FAIRYTAIL〜星空の竜〜   作:パスカルDX

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第20話「選ぶ未来」

 

第20話「選ぶ未来」

 

土煙が、ゆっくりと晴れていく。

 

クレーターの中心。

 

倒れているユウリ。

 

「……っ……」

 

かすかに動く。

 

「……まだ、立つか」

 

ヨゾラが静かに言う。

 

その声は、さっきまでの軽さが少しだけ抜けていた。

 

だが――まだ熱を帯びている。

 

「……当然だよ」

 

ユウリが、ふらつきながら立ち上がる。

 

服は破れ、血が滲む。

 

それでも――目だけは死んでいない。

 

「僕は……まだ終わってない」

 

「……しつこいな」

 

ヨゾラが構える。

 

「ルーシィを……」

 

ユウリが前を見る。

 

その先に――

 

ウェディングドレス姿の

ルーシィ・ハートフィリア

 

「渡すわけにはいかない」

 

「……」

 

ヨゾラは一瞬だけ、ルーシィを見る。

 

そして。

 

「ルーシィ」

 

静かに呼ぶ。

 

「お前が決めろ」

 

「……え?」

 

ルーシィが目を見開く。

 

「誰のそばにいるか」

 

その言葉に、空気が止まる。

 

ユウリも、息を呑む。

 

「……そんなの」

 

ルーシィは、迷わなかった。

 

一歩、前へ出る。

 

「決まってる」

 

まっすぐ――ヨゾラを見る。

 

「自分で選ぶ」

 

その声は、強かった。

 

「誰かに決められる人生なんて、いらない」

 

ユウリの目が揺れる。

 

「……ルーシィ」

 

「それに」

 

少しだけ、優しく笑う。

 

「守ってくれるなら」

 

ヨゾラを見る。

 

「一緒に戦ってくれる人がいい」

 

その言葉が――すべてだった。

 

静寂。

 

そして。

 

「……そうか」

 

ユウリが、静かに笑う。

 

だが、その笑顔は――

 

どこか壊れていた。

 

「やっぱり……」

 

手を握る。

 

「僕じゃ、ダメなんだね」

 

「……ユウリ」

 

ルーシィが言葉を探す。

 

だが。

 

「いいんだ」

 

ユウリが首を振る。

 

「わかってた」

 

でも――

 

その目に、狂気が宿る。

 

「それでも」

 

魔力が、膨れ上がる。

 

「諦められるわけないだろ!!」

 

「……っ」

 

ヨゾラが前に出る。

 

「最後か」

 

「最後だよ!!」

 

ユウリが叫ぶ。

 

「僕が……僕が守るんだァァァ!!!」

 

「《ガーディアン・オーバードライブ》!!!」

 

光が、暴走する。

 

制御を失った、巨大な魔力。

 

空間が歪む。

 

「……来い」

 

ヨゾラが静かに構える。

 

星が、静かに収束する。

 

「終わらせる」

 

一歩踏み出す。

 

「《スターノヴァ・ドラグニル》」

 

星が、爆発する。

 

ドォォォォォン!!!

 

光と星が、真正面から衝突する。

 

激しい閃光。

 

轟音。

 

そして――

 

静寂。

 

光が、消える。

 

そこに立っていたのは――

 

ヨゾラ。

 

その前で――

 

ユウリが、崩れ落ちる。

 

「……あ……」

 

膝をつく。

 

「……届かなかった」

 

力なく笑う。

 

「……ああ」

 

ヨゾラが静かに言う。

 

「お前は、間違えた」

 

ユウリは、ゆっくりと目を閉じる。

 

「……でも」

 

最後に、かすかに笑う。

 

「綺麗だったよ……」

 

ルーシィを見る。

 

「……幸せに」

 

そのまま――意識を失った。

 

静寂。

 

戦いは、終わった。

 

「……終わったな」

 

ヨゾラが小さく呟く。

 

その時。

 

「ヨゾラ」

 

振り向く。

 

ルーシィ。

 

ウェディングドレスのまま。

 

少しだけ、震えている。

 

「……来い」

 

ヨゾラが手を差し出す。

 

ルーシィは一瞬だけ迷って――

 

そのまま、飛び込む。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「……っ」

 

ヨゾラが受け止める。

 

そのまま――

 

強く、抱きしめる。

 

「怖かった……」

 

ルーシィの声が、震える。

 

「……もう大丈夫」

 

ヨゾラが静かに言う。

 

「絶対に離さない」

 

その言葉に――

 

ルーシィの手が、服を掴む。

 

「……遅いのよ」

 

少しだけ泣きながら言う。

 

「ごめん」

 

「ほんとに」

 

「ごめん」

 

ヨゾラが少しだけ笑う。

 

「次はもっと早く来る」

 

「当たり前でしょ」

 

ルーシィが小さく笑う。

 

そのまま――

 

少しだけ顔を上げる。

 

距離が、近い。

 

「……守ってくれて」

 

小さく言う。

 

「ありがとう」

 

「……ああ」

 

ヨゾラも、小さく頷く。

 

星の光が、静かに揺れる。

 

戦いの中で――

 

二人の距離は、確かに縮まっていた。

 

 




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