」と同意した。

 

そして3人は揃ってこの店を出る事にした。

 

侑「この前取り損ねたぬいぐるみがさー、ネットで見たら、オークションに出てて。」

 

歩夢「ぁ……」

 

その途中で侑が軽い世間話を振った時、歩夢が何かに気づいた様に入口付近のショーケースを見た。

 

つられて侑と或人も「ん?」と歩夢の視線の先を見つめ、その次の瞬間には侑と或人は「おっ!」と目を輝かせながら2人は小走りでショーケースの前に陣取った。

 

侑「歩夢!これ良いんじゃない!?」

 

歩夢「えっ?」

 

或人「確かに!」

 

歩夢「えっ?」

 

ショーケースの中にあったのは、フリル多めのピンクを基調とした可愛らしい半袖ワンピースだった。

 

歩夢に凄く似合うと思った侑は歩夢に話題を振る。

 

侑「似合うと思うよ!」

 

しかし歩夢の反応は芳しくなく、両手をワタワタと振って遠慮する。

 

歩夢「い、いいよ!!可愛いと思うけど子供っぽいって!」

 

侑「そうかなぁ?最近までよく来てたじゃん。」

 

歩夢「小学生の時の話でしょ?もうそういうの卒業だよ。」

 

侑「着たい服着ればいいじゃん。歩夢は何着たって可愛いよ。」

 

歩夢「もーう、またそんな適当な事を。」

 

侑「適当じゃないよ。或人だって似合うと思うよね?」

 

或人「うん!似合うと思うし可愛いと思うな!試着してみればいいじゃん!」

 

歩夢「ふえっ!?も、もう!或人君!///」

 

遂には頬を小さく膨らまし、プイッとそっぽを向いて拗ねる歩夢。だがその頬は赤くなっており、口角は嬉しそうだった。

 

そして侑は隣にあった衣装に目が行ったのか、座り込んで2人に声を掛ける。

 

侑「あっ!2人とも見て見て!」

 

歩夢、或人「「ん?」」

 

侑の視線の先には、幼女サイズの服があった。それに注目すべき点は、フードに耳が付いた白いパーカー。

 

侑はそれを見ながら言った。

 

侑「幼稚園の時、こんな格好してたよね?」

 

歩夢も座り込んで言う。

 

歩夢「ああー、懐かしいねぇ。」

 

或人(今の歩夢でやったら……)

 

そう思い或人は一瞬歩夢の事を見た。先程の姿を侑も思い出したのか、歩夢にリクエストしていた。

 

侑「可愛かったな〜……ねぇ。」

 

歩夢「んん?」

 

侑「ちょっとやってみてよ。」

 

歩夢「何を?」

 

歩夢がそう訪ねると、侑は両耳を耳の上に持っていき、ウサ耳の様に動かして言った。

 

侑「あゆぴょん……」

 

歩夢「……はぁ?」

 

対する歩夢の反応は困惑と呆れが混じった辛口なもので、膝を伸ばしながら拒否した。

 

歩夢「やる訳ないでしょ!?もーう……」

 

或人「えっ!?歩夢やらないの!?」

 

歩夢「或人君まで!?」

 

或人が驚いて言ってきたため、歩夢はビックリしてしまった。

 

侑「ほら〜、或人も見たいって言ってるのに〜。」

 

歩夢「だからやらないよ。」

 

侑、或人「「ええー……」」

 

歩夢「なんかお腹空いてきちゃった。下降りない?」

 

無理やり話題を変えた歩夢。少し強引だが、侑と或人もこれ以上ねだっても歩夢の意思が変わる事はないと思い、歩夢の意見に同調した。

 

或人「分かった!」

 

侑「賛成だぴょーん!」

 

歩夢「侑ぴょんの方が可愛いんじゃない?」

 

侑「それはないぴょーん!」

 

歩夢、或人「「あっはははは!」」

 

2人は可笑しそうに笑い、つられて侑もクスリと笑うと、歩き始めた。

 

侑「それでどうする?」

 

歩夢「やっぱりコッペパンじゃない?」

 

或人「賛成!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人は下に降りてから外に出て、車を使って野外販売している店からそれぞれコッペパンを買うと、近くのベンチに座って食べ始める。

 

歩夢の右横に或人がコッペパンを食べていて、歩夢の左横に座っている侑が食べながら口を開く。

 

侑「ねぇねぇ、今日の2限でさ〜……お、それ何味?」

 

歩夢「食べる?限定のレモン塩カスタード。」

 

そう言って歩夢は、輪切りのレモンやカスタードを挟んだコッペパンを侑に向ける。

 

侑「うん!」

 

歩夢「はい、あーん♪」

 

侑「あむ、むぐむぐ……お、美味っ!!いいじゃんこれ!」

 

侑は笑顔を歩夢に向けるが、彼女としてはその口元に付いてるクリームが気になったのか、

 

歩夢「ほらぁ、付いてるよ?」

 

人差し指で拭うついでにそれを舌で舐めたり、今度は或人に自身のコッペパンを向けながら訪ねる。

 

歩夢「或人君も食べる?」

 

或人「え?うん!」

 

そう言った或人は、侑がかじりついた所に何の躊躇もなく食らいついた。

 

或人「確かに美味い!これもいけるね!」

 

歩夢「でしょ?あ、或人君も付いてるよ?」

 

そう言って歩夢は侑にやったのと同じく、或人の口元に付いてるクリームを人差し指で拭い、自身の舌で舐め取る。

 

仲の良い証拠なのだが、赤の他人から見ればやっている事は間接キスだ。それでもこの3人は間接キスをしている事には気付いていない。

 

すると侑が自分のコッペパンを歩夢に差し出した。

 

