第1話「星の護り手」
第1話「星の護り手」
第1話「星の護り手」
夜空は静かだった。
ハートフィリア家の広大な屋敷の庭に、一人の青年が立っている。
銀の髪が風に揺れ、長い三つ編みが背に流れる。
その瞳は、まるで星空を閉じ込めたように深く澄んでいた。
「……今日も、異常なし」
ヨゾラは小さく呟く。
彼の役目はただ一つ。
この屋敷に住む少女――ルーシィを守ること。
だが。
「……ねえ、ヨゾラ」
振り返ると、金髪の少女が立っていた。
「お嬢様。夜更かしは身体に――」
「やめて、その呼び方。ルーシィでいいって言ってるでしょ?」
少し不満そうに頬を膨らませる。
ヨゾラは一瞬だけ困ったように目を伏せた。
「……では、ルーシィ様」
「“様”もいらない!」
「……難しいですね」
そのやり取りに、ルーシィは思わず笑ってしまう。
最初に会った時、彼はもっと無機質だった。
まるで“感情が欠けている”ような男だった。
でも今は違う。
少しずつ、人らしくなっている。
「ねえ、ヨゾラ」
「はい」
「あなたって、どこから来たの?」
その問いに、ヨゾラは空を見上げた。
満天の星が広がっている。
「……わかりません」
「やっぱり?」
「気づいた時には、この力と共にここにいました」
その手に、淡い光が宿る。
それは星のように瞬き、やがて渦を巻く。
「星竜の……滅竜魔法」
ルーシィが小さく呟く。
「ええ。ですが、これは普通の滅竜魔法とは違うようです」
「違う?」
「……“星”を喰らう感覚があります」
その言葉に、ルーシィは少しだけ背筋が寒くなった。
――その時だった。
「ッ……!」
ヨゾラの表情が変わる。
「どうしたの?」
「来ます」
次の瞬間。
屋敷の壁を破壊して、黒い影が侵入してきた。
「ルーシィ・ハートフィリアだな」
低い声。
明らかに殺気を含んでいる。
ルーシィが一歩下がる。
だが、その前にヨゾラが立った。
「――ここから先には行かせません」
静かに構える。
「用心棒か。面白い」
敵が笑う。
「どけ。命までは取らん」
「……それはできません」
ヨゾラの瞳が、星のように輝いた。
「俺は――この人を守るためにいる」
次の瞬間。
空気が変わる。
「星竜の滅竜魔法――」
足元に、星の魔法陣が展開される。
「《スター・ドラゴン・ブレス》」
光が爆ぜた。
まるで夜空そのものが、牙を剥いたかのように――
用心棒ヨゾラとお嬢様ルーシィの物語が始まる。
名門・ハートフィリア家に仕える青年ヨゾラ。
彼は記憶を持たない代わりに、“星を喰らう力”を持っていた。
その力は、星霊魔導士であるルーシィと奇妙に共鳴する。
ある日、ルーシィの狙うに刺客が襲来。
ヨゾラはその正体不明の敵と対峙することになる
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