スズキサトルの日常   作:ふじら

6 / 7
第6話 武技?それよりも基礎でしょ!

 

「さて、貴様がモモンか。時間通りだな」

 

昼過ぎになり、レメディオスと別れた彼は指定された訓練場に来ていた。

 

うわー、すっごい騎士オーラ出てるなぁ。

なんか雰囲気もたっちさんと似てるし。

けど俺以外にも黒を貴重にした騎士っているんだな、これじゃあキャラが被っちゃうじゃないかぁ。

 

ペシュリアンに好印象を抱くも、彼が自身のダークウォリアー像と近い為対抗心が少し芽生える。

 

「今日は宜しくお願いします、ペシュリアンさん」

 

モモンはペシュリアンに一礼する。

 

「ああ。名前は聞いていたか、しかし改めて自己紹介させてもらおう。俺が聖騎士団の訓練指導官ペシュリアン。入団して十年以上経つ、宜しくな。まぁお前とは短い間の仲になるだろうがな」

 

短い間?訓練期間って思いのほか短いのかな?

それに…なんだあの剣は団長さんや他の騎士が持っているのとは違う。

めっちゃグネグネしてるんだけど…鞭?

 

「なんだ、俺の武器が気になるのか?」

 

「あ、すいません…珍しい形だと思いまして」

 

「これはウルミと呼ばれる特殊な金属を用いた剣。斬糸剣だ。まあ鞭のように扱う代物だな」

 

「なるほど…」

 

ユグドラシルには無かったよな??

鞭自体はあるし、鎖鎌もあったけど剣が鞭になってるのは…これはたっちさんや建御雷さんが好きそうだなぁ。

でもイメージ的には弐式さんとか使ってそうな気もする…。

 

モモンがマジマジと剣を見ていると、ペシュリアンはそれに気づく。

 

「なんだ?気になることでもあるのか?この剣に」

 

「はい。初めて見たモノで…ペシュリアンさんは昔から使っていたのですか?」

 

「騎士としては直剣の方が長い。これに切り替えたのも最近だな」

 

へえ、じゃあ何らかの職業が解放されてそうだなぁ。

流石にそんな特殊な剣を使っていて聖騎士のまんまな訳ないだろうし。

 

「なぜその剣に?」

 

「知りたいか?」

 

「はい」

 

「関心があるのはいいが、今はまだ早い。それに俺の口から言うよりも経験で感じた方が良い」

 

おおお、武人だ。

背中で語る感じの漢だよこれ。

そうそう。黒騎士といったら寡黙、素っ気ない態度で意味ありげなことを言うイメージあるよな、これこそ俺の求める騎士だよ。

いやぁ、先にやられたなぁ…ダークウォリアー。

どっかで追い越さないと…。

 

 

「それであの団長から言われている内容だが、基礎訓練をメインに武技の習得を図る」

 

「おお!武技ですね」

 

「そうだ、しかし主は基礎だ。剣の握り方から、足捌き、間合い、一連の動作を学んでもらう。武技は余裕がある場合だ」

 

「分かりました!」

 

元気よく返事をするモモン。

 

「では剣を持て」

 

彼は二振りの大剣(グレートソード)を構える。

 

それを見たペシュリアンは半ば呆気にとられながらも予想通りといった反応を示す。

 

「やはりか」

 

 

 

こいつの装備、巫山戯ているのかと思っていたが…。

 

扱えるだけの力はあるようだな。

 

あのような巨大な剣を片手で持ち上げるとは…あの団長は面倒な人材を拾ってきたな。

 

「では軽く振ってみろ。相手はそうだな、ゴブリンをイメージしろ」

 

そう指示されたモモンは不安気にこうか?こうか?と言いながら軽く振る。

 

それを5分ほど行った後、ペシュリアンはモモンを止めた。

 

「中々に筋がいい、反射神経は少し問題があるが素質は十分ある。あとは慣れだろう」

 

「本当ですか!」

 

「ああ、自分の中では上手くいかないと思っているかもしれないが十二分にやれている。なによりその不可思議な大剣をマトモに振れているんだ。自信をもて」

 

こいつは…何者だ?