侑「こっちも食べる?」

 

歩夢「あっ!じゃあさ……」

 

侑「ん?」

 

歩夢は何かを思い付いたのか、キョトンとする侑を他所に自分の鞄からライズフォンを取り出した。

 

ライズフォンはカメラモードになっていて、歩夢はライズフォンを横にして、左手でチョキを作ってから2人に言う。

 

歩夢「ほらぁ、2人とも寄って寄って!」

 

2人は「ああー!」と察しがついた様子で或人は歩夢に寄り、侑は歩夢の腕に右手を絡ませて寄った。

 

歩夢「あーん♪」

 

歩夢の合図でパシャリと写真が撮られ、3人はケラケラと笑っていた。

 

すると侑が自分のコッペパンを食べながら訪ねる。

 

侑「この後、どうしよっか?」

 

歩夢「うーん……映画でも見る?」

 

侑「なんかピンと来るのないんだよねー。」

 

或人「ゲーセンでも行く?」

 

侑「ゲーセンか〜。ま、いつも通り適当に……」

 

その時だった。

 

侑の言葉をに阻むように、割りと近くから黄色い歓声が響いてきた。

 

歩夢、或人、侑「「「ん?」」」

 

3人は揃って歓声がした方を見る。

 

侑「なんかのイベントかなぁ?」

 

 

 

ダイバーシティ東京プラザ2階フェスティバル広場では、そこにはたくさんのお客さんが来ていて、階段から降りてポジションに着こうとする、赤い衣装を着た少女優木せつ菜に歓声を送っていた。

 

観客A「あれ?せつ菜ちゃん1人?」

 

観客B「新しいグループのお披露目だったよね?」

 

せつ菜が1人だけだったのが疑問に思った声があった。

 

ステージに立つせつ菜の拳に自然と力が入る。そして完全に気持ちを切り替えて、歌い始める。

 

 

 

 

(CHASE!)

 

 

 

 

せつ菜「〜〜♪」

 

炎が上がるステージで彼女は歌い、踊り、観客を魅了するパフォーマンスを見せる。

 

 

 

 

侑「結構盛り上がるってるねぇ。行ってみようか!」

 

歩夢「うん!」

 

或人「うん!」

 

侑達は走って会場に向かっていく。

 

 

会場に来たばかりの侑、或人、歩夢は他の観客同様、せつ菜の歌に魅了されていた。

 

奥底のマグマが煮えたぎり、波紋の様に広がり疾走し迸る。

 

そうしている内にせつ菜のライブはラストパートに入り、やがてゆるりと終わりを迎えた。せつ菜は肩を上下させ、観客から声援や拍手を貰う中で深くお辞儀をした。

 

汗を1つ頬に伝わせてから、お辞儀を解いて観客に背を向け、静かに退場していく。

 

 

せつ菜が去った後、侑、歩夢、或人はせつ菜のライブに衝撃を受けていた。

 

侑「すごい……!」

 

歩夢「うん……」

 

侑「だよね!?凄かったよね!!」

 

同意した歩夢の両手を侑は両手で握る。

 

歩夢「う、うん……」

 

そして歩夢が頷くと、彼女は両手を上下に振りながら新しいおもちゃを見つけた子供のような笑顔で語っていく。

 

侑「カッコ良かった!!可愛かった!!ヤバいよ!あんな子いるんだね!!何だろう、この気持ち!すっごいトキメキぃぃ!!」

 

しかし対する歩夢は困惑気味のひきった笑顔を浮かべ、終始押されっぱなしだった。

 

或人「……侑!!」

 

侑「あ、或人!?」

 

いきなり或人が侑の両肩を掴んで来たために侑は驚いていた。

 

或人「やっぱり侑も同じ気持ちなんだね!!」

 

侑「或人も?だよねだよね!!なんて子なんだろう?」

 

或人もどうやら侑と同じ気持ちだったらしく2人は興奮していた。

 

近くに設置されていた優木せつ菜に関するポスターを見つけると、そちらに寄っていく。

 

侑「あっ、ポスター!」

 

ポスターにはせつ菜の他に4人の少女が写っており、何より上に『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』と書かれていた。

 

侑「これだ!虹ヶ咲学園……スクールアイドル同好会?」

 

侑はこの学校の名前、どこかで聞いた事覚えがあると思った。

 

侑「虹ヶ咲って……」

 

それに気づいた時、侑と歩夢と或人は顔を見合わせて声を揃えて叫んだ。

 

侑、歩夢、或人「「「ウチの高校だぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは幼い時の記憶。

 

あると、あすか『『にらめっこしましょ、あっぷっぷ!』』

 

幼い頃の2人はヒューマギアで父である其雄を笑わせようとしていた、

 

其雄『ははは……。2人は面白いな。』

 

あると『もう1回!心から笑ってなーい!』

 

あすか『そうだよー!』

 

其雄『何度やっても結果は同じだよ。』

 

あすか『絶対お父さんを笑わせるから!あっぷっぷ!』

 

もう1度其雄を笑わせようとした時、いきなり爆発が起きた。

 

其雄が爆発から2人を庇った。

 

2人が次の瞬間目を開けると、壊れかけた其雄が側にいた。

 

あると、あすか『『お父さん!?』』

 

其雄『或人……飛鳥……。夢に向かって……飛べ……』

 

 

目覚まし5個と歩夢の着信コールが一斉になると或人が勢いよく起きた。

 

或人「父さん!……夢か……」

 

或人は夢を見ていた。そして彼は起き上がってカーテンを開けて、テーブルを見た。

 

或人「兄さんはもう会社に行ったんだ……」

 

テーブルには朝ごはんが置かれていた。

 

