パバーヌ2章開幕でございます!
作者が一、二を争う程に好きな章なので頑張って面白く書きたい所存です。
「ウタハさん来たよー」
「いらっしゃい。出来てるよ」
今日はモモイ達と会った日の帰りに頼んでいた装備を受け取りに来ていた。
流石に今の装備ではシロコには勝てないからね。
「まずはコレだよ」
ウタハからグレネードが入った黒塗りの箱を受け取る。
「君の要望通り全く見た目が同じで種類が異なる爆弾を作成する小型ロボット、その名も雨ちゃんさ」
試しにピンを抜いてそれぞれ投げてみる。
一発目はスモークグレネード。
二番目は閃光弾。
三番目は高火力の手榴弾。
種類も要望通り、威力も申し分ない。
さらには見た目が同じすぎてぱっと見どれがどれなのか判別できなくなっている。
やっぱりウタハってすごいや。
これなら投げられた相手は種類をすぐには判別出来ないはずだ。
……なぜか作ってくれる箱が四足歩行で動いているのとか、なんかラジオが流れている点に目をつぶっても素晴らしい。
今からでもシロコの驚く姿が目に映るぜ!
「ぜってー吠えずらかかせてやるからなシロコセンパァイ!ふはははは!!」
「高笑いしているところ悪いが、ヒーローらしからぬ卑怯な武装じゃないかな?」
「……うん次行ってみよう!」
ヒキョウ?ナニソレ美味しいの?
呆れた様子のウタハが持ってきたのはちょうど腕に着けられるくらいの機械。
それはフィクションの中でしかないもの。
そして三次元的な動きを可能にする夢のアイテム。
その名もフックショット!
「過去に似た物を作っていた経験があってよかったよ」
「似ていた物作ったことあったんだ……うん、見た目よりも軽いね」
腕に着けてブンブンと振ってみるが動きに問題が出るほどの重さがない。
相変わらずミレミアムの謎技術は不思議だ。
「扱いは難しいと思うけど、あの銃を使いこなしてる君なら大丈夫のはずさ」
「そこまで買ってくれてるなら是が非でも使いこなさなきゃね」
側面のボタンを押して杭の付いた鎖を壁に向かって射出する。
そしてもう一度ボタンを押して巻き上げ……
「うおおおお!?」
ギャリギャリと大きな音を出しながら予想以上の勢いで壁に衝突する。
「……難しいだろう?」
もはや難しいとかいうレベルじゃない気がするんだけど!?
というかこんなん使ったら死人出るわ!
「これなら移動よりも相手を引っ張るのに使った方が良いんじゃないのコレ」
それはそれで難しいと思うけどそっちの方がまだマシな気がする。
「そうか、じゃあ今から記録を取るからそこで試してみてくれ」
「へ?」
ウタハがそう言って下がると同時に地面から大量のドローンが飛来した。
「待って!?まだ使いこなせないし、ドローンにならグレネード関係な……うわぁぁ!!」
キヴォトスって最後までいわせないのが流行ってんの!?
そんな悲鳴を上げていると銃弾が四方八方から放たれる。
近くのドローンに鎖を絡ませて引き寄せて盾にする。
「ウタハさぁん!!数値取るのは先に言って貰っていいですかぁ!断る、のでっ!!」
「そう言いながらやってくれてるじゃないか」
「やんなきゃ、撃たれるっ!からね!」
弾幕がすごすぎて話すヒマがないんだけど!
ホントにコレ記録を取ってるんだよね?
「ふふっ」
その笑顔はなに!?
怖いよ!?
バババババッ!!!
「……チッ、考えるヒマぐらい寄越しやがれってんだこのポンコツ共がァ!!」
カチンとしてすぐ横のドローンをむんずと掴んで群れの中に投げ入れるとドローンの群れはそのままボウリングのピンのように弾け飛んだ。
……よし、少しスッキリした。
冷静になった頭でまだまだ残っているドローンの群れを見据えるのだった。
「お疲れさま、おかげさまで良いデータが取れたよ」
「それは、はぁ……よかった、よ」
ドローンを全て撃ち墜とすとウタハがスポーツドリンクを渡してそう言ってくれた。
「いや、すまないね実戦さながらの環境でデータを取らないと実戦の時に困ってしまうからね」
「……なんで事前に伝えなかったのさ?」
事前に伝えてくれたらもっと余裕を持って倒せたよ?
そう聞くとウタハは気まずそうに目をそらして、
「……君の反応が少し面白くてね」
「
はい、リンゴはウタハを殴ります!
「少し待とうか!人間には言語という素晴らしい発明があるだろう!?」
「先になんも言わなかったのはそっちでしょうが!!」
そう言いながらウタハに十字固めをしかけていると……
ドガァァァン!!
「……爆発?」
「ウチ以外であんな爆発を起こすとは、どこの部だろう」
「そんな呑気なこと言ってる場合じゃないでしょ。……じゃ、行って来る!」
フックショットと雨ちゃんを装備して爆発音のした方向に走り出した。
「さっきの爆発はなんだったんだろうね」
「どうせまたエンジニア部でしょ」
「銃声も聞こえるし離れといた方がよさそうだよ?」
「まぁ、なんとかなるでしょー」
走りながら周囲の会話をこっそり聞くが、特に慌てた様子もないあたり爆発なんて日常茶飯事なのだろう。
流石キヴォトス、治安が世紀末である。
まぁ、そこまで取り乱していないあたり私もそれに慣れつつあるのだけれど。
そんな自分に嫌気がさしながらもなんとか爆心地までたどり着いた。
爆発の規模が大きかったのか、廊下の壁ごと吹き飛んでいる。
「……って、先生!?」
部屋の奥には、タブレットを操作して指揮をしている先生達。
そしてそれに群がるキモいロボット。
そして、
「は?」
先生達に銃口を向けているアリスの姿があった。
雨ちゃん 三種の見た目が全く同じの爆弾を作成する小型ロボット。作成するときは装備している人の脳波を読んで種類を決定する。ラジオにもなるし、かなり良いAIが積まれているので命令したら自律行動させることも可能。
フックショット 皆様ご存じフックショット。見た目は腕に着ける立体機動装置。もちろん自爆機能もBluetoothも付いている。リンゴは鎖で相手を捕縛したり投げ飛ばしたり鞭にしたりと移動にはあまり使わない。
リンゴ「だって走った方が早いんだもん」
感想、誤字報告よろしくお願いします。