 

本当に剣を扱うのが初めてなのか?

それにしては異常すぎる、どうやってその剣を持っている。

重心がズレているのにも拘らず…。転倒する気配がない。

 

筋力にものを言わせていると考えてもコイツにそこまでの筋肉があるようには感じない。

 

なんだ、なんなんだコイツは。

 

 

彼は困惑していた、どう見ても動きは初心者。

体幹を見る限り武術なども経験がないだろう、そんな男が自身の背丈程ある大剣を2つ難なく振り回しているのだ。

 

あの剣と鎧には秘密があるのか?

 

彼は敵を分析するかのように注意深くモモンを観る。

 

 

「後はそう力任せに振るな。剣は叩きつけるものではない、剣とは鞭を打つように扱う。少しの気の入り方で有り様が変わる繊細な武器だ」

 

それを聞いたモモンは鞭を意識する。

 

意識することしか彼はしてないのだが、それでも彼の少しの変化にペシュリアンは合格とみなす。

 

「そうだ、そのまま俺の首を狙いに来い」

 

そう言うとモモンは軽く振った。

殺すまではもちろん行かない、彼のレベルからしたらお遊びもお遊びの振りだ。

 

しかしペシュリアンはそんな彼から違和感を覚える。

それは単なる剣技ではない。ナニカ。

普通なら有り得ない、体が覚えるにしてもあまりにも早すぎるのだ。

 

「モモン。お前……本当に初めてか?」

 

ペシュリアンは意志と反して自ずと口を開いてしまう。

 

「なんだその速度は…それになぜそのように指が動く」

 

モモンが、自身のアドバイスに対して意識をしたのは理解していた。

そしてモモンが鞭を意識するこの一点だけに集中したことも理解している。

そうなれば必然と他の部分が疎かになったり、綻びが生まれるはずなのだ。

しかし彼はそれが一切なかった。

それどころか、剣を扱う者としてそれは綺麗な剣の振り方だった。

ペシュリアンはあまりのことに、モモンの装備にナニカがあるのではないのかと疑う、だが浮かんだ瞬間直ぐにその考えをやめた。

 

「いやこれも才能か、俺の嫉妬心が生み出した疑心だな」

 

彼は経験からそう判断する。

モモンは非常に優れた才能があり、それを疑う自分は彼の才に嫉妬しているのだ。

 

 

 

異常だ、なんだコイツのポテンシャルは。

 

「少し休憩をいれよう」

 

ペシュリアンは自分の頭や心を休める意味も込めた休憩を提案する。

モモンもそれに同意し、訓練を中断する。

 

 

 

「難しいですね、どれだけ意識してもどれか忘れちゃいます」

 

嘘をつけ。お前の中ではそうかもしれないが、体は適した動きを覚え始めている。

 

「そうだな。だがいずれは体が覚え考えずとも動けるようになる」

 

 

 

 

 

 

 

うーん難しいなぁ。

こんな事になるなら、たっちさんに色々聞いとけばよかったな。剣のけの字も分からないと本当にこの先やっていけそうにないさ。

 

というか武技を早く習得したいんだけど、自主練してもいいかもな。

もし覚えれたら、そっから型?が定まって良い方向に転ぶかも。

 

しかし、武技はどうやって覚えるんだ?

 

 

「そういえば質問があります!」

 

「なんだ、言ってみろ」

 

「そのぉ…武技はどうやれば覚えられるんですか?」

 

「ふむ、どうやる…か」

 

「はい。強くなっていけばそのまま覚えれるモノなんでしょうか?」

 

「基本的にはそうだな、しかしお前は既に強い。ほんの少し意識を変えれば武技の一つや二つ覚えてもおかしくはないのだが」

 

やはりレベルか?この世界でも上限は健在なのか?

