第21話「戦いのあとに残るもの」
轟音が、止んだ。
煙が、ゆっくりと晴れていく。
マグノリアの街。
そこにあったのは――
戦いの跡と、静寂。
「……終わった、のか」
誰かが呟く。
その言葉の通りだった。
幽鬼の支配者は、崩壊した。
鉄の魔導士――
**ガジル・レッドフォックス**は敗北し、
炎の滅竜魔導士――
**ナツ・ドラグニル**が立っていた。
「はぁ……はぁ……」
肩で息をしながらも、笑う。
「ざまぁみろ……」
その視線の先で、ガジルが倒れている。
そして――
空の上。
巨大ロボットの残骸の中で。
「……終わりです」
静かな声。
幽鬼の支配者のマスター――
ジョゼ・ポーラ
その前に立つのは――
小さな体。
だが、圧倒的な存在感。
「よくも……ワシの子らを……」
低く響く声。
それは、復活した
マカロフ・ドレアー
「妖精の尻尾を……舐めるな」
その瞬間。
魔力が爆発する。
「ぐっ……!!」
ジョゼが押される。
「バカな……この魔力……!」
「これが」
マカロフが拳を握る。
「“妖精の尻尾”じゃ」
ドォォォォォン!!!
決定的な一撃。
ジョゼは、完全に打ち倒された。
――戦争、終結。
■戦いのあと
夕焼け。
壊れた街。
でも――人々は生きている。
「終わったな」
グレイが肩を回す。
「……ああ」
エルザが静かに頷く。
少し離れた場所。
ルーシィは、静かに立っていた。
その隣に――
ヨゾラ。
「……大丈夫か?」
ヨゾラが、穏やかに聞く。
「うん」
あたしは頷く。
「ちょっと疲れただけ」
「無理するな」
その言い方は、優しい。
前みたいな“義務感”じゃない。
自然な声。
「……ねぇ」
あたしは少しだけ笑う。
「なんか変わった?」
「何が」
ヨゾラが首を傾げる。
「ヨゾラ」
じっと見る。
「前より、柔らかくなった」
「……そうか?」
「うん」
頷く。
「前はもっと、“守らなきゃ”って感じだったけど」
少しだけ間。
「今は……一緒にいるって感じ」
ヨゾラが、少しだけ考える。
そして――
「……かもな」
小さく笑う。
その表情は、どこか軽い。
「前は余裕なかった」
空を見上げる。
「力も、気持ちも」
「今は?」
「ある」
即答。
「守るだけじゃない」
ルーシィを見る。
「一緒にいる余裕が」
その言葉に――
少しだけ、胸が温かくなる。
「……いいじゃない」
あたしは笑う。
「そのほうが好き」
ヨゾラが、少しだけ目を見開く。
「……そうか」
「うん」
少し照れながらも頷く。
その時。
「おーい!!」
ナツの声。
「帰るぞー!!」
ハッピーも飛んでいる。
「宴だー!!」
「もう元気ね……」
思わず笑う。
ヨゾラも、少しだけ笑う。
「らしいな」
「行こっか」
あたしは歩き出す。
少しだけ前に。
でも――
ヨゾラは、すぐ隣に並ぶ。
自然に。
「……なぁ」
ヨゾラが言う。
「ん?」
「これからも」
少しだけ言葉を探して――
「よろしくな」
その一言。
あたしは笑う。
「当たり前でしょ」
軽く肩をぶつける。
「仲間なんだから」
ヨゾラも、少しだけ笑う。
「……ああ」
夕焼けの中。
二人は並んで歩く。
戦いは終わった。
でも――
物語は、まだ続く。
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