主人公に成って絶賛記憶喪失だけど、何故か全キャラの好感度が既にMAX なんだが?! 作:ひまなめこ
「何だ、その姿は?」
「仮面ライダー。正義の為に悪と戦うヒーローだ。」
穹はカカリアの疑問に簡潔に答える。
そして、仮面ライダーゲンムの主力武器であるガシャコンブレイカーを取り出してそれをカカリアに向ける。
「始めようぜ、ボス戦。ソロでクリアしてやる。」
その言葉で戦いの火蓋が切られる。
穹はガシャコンブレイカー ハンマーモードでカカリアに突貫し、攻撃を仕掛ける。
しかし、その様な単調な攻撃はカカリアには通用しない。
そこは腐っても大守護者であり、ヤリーロ編のラスボスである。
カカリアは巨大な氷の塊を形成し、大規模な攻撃を放つ事で穹からの攻撃を防ぐと同時に迎撃する。
「くっ!広範囲技は厄介だな…。星核で強化されているのか…。」
「これが星核の力だ。氷河は全てを飲み込み、世界を一新させる。貴様も新世界の糧となれ!」
「悪いけどそれはごめん被る。ゲームはいつだってハッピーエンドじゃねえとな。ビターもバッドも俺は認めない!お前含め、この星全てを救ってやる!」
穹はプロトマイティガシャットをキメワザホルダーにセットし、勝負を一気に決めるために大技を放つ。
ーーキメワザ!
ーーマイティクリティカルフィニーッシュ!!
「いい加減目を覚ませ!カカリア!」
「目覚めるのは約束された新世界のみ!我々は極寒の中で目を瞑っていれば良い!」
穹はカカリアに対して大技のライダーキックを放つ。
しかし、またもやその攻撃は巨大な氷によって阻まれる。
更に、穹の攻撃を防いだ氷は穹のキックを受け止めると同時に足先から穹の体を凍らせる。
「ぐっ…動けね…。」
「終わりだ…。」
カカリアは凍った穹に向かって氷の槍を放ち、穹の体を貫通させる。
「あがっ!」
ーーゲームオーバー!
その音声と共に穹の変身が解除される。
それと同時に遅れてやってきた丹恒達がこの常冬の峰にたどり着いて、穹が敗れる瞬間を目にする。
「穹!」
「そんな…お母様、なんで…?」
「嫌だよ…穹。またウチを置いて行かないで…。」
「穹!しっかりしなさい!」
「カカリア…墜ちたね。よりもよって穹を手に掛けるなんて…。」
丹恒達は倒れた穹に駆け寄り、各々が絶望の表情を浮かべる。
ゲームオーバーとは即ち、敗北。
ホラーゲームではYOU DEAD と表記される事もある。
つまり、これから穹を待ち受けているのは"死"。
「皆、ごめん。俺何も出来なかった…。」
「そんな事は無い!お前はいつだって俺の…俺達の希望だった。今の俺があるのはお前のお陰だ。だから死ぬな!一人では無理でも俺達が加われば…皆でやればきっとこの星を救える。」
「丹恒の言う通りだよ…。お願いだからウチらをおいて逝かないで!これからもいっぱい一緒に撮りたい写真があるの。話したい事だって沢山!…だから、お願い…死なないで…。」
丹恒となのかの必死の訴えも虚しく、穹の体は静かに消滅してしまった。
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そして場面は変わり、死亡した筈の穹は地面が無いのに何故か歩ける上に星の様なキラキラした光がある宇宙空間の様な場所で目を覚ます。
「本当は俺、死んでないんすよね~。やっぱりスタレ主人公としてこのイベントは消化しておかないと…。」
穹は迷いの無い足取りで、前に進む。
その先ではカカリアの過去の記憶の断片がホログラムの様に現れ、彼女がどの様な人生を歩んだのかを知ることが出来た。
「ここはゲーム見たから飛ばそう。大体の内容は覚えているしね。」
穹はカカリアの記憶を無視して全速力で走って、この空間の最奥にたどり着く。
そこには渋い老人の声が幾重にも重なった重みのある声をした幼女がおり、悲しげな表情を浮かべて穹に振り向き、口を開いた。
「彼女を責めないで上げて欲しい。星核がこの星にある限り、彼女が大守護者である限りこの結末は覆しようの無い…謂わば約束された結末。遅かれ早かれ、こうなることは運命づけられていたのだ。」
「別に責めねえよ。カカリアの事情もこの星の事情も誰よりも予習してきたからな。俺はあいつの罪も全部受け入れて皆がハッピーに成れる結末をもたらす!」
「あなたは…!…その覚悟…もしや其が振り向いてくれるやもしれん。あなたにこの星の氷河を溶かす覚悟があるのなら、あの槍を抜いて其に示すのだ。」
「分かった。任せろ!」
穹は目の前にある建創者の槍を掴み、全力で抜く。
そして槍を抜いた同時に存護の星神クリフォトが穹に一瞥を与える。
「さあ、コンティニューの時間だ!」
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再び場面は変わり、常冬の峰。
そこには奇怪な音楽と共に、コンティニューと書かれた土管が出現する。
ーーテテレテッテッテー!