その後或人は朝食を食べ、制服に着替えて玄関へと直行、外へと出る。

 

侑「或人!おはよう!」

 

歩夢「おはよう、或人君。」

 

或人「おはよう!侑に歩夢。」

 

扉を開いた瞬間、侑と歩夢が挨拶をしてきた。或人の部屋の右隣が歩夢の部屋で、そのまた隣が侑の部屋になっている。

 

侑「それじゃあ、学校に行こ?」

 

歩夢「そういえば或人君。校長の仕事は大丈夫?」

 

実は或人は1年生の終わりの時に虹ヶ咲学園の校長になった。

 

或人「大変だけど、大丈夫だよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは自由な校風と豊富な専攻が特色で、全国から優秀な人材が集まる人気校。虹ヶ咲学園。ここには教師型ヒューマギアが何台か派遣されている。男子生徒もいるが、女性生徒の人数の方が多い。

 

学校の中は特に広く廊下には電光掲示板が設置されている。他にも、全生徒にはタブレットが配布されている。

 

そして歩夢は『西部室棟』という表記が施された柱の前に、歩夢はポケーっと柱のボードを見つめ、待ち人の侑と或人を待っていた。

 

侑「歩夢ーー!!」

 

或人「おーい!!」

 

歩夢「ん?」

 

ようやく2人がやって来た。

 

侑「待った?」

 

歩夢「ううん。帰ろっか。」

 

侑「その前に……」

 

侑は両手を腰に回してモジモジしていた。或人も何か言いたげな表情だ。

 

侑「ちょっと寄りたいとこあるんだけど、いい?」

 

或人「実は俺も!」

 

歩夢「んん?うん、勿論♪」

 

侑「ありがと♪ふふっ♪」

 

歩夢の了承を得れた事で無邪気に笑う侑と隣で笑う或人。侑と或人は歩夢の手を掴むと、そのまま進路方向に引っ張って行く。

 

歩夢「うわぁぁっ!?ちょ、ちょっとぉ!?どこ行くの!?」

 

侑、或人「「スクールアイドル同好会!」」

 

2人が声を揃えて言った。

 

歩夢「あの、侑ちゃん、或人君!私まだ……」

 

侑「私も或人もスクールアイドルってよく知らなかったからさ。昨日帰ってから、動画とかいっぱい見たんだよね!」

 

或人「俺も動画いっぱい見た!」

 

歩夢「えっ……?」

 

歩夢は呆れていて、侑と或人は目をキラキラさせて2人は語る。

 

侑「みんなカッコ良くて、可愛くて、輝いていて••••••!もうっ、完全にトキメいちゃった!」

 

両拳をぐっと握って眼前に持っていき、己の顔を歩夢に近づけさせる程、侑は興奮していた。

 

侑「でも、やっぱり一番は昨日のあの人!優木せつ菜ちゃんって言うんだって!」

 

歩夢「ちゃんっ!?」

 

或人「確かにあの人は良いよね!せつ菜!」

 

歩夢「せつ菜っ!?」

 

侑「結構有名みたいなんだよね。神出鬼没のニジガク謎のスクールアイドルって!ファンクラブとかあるのかな〜?次のライブ、決まってるなら行きたいな〜!」

 

完全に2人はどハマリしていて、2人だけの空間になり始めていた。それだけ、優木せつ菜のライブは2人に大きな影響を与えていた。

 

歩夢「で、でも!私達もう2年だし、3人で予備校通うって言ってたよね!?スクールアイドルなんて追っかけてる暇なんて……」

 

歩夢が遠回しに現実を見るよう諭すも、侑と或人はピースしながら呑気に言う。

 

侑「問題なし!むしろプラス!せつ菜ちゃんの歌聴きながら勉強したら、すっごく捗ったし、今日の小テストもばっちりだったー!」

 

或人「俺も勉強捗ったし、小テストもばっちりだったし、ネタも思い尽くし、なりより仕事を早く終わらせられたし!」

 

侑「何かさ、すっごくやる気が湧いてくるんだよねー。こんな気持ちになったの初めて!いひひっ♪」

 

純粋な侑の笑顔を見て或人も笑っていた。そんな2人の顔を見た歩夢はしょうがないなぁと言わんばかりに肩を竦めた。

 

侑「まずはサインを貰わなきゃ!歩夢ー!或人!行くよー!」

 

歩夢「ああっ!?待ってー!!」

 

駆け出す2人に続いて歩夢も駆け出した。

 

 

 

 

しばらく走っていると、3人はやがて部室棟エリアとなる広大なスペースにたどり着き、2階から全体を一望する。

 

侑「おおー!ここが部室棟かー……」

 

歩夢「そういえば、初めて来たね。」  

 

或人「広いなー……」

 

歩夢「ねぇ、スクールアイドル同好会の部室ってどこ?」

 

歩夢が訪ねると、2人は「さぁ……?」と呟き、それに歩夢が「えっ?」と困惑していた。

 

侑「ホームページの更新も止まってたし、校内の案内図にも載ってなかった。」

 

或人「俺はここに来る前に校長室で調べたんだけど分からなかったし。」

 

歩夢「じゃあ、どうやって?」

 

侑「片っ端から聞いて回れば良いんじゃない?」

 

歩夢「ええー……」

 

或人「大丈夫!すぐ見つかるから!」

 

歩夢「ああ〜もう!」

 

2人の無計画さに振り回される歩夢であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

侑「あのー……」

 

そうして最初にやって来たのは、流し素麺を6人の少女でやっている部室。

 

部長「流し素麺同好会にようこそ!入部希望ですか?」

 

流し素麺を主に活動している同好会のようだ。

 

