僕の常識が息をしていない   作:最高司祭アドミニストレータ

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昨日マトリックスを投稿して、ストック切れたから書き溜め…うっ、頭が。


新一と里見のデート

 島田秀雄という捕食者が校庭で無残な最期を遂げてから、数日が経過した。学校は依然として警察の出入りが続き、一部の教室は封鎖されたままであったが、生徒たちの間には「怪物を倒した」という奇妙な連帯感と、非日常を乗り越えたゆえの歪んだ活気が漂っていた。

 

 そんな喧騒から逃れるように泉新一と村野里美は、日曜日の午後に駅前の待ち合わせ場所に立っていた。

 

 新一は紺色のジャケットに袖を通し、右手をポケットに深く突っ込んでいた。包帯はもう巻いていないものの、そこには確実に「彼」がいる。

 

 

『新一、周辺に同種の反応はない…にも関わらずだ。君の心拍数は先ほどから1分間に、120回を計測している。呼吸も浅い。戦闘状態ではないのに、なぜこれほどエネルギーを浪費している?』

 

 

 脳内に直接響くミギーの冷徹な声に、新一は顔をしかめた。

 

 

「うるさいなミギー。これはその、いわゆるプライベートな緊張なんだよ。黙っててくれ」

『理解不能だ。生殖パートナーとの親睦を深める行為が、これほどの過緊張を引き起こすとは。人間の神経系はあまりに非合理的だな』

 

 

 ミギーの小言を無視して、新一は駅の時計を見上げた。約束の時間の5分前。そこへ。軽やかな足取りで一人の少女が近づいてきた。

 

 

「泉くん! お待たせ!」

 

 

 村野里美だった。彼女は淡いベージュのニットに短いスカートを合わせ普段の制服姿とは違う、年相応の可憐な私服に身を包んでいた。美術室で島田の攻撃を受け、制服を切り裂かれたあの時の悲劇など、微塵も感じさせない明るい笑顔。

 

 けど、新一は知っている。彼女のその穏やかな笑顔の下にパラサイトの刃を素手で掴み、怪物を三階から投げ飛ばすほどの、理不尽なまでの「強さ」が秘められていることを。

 

 

「…ううん。僕も今来たところだよ、里美。その格好、すごく似合ってる」

「本当? よかった。ちょっと。勇気出しちゃった」

 

 

 村野は少し頬を赤らめて、新一の隣に並んだ。二人の間に、甘酸っぱくも緊張感のある空気が流れる。秘密を共有したことで。二人の絆は以前よりも。より深く。より切実なものへと変化していた。

 

 

「行こっか。今日はあの美味しいパンケーキのお店、予約してあるんだ」

「わあ! 楽しみ!」

 

 

 二人は歩き出した。平穏な、どこにでもある恋人たちの休日。しかしその背後で、わずか10メートル後方の植え込みの中に、不吉な緑色の瞳が光っていた。

 

 

「ふふふ。ターゲットを確認。メインクエスト、『放課後デートの観測』が開始されたな」

 

 

 植え込みの中に潜んでいるのは、自称常識人のアレックスだ。彼女は何故か全身を背景に溶け込ませるような、迷彩柄のパーカーを羽織り。手には何故かビデオカメラを構えていた。

 

 

「泉の心拍数の上昇を確認。里美の照れ顔エフェクトも正常に動作している。よし、ここからがラブコメイベントの佳境だ。告白フラグが立つ瞬間を、この目に焼き付けてやるぞ」

 

 

 アレックスは茂みから茂みへ。マインクラフトの「スニーク(しゃがみ移動)」を駆使して、音もなく二人の後を追った。彼女にとってこの現実は最高難易度の恋愛シミュレーションゲームであり、新一と村野は彼女が育成した「推しキャラ」同士のカップリングに他ならない。

 

 

「クククッ、クラフト万歳。迷彩は完璧だ。NPCたちには私の姿は見えん。さあ、次はどの角を曲がるんだ? そこには、ラッキースケベのトラップが設置されているのか?」

 

