【たすけて】人生二度目のタイムループにハマった件【本編完結】 作:大木桜
公式のお疲れ様本のPDF無料配布、2027年7月31日までなの太っ腹だなあと思いつつ、この作品の色ってなんだろうなと思いながら出力されたのがこれ。
いつもの怪文書。今更ですがキャラ崩壊と解釈違いがあると思います。此処の紅葉さんと此処のヤチヨの話。
脳内でクソスレを立てつつ、今日もお仕事お仕事。月見ヤチヨは仮想空間ツクヨミの管理人ですが一人の女の子でもあるのです。
というわけで今日も嫁の不満をもう一人の私に言うのです。
「紅葉がひどいんだよ朝久!」
「何?急に」
ツクヨミのお城の天守閣、管理者権限持つ人、ないし直接ログインでしか入れないメインルームでツクヨミ管理を手伝ってくれてるもう一人の自分こと酒寄朝久に
「紅葉をスケベに誘うと毎回私を抱き潰すんだよ!酷いと思わない!?」
「現状で一番ひどいのは旦那にその嫁との行為を声高に説明する
なんだろう、リビングでおっぱじめて部屋につれこまれるまでに廊下べしょべしょにした件かな?あれは紅葉が悪いので知らない知らない。けどとりあえず謝っとこ。
「ごめんて、それにこれは自分自身に語りかけてるんだから自問自答みたいなもんだよ」
「そう……かなぁ?」
「そうだよ!でねでね、賢いヤッチョは考えました!二人がかりなら勝てるかもしれないと!なので「嫌です」
「最後まで聞いてよー!!」
「嫌だって、ヤチヨが抱き潰された後にボクと
「……その前に勝てば良い!それにそんなこと紅葉は言わない!」
「今ちょっと考えた時点で二人でも無理そうじゃない?」
「やだやだやだ──!!」
私と朝久の仲良しはアレだから流石に言わないと思うんだけど。言わないかな、言わないと良いなぁ……
「あの人大型の肉食獣の類だから……第一ボクの記憶があるならわかってるでしょ、さんざっぱら食い散らかされてるんだから」
「それでも勝ちてえんだ!」
ぐっと拳を握ってファイティングポーズ。
こう負けっぱなしはプライドというものがあるんだよ、遊郭にもいたんだし!実質当時のプロの仕事を横で見てたのに!
「そういう負けん気の強さが抱き潰される原因でしょ、かかってくるやつはどんな相手でも叩き潰すが心情なんだから」
「そのとおりなんだけどさぁ!老いてなお盛んすぎない!?お盛ん寄じゃん!!」
この間だって、こっちから仕掛けて押してたらいつの間にか攻守逆転させられて、いつの間にかふわふわのまっしろになって全部吹き飛んで次の日ベッドで起きたんだよね。
もうちょっと終わった後の余韻と言うか、そういうの欲しいなって思うんだ。
「女性は男性のそれと違って打ち止めがないからねぇ、いくらでも愛してくれると思えば……うん、良かったね?」
……フォローのつもりなんだろうけどさぁ!
「それこっちを見ていってくれない!?グッチャグチャにされた後の感覚共有してあげようか!?男の人が女の人の快楽受けたら頭がパーになるかどうか試してあげるよ!オマエをメスにしてやろうか!?」
「怖い怖い!!新しい形の脅しするのやめよう!?謝るから!ごめんね!!……そもそも僕らは紅葉さんのこと大好きなんだから押し倒されるのやぶさかではないよね?いや気を失うまでそういう事するのはどうかと思うけど……次の日休みなら良くない?」
そうだけどさぁ!朝久は優しいから紅葉の欲をほぼ全部受け入れるのが悪い!この愛され超スペ総受け野郎が!ヤッチョもだけど。
ぐぬぬと唸りながら私は考える。朝久の記憶だともうちょっと可愛いとことかの記憶とかあるんだけど、私はそういうのないし!
いやヤチヨとしてあらためてちゃんと会いに行って、すぐ
物事には順序ってものがあるじゃん!?とか言ったら「でも朝久さんの記憶があるんやろ?なら目一杯かわいがったる」ってキメ顔で言われたらさぁ!「はい……♡」ってなるじゃん!好きなんだからさぁ!