或人「いやぁ、スクールアイドル同好会を探していて。」

 

部長「知らないなぁ……」

 

そう言ってお椀に入った麺を啜る部長と思わしき少女。

 

それを見た侑と或人は涎をたらし、

 

侑、或人「「美味しそう……」」

 

歩夢「失礼しますっ。」

 

侑、或人「「おおっ!?」」

 

歩夢が部室から引き剥がす事で本来の目的に戻す。

 

その後も他の生徒に訪ねて行くも、収穫は無かった。3人は途方に暮れていた。

 

侑「全然見つからな〜い!」

 

歩夢「部活も生徒数も多いからね〜。同好会だけで百個以上あるらしいよ。」

 

侑「マジか……」

 

或人「だからか……」

 

同好会だけでも百個以上、その上に正規の部活が加わるのだから仕方がない。ただ同好会の大半は先程の流し素麺同好会のような意味不明な同好会だってたくさんあると思われる。

 

するとピンクの髪に琥珀色の瞳の少女が目に止まる。

 

侑「あのー、すいませーん!」

 

声を掛けられ少女は止まった。

 

歩夢「スクールアイドル同好会って……」

 

或人「どこにあるか知ってる?」

 

?「……」

 

侑、歩夢、或人「「「……」」」

 

?「……」

 

侑「もしかして、急ぎだったとかだったかな?」

 

少女から一向に返事が無いのだ。表情を1ミリも動かさずジッとこちらを見つめていた。

 

?「どうしたん?りなりー?」

 

璃奈「あ……愛さん。」

 

この2人の少女の名前は『天王寺璃奈』と『宮下愛』だ。

 

事情を聞いた愛が案内図の前に立ち、ある1室の番号を指して言った。

 

愛「ほら!スクールアイドル同好会はここだよ。」

 

侑「誰に聞いても分からなかったのに……」

 

侑が意外な情報提供に感心していると、愛は更なる情報を提供してきた。

 

愛「確か、今年出来たばっかの同好会だしね〜。」

 

或人「ありがとう!助かったよ!」

 

愛「どういたしまして♪」

 

愛は手を振って、去ろうとする。

 

璃奈「ぁ……」

 

侑「ん?」

 

璃奈が侑の裾を引っ張り、意識を自分に向けた。

 

璃奈「……別に……急いでなかった。……少しビックリしただけ。」

 

侑「そっか。なら良かった。」

 

奇妙な罪悪感は取れた侑は璃奈に笑顔を向ける。

 

璃奈はポツリと訪ねる。

 

璃奈「……好きなの?スクールアイドル。」

 

侑「え?うん!ハマったばっかだけどね!」

 

璃奈「そう……」

 

短く呟いた璃奈の興味は、次に歩夢と或人へと移る。

 

璃奈「あなた達も?」

 

或人「俺も侑と同じでハマったばっかだけね!」

 

歩夢「……えっ?う、うん……どうだろう?まだよく分からないかな?」

 

歩夢は2人ほどスクールアイドル興味がある訳じゃいために、辿々しく答えるのが精一杯だった。

 

璃奈「そう……」

 

璃奈はそれだけ言って後は無言になった。侑は明るく礼を言った。

 

侑「ありがとね。今から言ってみるよ。行こ!歩夢、或人!」

 

歩夢「う、うん!」

 

そして3人は駆け出していった。

 

 

 

 

 

 

スクールアイドル同好会部室前にて。

 

侑「ここが……虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!」

 

歩夢「あの、侑「何をしているのですか?」……」

 

侑、歩夢、或人「「「ん?」」」

 

3人が後ろを振り向くとそこには、眼鏡を掛けて長い黒髪を左右で三つ編みにした少女がいた。

 

?「普通科2年、高咲侑さん、上原歩夢さん、飛電或人校長。」

 

或人「或人で良いよ。」 

 

?「そうですか。では或人さん。」

 

歩夢「会った事……」

 

侑「ありましたっけ?」

 

その問いに少女は眼鏡の位置を直しつつ、キリッと答えた。

 

?「生徒会長たる者、当然、全生徒の名前を覚えているものです。」

 

侑、歩夢「「生徒会長っ!?」」

 

或人「ははは……」

 

侑と歩夢は目の前にいる少女が生徒会長であることを知り、驚いていた。或人は苦笑いをしていた。

 

菜々「中川菜々と申します。」

 

侑が歩夢の方を向いて思い出すように言う。

 

侑「そう言えば、生徒集会で見た覚えがあるような……」

 

菜々「この同好会に御用ですか?」

 

2人の間を通り菜々が訪ねると、或人が答えるより先に侑がワクワクしながら答える。

 

侑「はい!優木せつ菜ちゃんに会いに来たんです!」

 

その瞬間、彼女の雰囲気がガラリと変わった。

 

菜々「彼女はもう……ここには来ませんよ。」

 

侑、歩夢「「えっ?」」

 

或人「どういう意味?」

 

或人の問いに菜々は振り向くと、こう言った。

 

菜々「スクールアイドルはやめたそうです。」

 

侑、或人「「……えっ?」」

 

2人の思考が停止する。

 

菜々「彼女だけではありません。このスクールアイドル同好会は……」

 

言いながら部名が書かれたプラカードに触れ、それを何の躊躇なく取り外した。

 

菜々「只今をもって、廃部となりました。」

 

侑、歩夢、或人「「「えぇえ!?」」」

 

取り付く島もない残酷な現実を突き付けられ、3人は大きくショックを受ける。

 

菜々「失礼します。」

 

菜々は言うだけ言うと、去っていった。

 

侑「……そんな……」

 

或人「………」

 

歩夢「っ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演劇部専用広場にて。

 