 

がっくしと見るからに落ち込むモモン。

 

 

「まあ落ち込むな。本来武技とはすぐ手に入るものではないからな、武技は自分の心だ。強い信念がまずは必要だ。そして次に大切なのは…自身が得意とするものだ」

 

「得意とするもの…」

 

「直剣を振るう者は剣士として、短剣を振るう者は盗賊など。武器や特性、経験によって得れるものが変わる。細かいことは分からないが俺が出会ってきたヤツらはそうだった」

 

「俺も最初こそ直剣を扱っていたが、ある時この剣を持った。するとだ、以前よりも手に馴染むのだ。これが得意というものだろう。そして武技とは異なるが、度重なる亜人との戦いにより俺は亜人特効を手に入れた。亜人種であれば武器の威力があるというものだ。これは意図して身につけたものではない。いつの間にか身につけていた」

 

 

 

「分かりやすいのはレメディオスだな、あの団長を思い出してみろ」

 

 

 

「モモン!!行くぞ!」

 

「モモン!ついてこい!!」

 

「モモン!どうした!?」

 

「「モモン!ご飯だぞ!」」

 

思い出せと言っても…これしか出てこないんだが。

 

 

「……ヤツは、持って生まれたその異常な性格がある、それ故か聖属性に関する武技やスキルを多く保持している」

 

「貴様に得意なことはあるのか?」

 

うーん、得意なこと……得意なこと……

 

「魔法……ですかね」

 

「……であれば何故ここで剣の訓練をしている」

 

ペシュリアンはモモンの返しに困惑する。

なぜ魔法を扱える人間が、ここで剣の訓練をしているのか。

今からでも取りやめてそちらの道でやった方が良いのでは?

そう思考を巡らせる。

 

「…団長さんと色々ありまして」

 

「…………はあ」

 

あの団長と何かがあった。そうなれば……仕方ないだろう。

 

 

 

 

「となれば話は複雑だな、魔法と剣は基本的に両立不可能だ。

俺もこれまで様々武人を相手してきたつもりだが…その二つを兼ね備えた強者というものは存在しない。

いても一般兵士程の剣術で第一位階が使える程度。強者には該当しない 」

 

「だが、お前の力を見る限り……天性の才能があるとみる」

 

 

すいません、それ完璧なる戦士(パーフェクト・ウォリアー)が機能してるだけなんです。

さっきから才能ありますよ的な発言ありますけど、多分全部ユグドラシルのお陰なんです!!

 

「なら魔法をイメージして武技の発動を狙う、それか武器の変更をする。武技を覚えるとしたらそのどちらかになるだろう」

 

「なるほど」

 

「理解できたか?……長くなった。そろそろ再開するとしようか」

 

モモンとペシュリアンは休憩をやめ、訓練を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ペシュリアンと訓練をみっちりすること二日経つ。

聖騎士とてやることはそれだけだ。

朝ご飯を食べて、訓練。

昼ごはんを食べて、訓練。

夜ごはんを食べて、自主練。

湯汲をして寝る。

この際グスターボさんから簡易ベッドを渡されたが、レメディオスが「もう決まったことだ!!余計なことをするな!」と言い散らかして簡易ベッドはなくなった。

 

あるならそれでよくない!?

俺もそう思っていたが、正直ふかふかのベッドに対する独占欲があり簡易ベッド?なにそれ美味しいの状態に半ば差し掛かっていた。

二人で寝るのも三回。

男女三日経てばなんとやら…というがそんなイベントはない。

あるとすれば毎度キャミソール姿でいられるのが体に悪い…いや生存本能でいえば良くないことはないんだが、倫理的に体に悪い。

 

 

ちなみに2日目から武技の練習も始めて、それなりにそれっぽい?動きも出来てきた。

俺のオリジナルだけど、ペシュリアンさんも良いんじゃないかと言ってくれたし、このままノリと勢いでやっていくぞ。

特に名乗りやセリフは大切だからな、その場の雰囲気とか読んで武技も発動してくれることだろう!

