ヒーローアーカイブ    作:ろくでなしの青二才

8 / 10

 最・低・保・障

 バニートキってEXスキルがカッコいいから引きたいのに……許さんからなアロカスゥ!



ホラ吹きヒーロー

‘‘ちょっと会って欲しい子がいるのだけど良いかな?’’

 

 ある日保健室でお見舞いに来た先生はそう言った。

 

「いいよ。今からでもいけるし」

 

‘‘え、でも怪我してるんだよね?’’

 

 気絶させられただけだし。

 

 別に怪我なんて一ミリもしてないから。

 

 なんなら今回はこっちの方がシロコにダメージを与えてるから実質こっちの勝ちだと思う。

 

 しかし、いくら説明しても先生は信じる様子を見せない。

 

 しょうがないので元気なことを証明するために私はベットから飛び起きて先生を担いだ。

 

「ほら、この通り元気だから」

 

‘‘わ、分かったから下ろして?’’

 

「私が担いで行った方が早いと思うし目的地を教えて」

 

‘‘いや、それは申し訳ないから別に……ちょっとなんで進もうとしてるの!?’’

 

 だってわざわざ最後まで聞く必要ないよね?

 

 それに申し訳ないとか言われても同じことを他人にやってる先生が言えることじゃないし。

 

‘‘ねぇ?ちょっと?聞いてる?’’

 

 その後、先生の必死の抵抗と抗議もあって電車で行くこととなった。

 

 

 

 

 

 デカいビル。

 

 近未来的な街。

 

 再びやって来たよミレミアム!

 

‘‘確か一回来たことがあるんだっけ?’’

 

「うん、そろそろメンテナンスして貰う時期だったからちょうどよかったや」

 

 ついでに新しい装備でも作って貰おうかな。

 

「あー!先生だ-!」

 

「ちょっと待ってお姉ちゃん!」

 

「パンパカパーン!先生がパーティーに合流しました!」

 

 そんな風に話していると猫耳のヘッドホンを着けた双子とバカでかい武器を背負った少女がこちらに駆け寄ってきた。

 

「この子達が?」

 

‘‘うん、ゲーム開発部のモモイとミドリ。そしてアリスだよ’’

 

「お姉さん初めまして!……で、なんで呼んだの?」

 

 モモイと呼ばれた少女は首をかしげてそう言った。

 

 どうやら三人もなんのようで呼ばれたのか聞かされていないらしい。

 

‘‘この前、モモイが会いたがってたでしょ?’’

 

「私が会いたがってた?」

 

‘‘ほら噂のアレ’’

 

「噂……会いたがった……あ!!もしかしてこの人があの赤雷!?」

 

 先生のヒントで何か思い当たったのかモモイは興奮気味にこちらに指をさした。

 

「いや、赤雷って何?」

 

‘‘巷で噂のリンゴの二つ名だよ’’

 

 待ってなにその厨二臭い二つ名は。

 

 そんなの流して良いなんて一言も言ってないよ?

 

「お姉さんは称号持ちのプレイヤーなんですね!」

 

「こんな見た目なんだ……」

 

「……ねぇ先生、赤雷の噂ってどんなのが流れてるの?」

 

‘‘んーと、悪事を働いたら何もない所から現れて抵抗する間もなく倒されるとか、赤い雷を操るとか、軍隊相手に一人で勝ったとか……’’

 

 やめて?そんなキラキラとした目で見られてもそこまで強くないからね?

 

 というか尾ひれがつきすぎじゃないかな?

 

 雷を操るとかできないけど!?

 

 軍隊相手に戦ったことないんだけど!?

 

「せ、先生……」

 

‘‘それじゃごゆっくり-!’’ 

 

 ふざけんな先生ェ!!

 

 逃げる先生を追いかけようとしたが、ゲーム開発部の面々の質問攻めにより逃げられてしまった。

 

 

 

 

 

 ゲーム開発部の部室。

 

 その中心で身振り手振りでポーズをとりながら私は武勇伝を語っていた。

 

 もちろん嘘の。

 

「そこで言ってやったんだ、『さぁ、お前の罪を数えろ』ってね!」

 

「カッコいい-!!」

 

「まるでゲームのヒーローみたいです!」

 

 タス、タスケテ……

 

 かれこれ一時間ぐらいホラを吹き続けてるからそろそろやめたい!

 

 というか、純粋な子達にホラを吹くのは心が痛むからもういやなんだけどぉ!

 

 うぅ、あのキラキラした目を向けられるのは嬉しいんだけどさぁ……それのせいで説明できないよぉ!

 

 子供にサンタはいないって言う親ってこんな気持ちだったのかな。

 

 まさか生まれ変わってからお父さんとお母さんの苦労が分かるなんて私びっくりだよ!

 

‘‘仲良くなってるようでよかったよ’’

 

「現れやがったな元凶がァ!!」

 

‘‘リンゴ!?’’

 

「あなたのせいで!アンタのせいで!!こんちくしょうめぇ!!」

 

 先生の胸ぐらを掴んでぐわんぐわん揺らす。

 

‘‘はは、アグレッシブになったなぁ’’

 

「なーにしみじみ言ってんだアンタは!」

 

‘‘いやー、仲良くなるのに私は邪魔かなって’’

 

「おかげさまで仲良くなれました!ありがとう!コノヤロウ!」

 

 その代わり状況は悪化したけどね!

 

 どうするのさ、もし嘘がバレたらがっかりどころじゃ済まないよ!?

 

 そんなこちらの様子を見てアリスは悲しそうな顔でこちらに寄ってきた。

 

「なんでリンゴは怒ってるんですか?……もしかしてアリスが嫌な気持ちにさせちゃいましたか?」

 

「ッ……いや、そんなこと無いよ。悪いのは先生。そう全部先生が悪いから。だからアリスちゃんは気にしなくて良いよ」

 

‘‘なんでぇ!?’’

 

 先生が逃げずに誤解を解いてたらこんな事にはなってないんだよね。

 

 あー、ホントこれからどうしよう。

 

「リンゴちゃんも一緒にゲームしよー!」

 

「空気読もうよお姉ちゃん……」

 

 頭を抱えているとモモイがコントローラ片手にこちらに手を招いていた。

 

「……ボコボコにしてやるから一緒にやりましょう先生」

 

‘‘ふっ、生徒からのお誘いなら断れないかな’’

 

 一時休止という訳でモモイ達からコントローラを受け取ってみんなでパーティーゲームを楽しむのだった。

 

 ……ちなみに結果としては私の惨敗で終わった。





 リンゴの人の呼び方

 先生……先生、あなた、アンタ

 黒服……黒服さん、あの人

 シロコ……シロコ先輩、シロコ
 
 モモイ……モモイちゃん

 ミドリ……ミドリちゃん

 アリス……アリスちゃん

 ウタハ……ウタハさん

 基本的にはさん付け。

 一部はちゃん。

 感想、誤字報告よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。