しずく「明日もまた同じ日が来るのだろう!幸福は一生こないのだ!けれども……!」 

 

桜坂しずくはそこで演劇の練習をしていた。

 

部長「はい!そこまで!じゃあ最後にグラウンド10周!」

 

部員達「「「「えー!!」」」」

 

部長がいきなりそんな事を言ってきたので、部員達は不満そうだった。

 

部長「文句を言わずさっさと行く!」

 

そして部長はしずくの肩を掴みこう言ってきた。

 

部長「しずく、聞いたよ。同好会の件。掛け持ちじゃなくなったんだし、これからは演劇部に専念出来るんでしょ?」

 

しずく「………」

 

しずくはうつむいたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

虹ヶ咲学園中庭の片隅では、中庭のベンチで枕で寝ている少女の名は近江彼方。

 

彼方「……ハッ!?」

 

突然驚いて飛び上がるように目を覚ました。

 

彼方「まずい!もう夕方じゃん。急がなきゃ、またせつ菜ちゃんに……あっ。」

 

そこまで言って、彼方は思い出す。

 

彼方「もう、怒られないんだっけ……」

 

寂しそうに、再び枕に顔を埋める彼方。

 

 

 

 

 

 

 

 

虹ヶ咲学園食堂にて。

 

エマ「ハァ……」

 

彼女はスイスからの留学生エマ・ヴェルデ。

 

果林「元気ないわね、エマ。」

 

コーヒーを片手にやって来たのは彼女の友人である朝香果林。

 

エマ「果林ちゃん……モデルのお仕事は?」

 

果林「今日は休み。」

 

エマ「そう……」

 

エマは微笑むが、すぐに心ここにあらずな顔で景色を眺める。

 

果林も同じように景色を眺めながら、何気なくエマに訪ねた。

 

果林「どうするの?スクールアイドル。」

 

エマ「部長のせつ菜ちゃんに話そうとしたんだけど、連絡着かないんだ。少し活動を休止するだけって話だったのに……」

 

エマの表情は困惑、寂しさ、喪失感が混ざっていた。果林は同好会が活動休止の筈が、何故廃部にという話になったのかがおかしいと思っていた。

 

果林「そんな顔しないで。」

 

エマ「んぅ……?」

 

エマが顔を上げると、果林はコーヒーを一口飲んで、頼れるお姉さん感が溢れる言葉をかけた。

 

果林「力になれる事あるかしら?」

 

エマ「ッ!!」

 

 

 

 

 

 

中須かすみは1人帰り道を歩いていた。

 

かすみ「ぐぬぬぬぬぬ!かすみんはやっぱり諦めませんよ!!」

 

少女達がそれぞれの悩みと向き合っていた頃、何処かで何かが動き出そうとしていた。

 

 

 

 

 

デイブレイクタウンにて。

 

ここはサイバーテロリスト滅亡迅雷.netの拠点である。

 

滅「とうとうこの日が来た。マギア作戦を実行に移せ。」

 

迅「1年待ったよねー。それでどうやってやるの?」

 

迅が滅の近くまで来て質問した。

 

滅「ヒューマギアのシンギュラリティを利用するんだ。」

 

迅「シンギュラリティ?」

 

滅「自我が芽生えた人工知能が人間を超える。今こそ人類を滅ぼす時が来た。」

 

滅は迅にベルトを渡し、迅はニヤリとしていた。

 

滅「かつてのこの街のように……」

 

 

 

 

 

 

 

飛電インテリジェンス社長室にて。

 

イズ「飛鳥社長。衛生ゼアからの命令が受信されました。」

 

飛鳥の秘書イズのヒューマギアモジュールが光って、飛鳥に内容を伝えた。

 

飛鳥「……分かった。遂に来てしまったんだなこの日が……あいつを巻き込みたくないんだが……」

 

そう言って飛鳥は何が入ったアタッシュケースを持ってイズと一緒に社長室を後にした。

 

 

その頃、飛電インテリジェンス廊下にて。

 

廊下では副社長の福添准と専務の山下三造と副社長のヒューマギア秘書シェスタが会話をしていた。

 

福添「ぐぬぬ……!どうすれば社長になれるんだ……!」

 

山下「もう1年になりますからね。」

 

シェスタ「1年も何をやっているのですか?」

 

福添「そ、それは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

学園の近くのベンチにて。

 

侑「歩夢ー、それ何味?」

 

歩夢「限定のラクレットチーズ蜂蜜。食べる?」

 

侑「食べる!」

 

或人「俺も!」

 

歩夢「じゃあ3等分だね。」

 

侑と或人がそう答えると、歩夢はやたらコッテリしてそうなパンを3等分にした。

 

歩夢「はい。」

 

歩夢は2つを侑と或人に渡し、3人は同じタイミングで頬張る。

 

侑「美味しいねっ!?」

 

歩夢「うん♪」

 

或人「だな!」

 

食べている最中、歩夢がこう言ってきた。

 

歩夢「残念だったね……」

 

侑、或人「「えっ?」」

 

歩夢「せつ菜さん……でも!学校にはいる筈だし、会おうと思えば!」

 

侑「それはいいよ。」

 

歩夢の慰めたい気持ちが分かったのか、気にする必要はないと言った調子でそう言った侑は、夕焼けを見上げる。

 

侑「やめる理由があったんだろうし……」

 

侑はそう言ってしばらく黙った。或人は無言で2人を見ていた。そして再び侑は口を開く。

 

侑「やっぱり、難しいのかな?……夢、追いかけるのって。」

 

まだ駆け出したとはいえ、ショックから完全な立ち直った訳ではないのだろう。

 

歩夢「……えっ?」

 

