主人公に成って絶賛記憶喪失だけど、何故か全キャラの好感度が既にMAX なんだが?!   作:ひまなめこ

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13話 全部俺が悪うござんした…。

あの後、俺は目の前の紫色の髪をした派手目な服装の女性ゼーレによってナターシャ諸とも叩き起こされ、現在ナターシャと仲良く診療所の床で正座させられている。

 

「百歩譲って…ナタが寝ていたのは良いわ。むしろナタには休みが必要なんだから普段からもうちょっと寝て欲しいくらい。…けど、問題はあんたよ、穹!急に消えて、急に戻ってきたかと思えば、ナタと同じベッドで………不潔!この獣!」

 

大人しく正座している俺とナターシャの前でゼーレはコロコロと表情を変えながら、俺達に説教をしてくる。

 

 

「あれにはやむにやまれぬ事情があったんだ。別にやましい気持ちなんて無かった。」

 

泣き疲れて寝てしまったナターシャが俺を掴んで離さなかったから、止む終えず同じベッドで寝るしかなかったのだ。

 

…断じていやらしい事なんてこれっぽっちも考えて無いぞ!

 

「誰があんたの話を信じるのよ!私覚えてるんだからね、あんた昔『色気のある大人びた女性が好き』って言ってた事。」

 

 

おい、待て何で俺の性癖が暴かれているんだ?

過去の俺は一体なにしてんだ?

オープンか?性癖オープンしてのか?流石に正気を疑うんだが…。

どんな教育受けたら自分の性癖をそんな大々的に暴露すんの?

しかも、ゼーレ…女性にだよ!?

 

「…後、ベッドの裏に隠してたエロ本は巨乳のばかりだったわ。」

 

「は?」

 

え?何?エロ本?

俺、エロ本をベッドの下に隠してたの?ベタすぎじゃね?

俺だったら、そもそもアナログの本じゃなくてデジタルで買ってパソコンに保存するんだが?

 

「後、パソコンに保存されていたのは義母系のいかがわしいビデオだったわ…。」

 

ーーー 全部コンプリートしてる?!

 

逆に良くもまあ、そんなに俺のプライバシーを暴きに暴けるよね!

凄いよゼーレさん!脱帽だね、俺これからからどんな顔してベロブルグを歩けば良いんだよ…。

 

「あんたの癖、全部ナタに当てはまってるじゃない!これでもあんたはナタにいやらしい感情を抱いてないって言えるの?」

 

「…。」

 

くそ…、ぐうの音も出ない。

ここまで証拠が上がってると、もう言い訳のしょうがないな…。

 

「…わかった、認めるよ。俺はナターシャをそう言う目で見てました。」

 

「…っ。」

 

「やっぱりね…。」

 

俺の言葉にナターシャは顔を赤らめて、ゼーレは呆れたように肩を竦めて、ため息を吐いた。

 

ここまで性癖を暴らされてはもう認めるしかない。

いっそのこともう吹っ切れて全部言ってしまおうか。

 

「だが、ゼーレ。一つだけ言わせてくれ。」

 

「何よ?この期に及んでまだ言い訳するつもり?」

 

言い訳?

そんなもの、もう必要ない!

俺はもうこれ以上失うものはない。

なら、もう全部さらけ出してやる!

 

「ゼーレ、お前の事もいやらしい目で見てるんだ!」

 

「…………………………………………………、はあ!?」

 

突然の俺のカミングアウトにより、ゼーレの顔は梅干しのように真っ赤…いや、もはや紅に染まる。

 

「あっあんたね!いきなりなんて事言うのよ!」

 

「事実を言っただけだろ!本当の事を言って何が悪い!」

 

そうだ!本当の事を言って何が悪い!

性癖だろうと、悪癖だろうと、全てさらけ出した方が、事実を隠して偏向報道するテレビ局よりも何百倍も印象良いだろうがよ!

 

俺はゼーレもナターシャもどっちも好きだ!理由はエロいから!

そして、なのかも姫子もヘルタもアスターもペラもセーバルもカカリアもブローニャも好きだ!

 

ーーー 何ならスタレキャラ全員好きだーーーー!!!!

