主人公に成って絶賛記憶喪失だけど、何故か全キャラの好感度が既にMAX なんだが?! 作:ひまなめこ
クリフォト城 謁見の間。
そこには、このベロブルグの大守護者にして、ブローニャの母であるカカリア・ランドが行方不明になった愛娘の帰りを心労に染まった顔色で待ち続けていた。
そんな彼女に近付く影が一つ。
「カカっ…大守護者様、只今戻りました。」
その影の正体はカカリアの娘にして、シルバーメインのリーダーブローニャ・ランドその人である。
「ブローニャ!…良かった…無事で…私はお前を失うかと…。」
生死、行方共に不明であった愛娘の無事な姿を目にして、カカリアの眉間に寄ったシワが緩み、全身から力が抜ける。
カカリアはよろよろと覚束ない足取りでブローニャに近づき、娘が無事であると言う現実を噛み締めるように抱きつく。
「本当に…ブローニャなのだな?無事で…本当に良かった。」
「おう!ウチは今からブローニャだよ!」
しかし、ブローニャの様子が明らかにおかしかった。
「ブッブローニャ!?どうしたその口調は?」
「あっやっべ…なっなんでもないです!お母様に元気な姿をお見せしたくて、ちょっとしたジョークを…。」
「…そっそうか…まあ良い。それよりも、貴様はこの数日の間何処へ行き、何を見てきた?」
何やら様子がおかしいブローニャは何とかしてカカリアを誤魔化す事に成功し、そのまま会話は自然な流れへと軌道修正された。
「…指名手配犯達と共に下層部に行き、星核と言う存在の謎について知りました。」
「何?」
「教えてください!星核とはなんなのですか!あなた様は一体何をお隠しに去られているのですか!」
「…。」
ブローニャの話にカカリアは黙りを決め込む。
その沈黙は暗に自分は星核について知っていると言う事実を自ら肯定してる事になる。
それを本人もわかっているようで、その顔からは先程帰ってきたブローニャに対して向けられた安堵の表情からは想像も出来ない程に苛立ちと焦燥に歪んでいた。
「大守護者、良いんですね?そこで黙りを決め込むってえ~事は自分が隠し事をしていることを認めるって事で良いんですね?」
「黙れ!…たかが氷山の一角を見ただけで、全てを知ったつもりになりおって!浅はか…傲慢…無知…失望したぞブローニャ。真の絶望を知らぬまだ青い小娘が!貴様に何が分かる!」
ブローニャの言葉に遂に堪忍袋の緒が切れたカカリアが謁見の間全体に響き渡る程の怒号を発して来た。
しかし、その怒号を受けて、ブローニャの様子が再び豹変する。
「…絶望…絶望か…そんなの、もうとっくに
「…っ!ブローニャ…?」
「へっ?…あっいや…何だ?今の…口が勝手に…。」
ブローニャの口から飛び出た言葉、それはブローニャ本人も預かり知らぬ内に勝手に口が動いて出た言葉…身に覚えの無い記憶により反射的に出た言葉であった。
「まあ、良い。そんなに真実を知りたいのなら、私に着いてこい。全てを見せてやろう。」
そう言って、カカリアはブローニャを連れて、この星の真実が眠る地へと向かうのだった。
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一方その頃、なのか達は。
「いや~驚いたよ。今朝気が付けば、あたしの店の前に指名手配犯が雁首揃えて集まってるんだもん。」
「もう、からかわないでよ!」
無事にセーバルが経営する、からくり工房にたどり着いていた。
「無駄話はあとにしろ。それよりもさっき話した事についてだが…。」
丹恒はこの状況を茶化すセーバルとそれに一々リアクションを取るなのかを宥めて、早速本題に入る。
と言うのも、丹恒達は上層部に戻って来て、このからくり工房に逃げ込む過程で既にセーバルに事の経緯を話している。
今現在はセーバルの返事待ち…協力してくれるか、それともホラ話と見なして見放されるか…。
「星核の話についてだよね?…うん、信じるよあんた達の話。何せ私は昔、星核の研究をしていたからね。」
「え?そうなの!」
「まあ、結構昔の話だけどね。あの時は熱に浮かれたように星核の研究を進めていた。けど、後少しで星核の真実に辿り着くと言う所であんた達見たいにカカリアに嵌められたのさ。」
セーバルの語る過去は丹恒達が予想だにしないものだった。