首を傾げた歩夢に、侑は向き直って言う。

 

侑「アイドルやるって、そういう事でしょ?自分の夢は、まだ、無いけどさ……夢を追いかけてる人を応援できたら、私も、何かが始まる!……そんな気がしたんだけどな……」

 

歩夢「………」

 

歩夢は何も言えなかった。すると或人が口を開いた。

 

或人「……俺も難しいと思うよ。夢を追いかけるのは……」

 

侑「或人?」

 

歩夢「或人君?」

 

或人はベンチから立って侑の瞳を真っ直ぐ見て言う。

 

或人「夢を追いかけるのも叶えるのも難しいに決まってる。それでも、叶えた瞬間が嬉しいから、人は夢を追いかけられると思うんだ。それに侑がそんな顔だったさ俺も歩夢も落ち込んじゃうよ。侑は笑顔が似合ってるよ!」

 

侑「或人……」

 

語気は強く、それでいて勇気を与えるような暖かさがあった。

 

或人「侑がそんな顔だとクマっちゃうな〜!!クマだけに!はァい、アルトじゃ〜〜、ないと!!」

 

歩夢「はぁ……」

 

侑「ぷっ!あっはははははは!!」

 

或人の寒いダジャレに歩夢は呆れていて、侑は大爆笑していた。

 

歩夢「もう、クマと困っちゃう合わせただけでしょ?」

 

或人「ギャグは説明しないで〜!!」

 

侑「はははは……でもありがとう或人!」

 

侑は笑い終わった後に或人にお礼を言った。

 

侑「とりあえず、お台場寄って帰ろっか!」

 

侑はそう言い歩夢と或人もその後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お台場にて。

 

3人は昨日行ったショッピングモールで商品を見ていた。

 

 

そしてせつ菜が昨日ライブを行っていた場所は、お笑いヒューマギアがステージを使っていて、たくさんのお客さんが来ていた。

 

腹筋崩壊太郎「腹筋パワー!!」

 

腹筋崩壊太郎は自分のパーツを飛ばすと、お客さんが大爆笑していた。

 

 

 

その後、他のお笑い芸人の出番のため腹筋崩壊太郎は舞台裏にいた。舞台裏でさっきお客さん達が笑っていた光景を思い出してにっこりしていた。

 

だが何故自分は笑っているのだろうと疑問に思う。

 

迅「みーっけた。」

 

するとそこに迅が現れ、先程滅から貰ったベルト、『ゼツメライザー』が腹筋崩壊太郎に装着されてしまう。

 

腹筋崩壊太郎「ぐっああ……ぐっ、ぐっああ……」

 

迅「君は僕の友達だ。この場所を破壊して!」

 

腹筋崩壊太郎「うぅっ……出来ません!私の仕事は……人を笑わせる事だから……!」

 

腹筋崩壊太郎は必死に抵抗していた。

 

迅「違うって。君の仕事は人類滅亡だよ?」

 

するとヒューマギアモジュールと目が赤く光り、強制的にハッキングされてしまう。

 

腹筋崩壊太郎「滅亡迅雷.netに接続。」

 

迅「はい。」

 

迅からべローサゼツメライズキーを受け取る。

 

 

 

 

 

 

3人はそろそろ帰ろうとしていた。

 

侑「さて、そろそろ帰ろうっか!」

 

或人「そうだね!」

 

歩夢「うん。」

 

そう言って帰ろうとした瞬間、

 

ヒューマギア「離してください!!」

 

腹筋崩壊太郎が1体の係員ヒューマギアを掴んで投げ飛ばした。

 

腹筋崩壊太郎「私の仕事は、人間を笑わ……滅亡させる事!」

 

『べローサ!』

 

『ゼツメライズ!』

 

べローサゼツメライズキーをゼツメライザーに装填し、べローサマギアへと変貌した。

 

べローサマギア「人間を皆殺しにする……!」

 

べローサマギアは近くにいた2体の作業員ヒューマギアを緑色のコードでハッキングしてトリロバイトマギアに変貌させた。

 

そして人々に襲いかかった。

 

侑「ヒューマギアが変わった!?」

 

歩夢「2人とも逃げよう!!」

 

或人「やめろ!」

 

侑、歩夢「「或人(君)!?」」

 

或人はべローサマギアに立ち向かっていくが、投げ飛ばされてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、暴れて人々を襲っている大量のトリロバイトマギアの所に人工知能特務機関A.I.M.Sの車が到着し、中からA.I.M.Sの隊員達が出てきた。

 

そしてA.I.M.Sの技術顧問の刃由香がこう言った。

 

由香「暴走するヒューマギアのデータを収集する。総員……」

 

指示をされる前にA.I.M.Sの隊長不破勇が銃をぶっ放した。

 

勇「残らずぶっ潰す!」

 

その合図で残りの隊長達はトリロバイトマギアを攻撃し始めた。

 

由香「最後まで聞いてから撃て!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

侑「或人!或人!」

 

歩夢「或人君!或人君!」

 

気を失っている或人を必死に起こそうとしている2人。或人は目を開けて2人に支えられながら立つと、そこらに瓦礫が散乱していてべローサマギアとトリロバイトマギアが人々を襲い暴れまくっていて、地獄絵図となっていた。

 

或人「どうなってる……?」

 

侑「分からない……」

 

歩夢「さっきからずっとだよ……」

 

3人が呆然としている中、べローサマギアが1人の少女に襲いかかろうとしていた。

 

べローサマギア「皆殺し。」

 

或人「やめろ!!」

 

慌てて、べローサマギアの背後から止めにかかる或人。

 

或人「早く逃げて!」

 