 

 

 

そして日も暮れて訓練3日目が終わりつつあるその時。

 

「どうだ、モモン。ペシュリアンから聞いたぞ、お前は才があるとな!やはり私が見込んだ男だ、よくやったな。特にセリフがいい!私も武技を発動する時はああいった物言いをしたいものだ!後で私のも考えてくれ!」

 

最近は部屋で寝る時しか合わない団長さんが会いに来た。

 

「武技の件は分かりました。夜一緒に考えましょう。それとここまで上達できたのは皆さんのお陰です。自分の力じゃ…」

 

「ぬ、私やペシュリアンを舐めてもらっては困るぞ?我々が見ているのは単に力だけではない。その動きだ。それと最初から私はわかっていたぞお前に才があると、ふふん」

 

レメディオスはモモンがマイナス思考に陥る前に話を被せる。

そしてそのまま言葉を続けた。

 

 

「そうだ!ここに来たのはお前の成果を見るのもそうだが伝えることがあってな。明後日一度王城に戻るぞ。騎士団に入団するものはカルカ様から儀礼の短剣を頂くことが習わしだ。それを行う!歓迎会はその夜だ!楽しみにしてるといい」

 

「分かりました」

 

 

「団長、訓練を再開しても良いか?」

 

「おお、ペシュリアン。すまなかったな。続けてくれ」

 

 

 

 

 

そこから訓練を続けていると、仕事の終わりの鐘が鳴った。

 

ペシュリアンとモモンは剣をしまう、そして一段落した後レメディオスは2人の元にかけよった。

 

 

「ふむ、良くなっているな。成長が早い…しかし脚の踏み込みが足りないな」

「難しいですね……」

 

「そうだな、あまり脚の扱いに慣れていないのだろう」

 

「分かるものなんですか?」

 

「何となくだがな。魔法詠唱者(マジックキャッスター)の名残じゃないか?ああいう者が脚を使って戦うような場面は見たことがないからな。」

 

団長さんは意外と見てるんだなぁ。

 

「まずは剣技の基礎を覚えるんだ、もし機会……亜人共が姿を現せばそいつらを相手に練習してもよい」

 

え?練習?

練習ってその…戦争というか……実戦だよな?

そんな軽く言ってもいいものなの?

亜人だって生きてるんだよね??

 

少し動揺したモモンにレメディオスは顔をしかめる。

 

「なんだ、お前は亜人になにかあるのか?」

 

「いえ。特にありませんが、亜人だからといってすぐに敵と判断するのはどうかなと」

 

「む。お前は意外と堅苦しいな、お前の居たところでは亜人がそういった側面を持っていたかもしれないがここでは別だ。我々は何年もヤツらに苦しめられ度重なる侵攻を受けている。こちらが亜人共を殲滅せねばこちらがやられるのだ」

 

「……なるほど」

 

「しかし向こうが和平を申し出てきたらどうします?」

 

「和平だと?……亜人共にそんな知能や良識があれば戦争は存在しない」

 

「モモン、お前はまだ亜人に抵抗があるかもしれないが…その時が来れば分かる。現実は惨いものだぞ」

 

「それに敵は亜人だけではないぞ、お前は今やローブル聖王国の国民であり騎士だ。ともなれば人間相手でもこの国を守る為に戦う」

 

「その時の為の訓練だ。よく理解しておくんだぞ」

 

確かにそうだ、亜人が敵とは限らない。

隣国の法国?だっけそことは仲が悪いってケラルトさんがいってたし。

 

「了解です」

 

「堅苦しいのはやめろ、分かりましたでいい。」

 

「……ふふ、分かりました」

 

 

 

 

でも亜人かぁ。ここまで憎悪を抱くものなのか?

 

確かに何年何十年もそういう状態で戦争してるなら……それもそうか。

 

俺達だって戦争をしてなくてもあれだけの貧富の差と環境破壊で上の人達に憎悪を持ったんだ。

 

人間の感情っていうのはそういうものなんだろう。

 

もしその感情が分からないってなるなら……それこそアンデッド?とかになるのか?