よもや、この星に星核の存在を認知して研究をしているものが、まだこんな近くにいたとは…。
まさに目から鱗である。
「こう見えてカカリアとは昔親友だったんだけどね…。あいつは大守護者になった途端に豹変しちゃって、今やあの様さ。今でも忘れないよ…あいつに裏切られた時の気持ち…。でも、あいつがああなった原因が星核なのだと言うのなら、元星核の研究者として、元あいつの親友として指を咥えて大人しく滅びの運命を待つなんてまっぴらごめんだよ。」
「それって…。」
「ああ!私はあんた達に協力する!お姉さんにまっかせなさい!こちとら、既に星核の居場所特定しちゃってんのよ!自分で言うのもなんだけど、それなりに役に立つよ!」
こうして、パーティにセーバルが加わり、星核が眠る地シルバーメインが戦っている裂界最前線へと向かい、星核とカカリアを止める戦いが始まる…筈だったのだが…。
「姉さんと穹を誑かす指名手配犯め!もう、観念しろ!貴様らは完全に包囲されている。」
案外あっさりと…いや、ある意味では原作通りにセーバル達はジェパード率いる裂界最前線のシルバーメイル隊員達に囲まれてしまった。
「どっどうしよう…囲まれちゃったよ…。」
「どうもこうもないでしょ!こうなったら片っ端から片付けてやるわ!」
正に一触即発。
シルバーメイン達と開拓者チームの戦いが幕を開こうとしていた。
がしかし、その戦いを止める者がいた。
「止めて、ゼーレ。無益な争いをしている場合では無いわ。」
「ちょっと、あんた口調!」
今にもシルバーメインに襲いかかろうとするゼーレを止めたのは、先程まで一言も喋らなかった穹。
しかし、彼の口調や纏う雰囲気はいつもの彼からは掛け離れた物であった。
まるで、お上品なお嬢様のような立ち居振舞い。
男性で愉悦の塊である穹では決してあり得ない態度であった。
「穹どうしたの?何か今朝から雰囲気が違うんだけど。」
「ごめんなさい、三月さん。騙すつもりは無かったの。これには訳が有って…。それよりも今はこの状況を何とかしないと…。」
困惑するなのかを宥めて、穹(?)はシルバーメインに向き直る。
「両軍矛を収めさない!大守護者がいないこの最前線において、私の発言は大守護者の言葉も同然です!私の命に従い、武器を下ろせ!」
シルバーメインに対してそう命令を下した瞬間、穹の姿が突然変わり…。
「え?」
「何!?」
「そんな…。」
「なんと…。」
その場にいる全員、驚愕の表情で固まる。
何故ならそこにいるのは…。
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一方その頃、ブローニャとカカリアは星核が眠る地 常冬峰に足を運んでいた。
「見よブローニャ、あれが星核だ。あの神々しく輝く星々の結晶こそが、新世界を約束してくれた。」
「あれが…。」
ブローニャの目には禍々しく光る一つの大きな光の塊が映る。
とても、世界を救うような大それた物には見えない。
「聞こえるか?ブローニャ。星核は私達にささやいているのが。今こそ我と共に約束された新世界の礎と成るとき。さあ、ブローニャ…共に星核がもたらす世界をこの目に…「断る」なっ!?」
「さっきから新世界がどうたら、あんたは新世界の神か何かですか?夜神月ですか?こんちくしょう。」
「きっ貴様!やはりブローニャでは無いな。何者だ!」
「バレちまったら仕方ない。潔く正体を現すとしようか。」
そう言って、ブローニャは何か特殊な力を用いて不思議な光を自身の体に纏わせる。
その光はブローニャの全身を包み込み、女性的な丸みを帯びた輪郭から男性的なゴツゴツした輪郭へと変貌させる。
やがて光は収まり、そこに立っていたのはブローニャではなく、本来ここにいる筈の無い穹であった。
「なっ!?穹。何故お前が…?」
「まあ、話せば長くなるんだけどよ。」
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数時間前
「ブローニャ、ゼーレ。俺は今からブローニャと体を入れ換える。」
「「え!?」」
穹の発言にブローニャとゼーレは驚愕の表情を浮かべる。
しかし、その驚愕は「穹にそんな事が出来るの?」と言う疑心からではなく、男性の穹と女性のブローニャが体を入れ換える事に対しての戸惑いと恥じらいによるものである。