 

 アレックスはニヤニヤと笑いながら、二人の距離を詰めようとしたその時だった。彼女のその背後で音もなく、影のように近づく存在があった。

 

 

「…アレックスちゃん?」

 

 

 その声が響いた瞬間。アレックスの背筋に、ダイヤモンドの剣で背後からクリティカルを食らったかのような、凄まじい衝撃が走った。

 

 

「ぎゃああああッ! バックスタブ!? 当たり判定なしの強襲か!?」

 

 

 アレックスが飛び上がって振り返る。そこには買い物袋を提げた、泉信子の姿があった。

 

 母・信子はエプロンこそ外しているものの、その威圧感はパラサイトの「A」を葬り去った時よりも、増しているように見えた。彼女は力強い手つきで、逃げようとするアレックスの襟首をガシッと掴んだ。

 

 

「あらあら、アレックスちゃんじゃない。こんなところで、何をコソコソしてるのかしら?」

「ひ、信子さん!? お帰りなさいませ! いや、これはそのぉ、環境調査というか、マップの埋め立て作業というか…」

「ダメよ? 人のデートを覗き見しちゃ。そんなことよりアレックスちゃん、ちょうどよかったわ」

 

 

 信子の瞳の奥に。黄金色の「クエスト・マーク」のような光が宿った。

 

 

「私ね。今日の晩御飯の買い出しに来たんだけど。お買い得品のリストがあまりに多すぎて、一人じゃ持ちきれないの。それに…」

 

 

 信子はチラリと、自分のカバンから覗いている。あの特級武器「木彫りの熊の置物」に視線を落とした。

 

 

「一之さんがまだ震えてて。家から出られないのよ。だからアレックスちゃん、私を助けてくれるわよね?」

 

 

 アレックスは冷や汗を流しながら、遠ざかっていく新一と村野の背中を見た。

 

 

「い、いや。今は大事な観測イベントが…ここでログアウトするわけには…っ」

「アレックスちゃん? 私、お使いを手伝ってくれたら。この間あなたが言ってた『特産品の珍しいお魚』を、焼いてあげようと思ってたんだけど…もしかして、いらないのかしら?」

「クエストを受注します!!!」

 

 

 アレックスは直立不動で答えた。彼女にとって。信子の手料理──特にアレックスの注文に忠実な特産品料理──は全ステータスを大幅に向上させる、最高級のバフ・アイテムなのだ。

 

 

「よしよし、いい子ね。じゃあ行きましょうか。まずは隣町のデパートまで。特売の卵を確保しに行くわよ」

「隣町!? 徒歩でか!? ファストトラベルなしで!?」

「当たり前でしょ。いい運動になるわよ。さあ走るわよ!」

 

 

 信子はアレックスの襟首を掴んだまま、凄まじい脚力で駅前とは反対の方向へと走り出した。

 

 

 

 

「嫌だー! 私のラブコメ観測がー! 録画予約すらしてないのにー!」

 

 

 アレックスの叫び声は。駅前の雑踏に吸い込まれ。やがて聞こえなくなった。

 

 一方、新一と村野は、予約していたパンケーキの店に到着していた。

 

 

「…あれ? なんだか。急に空気が静かになったね」

 

 

 新一が周囲を見渡しながら。不思議そうに呟いた。先ほどまで感じていた。背後からの「刺すような視線」が、霧散するように消えていた。

 

 

『新一、報告だ。背後を追跡していた「アレックス」という名の異常個体。および、君の母親という名の最強個体が戦域から離脱した。信号は急速に遠ざかっている。追跡の可能性はゼロだ』

 

 

 ミギーの報告を聞き。新一は深い。深い安堵の溜息をついた。

 

 

(母さん、ありがとう。恩に着るよ)

「どうしたの? 泉くん」

「あ、いや。なんでもない。…よし、入ろうか」

 

 