くそぅ、もういい年しているというのにここまでのメロさを持ってるとは、このヤチヨの目を持ってしても見抜けなんだ。
「でもさぁ、私ももっと可愛いとこみたいんだよ。紅葉いつだってキリリのツンツンじゃん?んで激マブの激メロじゃん?」
「……ちょっとやだなぁ、嫁のその評価が美人から出てくるの。というか記憶にあると思うけど紅葉さん可愛いのボクの前だけなんじゃない?」
「ハァ!?自慢ン!?……思い返してみるとそうかも、でもでもヤッチョだって構成的には3割ぐらいは朝久なのに~~!普段ツンケンしてるクールビューティーがしおらしくしてるところから得られる栄養素はありまぁす!」
「我は汝、汝は我……だもんね。でも確かになんでだ?距離感か?積極性か?初対面が悪かったか?」
二人でウンウンと唸って考える。あーだこーだどーだそーだ。
するとシステム管理してたFUSHIが横から口を出す。二人で解決しない時はいつも口を挟んでくれる。いつもありがとうね。
「馬鹿の考え休むに似たり。ヤチヨ、紅葉さんを外でのデートに誘ってこい」
なにか気づいたのか朝久もそれに乗っかる。
「そうだねぇ、たしか外に出かけるデートってしてないんじゃない?お家デートじゃなくて一緒に出かけてきなよ」
「良いの?」
「まぁ、そのまま月見ヤチヨの姿のままは出られないから、ヤチヨが変装して紅葉さんの都合しだいになるだろうけど」
「うん!じゃ相談してくる!!」
しゃー!待ってろ紅葉!普段見せないヤチヨのそとのすがたでメロメロにしてやるぞう!
ブンブン拳を振り回して気合を入れて現実へ移動する準備。
「……多分紅葉さんそういう気合い入れてじゃれついてくるとこが気に入ってるから、加減間違えてる気がするんだよなぁ」
「やっぱ大きめの猫科のそれだよな、僕は犬科ベースだからよくわからないけど」
朝久とFUSHIがなんか言ってた気がするけどまぁいいや、うお──!
「というわけでかまってー?」
ソファに座っていた紅葉にうしろからしなだれかかる。ついでに目の前にある頭に顔をうずめる、紅葉吸い。あ~脳がとけりゅ~
紅葉を見た瞬間に嬉しくなってしまってスキンシップを求めてしまう。触れたらあったかくって匂いがする、そこにいる。デートのお誘い?はて?それは後でも出来るし今はスキンシップ!
「何がというわけなのでなのか説明していただいてもよろしいか?今日も甘えん坊やな?いつまで経っても赤ちゃんみたいでそんなんで管理人ちゃんとできとるんがほんま不思議や、あと人の頭の匂いを嗅ぐな」
「へへーん、ある程度はFUSHIが手伝ってくれてるからでーす、役割分担、役割分担♪お家でくらいリラックスは大事~」
「トップがちゃらんぽらんやと部下が苦労するんやけどな、能天気な頭の中にはお花畑が咲いとるんか?仕事の引き継ぎ、ちゃんとしとります?」
「うんうん、部下が優秀だからね大丈夫!私の頭の中はいつでも幸せいっぱいだよ☆」
いけずどころか割と普通に嫌味が飛んできた気がするけど許容許容。
紅葉はいつも私たちのことを気にかけてくれている、いっぱい心配かけたからね。
だから触れ合って大丈夫だよってするのだ。
「
「ハグ!正面から抱きしめて!銀河の果てまで☆」
そう言って正面に回り込み、じっと目を見る。翡翠色の強い意志を秘めた瞳。彩葉と同じようで違う深い
紅葉がさらにため息を一つして、諦めた顔で読んでた本を片付けて腕を広げる。
「銀河の果てまで抱きしめるって何?……ほれ、おいで」
「やたー!」
そう言って正面から飛びつくと重みでソファが沈み込む。お高いソファだからクッション性が良くて結構沈むんだよね。
「ぐっ……重……」
「幸せの重みだね!もっと感じていいよ!」
私の体重は一応見た目年齢に合わせた平均体重だからね。そんなに重くないと思うんだけど、まぁ成人女性ののしかかりは重いか。
ハグにはオキシトシンが分泌されることにより安心やリラックス効果がある。弁護士のお仕事は私たちにわからない苦労があるんだろうし、ストレスもあるだろうからこうしてハグで癒すのだ。
頬ずりをするほどに密着するから相手の心音が鼓動がわかる。
……今、ちゃんとここにいるよ。
「あったかいね、紅葉」
「そやね、体温まで子どもみたいやね」
「ぽかぽかでしょ?これから寒くなる季節にピッタリの抱き心地じゃない?」