そう言われた少女は逃げていった。だが或人はあっさり殴り飛ばされる。

 

侑、歩夢「「或人(君)!」」

 

するとそこにアタッシュケースを持ったイズと飛鳥がやって来た。

 

飛鳥「或人!!クソ!」

 

飛鳥はイズが持っているアタッシュケースからベルトを取り出して装着してプログライズキーのボタンを押してベルトにかざすが、変身出来なかった。

 

飛鳥「なんでだ!!俺じゃ駄目なのか……?」

 

べローサマギア「人類に夢を見る未来は来ない。ハハハ……!」

 

高笑いするべローサマギア。その言葉に或人はある事が脳裏によぎる。

 

侑『やっぱり難しいのかな?……夢を追いかけるのって。』

 

其雄『或人……飛鳥……。夢に向かって……飛べ……』

 

侑の言葉と父の最後の言葉がよぎる。

 

或人「笑うな!!」

 

或人はべローサマギアに向かってそう言った。

 

或人「何も分かってないくせに人の夢を笑うんじゃねぇよっ!」

 

べローサマギア「分かっている。夢とは将来の目標や希望、願望を示している。」

 

或人「人の夢ってのはなぁ……!検索すれば分かるような、そんな単純な物じゃねぇんだよ!!」

 

夢とは決して単純なものではない。人が生きていく為には必要なものだ。

 

侑、歩夢「「或人(君)……」」

 

或人「兄さん。そのドライバーがあればアイツをどうにか出来るんだよな!」

 

飛鳥「……あ、あぁ。」

 

イズ「はい。その通りです!」

 

或人「だったら、それを俺にくれ!」

 

イズ「承知いたしました。或人様。」

 

イズは飛鳥からベルトとプログライズキーを受け取って或人に渡す。

 

イズ「ゼロワンドライバーを腰に装着してください。」

 

『ゼロワンドライバー!』

 

ゼロワンドライバーを装着すると同時に、視界が真っ白になる。

 

或人「なんだここ……?」

 

イズ「ここは衛生ゼアの思考回路。或人様の脳は今衛生に無線接続しています。」

 

或人「つまり今俺は?」

 

イズ「人工知能と同じ思考速度を持った状態という事です。」

 

ヒューマギアは、人間の1000倍の思考速度を持っている。

 

イズ「このままでは5秒後に或人様は死亡します。」

 

べローサマギアがエネルギーカッター状の攻撃を放とうとしている。

 

或人「えっ……?」

 

イズ「それまでにマニュアルをラーニングしてもらいます。」

 

或人「使い方を学ってことか。」

 

『チュートリアルモードを実行します』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トリロバイトマギアに銃撃をするA.I.M.S隊員達。

 

ゼロ距離からの銃撃でも倒せていなかった。

 

勇「埓があかねぇ。」

 

車の中に戻って違う銃が入ってあるガラスを割って、銃を手にする勇。

 

由香「待て不破!私の許可なくそれを持ち出……」

 

すると勇がいきなり撃った。由香の顔をぎりぎりすり抜け、背後に来ていたトリロバイトマギアに命中。

 

勇「どけ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュートリアルを終えた或人。

 

或人「ラーニング完了!」

 

ライジングホッパープログライズキーのボタンを押す。

 

『JUMP!』

 

認識待機状態に移行したプログライズキーをベルトの『オーソライザー』にかざす。

 

『Authorize!』

 

衛生ゼアからライダモデル『バッタ』が転送され、べローサマギアの斬撃を踏み潰す。

 

プログライズキーを展開しキー状態にし、キーをベルトに差し込む。

 

或人「変身!」

 

『プログライズ!』

 

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!"A jump to the sky turns to a rider kick"』

 

蛍色のイエローの装甲に、赤とシルバーのラインが体を走る。そして、大きな真っ赤な複眼がべローサマギアを見つめる。

 

べローサマギア「何だお前は……」

 

ゼロワン「ゼロワン!それが俺の名だ!」

 

或人は仮面ライダーゼロワンライジングホッパーに変身した。イズがゼロワンからアタッシュケースを受け取る。

 

侑、歩夢「「或人(君)が変わった……」」

 

ゼロワン「おりゃあ!!」

 

べローサマギア「はっ!」

 

ゼロワンはべローサマギアの攻撃をかわすためにジャンプをすると、建物の屋上までジャンプしていた。

 

ゼロワン「脚のパワー半端ねぇぇぇ!?」

 

べローサマギアの眼から放つ光線をものともせずに突進してパンチをお見舞いする。

 

そこに2体のトリロバイトマギアがゼロワンに攻撃してきた。

 

ゼロワン「はっ!おりゃ!」

 

イズ「或人様!」

 

戦闘中のゼロワンにアタッシュケースを投げるイズ。

 

ゼロワン「痛ぇ!!」

 

イズ「或人様!すいませんでした!」

 

ゼロワン「大丈夫。大丈夫。」

 

『ブレードライズ!』

 

アタッシュケースから剣に展開した。

 

ゼロワン「はっ!おりゃ!よいしょ!」

 

アタッシュカリバーでトリロバイトマギアを斬撃。べローサマギアがゼロワンに襲いかかる。

 

その戦闘の様子を迅が見ていた。

 

迅「ハハハハッ!!行け行け!!ハハッ!」

 

子供みたいにはしゃいでいいると、いきなりトリロバイトマギアが迅に襲いかかるが、逆に捕まえて笑いながら銃で撃ち抜いた。

 

ゼロワン「はっ!」

 

べローサマギア「はっー!」

 

 

 

 

(REAL×EYEZ)

 

 

 

 

べローサマギアはエネルギー状のカッターを放つがゼロワンは華麗にかわす。

 

