第19話「星は笑い、すべてを貫く」
ドォォォォン!!!
壁が、吹き飛ぶ。
瓦礫が舞い上がる中――
白い光が、差し込む。
「……来たか」
ユウリが振り向く。
その瞬間。
光の中から、一人の影が現れる。
銀髪。
長い三つ編み。
そして――
全身を包む、安定した星の魔力。
「……遅れたな」
それは――ヨゾラ。
だが、その空気は今までとまるで違う。
軽い。
そして――
どこか楽しそう。
「……ヨゾラ!!」
あたしは思わず叫ぶ。
「待たせた、ルーシィ」
軽く手を振る。
その顔は――
笑っている。
「……その様子」
ユウリが目を細める。
「何かあったね」
「ああ」
ヨゾラが笑う。
「最高にいい感じだ」
星の光が、静かに弾ける。
「……なるほど」
ユウリが構える。
「なら、試そうか」
その瞬間。
「《ガーディアン・レイ》」
光の奔流が放たれる。
だが――
「遅い」
ヨゾラが、消える。
「なっ!?」
ユウリの背後。
「こっちだ」
「っ!!」
振り向いた瞬間――
「《スターダスト・インパクト》」
ドゴォォォン!!!
直撃。
ユウリの身体が吹き飛ぶ。
壁に叩きつけられる。
「がっ……!」
「いいねぇ」
ヨゾラが笑う。
「ちゃんと当たる」
「……っ」
ユウリが立ち上がる。
「スピードが……」
「上がった?」
ヨゾラが肩をすくめる。
「まぁな」
星が、軽やかに舞う。
「全部、噛み合ってる」
その姿は、まるで別人。
「……面白い」
ユウリの目が鋭くなる。
「だが――」
手を広げる。
「《ガーディアン・ドーム》」
絶対防御。
同時に――
「《バインド・レイン》」
無数の鎖が降る。
だが。
「効かない」
ヨゾラが指を鳴らす。
「《スター・フィールド》」
空間が歪む。
鎖が軌道を逸れ、消える。
「なっ……!?」
「それ、もう見た」
軽く言う。
「同じ手は通じない」
「……っ」
ユウリが歯を食いしばる。
「なら――!」
さらに魔力を上げる。
「僕は負けない!!」
光が膨れ上がる。
「ルーシィを守るのは僕だ!!」
その叫びに――
ヨゾラの笑みが、少しだけ変わる。
「……違うな」
静かに言う。
一歩、踏み出す。
「守るってのは――」
星が、強く輝く。
「閉じ込めることじゃない」
ユウリの目が揺れる。
「一緒に歩くことだ」
その言葉に――
ルーシィの目が見開かれる。
「……ヨゾラ」
「お前は」
ユウリを見る。
「怖がられてる時点で、間違ってる」
「……っ!!」
ユウリの表情が歪む。
「黙れ!!」
怒りが爆発する。
「僕は間違ってない!!」
「《ガーディアン・ブレイク》!!」
最大出力の光が放たれる。
空間が震える。
だが――
「いいや」
ヨゾラが笑う。
「間違ってる」
そのまま、踏み込む。
真正面から。
「《スターノヴァ・ドラグニル》」
星が、爆発する。
ドォォォォォン!!!
光と星が衝突する。
そして――
押し勝つ。
「バカな……!!」
ユウリの魔法が、砕ける。
「終わりだ」
ヨゾラが一気に距離を詰める。
「守るってのを――」
拳を振りかぶる。
「教えてやる」
「がっ――!!」
直撃。
ユウリが地面に叩きつけられる。
クレーターが広がる。
静寂。
ヨゾラは、そのまま立つ。
星が、静かに輝く。
「……はぁ」
少しだけ息を吐く。
「やりすぎたかもな」
軽く言う。
その時。
「……ヨゾラ」
後ろから声。
振り向く。
ルーシィ。
無事。
「……来るの遅い」
涙目で言う。
「悪い」
少しだけ笑う。
「寄り道した」
「バカ」
そう言いながら――
少しだけ笑う。
その瞬間。
戦いは、決着へと向かう。
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