 

「お前が俺の性癖、散々暴露したせいで、こちとらもう失うものねえんだよ!心行くまで、俺の気持ち伝えたろか?」

 

俺がそう言い切るとナターシャとゼーレは顔を真っ赤にしたまま、黙って顔を俯いた。

 

「……てけ……たい!」

 

「うん?何て?」

 

俯いたままのゼーレが何かを呟くが全く聞き取れない。

 

「出てけ!変態!二度と帰ってくんな!」

 

そう怒鳴って、ゼーレは俺を診療所から追い出し、ガチャりと鍵まで閉めてしまった。

 

「…やり過ぎたか?」

 

完全に…ハイ!!…に成ったせいで、色々やらかしてしまったらしい。

どうしよう、他に行く宛も無いしな…。

 

「あれ?…穹お兄ちゃんだ!」

 

「ん?」

 

診療所から閉め出されて、途方に暮れていると、何処からか幼い女の子が俺を呼ぶ声が聞こえた。

 

「君達は…誰だ?」

 

振り向くと、金髪の頭に毛深いボアバケットハットを被った年齢一桁代くらいの幼女と白髪に赤いオーバサイズのコートを羽織った裸足の少女がそこにいた。

 

「穹お兄ちゃん…あたし達の事忘れちゃったのか?」

 

「そんな…穹お兄さん…なんで…。」

 

 

俺がそう尋ねると金髪の幼女と裸足の少女は悲しそうな表情を浮かべながら、目に涙を溜める。

 

「ごっごめん、俺記憶喪失なんだ。」

 

「…きおくそうしつ(?)って何だ?」

 

流石にこんな小さな女の子には難しかったか…。

えーと、どう説明したら良いんだ?

俺一人っ子だったから、こう言う小さい子の扱い苦手なんだよな…。

 

「フックちゃん…記憶喪失って言うのは今までの思い出全て忘れちゃったって言う事なんですよ。」

 

「おー!そう言うことか!流石クラーラ、物知りだな!」

 

 

どう噛み砕いて説明しようか悩んでいると、裸足の少女が金髪の幼女に分かりやすく記憶喪失について説明してくれた。

 

…て言うか、今お互いに名前で呼んでいたよな?

もしかして、この子達がフックとクラーラなのか?

 

「フックちゃん、穹お兄さんは記憶喪失みたいなので、もう一度自己紹介しないと行けませんよ。」

 

「えっと、なんか良く分からないけど…わかった!」

 

そう言って、フックと呼ばれた幼女は胸を張って俺を見つめて、声高らかに自己紹介を始める。

 

「あたしはモグラ党のボス!ドスクロのフック様だぞ!そしてこっちが最近入ってきた参謀の…。」

 

「クラーラはクラーラと言います。えと…改めてよろしくお願いします。」

 

やはり、この二人はフックとクラーラだったらしい。

 

しかし、この二人が一緒にいるのってかなり珍しいのではないか?

…いや、珍しいどころかありえない筈だよな…。

 

ゲームではヤリーロのメインストーリーの終盤まで、この二人は特に接点は無かった筈だ。

 

一応は【地炎】と関わりのあるフックと【地炎】と敵対関係にあったスヴァローグによって育てられたクラーラとでは立場が違い過ぎて、一緒にいる機会なんて殆ど無かった筈だ。

 

なのに何故、この二人が一緒にいる?

 

「えっと、クラーラちゃんとフックちゃん。二人は一体ここで何を?」

 

「何ってそれは……あっ!忘れてた!魔女ババアに早くホウコク(?)しなくちゃいけないんだった!」

 

俺の質問に対し、フックは何かを思い出したかのように大きな声を出して、忙しなく慌て始める。

 

報告って一体何を報告に行くんだ?

 

「今、採掘所で鉱夫達と流浪人達が新しく発見された地随鉱脈を巡って争っているんです。スヴァローグ…えと、クラーラの育ての親が仲裁をしているんですけど、それも時間の問題で…。」

 

だから、助けを求めてナターシャの所に来たって訳か。

しかし残念、ナターシャは今その鉱脈の問題に応じれる状態ではない。

 

…まあ、全部俺のせいなんだが。

 

「ナターシャは今、色々とあって…そりゃもう、紆余曲折あって、自由に動けんのだ。」

 

「そんな…。」

 

そんな悲しい顔しないで…罪悪感が凄いから。

 

流石に言えねえよ…性癖ばらされて、自暴自棄になって暴走したら、摘まみ出されたって…。

 

…仕方ない、ここは俺が責任とって人肌脱ぐか。

 

「安心しろ。ナターシャの代わりに俺が行く!」

 

「「本当(です)か!」」

 

俺の言葉に二人は顔をパアッ!と明るくさせる。

 

こんな可愛い子供から笑顔を奪う訳には行かない!

行くぞ!鉱夫達と流浪人が争わない世を作るために!

 

「二人とも案内頼めるか!」

 

「任せて下さい!」

 

こうして俺はクラーラとフックの案内に従って、採掘所に向かうのだった。

 

それにしてもスヴァローグが争いの仲裁ってなんか意外だな。

原作のシナリオによれば、今の時期のスヴァローグって結構人間にドライだから、人間同士で争ったら、喧嘩両成敗で鉱夫達と流浪人両方共滅多打ちにするイメージなんだけど…。

 

やっぱり、原作と解離しちゃった?これ誰のせい?……あー俺か…。

 

 

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