ゼロワン「はっ!」

 

更には宙へ吹っ飛ぶ車の上を飛び乗り、吹っ飛んでいるバスの中に侵入し、そこでも攻撃をかわす。

 

『次、止まります』

 

そのままべローサマギアに突っ込み右パンチを炸裂。

 

ゼロワン「お前を止められるのはただ1人。俺だ!」

 

『ライジングインパクト!』

 

高速で接近しべローサマギアを蹴り上げ、連続で蹴り落とし上空からライダーキックを炸裂させる。

 

 

 

 

 

 

グインパクト

 

 

べローサマギア「ぎゃあああぁあー!!」

 

べローサマギアを撃破した。

 

ゼロワンは上手く着地しようとしたが、足をくじいてしまった。

 

ゼロワン「痛っ!!ああ……はっ……はぁ……止まった……」

 

 

 

 

A.I.M.Sはトリロバイトマギアを撃破していた。

 

由香「忙しくなりそうだな……」

 

勇「歴史は繰り返すのか。」

 

勇は倒れていたトリロバイトマギアに銃撃を打ち込みそう言っていた。

 

 

 

 

 

デイブレイクタウンにて。

 

迅が回収したゼツメライズキーを滅に渡す。

 

滅「ゼロワンか……」

 

迅「先代社長もただでは死ななかったみたいだね。」

 

滅「いずれにしよ、人類は絶滅危惧種になる日は近い。」

 

デイブレイクタウンの湖のそこではゼアに似た衛生が怪しく光っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お台場から帰ってきた侑達は自分達のマンションの近くまで来ていた。

 

侑「も〜う、私達凄い心配したんだからね!」

 

或人「ごめんって!次は気をつけるから!」

 

侑「もう……///」

 

侑の頭に或人が手を置いたために侑は頬を赤くしていた。

 

侑「歩夢。心配したよね……歩夢?」

 

或人「どうしたの?」

 

2人は歩夢の方を見ると、自分の中の答えを見つけ、決意したような表情だった。

 

やがて歩夢は、

 

歩夢「3人で……」

 

始まりとなる言葉を言う。

 

歩夢「3人で始めようよ!侑ちゃん!或人君!」

 

侑、或人「「……えっ?」」

 

最初こそ2人は分からずにいた。歩夢は息を整え、言葉を選ぶように慎重に続きを語る。

 

歩夢「私も見てたの。動画、スクールアイドルの。せつ菜さんのだけじゃなくて、たくさん……本当に凄いと思ったよ!」

 

侑を元気付けた或人の姿に感化されたとか、或人の言葉に流されたわけじゃない。

 

歩夢「自分の気持ちをあんなに真っ直ぐ伝えられるなんて!スクールアイドルって、本当に凄い!私もあんな風に出来たら、なんて素敵だろうって!」

 

それが、上原歩夢の本当にやりたい事。

 

侑、或人「「歩夢……」」

 

歩夢「ごめんね?最初に言えなくて。本当は私もせつ菜さんに会ってみたかった。けど、会っちゃったら、自分の気持ちが止まらなくなりそうで怖かったの。それでも……」

 

自然と歩夢は拳を握る。

 

歩夢「動き始めたなら、止めちゃいけない。我慢しちゃいけない。」

 

歩夢は両手を胸の前で重ねると、2歩ほど進んで、目をギュッと閉じ、自分の気持ちに蓋をしている何かを開けるような表情を浮かべる。

 

2人は黙ってそれを見守っていた。

 

歩夢「私、好きなの!ピンクとか可愛い服とか今でも大好きだし、着てみたいって思う!」

 

そして歩夢は2人に近づき、或人の右手と侑の左手を取ると、こう言った。

 

歩夢「自分に素直になりたい。だから、見ててほしい。」

 

そう言った歩夢は持っていた鞄を置き捨て、階段を駆け上がり、途中の所で止まって侑と或人の方に振り返る。

 

歩夢「私は!!スクールアイドル、やってみたい!!」

 

侑、或人「「はぁっ……!!」」

 

2人は嬉しそうな声を漏らす。

 

そして、歩夢は大きく深呼吸をすると、共に歩む夢を歌った。

 

 

 

 

 

(Dream with You)

 

 

 

 

ピンク色の花弁が舞う中で、2人は何を思い幻想していたのだろう。

 

歩夢の歌は終わり、彼女はゆっくりと階段を下りて、鞄を広って中から3つのパスケースを取り2人の前に立つ。

 

歩夢「今はまだ……勇気も自身も、全然だから。これが、精一杯。」

 

歩夢は2つのパスケースを渡す。

 

歩夢「私の夢を一緒に見てくれる?」

 

自然と歩夢の瞳が潤む。

 

そして侑がパスケースを受け取り最初に歩夢に告げた。

 

侑「勿論!いつだって私は、歩夢の隣にいるよ!」

 

次に或人もパスケースを受け取り告げる。

 

或人「勿論だよ。侑と同じで俺も歩夢の隣にいるよ!」

 

歩夢「っ〜〜〜〜!!」

 

嬉しさを超えた何かが、歩夢の心を埋め尽くし、ちょっぴり涙が出ていた。

 

それでもそれを抑え、歩夢は咲き誇る笑顔を向けた。

 

歩夢「うんっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その会話を聞いている者がいた。

 

イズ「ふふっ。」

 

それはイズだった。すると突如イズの髪がロングヘアーになり、ヒューマギアモジュールが青から赤に変わり、更には髪が赤色に分かった。

 

彼女の名前はアズ。

 

アズ「ふふっ、アーク様。全て計画通りですよ。」  

 

 





第2話 AIなアイツは敵?味方?




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