FAIRYTAIL〜星空の竜〜   作:パスカルDX

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第12話「星は届き、炎は奪い返す」

 

第12話「星は届き、炎は奪い返す」

 

重い空気。

 

幽鬼の支配者の塔。

 

その最上階――

 

あたしは、まだ拘束されたまま立っていた。

 

遠くから、戦いの音が響いてくる。

 

「……来てる」

 

胸が高鳴る。

 

「ナツ……ヨゾラ……」

 

その時。

 

ドォォォン!!!

 

壁が、爆ぜた。

 

「うおおおおお!!!」

 

飛び込んできたのは――

ナツ・ドラグニル

 

その後ろに――

ハッピー

 

「ルーシィ!!!」

 

「ナツ!!」

 

思わず叫ぶ。

 

そのさらに奥から――

 

「間に合ったな」

 

ヨゾラがゆっくりと入ってくる。

 

少しだけ息が荒い。

 

でも、その目はまっすぐあたしを見ていた。

 

「ヨゾラ……」

 

胸の奥が、熱くなる。

 

「待たせた」

 

短く言う。

 

その一言で、全部報われた気がした。

 

だが――

 

「これはこれは」

 

静かな声が響く。

 

空間が歪む。

 

現れたのは――

ジョゼ・ポーラ

 

ただし、実体ではない。

 

揺らぐ影。

 

「思念体……」

 

ヨゾラが呟く。

 

「本体ではないか」

 

「ええ」

 

ジョゼが微笑む。

 

「本体は別で高みの見物ですので」

 

「じゃあテメェは雑魚だな!!」

 

ナツが拳を鳴らす。

 

「ルーシィ返せ!!」

 

「おやおや」

 

ジョゼが楽しそうに笑う。

 

「それは困りますねぇ」

 

その瞬間。

 

魔力が膨れ上がる。

 

「……来るぞ」

 

ヨゾラが前に出る。

 

「ナツ」

 

「あ?」

 

「ルーシィを頼む」

 

ナツが一瞬だけヨゾラを見る。

 

そして――

 

ニヤッと笑う。

 

「任せろ」

 

その一言で十分だった。

 

ヨゾラが一歩踏み出す。

 

「行くぞ」

 

星の光が広がる。

 

「《スター・フィールド》」

 

空間が歪む。

 

ジョゼの思念体が揺らぐ。

 

「ほう……」

 

興味深そうに見る。

 

「それがあなたの魔法ですか」

 

「そうだ」

 

ヨゾラの目が細くなる。

 

「本体じゃなくても――」

 

構える。

 

「十分だ」

 

次の瞬間。

 

「《スターダスト・ブレイク》!!」

 

光が炸裂する。

 

ドォォォン!!!

 

塔全体が揺れる。

 

だが――

 

「甘いですねぇ」

 

煙の中から、声。

 

無数の魔力弾が放たれる。

 

「チッ……!」

 

ヨゾラがかわす。

 

だが、数が多い。

 

「これは“思念”です」

 

ジョゼが笑う。

 

「実体がない分、自由度が高い」

 

「厄介だな……」

 

ヨゾラが呟く。

 

その間に――

 

「ハッピー!!」

 

ナツが叫ぶ。

 

「あい!!」

 

ハッピーが飛び上がる。

 

ナツを掴み――一気に加速。

 

「ルーシィ!!」

 

一直線に突っ込む。

 

「させませんよ」

 

ジョゼの魔力が、ナツを狙う。

 

だが――

 

「させるか」

 

ヨゾラが前に出る。

 

星の光で、軌道を逸らす。

 

「今だ、ナツ!!」

 

「おおおおお!!!」

 

ナツが一気に距離を詰める。

 

「ルーシィ!!」

 

「ナツ!!」

 

その瞬間――

 

バキン!!

 

拘束が砕ける。

 

「遅ぇぞバカ!!」

 

「うるさいわね!!」

 

思わず言い返す。

 

でも、嬉しくてたまらない。

 

「帰るぞ!!」

 

ナツが笑う。

 

その背後で――

 

「……チッ」

 

ジョゼの声が低くなる。

 

「逃がしませんよ」

 

魔力が膨れ上がる。

 

だが。

 

「逃がす」

 

ヨゾラが立ちはだかる。

 

その瞳は、静かに燃えていた。

 

「ここから先は通さない」

 

「……あなた一人で?」

 

ジョゼが笑う。

 

「本体でもない相手に?」

 

ヨゾラは少しだけ笑う。

 

「十分だ」

 

星の光が、強くなる。

 

「仲間は、取り返した」

 

一歩踏み出す。

 

「後は――」

 

魔力が、さらに膨れ上がる。

 

「叩き潰すだけだ」

 

空気が震える。

 

ジョゼの笑みが深くなる。

 

「面白い……」

 

その時。

 

「ヨゾラ!!」

 

ルーシィの声。

 

振り向くと――

 

ナツとハッピーに支えられたルーシィ。

 

無事。

 

「……行け」

 

ヨゾラが言う。

 

「外で待ってろ」

 

「でも――」

 

「大丈夫」

 

少しだけ柔らかい声。

 

「すぐ追いつく」

 

ルーシィは一瞬迷って――

 

「……絶対よ」

 

「ああ」

 

頷く。

 

ナツがニヤリと笑う。

 

「先行ってるぞ」

 

「早く来いよ」

 

「わかってる」

 

二人が飛び出す。

 

残されたのは――

 

ヨゾラとジョゼ。

 

「さて」

 

ジョゼが微笑む。

 

「続きといきましょうか」

 

ヨゾラは静かに構える。

 

「……ああ」

 

その瞳は、もう迷っていなかった。

 

守るべきものは、取り戻した。

 

だから――

 

全力で、戦える。

 

 




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