第22話「宴と決意」
夜。
妖精の尻尾。
――大騒ぎだった。
「宴だぁぁぁぁ!!!」
**ナツ・ドラグニル**が叫ぶ。
「待てナツ!!壊すな!!」
**グレイ・フルバスター**が止める。
ドゴォン!!
「だから言っただろ!!」
壁が一部崩れる。
「また壊したぁぁぁ!!」
マスターの叫び――
マカロフ・ドレアー
「はっはっは!!細けぇことはいいだろ!!」
「よくないわよ!!」
ルーシィ――あたしもツッコむ。
その横で。
「ナツは元気ね〜」
にこにこと微笑む
ミラジェーン・ストラウス
「元気すぎるだろ……」
ヨゾラが苦笑する。
「……あれが通常運転だ」
**エルザ・スカーレット**が真顔で言う。
「いや怖いわよ」
思わずツッコむ。
その時――
「うおおお!!飲むぞォ!!」
ナツが樽を持ち上げる。
「待て、それ酒だぞ!!」
「だから飲むんだよ!!」
「お前はやめろ!!」
グレイと取っ組み合い。
バキィッ!!
テーブルが割れる。
「だから壊すなァァァ!!」
マカロフ絶叫。
「……平和ね」
あたしはため息をつく。
でも――
少しだけ笑う。
その時。
「ほら、ルーシィ」
隣から声。
ヨゾラが飲み物を差し出す。
「無理すんな」
「……ありがと」
受け取る。
「ヨゾラも飲むの?」
「少しだけな」
「酔うの?」
「どうだろうな」
少しだけ笑う。
その柔らかさに――
あたしもつられて笑う。
その時。
「ルーシィ!!」
ナツが絡んでくる。
「お前も飲め!!」
「ちょっ、やめなさいって!!」
ドタバタ。
騒がしい。
でも――
楽しい。
「……」
あたしは、少しだけその光景を見つめる。
みんな、笑ってる。
無事でよかった。
本当に――
その時。
「……ルーシィ?」
ヨゾラが気づく。
「どうした」
「……ううん」
首を振る。
「なんでもない」
笑ってみせる。
でも――
心の奥に、残ってるものがある。
(……お父様)
今回の事件。
全部の原因。
逃げたままじゃ、終われない。
「……ねぇ、ヨゾラ」
「ん?」
「もしさ」
少しだけ言いづらそうにする。
「また面倒なことに巻き込まれたら」
ヨゾラは、迷わず答える。
「助ける」
「……即答ね」
「当たり前だ」
その言葉に――
少しだけ安心する。
「……ありがと」
小さく呟く。
でも。
(……これは)
拳を、そっと握る。
(あたしがやるべきこと)
宴は続く。
笑い声が響く。
でも――
あたしの中で、決意は固まっていた。
■深夜
静まり返ったギルド。
みんな、寝落ちしている。
ナツも、グレイも、エルザも。
ヨゾラも――壁にもたれて眠っている。
「……」
あたしは、静かに立ち上がる。
荷物は、最小限。
「……行かなきゃ」
小さく呟く。
扉へ向かう。
その時。
「……どこ行くんだ」
後ろから声。
ビクッとする。
振り向くと――
ヨゾラ。
目を開けている。
「……起きてたの」
「気配でな」
ゆっくり立ち上がる。
「……家か」
図星。
「……うん」
あたしは頷く。
「お父様と、ちゃんと話したい」
ヨゾラは、しばらく黙る。
「……一人で行くのか」
「うん」
はっきり言う。
「これは、あたしの問題だから」
静かな沈黙。
「……そうか」
ヨゾラが言う。
止めない。
「でも」
一歩近づく。
「危なくなったら呼べ」
その声は、優しい。
「すぐ行く」
あたしは、少しだけ笑う。
「うん」
頷く。
「その時は頼る」
ヨゾラは、それを見て――
小さく頷く。
「行ってこい」
「……行ってきます」
扉を開ける。
夜の空気。
一歩踏み出す。
背中に――
仲間の気配を感じながら。
あたしは、前を向く。
父と――
決着をつけるために。
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