ヒーローアーカイブ    作:ろくでなしの青二才

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 今回は銃回です。

 銃って良いですよね。

 みんなはゴツゴツしてメカニックな銃は好きですか?

 私は大好きです!



ロマンとヒーロー

 デカいビル。

 

 近未来的な街。

 

 やってきたよミレミアム! 

 

「黒服さんの家が近くて助かったや。行く途中に倒れてまた誰かの迷惑になるの嫌だったし」

 

 今回来た目的は装備の獲得である。

 

 このキヴォトスでは銃を持ってない人は全裸の人よりも少ないと言われているらしく、銃を持っていないとカツアゲに来たチンピラにも哀れまれることになるぐらいだ。

 

 だから銃が欲しい……とまぁ、そんな建前は置いておいて、やっぱりヒーローなら格好いい装備が欲しいのだ。

 

 ヒーローになると宣言したからね、とことんやらないとね。

 

 ……お金には限りがあるからそんなに高いものは買えないけど。

 

「い、いざという時はそこらの雑草を食えばいいもんね!うん!……あっすみません、武器作ってくれるところってどこか知ってませんか?」

 

「ん?あーエンジニア部のこと?えーとね……」

 

 そうして振り払えぬ不安を一旦無視して私は道を聞くのだった。

 

 

 

 

 

「やっと、ついた」

 

 苦節一時間、いろんな人に話を聞いてここ、エンジニア部までたどり着くことに成功した。

 

 ミレミアムが広すぎるのもあって迷子になりかけたり、比較的他の地域よりは治安が良かったが、やはりここはキヴォトスクオリティ何度も爆発とか戦闘とかに巻き込まれかける羽目になった。

 

「まぁ、これで装備を作って貰えるし、いっか」

 

 そうしてドアノブに手を伸ばすと……

 

ドカァン!!

 

 突如扉が大爆発。

 

 吹っ飛ばされて二、三回跳ねたのち私は意識を失うのだった。

 

 

 

 

 

「……はっ!」

 

 目を覚ます。

 

 なんだかデジャブを感じる天井だ。

 

 最近、気絶する機会が一気に増えた気がする。

 

 一回目は栄養失調、二回目は爆発。

 

 このままでは三度目もすぐに来てしまうのではないだろうか。

 

 それもこれも全部ここがキヴォトスだからだ。

 

 おのれキヴォトス。

 

「おや、目を覚ましたのかい」

 

 心の中で毒づいているとすぐ横に立っていた紫色の髪をした少女に声をかけられた。

 

「あ、ハイ。どうも」

 

「いや、すまなかった。少し爆発してしまったんだが、まさか外に人がいたとはね」

 

「別に気にしなくて大丈夫。私の不注意も原因の一つだし」

 

 まぁ、いきなり扉が爆発するのを予測しろって言うのはだいぶ無茶ではあるのだけども。

 

「ありがとう、そう言ってくれると助かるよ。お詫びで何だが作って欲しいものはないかい? 腕によりをかけて作るよ」

 

「……それならちょっと作って欲しいものがあるんだけど、良い?」

 

 私は心の中でガッツポーズを決める。

 

 今日は迷子になったり、爆発に巻き込まれてい気絶したりと散々な目には遭ったが、これで結果オーライだ。

 

 黒服に貰ったお金も限りがあるのが心配だったが、タダで作って貰えるのならご飯とか服とかにも使うことができるはずだ。

 

「あぁ、任せてくれ。私は白石ウタハだ。改めてようこそエンジニア部へ」

 

「私は赤野リンゴ。よろしくねウタハさん」

 

 

 

 

 

 ヒーローの装備に必要なものは何か。

 

 防御力? 機動力? 応用性? 

 

 たしかにそれは必要だろう。

 

 けど、やっぱり一番欲しいのは……

 

「超超高火力なハンドガンかい?」

 

「うん!」

 

 そう、火力! 

 

「一撃で相手を気絶させることができるぐらいの威力が欲しい!」

 

「一応理由を聞いてもいいかい?」

 

「一撃必殺はカッコいいから!」

 

 ウタハの目がキラリと光る。

 

「なるほど、つまりロマンだね!」

 

「その通り!」

 

 ヒーローたるものカッコよくなきゃね! 