そう言ってからこれちょっとお誘いっぽいなと思ってしまう。
いやいやいやまだそんなんじゃないから多分セーフ。いくらお盛ん寄紅葉もこの程度で飛びかかっては来ないでしょ。
そんなこと考えてたら思ってもない言葉をかけられる。
「……なあ、ヤチヨ。あんた
密着するハグをしてるから、相手の顔は見えない。紅葉が読んでた本を思い返すと連れ合いとの最後の別れを描いた本だった。そういえば娯楽小説とか読んでるのあんまり見たことないんだよね、家で読んでる本だってだいたいお勉強用とかの本だし。
だからこそこんな事を言うんだろう。自分の終わりの話なんか顔突き合わせて話すのは覚悟がいるからね。……しおらしい紅葉は珍しいなぁ。
「……約束だからね、最後まで一緒にいるよ、それは絶対の絶対」
結婚するときの約束事、プロポーズの言葉。貴方よりも長生きをするという甘い話。
朝久も私もそれを違えるつもりはないから、8000年を超えて貴方の隣に帰ってきたよ。
だから、それは絶対の絶対。貴方の最後まできっと隣にいるから。
「約束……ならええか……離さんでも」
そう言って抱きしめた私の背中を撫でる紅葉。なんか小さく聞こえた気がするけどきっと気の所為。うん、きっとそう。
弱みを見せるのは朝久にだけだったから、私にもそういうのをこぼしてくれるようになったのはとても嬉しい。
普段が心まで鋼鉄に武装してるんじゃないかって女傑だからなぁ。心の柔らかなところを見せてくれるのは信頼だよね。そもそもの話、紅葉が甘えられるというか弱みを見せられる人間って朝久しか居なかったわけだし。
両親はおらず、長姉で、旦那のご両親には尊敬がある。まぁ甘えられないんだから必然こういうの見れるのは朝久なわけで……あぁだから朝久にだけだったのか。可愛い所を見せるのは。
でもそれはそれとして珍しい紅葉が見れたのでちょっとからかおう。
「なぁに?紅葉今日はセンチメンタルじゃん?普段は感情を制御できない人間はゴミみたいなこと言ってるのに」
「フンッ!」
「おわあああぁぁ!?その細身と姿勢からなんて力出すの!ああああギブギブギブ!中身!中身でちゃう!」
身体がミシミシいってる気がする!いや、年齢に見合わないパワーが有るのは知ってるけどここまで!?ファイト一発ベアハッグ!あ、ふざける余裕無くなってきたぐえええ!!!
「耳元で賑やかやねぇ?それにそこまではいうてへんよ?えらいみっともないなぁとは思とるけど」
「あー!!ごめん!ごめんて!言い過ぎました──!ゆ、許して許して何でもするから!」
ジタバタしてとんでもないことを口走った途端に紅葉が締め付けてた腕を離す。
あっ……しまった、と思ったときにはもう遅い。
さっと離れて逃げようとしたところで腕を掴まれて引き寄せられて、紅葉の膝の上に後ろから抱きしめられる形になる。
うっ、行動が読まれてる。そのままうなじというか首筋の辺りを吸われる感覚がする、これさっきの紅葉吸いのことも怒ってるな……?
「迂闊に何でもするとか言うたらあかんよ?」
思いっきり吸われた後に耳元でねっとりとそんな事を言われる。耳元ひそひそねっとりセクシーASMR音声!く、喰われる!?
「ゆ、ゆるしてー……?」
「もちろん、何でも言うこと聞いてくれるんならな?」
「で、電子の歌姫月見ヤチヨちゃんに出来る範囲でよろしくお願いしますぅ……」
「じゃあ答えてほしいんやけども……どうして八千流にメロメロなん?最近はツクヨミでえらいちょっかいかけとるやろ」
んおお……答えづらい質問が来たなぁ。八千流って紅葉ベースで朝久が作ったアバターだから気になるのはわかるんだけど、というか確認に来た朝久に許可出したの紅葉なのに今更それ?
それにツクヨミで八千流にそこまでかまってない……こともないか。確かに一区切りついてからは絡みに行くこと増えたし。んん?もしかしてそれって私の配信追いかけてるってこと?
「やっぱデカいほうが好きなんか……?」
あーあーあーあー完全に理解しました。わかりました!これはそりゃ本人に聞きにくいし聞いたところで回答に納得できないね。紅葉ベースのアバターに乳尻太もも、だいぶ盛ってるもんね!
私の趣味嗜好が朝久と同じだから聞いてきましたねこれ。
あー可愛い!はー可愛い!今世紀最高です優勝!勝ち申した!!
