FAIRYTAIL〜星空の竜〜   作:パスカルDX

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第4話「妖精の尻尾と、竜の衝突」

 

 

 

第4話「妖精の尻尾と、竜の衝突」

 

 

 

 

「ここが――フェアリーテイル……!」

 

あたしは思わず息を呑んだ。

 

扉の向こうから聞こえてくるのは――

 

ドォン!!バキィッ!!ガシャーン!!

 

「ちょっとアンタ何すんのよ!」

「うるせぇのはテメェだろ!」

「酒持ってこい酒ぇ!!」

 

……めちゃくちゃだった。

 

「……帰る?」

 

ヨゾラが真顔で言う。

 

「帰らないわよ!!」

 

あたしは勢いよく扉を開けた。

 

「失礼しま――」

 

その瞬間、椅子が飛んできた。

 

「危ない!」

 

ヨゾラがあたしを引き寄せる。

 

椅子はすぐ横をかすめて壁に突き刺さった。

 

「いってぇなコラァ!!」

 

「テメェが投げたんだろうが!!」

 

「……なるほど」

 

ヨゾラが小さく頷く。

 

「戦場ですね」

 

「ギルドよ!!」

 

あたしがツッコんだ時――

 

「おーい、戻ったぞー!」

 

ナツが元気よく叫ぶ。

 

「あ、ナツだ!」

「また何か壊してきたのか?」

「仕事してきたのか疑わしいな」

 

一斉に視線が集まる。

 

「今日は客連れてきたぜ!」

 

その言葉で、今度はあたし達に注目が集まった。

 

「新入り?」

「女の子じゃん!」

「おい飲ませろ!」

 

「ちょっと近い近い!!」

 

囲まれてパニックになるあたし。

 

その時――

 

ドン、と床を杖が叩かれた。

 

「静かにせんか、馬鹿ども」

 

一瞬で空気が変わる。

 

カウンターの奥にいた小さな老人が、鋭い目でこちらを見ていた。

 

「紹介しろ、ナツ」

 

「おう!」

 

ナツがニヤッと笑う。

 

「こいつはルーシィ!星霊魔導士だ!」

 

「よろしく!」

 

あたしは深く頭を下げる。

 

「で、こっちが――」

 

ナツがヨゾラを見る。

 

「……ヨゾラです」

 

静かに名乗る。

 

その瞬間。

 

空気がピリッと張り詰めた。

 

「……妙な魔力だな」

 

誰かが呟く。

 

「ただの魔導士じゃねぇ」

 

ヨゾラは一歩前に出る。

 

「ルーシィの護衛として、同行しています」

 

「護衛?」

 

老人――マスターが目を細める。

 

「ギルドに入るつもりはあるか?」

 

あたしは一歩前に出た。

 

「あります!あたし、ここで魔導士としてやっていきたいんです!」

 

マスターはしばらく黙っていた。

 

そして――

 

ニヤリと笑う。

 

「面白い目をしておる」

 

ドン、とカウンターを叩く。

 

「入れ」

 

「えっ……!?」

 

「ようこそ、“フェアリーテイル”へ」

 

その一言で――

 

「うおおおおお!!新入りだぁ!!」

「宴だぁぁぁ!!」

「飲め飲め!!」

 

一気に大騒ぎ。

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

あたしは完全に飲み込まれる。

 

でも――

 

不思議と、嫌じゃなかった。

 

「……よかったですね、ルーシィ」

 

ヨゾラが小さく言う。

 

「あんたもよ!」

 

その時だった。

 

「なあ、ヨゾラ」

 

ナツが声をかける。

 

「……はい」

 

「さっきの続き、やろうぜ」

 

ニヤッと笑う。

 

「勝負だ」

 

あたしは頭を抱えた。

 

「やっぱりそうなるのね!!」

 

■ギルド内バトル

「外だ外!中壊すな!!」

 

誰かの一言で、全員が外へ雪崩れ込む。

 

ギルドの前の広場。

 

簡易的な観戦スペースみたいになってる。

 

「ナツー!負けんなよー!」

「新入りやっちまえ!」

 

完全にお祭り。

 

「……ルーシィ」

 

ヨゾラが静かに言う。

 

「少し離れていてください」

 

「無茶しないでよ」

 

「はい」

 

そして――

 

二人が向かい合う。

 

「いくぞ!!」

 

ナツが先に動いた。

 

「火竜の――鉄拳!!」

 

炎を纏った拳が一直線に突っ込む。

 

ドン!!

 

だが――

 

「……遅い」

 

ヨゾラは最小限の動きでそれをいなす。

 

「なにっ!?」

 

「星竜の滅竜魔法」

 

足元に、淡い光が広がる。

 

「《スター・フィールド》」

 

瞬間。

 

空間が変わる。

 

まるで夜空の中に閉じ込められたような、幻想的な領域。

 

「うおっ、なんだこれ!?」

 

ハッピーが驚く。

 

「……重力と感覚の操作です」

 

ヨゾラが淡々と言う。

 

ナツの動きがわずかに鈍る。

 

「ちっ……!」

 

だがナツは笑った。

 

「面白え!!」

 

大きく息を吸い込む。

 

「火竜の咆哮!!」

 

炎が空間を焼き払う。

 

星の光と炎がぶつかり合う。

 

ドォォンッ!!

 

「……やりますね」

 

ヨゾラの瞳が輝く。

 

「そっちもな!!」

 

ナツが突っ込む。

 

今度はヨゾラも前に出た。

 

「星竜の――」

 

光を拳に収束させる。

 

「《スターダスト・ブレイク》」

 

「火竜の――鉤爪!!」

 

二つの力が――

 

真正面から衝突した。

 

ドゴォォォン!!!

 

衝撃波が広場を揺らす。

 

「きゃあっ!」

 

あたしは思わず目を閉じる。

 

煙が晴れると――

 

二人は、互いに拳を止めた状態で止まっていた。

 

「……へっ」

 

ナツが笑う。

 

「いいじゃねぇか」

 

「……ええ」

 

ヨゾラもわずかに微笑む。

 

「悪くありません」

 

その時――

 

「そこまでじゃ!!」

 

マスターの一喝。

 

空気が一瞬で引き締まる。

 

「ギルド壊す気か貴様ら」

 

「へへ、すまん」

 

ナツが頭をかく。

 

ヨゾラも一歩下がる。

 

「申し訳ありません」

 

「……ふん」

 

マスターは二人を見て――

 

ニヤリと笑った。

 

「いいな」

 

「え?」

 

「問題児が増えた」

 

ギルド中が笑いに包まれる。

 

あたしは、思わずため息をついた。

 

でも――

 

「……悪くないわね」

 

そう思った。

 

ここなら、きっと――

 

楽しくなりそう。

 

そしてヨゾラを見る。

 

星の力を持つ、記憶のない護衛。

 

でも今は――

 

同じギルドの仲間。

 

「よろしくね、ヨゾラ」

 

「……はい、ルーシィ」

 

火と星。

 

二つの竜は、これから――

 

同じ場所で、騒がしく輝いていく。




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