「そっそれは流石に恥ずかしいわ…。」
「んーそうか?…なら、こうしよう。俺の姿をブローニャにブローニャの姿を俺に変身させる。これなら恥ずかしくないだろう。」
「えっええ、まあそれなら平気かも?」
こうして穹の能力により、穹とブローニャはお互いの姿へ変身し、穹がカカリアの相手を、ブローニャが丹恒達に動向する事になったのだ。
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「まあ、通わけであんたの可愛いブローニャたんは、あんたの大っ嫌いな指名手配犯達と一緒にいるよ。」
「…くっ!」
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そして、また場面は変わり、シルバーメイン裂界最前線。
「ブローニャ様…。何故この者どもとご一緒に…?こいつらはこの星で悪事を働く犯罪者です。早くこちらへ…。」
「いいえ、彼らは犯罪者ではありません。この者達はこの星を蝕む星核と乱心した大守護者を止めるために、この星に来た天涯の勇者です。彼らの行く手を阻むのならそれは私…時期大守護者へ刃を向ける蛮行に等しいこと。極刑でも生ぬるいわ!」
「…っ!」
「聞け!私は彼らと共にこの星を救うため星核を打ちに行く!この英雄達の道を阻み、大人しく凍える星の未来と共に死を待つことを選ぶ怠け者どもは、どうぞ今からでも私達と刺し違えて自害でもすると良い。だが、あなた達にまだ、生きる気力があるなら…死を恐れる臆病な一面がまだ残っているのなら…この先の未来に希望を見出だしたいのなら…。」
―――黙って私に着いてこい!!
このブローニャの即興演説はその場にいるシルバーメイン達の心を溶かし、そして動かした。
「…分かりました。元よりこの前線において、大守護者様不在時に優先される命令は大守護者様の命ではなく、この場に直接おわす時期大守護者様の命です。僕達にその命に背く権利はありません。」
ジェパードのその言葉を皮切りにシルバーメイン一同は武器を下ろし、モーゼの海割りの如くブローニャ達に道を開ける。
「これより、北限に続く門を開きます。それと同時に裂界生物達が押し寄せてきますが、大一波はこちらで何とか食い止めますので、その隙にお進みください。」
そう言って、ジェパードは門を開き、向こう側から現れた裂界生物達を足止めする。
「くっ!早く!先へ!」
「わかった…。皆行きましょう!」
ブローニャが先陣を切って開拓者一同は北限へと向かう。
ここでちょっとした原作解離ポイント。
本来起こる筈だった開拓者達とシルバーメインの戦いはブローニャの演説によってカットされた。
故に、ジェパード達はそこまで消耗してないため、セーバルはジェパードを心配して、ここで離脱する事が無くなってしまった。
この変化が今後の展開にどの様に影響するのか、それはアッハでも知る由もない。
※しかし、何かあった際はアッハが責任を取ります。
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冗談はさておき、再び場面は変わり、穹とカカリアがいる常冬の峰。
「よもや、最愛の旧友に親子水入らずの場を邪魔されるとはな。」
「前置きは省略して、さっさとバトろうぜ。お互い平行線の信念があんだからよ。」
そう言って、穹は懐からゲーム機本体の様な形をしたベルトとそれに差し込むゲームカセットのような物を取り出した。
「俺の世界じゃ、スタレはもうサ終してんだがよ。どうやら第四の壁の向こうから俺達を観測している世界では、今はバージョン4.2らしい。そして、その4.2のピックアップキャラは銀狼レベル999だ。」
「何の話だ?」
「まあ、簡単に言うとな。同じ愉悦の司令として、すこーしだけ対抗心を燃やしてんだよ俺。だから、俺もゲーマーとして戦う。」
そう言って穹はゲームカセットのスイッチを押す。
―――マイティアクションX!!!
「レベル0だけど…変身!」
―――ガッシャット!!
―――ガッチャン!!レベルアープッ!!
―――マイティジャンプ!マイティキック!!マイティアクショー―ンX!!!
こうして穹は仮面ライダーゲンムレベル0ゲーマーに変身を果たした。
「コンティニューしてでもクリアしてやる!」