というか嫉妬?これ嫉妬だよね?紅葉、私のこともきちんと好きなんだぁ、ちょっとどころかだいぶ嬉しい。口角が天井まで行っちゃうよ。
「八千流にメロメロって言うけど、朝久も私も紅葉のことが一番好きだよ。というか私が八千流にめっちゃ絡んでるのは、好きって言うよりは自分だから適当に雑に絡んでも気にしなくて良いのと、うーん」
正直これは言うべきか悩んだけど、正直に答えるかぁ。
「ツクヨミを創って八千流が生まれたってことはさ、ゴールが見えたんだよね。そしたらあとすこしが我慢できなかったんだ」
確定してる未来を書き換えることはほぼできず、知ってる未来は大きく変わらない。そもそもリアルでヤチヨとして紅葉と会うつもりはなかったからなぁ。だからまぁ、八千流については自分の声とはいえ京言葉を使う自分の好みのアバターで甘え倒しても許されるのを知ってたから、甘えに行ってしまったのだ。
朝久はずうっとそう、ただ甘えに来た人を優しく包む。寄り添って支えてくれる。人の悪意には敏感だから誰にでもではないけど、受け入れた人にはダダ甘だからなぁ。
まぁ甘やかす最優先は紅葉なんだけど。次点で身内判定した人。一部自分の事ながら損する生き方だよ。
「だから見た目が紅葉に似てる過去の自分に甘えたし、今も自分だからってことで向こうでは甘えてるんだ。というか好きに順番付けるなら、八千流って実質自分だから含めないし。だから紅葉が一番大好きなんだよ?」
そう言って体を預ける。するとぬいぐるみみたいに抱きつかれる、子どもが不安でしがみつくような仕草。あぁ、私達は紅葉を置いて歩き続けるのが決まってるから二人で仲良くしてるのが不安だったのかな。触れられないまま置いていかれるようで。
……こういう弱い所を子供達に見せないのが紅葉の強さで悪いところだと思う。いや、弁護士として絶対無敵モミジオーしてるのもそれはそれで良いんですけどね。
てか弁護士としての強い母に、彩葉が憧れてるのと劣等感を同時に感じてるのわかってるのに、そういう面押し出して接してるから避けられるし言葉の出力間違えてるんだけど?
今度かぐやの戸籍問題とかで彩葉達が帰ってくる時大丈夫そ?
「んーそれならさ、デートしよ?月人ぱぅわーで髪の長さとか色とか変えられるからお忍びお外デート!家じゃ見れないお互いの姿を見よ?」
努めて明るい声でデートの約束を申し込む。しっとりした雰囲気も悪くないけどね!
「……別に髪色も長さも変えんでええのと違う?というか忍ぶ必要あるんか?」
まーだ微妙にしょんぼりしてる紅葉。えぇ?気にしてるのめっちゃ可愛い。もう可愛いを見たいっていう目標達成しまくりだ、やったね!
とはいえ身バレはマズイ。AIライバー月見ヤチヨは一応リアルでの顔出し活動をしていないのだ。ヤチヨのまま出掛けて騒ぎになるのは避けたい。
「えーっとぉ、これでもツクヨミ管理人の月見ヤチヨさんって有名人でしてー?リアルバレは良くないんですよぅ」
「……私との関係は隠さなあかんことなんか?」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!」
あー可愛い!はー可愛い!今世紀最高です優勝!!二度目の優勝、連覇です連覇!!
ふだんつよつよな人間のしおしおから得られる栄養素は今はガンに効かないがそのうち効くようになる。くそー表情見れないのが残念すぎる!
そんな感じに悶えてると紅葉が顎を肩に乗せて頭を私に預けてくる。甘え紅葉!エモ!
え、あの、その困ります困ります!そういう普段しないような可愛いことすんのやめて!心臓が持たないから!
「なぁ、この後時間ある……?」
「え、っと今日のお仕事はもうないから時間はあるけど……?」
正確にはお仕事があっても朝久とFUSHIがなんとかしてくれるはず。
「んぁ」
やさしく抱きついて私の首筋を甘噛みする紅葉。
あー!えっち!えっちすぎます!普段のお誘いならもう服の中に手を突っ込んで唇奪ってきますよねアナタ!?合意と見てよろしいですね!?
という内心は出さずに努めて平静な顔をして提案をする。
「……寝室行く?」
「……ん」
ひぃぃ!可 愛 す ぎ る!はい勝ち!私の勝ち!大勝利!!
なんとか理性を保って、姿勢を整えて、紅葉を背負って寝室に向かう。
背負った紅葉の温かさを感じながら思う。口に出したらきっと怒るんだろうけど、重いね紅葉。おもくてあったかいね。はぁーあ、幸せって重いんだなぁ、なんて。
そんな事を考えながら、私は入った寝室の扉を後ろ手で閉めた。
この後めちゃくちゃ(以下略
な に こ れ
原作の酒寄紅葉さんの解釈って人によってだいぶ分かれると思うんですけど、個人的には傑物ではあるけど不器用な人と解釈しました。いや親としては赤点ですけど。
まぁ、この作品だと原作の影か形ぐらいしかないんですが!主人公が色々やった結果だいぶ丸くなっております。いけずする面倒くさい感じの大人彩葉さんぐらいになってるはず……
あと8月32日、月見ヤチヨさんお誕生日おめでとう!