 

死ぬことがないとか、自分さえ良ければいいとか。

そういう性格?じゃないとこの感情は理解できなさそうだしな。

 

アンデッドのままここに来なくて良かったな…。

 

「亜人の侵攻の原因って分かっているんですか?」

 

「さあな、私は知らん!ケラルトとカルカ様なら理解しているだろう」

 

「一般の兵士たちはどうなんです?」

 

「うーむ、お前はどうだペシュリアン」

 

「……よく分からんな。亜人の種類にもよるが確かに目的が不明確だ」

 

「その、攻めてくる亜人種ってこの国の周辺では何がいるんです?」

 

「ふむ、俺が見た限りは10の種族は超えているが」

 

「亜人種はどれも同じだろう」

 

「その中で目的が判明しているのは?」

 

「……人蜘蛛(スパイダン)が人間を喰らうのは知っている。それ以外は……わからんな。」

 

やっぱり食べるのか!?人間を!?

うわぁ、怖いなぁ…。そんなの相手にしてたらそりゃそうなるよ!

 

「モモン、そんなことを考えてどうする。」

 

「情報収集ですよ、もしかすると良い手が見つかるかもしれませんから」

 

「おお!お前は偉いな!それで!?何かあるのか!?」

 

「今は思いつきません、まだまだ気になることがありますから」

 

「ぬぅ、この際亜人共が互いに殺しあってくれれば良いのだがな」

 

「……互いに?」

 

うん?互いにってなんだ?

まさか亜人は亜人同士で争わないのか??

 

「待ってください。亜人達はそれぞれの縄張り争いを行わずにローブルに攻め込んでいるんですか?」

 

「大雑把にいえばそうだな。連合を組んでくることが殆どだ、まあ組んでいても3~4だ。よく見るのは山羊人(バフォルク)魔現人(マーギロス)蛇王(ナーガラージャ)。それ以外は散発的だな」

 

「……妙ですね。これは当然ケラルトさんも知っているんですよね」

 

「当たり前だ、作戦立案はケラルトが主導しているからな」

 

「聖王国としての方針はどうなっているんです?」

 

「方針?亜人からの防衛の他に何がある」

 

「うーん、何が解決策がありそうですけど」

 

「何をするにしても戦力と人材が必要だ。しかしこの国はその二つが乏しい、先を見てもこれらが充実することはないだろう。転機が起きるとすれば向こう側、亜人に何かあった時だ」

 

俺はペシュリアンの言葉に悩ますことしかできなかった。

 

 

 

 

次の日、仕事が始まりケラルトの執務室へ来ていたレメディオスはモモンが言っていた亜人の件を彼女に報告していた。

 

「と!いう!こと!だ!」

 

「……姉様。またなの?」

 

「なに!この!動きの!ことか!?」

 

「そうね、それは一体なんなの」

 

「モモン!が!やって!いた!」

 

「あー、お姉様は影響を受けやすいものね……なんでも彼が関与してるわね。手が早いこと」

 

「どうだ!?かっこ!いい!だろう!?」

 

「……そうね」

 

 

 

「それで亜人の事ね、その件は是非ともモモンと協議したい所だわ」

 

「っ!!ならば!呼ぶ!か!?」

 

「……はぁ。いいえ、大丈夫よ。彼はまだ私に扱えそうにないもの」

 

「……???」

 

「それよりもお姉様、剣の方はどうだったの?才はある?」

 

「……才は…あるな!」

 

「そう。冒険者だとどれくらい?展望は?」

 

「今はシルバー相当だ!だがあと数日でアダマンタイトに並んでもおかしくは無い!」

 

「やっぱりね。はあ…魔法も剣も一級品、ある意味今後が楽しみね」

 

「そうだな!!モモンは強くなるぞ!特にセリフがいい!」

 

「セリフ?なんのこと?」

 

「モモンは剣を振るう度にな、活かした事を言うのだ」

「例えば?」

 

「死に恭順せよッ!暗黒魔導剣(ダーク・マジック・ソード)!!」

 

「……他には?」

 

「我が闇に抱かれて消えろッ!暗黒魔掴(グラスプ・ダーク・マジック)!!」

 

「……それで?」

 

「消え失せよ、そして貴様は塵となる暗黒弩級砲(ダーク・メガ・キャノン)!」

 

 

「……」

 

「どう!だ!?活かす!だろう!?」

 

「…………そうね」

 