 新一は村野のために店のドアを開けた。店内は甘いシロップの香りと、穏やかなジャズの調べに包まれていた。窓際の席に座り、運ばれてきたふわふわのパンケーキを前に、二人の間にようやく本当の「日常」の時間が流れ始めた。

 

 

「泉くん、私ね。島田くんの事件のあと。少し怖かったんだ」

 

 

 村野がパンケーキをフォークで小さく切りながら、伏せ目がちに言った。

 

 

「自分が。自分じゃないみたいな力が出ちゃって…もしかしたら私、おかしくなっちゃったのかなって」

 

 

 新一は、テーブルの下で右手を握りしめた。

 

 

「そんなことないよ。里美は里美だ。あいつからみんなを守るために、必死だっただけだよ。里美のおかげで僕は…みんなは救われたんだ」

 

 

 新一の言葉に、村野はゆっくりと顔を上げた。その瞳には微かな涙の膜と、確かな信頼の光が宿っていた。

 

 

「うん! ありがとう。泉くんがそう言ってくれるなら私、怖くないよ」

 

 

 窓の外では、夕暮れが街を金色に染め始めていた。警察の捜査。寄生生物の脅威。そして。アレックスという名の混沌。それらは依然として、彼らの周囲に渦巻いている。

 

 しかし今、この瞬間だけは。甘いパンケーキの熱と目の前の少女の温もりが、世界の全てだった。

 

 

「ねえ。泉くん。ミギーちゃんも。パンケーキ。食べるかな?」

「えっ…あー、どうだろうな。ミギー、食べるか?」

 

 

 新一が小声で尋ねると。右手の甲から目玉がピョコンと飛び出した。

 

 

『新一。糖分の過剰摂取は、君の毛細血管に悪影響を及ぼす。だが、この固形物の成分構成には、興味がある。一切れ、私の触手へ運びたまえ』

「こいつ。ちゃっかりしてるな…」

 

 

 二人の笑い声が、穏やかな店内に響く。隣町では今頃、アレックスが山のような荷物をインベントリに格納し、最強の母の背中を追って走っていることだろう。邪魔者は、母という名の「クエスト」によって排除された。

 

 

『新一。里美の瞳孔が開いている。これは親愛の情の表れだ。今スキンシップを試みれば。成功確率は99%だぞ』

「黙れよミギー。台無しだろ」

 

 

 パンケーキの甘い香りが漂う店内で、村野里美は隣に座る泉新一の右手をじっと見つめていた。そこにはかつて彼女が、「泉くんじゃないみたい。まさか他の女と!?」と不安に感じた思えば正体は異形。ミギーが掌の上に目玉を浮かべて鎮座している。

 

 ミギーは器用にフォークを操り、新一が切り分けたパンケーキの一片を口と思わしき裂け目へと放り込んだ。咀嚼音すらしないその効率的な食事風景を眺めながら、里美は不思議なほどに落ち着いた気分でいた。

 

 普通ならば、あるいは過去の自分ならば。目の前で幼馴染の右手が喋り、異形の生物が食事をしている光景を目にすれば。叫び声を上げて逃げ出すか、その場で気を失っていただろう。

 

 今の里美にとってこの非日常は、どこか「納得のいく範囲内」に収まっていた。彼女の脳内にある常識という名の防壁は、とっくの昔にアレックスといういう少女の手によって粉々に粉砕されていたからだ。

 

 里美の意識は、過去の記憶へと沈んでいった。それは彼女が新一の変化に悩み、一人で悶々としながら近所の空き地を通りかかった時のことだった。

 

 その空き地は、市の再開発が止まって久しい。雑草の生い茂る寂れた場所だった。その日、里美が目撃したのは、かつての風景とは似ても似つかぬ異様な光景だった。

 

 

「さあ。集まれ集まれ。繁殖の時間だぞ。お前たちの愛を見せてくれ!」

 

 

 聞き覚えのある快活な声。里美が足を止め、生い茂る草むらの陰から覗き込むと。そこにはアレックスがいた。彼女は手に、どこから持ってきたのか黄金色に輝く一本の小麦の束を握りしめていた。そして彼女の周囲には。あり得ない光景が広がっていた。