 

「しかし、そこまでの威力となると反動がとんでもなくなりそうだね」

 

 ウタハ曰く銃の威力と反動は切っても切れない関係なんだそうで、威力を向上させるとその分扱いが難しくなるらしい。

 

「……反動で移動とかできない?」

 

「難しいかな。というかそこまで反動が大きすぎたら最悪肩がダメになるだろうね」

 

 ダメかぁ、カッコいいのに。

 

「というか、君は銃を扱ったことがないと言っていたが本当に大丈夫なのかい?」

 

 ウタハは心配そうにそう言った。

 

 たしかに銃の初心者が欲しがるような武器ではないことはたしかなのだろう。

 

 反動が少なくて、ある程度使いやすい初心者用の銃もあるのだろう。

 

 それでも、カッコよさの前では無力よ! 

 

「大丈夫ウタハさん。どれだけ扱いが難しくても私は絶対に使いこなしてみせる!」

 

「……ふふっ、分かった。君のその心意気を信じて私も腕によりをかけて作ろうじゃないか」

 

 一時間後

 

「完成したよ」

 

「おおー! すごくカッコいい!」

 

 できたのはゴツゴツと色々なパーツの付いた見た目の黒塗りのハンドガン。

 

 ところどころ赤の差し色が入っており、ごつい見た目が少し引き締まってるように見える。

 

「あそこに打ってみてくれ」

 

 ウタハの指差した方向にはとても分厚い鉄塊が置かれていた。

 

 分厚さもかなりのものであり、並大抵の威力ではあとも残らないと何も知らない身でも分かるほどだった。

 

 ウタハに銃の撃ち方をレクチャーして貰ったのち私は完成した銃を構えた。

 

「行き、ます!」

 

バゴォン!!!  

 

 次の瞬間、轟音とともに、撃った反動で三歩ほど後ろに吹き飛ぶ。

 

 撃った鉄塊は砕けており、ところどころ赤熱していた。

 

「大丈夫かい? 反動で吹き飛んでいたけど怪我はないかい?」

 

「大丈夫、じゃないかも。腕がめちゃくちゃしびれて動かない……」

 

「まぁ、それならまだマシな部類かな。……にしてもとんでもない威力だね」

 

「これ連射は無理そう」

 

 連射しようものなら肩が文字通り吹き飛ぶか、体の骨のどこかしらがへし折れまくるだろう。

 

 

「だろうね。まぁそれに、その銃の最大装弾数は一発だから連射しようにもできないんだけどね」

 

 そう言いながらウタハは少し肩をすくめるのだった。

 

「ザ・一撃必殺って感じだ」

 

「うんうん、ロマンを感じるね」

 

 まさにロマン。

 

 まさにヒーローの装備。

 

「ありがとうございます!ウタハさん!」

 

「例には及ばないよ。それに私もロマンについて語り合えてとても楽しかったからね」

 

 その後はウタハに銃の整備の仕方などを教えてもらったのちエンジニア部の部室をあとにするのだった。





 武器紹介

 ワンショット(Oneshot)
 
 カッコいいモノ好きなリンゴが出した一撃必殺という要望を叶えてしまったバカみたいなハンドガン。

 ミレミアムの謎技術が使われた専用の弾丸を使う。

 キヴォトス最強格にもダメージを与えられるほどの破壊力を持っており、(まぁ、当てることができればの話だが)並の生徒なら一撃で気絶することだろう。

 その引き換えに連射できない、反動がとんでもなく両手で支えても気を抜けば後ろに吹っ飛んでしまう、使い手によっては腕が壊れるといったデメリットを持つ。

 本体はかなりの強度と重量を誇っており、これで力いっぱい殴りつけることで鈍器としても扱えるらしい(本人談)。

 リンゴと意気投合したウタハが作った、まさに一撃必殺を体現するかのような銃である。

 リンゴ「ヒーローたるものカッコよくなきゃね」

 ちなみに名前はリンゴがつけた。

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