ヒーローアーカイブ    作:ろくでなしの青二才

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 ユズ好きなんだけどなぁ、ムズいんだよなぁ。

 なんでだろ?


ヒーロー・ファッションショー

「また来たよ二人とも」

 

「リンゴだー!」

 

「今日は何やりますか?」

 

 扉を開くとアリスとモモイが元気に出迎えてくれた。

 

 あれからというもの定期的にミレミアムに来てはアリス達と遊ぶといった流れが定着していた。

 

「それじゃあ、今日はレースゲームで勝負しようか」

 

「分かりました!アリスが勝ったら、またお話聞かせてくださいね!」

 

「ふふっ、勝てたらね?」

 

「そう言ってるけど、リンゴってこの前からずっと負けっぱなしじゃーん」

 

 それは言っちゃいけないぜモモイ。

 

 おかげさまでアリス達の中では私、空を飛んで雷を落としまくったり、目からビームを出したりするスーパーヒーローだよ。

 

 というかもう既に負けそうなんだけどね!

 

「……ところでアリス気になってることがあるのですが」

 

「おうおう、勝ってるからっておしゃべりとは随分と余裕じゃん?」

 

「余裕もなにも、リンゴ今最下位じゃん」

 

 いや、これから逆転するんだよ?

 

 ……なんでそんな呆れた顔するのさ。

 

「あ、ごめん。それで気になってることって?」

 

 私に答えられることなら何でも答えてしんぜよう!

 

「いえ、なんでリンゴはずっと同じ服を着てるのかな、と」

 

「え、同じ服?……うーん、確かに上着はずっと同じだね。中の服は同じのが何個かあるからそれを使い回してるよ?」

 

 そう返すとモモイは信じられないものを見るような目でこちらを凝視していた。

 

 あ、最下位だ。

 

「……それ以外に服がないってこと?」

 

「いやあるよ?さすがにこれで寝るわけにはいかないから寝間着用のジャージが」

 

「論外!!」

 

 モモイは突然騒ぎ出したかと思えばスマホを取り出して誰かに電話をかけ出した。

 

 その様子に私はあっけにとられるのだった。

 

 

 

 

 

‘‘という訳で呼ばれました’’

 

「コーディネートは任せて」

 

 いつもより三割増しで真面目な顔をしたミドリと先生が部屋に入ってきた。

 

「それじゃあ二人も来たし今から買い物に行くよ!」

 

「なんでさ」

 

 なにも必要なものなんてないんだけど?

 

‘‘……重傷だね’’

 

「素材は良いのに」

 

「うーん、残念美人?」

 

 ひどい言われようだ。

 

 なんか悪いことしたっけ?

 

 なにか原因がないか、うんうんと頭をひねっているがなにも思いつかない。

 

「リンゴの装備を買いに行くんですね!アリスも手伝います!」

 

「よし行こうかアリスちゃん!」

 

 うん、元気なアリスの前では全ては些事だよ、些事!

 

 もう理由とか全部どうでも良いから買い物に行こう!

 

‘‘重傷だね’’

 

「ロリコン」

 

「残念美人だ」

 

 

 

 

 

 ミレミアムのとある服屋

 

「いつもはカッコいい感じの服だからこういうかわいい服が良いと思う!」

 

「いーやミドリ、逆にこういうジャラジャラ鎖がついてるロックな服が似合うはずだよ!」

 

「アリスとおそろいの制服です!」

 

「別にこんなTシャツぐらいで良いと思……」

 

「「「却下(です)!!!」」」

 

「ひぃん」

 

 モモイが発案した服のコーディネート勝負はカワイイ系、ロック、制服の三つに分かれて混沌を極めていた。

 

 私の意見?

 

 全面的に拒否されたから勝負にもならなかったよ。

 

‘‘大変だね’’

 

「絶対アンタも巻き込んでやりますからね」

 

 一人だけ安地でのんびりできると思うなよ。

 

 悪態をつきながらまずはミドリから受け取ったカワイイ系の服を手に取って着替え室に入る。

 

 白をメインにしたフリルたっぷりなワンピース。

 

 腰には大きな赤のリボンが付いている。

 

「うん、やっぱり似合うね」

 

「おぉ、いつもと別人みたい」

 

「とっても似合ってますよ!」

 

‘‘うん、箱入りお嬢様みたいな感じ’’

 

 うん、かわいいのはそうなんだけどとっても動き辛い。

 

 特に後ろの大きなリボンが邪魔。

 

 次はモモイの用意したロックな服。

 

「着づらっ!」

 

 鎖が引っかかって痛いし着づらい。

 

 ズボンからから出ているこの鎖は何の意味があるのさ。

 

 四苦八苦しながら着替え室から出た。

 

「……ヤンキー?」

 

「ガラ悪いなー」

 

「ちょっと怖い感じがします」

 

‘‘……うん、似合ってるよ’’

 

 頑張ったのにこの仕打ちはひどいと思う。

 

 もう良いよちくしょうめ!

 

 そさくさと服を脱いで最後にアリスが用意した制服を拾う。

 

 ……いやさ、コレってミレミアムの制服だよね?

 

 え、着て良いのコレ?

 

 着るけどさ?

 

 お揃いということで後ろで括っている髪をほどいて外に出る。

 

「黒髪も相まってアリスのお姉ちゃんだね」

 

「ここまでそっくりになるんだ」

 

「わぁ、アリスとそっくりです!」

 

‘‘アリスが成長したらこうなるのかなぁ’’

 

 確かに私は黒髪だし、髪も長いから似ているのだろう。

 

 やはりアリスはセンスが良いなぁ。

 

 そうしみじみと感じていると悪い顔をしたモモイがなにかをアリスに吹き込んだ。

 

「えっと、そう言えば良いんですか?」

 

「うん!できるだけ元気にね!」

 

 全く、何をしようとしているか知らないがちょっとやそっとでは私は動揺すらしないよ、モモイ。

 

 そもそもアリスに言わせたら何でも喰らうと思ったら大違……

 

「大好きですよ!リンゴお姉ちゃん!」

 

「うん、お姉ちゃんもアリスが大好きだよ」

 

 そうだった私はアリスのお姉ちゃんだった。

 

 うん、結婚しようよアリスゥ!

 

「ヤバイ!リンゴが狂った!」

 

「なにしてるのお姉ちゃん!?」

 

‘‘とりあえず止めるよ!’’

 

 離せー!私はお姉ちゃんだぞ!

 

 私はアリスのお姉ちゃんなんだー!

 

 ──この後、選んで貰った服は全部先生の自腹で支払って貰った。





 リンゴ 最近暴走気味。シロコに挑み、先生にキレて、アリスに狂う残念美人。

 アリス リンゴにまあまあ懐いている。時々狂うのは不思議だなと思って見ている。

 モモイ 姉を名乗る不審者を生み出した元凶。
 ???「ああなるとは思わないじゃん!」

 先生 あの後しばらくはもやし生活だったらしい。

 ミドリ 「素材は良いからどうにかコーディネートしたいな」

 ユズ リンゴが怖いからロッカーに引き籠もっていてリンゴとはまだ会っていない。

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