確か幼い所にお父様と親しくしていた王国の貴族、その娘さんがあんな感じで遊んでたわね。

よく冒険者になるとかいって家出をして怒られてたけれど。

 

 

 

 

元気にしてるかしら、アインドラさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ!ケラルト!」

 

「なにかしら」

 

「私もこういった言葉が欲しい!何かないか!?」

 

「……私はそういうのと無縁なの。それならモモンに…」

 

「モモンは思いつくのが闇に関することばかりでな。私に相応しい光に関する名乗りはヤツでも出てこん」

 

「なら(ホーリー)で適当に語呂を合わせてみてはどう?」

 

「おお、それだ!流石はケラルト!私の妹だ!」

 

レメディオスは嬉しそうにその提案を受けいれ

聖なる(ホーリィー)聖なる(ホーリィー)!」

と口ずさみながら退出した。

 

 

 

「…………魔法に知能向上系がないかモモンに聞こうかしら」

 

ケラルトはまた頭を悩ませる。

 

 

 

 

 

おまけ。

 

 

 

いつもの訓練所にて、

 

「ならこれはどうだ!聖剣エクスカルカー!!」

 

「おお!素晴らしいオーラですよ!!」

 

レメディオスとモモンの2人は、レメディオスの武技の名前を考えていた。

かれこれ仕事が始まり2時間ほど経つ。

最初はペシュリアンも居たのだが、自身の斬糸剣にまでそのネーミング大会の標的になりそうだと判断し、いつの間にか消えていた。

 

「そうだな、やはりカルカ様の名を入れなければしっくり来ないな」

 

ならば!と言い、高く飛ぶと剣を鞘に閉まったままそのまま叩きつける動作に移る。

 

「聖なる鉄槌ッ!カルカバー(カルカ棒)!」

 

「おおおお、良いですね!打撃系ぽい攻撃です!それにちゃんと聖属性を感じますよ!!光も出てましたし」

 

「我ながら中々いい感じだぞ!なら次は!カルカ連撃(コンボ)!」

 

「うむ!なかなか聞こえが良いではないか!どうだモモン?」

 

嬉しそうにキャッキャとはしゃぐレメディオスに、モモンもそうだ!と新たな名前を提案する。

 

「良いですね!あとは(せい)連撃(コンボ)とかどうです?」

 

「おお、それもいいな!(せい)連撃(コンボ)ッ!これで亜人共を圧倒撃滅できるに違いない!」

 

二人はそれから昼食抜きのぶっ通しで武技の演練を行った。

 

しかしそんな2人もレパートリーが尽きたのか、落ち着きを取り戻しつつあった。

それ故にそうだ、とレメディオスはある事に気づく。

 

「いやしかしカルカ様ばかりではケラルトも嫉妬してしまう……」

 

レメディオスはカルカだけでなくケラルトの名を冠した武技を欲した。

 

「カルカ様は(ホーリィー)……となればケラルトはなんだろう」

 

悩むレメディオス。

その問にモモンは考えた。

 

「知略、策謀……頭脳ですか?」

 

「頭脳?…そうか……(ヘッド)か!!」

 

これだ!!と武技発動の構えをとるレメディオス。

 

「知略を我に!ケラルヘッドォ(ケラルトの生首)!」

 

「ふむ……良いな!!」

 

「めっちゃかっこいいですよ!団長さん!」

 

 

 

 

 

聖女王「くしゅんっ……何かしら…何だか寒気が……」

 

いつもの神官「……もう、休みます」

 

周囲に居た人達によると、その二人の淑女は何故かその日、気分を害し寝込んだらしい。




今回も読んで下さりありがとうございます。
やっとのことでペジュリアンを登場させることができました。
今はまだ影が薄いですがこれからちゃんと見せ場を作りたいと思っています。
誤字脱字の修正は毎度の事ながらありがとうございます。

感想のほど頂けますと、投稿の頻度が爆上がりしますので是非とも短文でも良いのでお願いします!

以下、X(旧Twitter)になります。良ければフォローお願いします!
https://x.com/fujirauHameln
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。