「ぽうっ!」
そして、死亡したと思われていた穹がその土管の中から現れた。
「穹!」
「生きていたの?」
「ああ!このガシャットにはコンティニュー機能がついていてな。今ので貴重なライフが一つ減ったが、俺のライフは残り98ある。俺は不滅だ!」
穹は完全にハイになり、意味もなく叫びはっちゃける。
「更にこれ!建創者の槍とクリフォトの一瞥も貰ってきた!この力でカカリア!お前を救う!」
「ふんっ!今まで静観して来た琥珀の王が今さら何を…。例え星神が味方しようと、貴様らの敗北は決まっている。」
「それはどうかな?スタープラチナ!」
穹は槍を顕現させ、更にスタンド スタープラチナも同時召喚する。
「槍と言ったらこれよ。これは槍に選ばれた。槍を支配し新たな力を獲るのはジョジョでもディアボロでもなく、この穹だ!」
穹は槍をスタープラチナに刺し、スタープラチナをスタンドを超越した最強の存在へと昇華させる。
これがレクイエムだ。
厳密には槍ではなく矢なのだが、穹の能力【超人】の前では些細なこと。
この力は穹が望んだ事象を実現する。
故に、建創者の槍でスタンドをレクイエム化する事が出来るのだ。
「スタープラチナ・レクイエム!その能力は天国に至ったDIOと同じ!即ち真実の書き換えよ!この力で貴様のこれまで星核に囚われていた過去を無かったことにしてくれよう!」
「何?!よせ!私はそんなこと望んでない!」
「知るか!お前の望みなど関係無い!今この場で何よりも優先されるのは俺の意思、俺の望みだ!大人しく俺の理想のハッピーエンドの餌食となれ!WRYYY!!」
穹はスタープラチナ・レクイエムの拳をカカリアに向かって放つ。
しかし、カカリアは無抵抗のまま大人しく攻撃を受ける程馬鹿じゃない。
迎撃の為に再び巨大な氷を形成する。
しかし、その直後突然この世界の時が止まる。
「これが…ザ・ワールドだ。スタンドは原則一人一つだが、俺にそんなルールは通用せん!やれ!スタープラチナ・レクイエム!真実を書き換えろ!」
その瞬間、カカリアの体に触れたスタープラチナ・レクイエムの拳によってカカリアの体に変化が起き、カカリアはやっと星核の支配から脱却することが出来た。
それと同時に時は動き出した。
「はっ!?私は…今までなにを…?」
「目は覚めたか?やっとお前を星核の支配から解放してやれた。」
穹は漸く正気に戻ったカカリアに駆け寄り、優しく言葉を掛ける。
「やったね!これでヤリーロⅥの開拓も一件落着「いや、まだだ。」え?」
「まだこの星は寒いままだぜ。この星から寒波を失くして生命溢れる星に生まれ変わらせる。それでやっと一件落着だぜ。」
「そんな事出来るの?」
「ああ、少しエネルギーは食うがな。丁度良い栄養食が近くにある。」
穹は先程までカカリアを洗脳していた星核を手に取り、そして自身の口の中に入れた。
「「「「「「!?」」」」」」
「穹!何をやっている!」
「何って星核を食ってるんだけど。」
「駄目だよ!星核って危険なんだよ!ペッてして!ペッて!」
丹恒となのかの制止の声も聞かずに穹は星核を頬張り、そして飲み込んでしまった。
「そんなに心配すんな。俺は元々星核を封じ込める器として作られた存在だ。寧ろ星核は俺にとってのカロリーメイトと言って良い。」
それだけ言って穹は再びスタープラチナ・レクイエムを召喚し、その拳を地面を叩き付ける。
「もう一度、真実の上書きだ!700年前の反物質レギオンの侵攻も寒波も全て無かったことにして大団円と行こうじゃねえか!」
次の瞬間、ヤリーロⅥを包み込んでいた氷河が全て溶け、凍てついていた空気には温もりが宿り始めた。
そして、ヤリーロⅥは生命溢れる豊かな星に生まれ変わったのであった。
「見て、ゼーレ!空が青い…日差しが暖かい…。ベロブルグの外でこんな温もりを感じたのは初めて…。」
「上層部に初めて来た時も驚いたけど。雲に遮られていない太陽ってこんなに眩しくて暖かいのね…。」
ブローニャとゼーレは初めて感じる太陽の温もりに感動する。
