FAIRYTAIL〜星空の竜〜   作:パスカルDX

11 / 49
第6話「壊れた朝と、いつもの騒がしさ」

 

第6話「壊れた朝と、いつもの騒がしさ」

 

朝。

 

あたし達は、壊れたギルドの前に集まっていた。

 

「……ひどいわね」

 

改めて見ると、本当にボロボロ。

 

壁は崩れ、看板は落ち、あの賑やかだった場所が別物みたい。

 

「チッ……やりやがったな」

 

腕を組んで睨む

ナツ・ドラグニル。

 

「今すぐ乗り込むぞ!!」

 

「待て、ナツ」

 

低く制したのは――

グレイ・フルバスター。

 

「相手はギルドだ。軽く動くな」

 

「関係ねぇ!!」

 

「あるだろ!!」

 

いつものケンカが始まりそうになった、その時。

 

「静かにせんか、馬鹿者ども」

 

ドン、と杖が鳴る。

 

現れたのは――

マカロフ・ドレアー。

 

一瞬で空気が引き締まる。

 

「マスター……」

 

あたしは思わず声を漏らす。

 

マカロフは、壊れたギルドを見渡して――

 

「……ふん」

 

鼻を鳴らした。

 

「ボロ酒場が壊れただけじゃ」

 

「はぁ!?」

 

ナツが叫ぶ。

 

「これで“だけ”かよ!?」

 

「建て直せばいい」

 

あっさり言い切る。

 

「報復はせん」

 

その一言に、空気が止まった。

 

「……なんでだよ」

 

ナツの声が低くなる。

 

マカロフはゆっくり振り返る。

 

「ギルド同士の戦争は、街を巻き込む」

 

その目は真剣だった。

 

「軽々しく火をつけるものではない」

 

「……チッ」

 

ナツは悔しそうに拳を握る。

 

あたしも、何も言えなかった。

 

「その代わりじゃ」

 

マカロフが続ける。

 

「しばらくは単独行動は禁止」

 

「え?」

 

「必ずグループで動け」

 

その言葉に――

 

「面倒くせぇ!!」

 

ナツ即反応。

 

「却下だ!!」

 

「却下は却下じゃ」

 

即却下返し。

 

「安全のためじゃ。文句は言うな」

 

「ぐぬぬ……」

 

ナツが唸る。

 

「じゃあ組み分けだな」

 

グレイが冷静に言う。

 

「適当に分かれるか?」

 

その時――

 

「あの!」

 

思わず声を上げる。

 

全員の視線があたしに集まる。

 

「よかったら……あたしの家、使う?」

 

「家?」

 

エルザが聞き返す。

 

「うん、ちょっと狭いけど……」

 

その瞬間。

 

「行く!!」

 

ナツ即決。

 

「メシあるか!?」

 

「あるわけないでしょ!!」

 

「行こう」

 

ヨゾラが自然に言う。

 

「ルーシィの家なら安全だ」

 

「お前は落ち着け」

 

グレイがツッコむ。

 

「いいのか?」

 

エルザが真面目に聞いてくる。

 

「騒がしくなるぞ」

 

「もうわかってるわよ……」

 

あたしは遠い目をする。

 

「覚悟はできてる」

 

■ルーシィの家

 

そして――

 

「せっま!!!」

 

第一声それ!?

 

「ナツうるさい!!」

 

あたしは即ツッコむ。

 

「これが普通なの!!」

 

「いや、オレらのギルドがデカすぎるだけだろ」

 

グレイが冷静に言う。

 

「……確かに」

 

エルザが頷く。

 

「だが悪くない」

 

「でしょ!」

 

ちょっと嬉しい。

 

「おっ、ベッドあるじゃん!」

 

ナツがダイブする。

 

「ちょっとやめなさい!!」

 

ドゴッ!!

 

そのままグレイに蹴り飛ばされる。

 

「靴のまま乗るな!!」

 

「てめぇが蹴るな!!」

 

また始まった。

 

「はいはい、そこまで」

 

エルザが二人を止める。

 

完全に慣れてる。

 

その横で――

 

「……落ち着くな」

 

ヨゾラがぽつりと言う。

 

「え?」

 

「ここ」

 

部屋を見渡す。

 

「ギルドより静かだ」

 

「当たり前でしょ」

 

「悪くない」

 

その言葉に、少しだけ笑う。

 

「でしょ?」

 

その時。

 

「あい!魚ないのー?」

 

ハッピーが飛び回る。

 

「ないわよ!!」

 

「えー」

 

「文句言うな!!」

 

あたしが叫んだ瞬間。

 

ドタバタ、ガシャーン!!

 

「今度は何!?」

 

振り向くと――

 

ナツとグレイがまた喧嘩して、棚を倒していた。

 

「アンタたちぃぃぃ!!!」

 

あたしの怒号が響く。

 

その中で――

 

ヨゾラは少しだけ目を細めた。

 

「……守るべきものが多いな」

 

小さく呟く。

 

その言葉は、誰にも聞こえなかった。

 

でも――

 

確かに、そこにあった。

 

 




感想、評価、お気に入りよろしくお願い致します!

ヒロインアンケート

  • ルーシィ
  • ミラジェーン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。