 

 整然と並べられた。オークの板材で出来た木の柵。その狭い囲いの中に、十頭近い牛が押し込められていた。住宅街の真ん中で牛が飼われていること自体が異常だが、それ以上に里美を戦慄させたのは牛たちの挙動だった。

 

 牛たちは足元の豊かな雑草には目もくれず。ただアレックスが持つ一本の小麦だけを、神の啓示を待つ信者のように狂おしいまでの熱量で見つめていた。アレックスが小麦を振れば、巨体を持つ牛たちが一斉にその方向へ頭を向ける。

 

 アレックスが囲いの中に入ると、牛たちは彼女を押し潰さんばかりの勢いで詰め寄った。

 

 

「よし、お前とお前だ!」

 

 

 アレックスが小麦を二頭の牛に与えた。するとどうだろう。その牛たちの頭上に。突如として真っ赤なハートのマークが、現実の空間に浮かび上がったのだ。ハートはふわふわと宙を舞い、二頭の牛が互いに体を擦り寄せた。

 

 次の瞬間。ポンという軽快な音と共に、親牛の足元に。親の姿をそのまま小さくしたような、完璧な造形の仔牛が魔法のように出現したのだ。

 

 里美は自分の目を擦った。しかし何度見ても、そこには新しく生まれた仔牛がいる。

 

 里美の思考は、そこで一度停止した。生物学に農学、物理学。彼女が学校で学んできたあらゆる知識が、アレックスの「小麦で牛を増やす」という現象を前にして、無意味な記号へと成り下がった。

 

 だが、それだけでは終わらなかった。

 

 

「さて。拠点の壁が薄いな。少し増築するか」

 

 

 アレックスは腰に提げていた。あの青く輝くツルハシを手に取った。彼女は空き地の隅にある、大きな岩石に向かってツルハシを振り下ろした。カツンという硬い音が響く。彼女が三回四回と岩を叩くと。岩の表面に、不自然な黒い亀裂が走った。

 

 バシュッという音と共に巨大な岩の一部が、一辺一メートルの完璧な立方体のアイテムへと姿を変え、アレックスのお腹に吸い込まれていった。

 

 里美は、その場にへたり込みそうになった。アレックスは消えた岩の代わりに、今度は土の塊を手にした。彼女はその土を、地面の上に置いた。

 

 クパッという、心地よい音が響く。アレックスの手から放たれた土は地面の上に、寸分狂わぬ立方体の「土ブロック」として固定された。彼女はさらにその上に、別の土ブロックを重ねた。

 

 里美は凝視した。あまりにも異常だった。

 

 接着剤もセメントもクレーン車も使わずに、彼女は自分の背丈を超える、土の塔を築き上げたのだ。彼女は積み上げた土の側面を、はしごをかけるわけでもなく。リズミカルにジャンプしながら、さらにブロックを積み足していく。

 

 さながら世界そのものを、ブロックという単位で上書きしていくような作業だった。

 

 

「よし! 高所作業完了…あ」

 

 

 塔の頂上に立ったアレックスが、足を踏み外した。彼女の体は三メートル以上の高さから、真っ逆さまに地面へと落下した。

 

 

「危ない!」

 

 

 里美は思わず声を上げ、草むらから飛び出しそうになった。あの高さからコンクリートのような硬い土の上に落ちれば、骨折は免れない。最悪、命に関わる。

 

 

 ドスッ。

 

 

 重い衝撃音が響いた。アレックスは。地面に叩きつけられた。その瞬間。彼女の全身が、一瞬だけ真っ赤に明滅した。

 

 

「うぐっ…! 落下ダメージか。ハート9個分持ってかれたな」

 

 

 アレックスは苦悶の表情を浮かべたものの、彼女は立ち上がる前に懐から大きな「焼き鳥」を取り出した。それを三回四回と口に運ぶ。

 