これが穹が求めていたハッピーエンド。
こうして、ヤリーロⅥは失った温もりを取り戻す事が出来たのであった。
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穹side
あれから、ヤリーロⅥに本当の平和が訪れて、下層部も上層部も大喜び。
カカリアはベロブルグに戻って引退を宣言。
ブローニャに大守護者の座を継承して、これからはブローニャの手伝いをして陰ながらベロブルグを見守るつもりのようだ。
下層部の封鎖は完全に解けて、今では下層部も上層部も頻繁に交流しているらしい。
後、最近ではヤリーロⅥに自然が戻って住める地域が増えた事でベロブルグの国土を増やす計画も進行しているらしい。
その土地開発には下層部で職業を失っていた流浪人達を雇用しているのだとか。
これで皆飢えずに住むな。
そんなこんなで平和になったヤリーロⅥで数日、色んな人の悩みを聞いたり、博物館のオーナーをやったりと俺なりに楽しく過ごしていた。
だが、そろそろ出発の時間だ。
次の開拓が待っている。
「本当に行っちゃうのね?…寂しくなるわ。」
出発の日。
今まで関わってきた人達が皆集まって俺達を見送りに来ていた。
そんな中でブローニャが目に涙を浮かべながら、お別れを口にした。
「一生のお別れじゃない。また会いに来るよ。」
「ええ!待っているわ!」
「下層部にも顔を出しなさいよ。」
「そうだぜ!兄貴!次に会う時は俺もっと強くなっているからな!」
「おう!お前らも元気でな!」
ブローニャに続き、ゼーレとルカともお別れの挨拶を交わす。
「またヤリーロⅥに来たときはからくり工房にも来な!弟とリンタンも一緒に出迎えて上げるから!」
「おう!そんときは何か一曲聞かせてくれよ!」
セーバルとも挨拶を交わしそろそろ列車に戻る為に後ろへ振り返える。
「私を忘れるなよ穹。」
…忘れてた、カカリアもいたな…。
「おう、お前も元気でね。」
「…適当にやり過ごそうとするな!」
…面倒くせえ。
なんかこの人、星核から解放させて上げてから、俺にベッたりなんだよな…。
スタレキャラ箱推しの俺としては、カカリアとのイチャイチャは寧ろウェルカムなんだけど…一目を気にせずに過度なスキンシップ取ってくんのが少し恥ずいんだよな…。
それに…。
「所で穹。うちに婿に来る気はないか?ブローニャが大守護者に就任した今、次の大守護者候補を産まなくては行けない。私かブローニャどちらかを選べ。」
「ちょっと!お母様!」
これだよ…事あるごとに求婚してくるの。
もうやになっちゃう!
「悪いけど、俺はまだ身をかためる気はない。他を当たってくれ。じゃ!」
それだけ言い残して俺は走りだし、列車に乗り込むのだった。
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星穹列車ラウンジ。
俺はヤリーロⅥから列車戻って早々溶けるようにラウンジのソファに座った。
「ふう~疲れた。」
「お疲れ様、大活躍だったみたいじゃない?」
ソファに座る俺に姫子がコーヒーカップ片手に話し掛けてきた。
「コーヒーを淹れたの。良かったらどう?それとも子供舌のあんたにはコーヒーは早いかしら?」
「…そうだな、子供舌の俺では姫子のコーヒーの良さは分からないから遠慮するわ。」
「…そう、残念ね。」
…あっぶねえ…。
危うくコーヒーを飲まされる所だった…。
ナイス俺!ファインプレー過ぎる!
「そう言えば、さっきヘルタから連絡が来ていたわよ。あんたに用があるらしいわ。」
「ヘルタが?」
何でわざわざ姫子を通して俺に連絡したんだ?
…あっ!そう言えば花火から来たメッセージ連打が怖すぎてスマホの電源切ってるんだった。
ヘルタには悪いことしたな…。
「分かった。早速宇宙ステーションに行ってみるよ。」
「行ってらっしゃい。」
こうして、ヤリーロⅥを出た俺は次に宇宙ステーションに向かうのだった。
博物館のオーナーの話は後程、総集編か何かで出します。