 

 ムシャ。ムシャ。ムシャ。

 

 

「ふぅ。満腹度が回復すれば、自然治癒で十分だ」

 

 

 アレックスは、何事もなかったかのように立ち上がった。足を引きずる様子もない。痛みを感じている風でもない。彼女は再びツルハシを手に取り、先ほど積み上げた土の塔を、今度は一瞬で崩し。元の平らな地面へと戻してしまった。

 

 里美は、その場に立ち尽くしていた。夕暮れ時の空き地。牛たちの鳴き声と、土が崩れる音。そして目の前で致命的な落下を、鶏肉を食べて完治させた少女。

 

 里美の中で、世界が崩壊した。今まで信じてきた物理法則、常識、生物の理。それらは全てアレックスという存在の前では、ただの「設定」に過ぎないのかもしれない。この世界には自分たちの知らない、全く別の法則で動いている人間がいる。それが、アレックスという少女なのだ。

 

 里美はその日、家に帰ってから熱を出して寝込んだ。その翌日、学校でアレックスと再会し、彼女が「よう里美! 今日の給食。テクスチャが美味しそうだったな!」と、いつものように笑いかけてきた時、里美は決めたのだ。

 

 

「もう何が起きても驚くのはやめよう」

 

 

 アレックスというこの世の理を無視して、ブロックを積み上げ、牛を繁殖させ、死ぬような傷を食事で治す少女が自分の友達なのだ。ならば泉新一の右手が喋ろうが学校に怪物が現れようが、それはアレックスという巨大な「異常」の、ほんの一部に過ぎないのではないか。

 

 そう思考を切り替えた。だからこそ里美は、島田秀雄の正体を知った時も、新一が右手の秘密を明かした時も。パニックに陥ることなく、それを受け入れることができたのだ。

 

 

「…里美? どうしたの? パンケーキ。冷めちゃうよ」

 

 

 新一の声に、里美はハッと我に返った。目の前では、ミギーがパンケーキの最後の一片を、満足そうに平らげていた。新一は、心配そうな顔で里美を覗き込んでいる。

 

 

「…ううん。なんでもないよ。泉くん」

 

 

 里美はフォークを手に取り、自分のパンケーキを一口食べた。甘い。このありふれた甘さこそが、日常という名のオブラートなのだ。

 

 

「ただね。アレックスちゃんってやっぱりすごいなって、改めて思ってただけ」

「嗚呼、あいつは僕らの常識の遥か外側にいるからな」

 

 

 新一は苦笑いしながらアレックスに連行された母親のことを思い出したのか、遠い目をした。

 

 

「里美。怖くない…のか? 僕のこと、ミギーのこと」

「怖くないよ。泉くん」

 

 

 里美は新一の手の上に、自分の左手を重ねた。

 

 

「アレックスちゃんがいる世界だもん。泉くんの右手がちょっとお喋りで変身できるくらい、普通だよ。…私、アレックスちゃんのおかげで少しだけ、この世界の見方が変わった気がするな」

 

 

 里美の言葉に新一は驚いたような、それでいて救われたような顔をした。ミギーは里美の手に触れられ、不思議そうにその感触を分析している。

 

「世界の崩壊」は里美にとって、絶望ではなかった。それは新しい世界を受け入れるための、必要な通過儀礼だったのだ。

 

 アレックスという、この世で最も非常識な少女との出会い。それが村野里美という普通の少女を、この過酷な物語を生き抜くための、最強のヒロインへと変貌させた。

 

 

「さあ行こっか泉くん、ミギーちゃん。アレックスちゃんたちが変なことする前に、助けに行かなきゃ」

「…そうだね。母さんとあいつが揃うと、何が起きるか分からないからな」

 

 

 里美は力強く一歩を踏み出した。彼女は自分たちの、新しい絆をクラフトしていく。それはどんなブロックよりも硬く、どんなエンチャントよりも強いのだ。




アレックス「誰が非常識だゴラ」
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