Fate/electronic wizard   作:skyfish

7 / 9
第6話「“彼”に会う」

満天の星空。技術の発展により空気が汚れ星が見えにくくなった現代。地上でより多くの星を観測するには山頂など空気が澄んだ場所しか今は残っていない。封印指定執行者として各地を活動する彼女は異端の魔術師または死徒と殺し合いを日常としている。大半が人のいる領域から離れた場所を根城にしている連中だから、仕事が終わったあと見る夜空は都市部に比べ輝いている。

 

だが、今彼女の目に映るそれは今まで見たのよりも輝いていた。地球上で見たとは思えないそれはとても幻想的だ。

 

いや、周囲を見てここが本当に地上なのか怪しくなった。

 

見渡す限り水面。まるでお盆に満たされた水の上に立っているのを連想する。その場所は古代遺跡の残骸が沈み、古代エジプトのオベリスクのような石柱が数本残すのみ。

 

その中央。残骸の山の上に1人の女性が座っていた。

 

茶色の学生服を着た女の子。服装が違うが夜空を見上げる彼女は間違いない、ウィザードだ。その後ろに巨大な立方体が浮かぶ。

 

(なんですか、あれは……)

 

 見ただけで分かった。あの立方体の中に途方もない魔力が貯蔵されている。職業柄自分よりも魔力量が多い相手と戦ったことが何度もある。特に討伐対象の死徒は27祖でなくても相当量の魔力を内蔵している。

 

だが、あれはなんだ?

 

 平均的な死徒の魔力量があの中身の水滴一滴、あるいはそれ以下と思えるほどの膨大で濃密な魔力の塊。霊脈の一つ二つと比較するなど馬鹿馬鹿しい。それはただそこにあるだけなのに他を圧倒させる例外的な存在。人が創ったものではない、だが自然にできたものでもない。常識の外、未知の何かで形作られたもの。

 

 その近くにいながら彼女はいつも通り。ただじっと夜空を見上げる。

 

 その目線に浮かぶ球体。灰色と茶色の迷彩柄に見えるそれはどこかで見たことある形をしていた。いや、見たことあるではなく、良く知るそれと理解し目を見開く。

 

「そんな……まさか、あれは………!」

 

 生命の宿る色を失い、汚れ枯れ果てた星。

 

 変わり果てた地球が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めた。夢を観ていた。サーヴァントとマスターは契約で魔力の繋がりがある。まれにサーヴァントの記憶が夢として見ることがあると聞いたことがある。

 

(あれがウィザードの記憶? 記憶には間違いないでしょうが……)

 

 見えてきた映像が理解できない。特に一番大きな印象が残る最後の光景が頭から離れられなかった。母なる青い海も緑の森もすべて失った地球。夢からサーヴァントの生きた時代を推測することは出来る。だが、人が地上に誕生してから今まで地球が死の星になったことなど一度もない。それより前だったら生物が死に絶えていた時期があると聞いたことがある。でも、仮にあんな再生不可能な状態があったとして、ここまで治るものなのか疑問に思う。

 

(いえ、そもそも彼女はあの人形師と面識があった。それだと矛盾が発生する)

 

 義手を造る際人形師に彼女と面識があるか聞いたが答えはNOだった。彼女が人形師のことを知っていたとしても不思議ではないとしても、あの夢で見た地球が説明つかない。

 

(人形師を生前知っていたということは、彼女と同じ時に生きていた。でもあの地球の状態が今と全く違う)

 

 すべてが終わった死の星にはなっていない。この二つの事実が嘘とは思えない。

 

(一つだけ、可能性がある)

 

 仮に、仮にであるが、この二つが過去ではなく、今より先、未来の事実だとしたら?

 

 その要素を加えるとこの二つに説明がつく。英霊という存在は神話、歴史の英雄・偉人が含まれる。英霊の座から召喚されたのがサーヴァントだ。だが、英霊の座には時間軸は存在しない。過去ではない、未来に英霊になった英雄も含まれる。非情にありえないかもしれない。が、ありえなくもない。

 

 「直接聞くのが速いのかもしれませんが……」

 

 彼女の正体がパンドラの箱のように見える。果たしてその中に幸福は入っているのだろうか? 

 

 

 

 

 

 

 ウィザードがいる部屋に入る。回復したのか彼女は起き上がっていた。

 

「治ったのですか」

 

「うん。心配かけてごめん。美綴さんは?」

 

「隣の部屋で寝ています。心配していましたよ」

 

 そっか、と彼女は言う。

 

「記憶を消したあとはどうするの?」

 

「冬木のセカンドオーナーである遠坂に引き渡します。教会は……信用できませんので」

 

「まぁ、そうなるね」

 

 言峰綺礼がいる教会に預けるのは危ない。不安要素が大きすぎる。

 

 本題に入ろう。

 

「ウィザード。貴方の記憶について、聞きたいことがあります」

 

 私の顔を見た彼女は納得した表情をした。

 

「夢で見たんだね。私の記憶を」

 

 無言で頷く。どうやらあの夢は彼女の記憶で間違いないようだ。だが、1つ疑問が残る。彼女の素振りから意図的に自身の正体を隠していたのは何故か?

 

「どうして嘘を言ったのですか?」

 

「信じてもらえないと思ったから、だよ」

 

「何故です? 貴女が未来の英霊なのは正直驚きですが、それが信じてもらえない理由にはなりません」

 

「違うよ、バゼットさん。未来は間違いないけど、それ以外は全く違う。正直に言うと私は英霊なんて大層な存在じゃないんだよ」

 

「英霊じゃ、ない?」

 

 ウィザードは立ち上がり私と向かい合う。

 

「信じてもらわなくてもいい。すべてを話すよ。私の正体。私の記録を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校が終わり、士郎と学校の呪刻探しを早々に終わらせた。用事があるからと言って先に帰った私は出来る限りの宝石を用意する。

 

「準備はそれでいいのかマスター?」

 

「ええ。こっちはOKよ。と言っても、執行者相手だといくら準備しても足りないわ」

 

 今日の明け方に電話があった。

 

『聖杯戦争に参加しているバゼット・フラガ・マクレミッツと申します。昨日サーヴァントに襲われた美綴という少女を保護しました。記憶はこちらで消します。彼女をセカンドオーナーである遠坂に引き渡したいのですが―――』

 

バゼット・フラガ・マクレミッツ。名前だけなら知っている。魔術協会に所属する魔術師で封印指定執行者。殺し合いなど数えきれないほどこなしているだろう。私としては、自分以上の魔術師が電話で連絡してきたことにすごく驚いたのが個人的に大きいけど。

 

「行くわよアーチャー」

 

 家を出ると同時にアーチャーは霊体化する。指定された場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

ついた場所は新都住宅街の公園。10年前の大災害跡地だ。もともと人の寄らない場所に人避けと認識齟齬の結界が施され無人地帯となっている。

 

『姿は見えないが気配がする。警戒しろマスター』

 

 アーチャーの警告が聞こえる。来た時にすでに結界が完成していたからすでに相手がいることなど分かっている。

 

「遠坂現当主、遠坂凛よ。申し出に応じて来たわ。姿を現してもいいんじゃないかしら」

 

 待つこと数刻。距離にして20m前に突然姿を現した。赤紫色のスーツを着た同じ色の髪の女性。情報に間違いない、彼女がバゼットだ。その隣に立つ黒スーツの男。彼の腕の中で深く眠る女の子――綾子だ。

 

「その面はどうしたんですか」

 

「――――――ちょっと驚いたから用意した」

 

 男は狐のお面を被り素顔を隠していた。女の方は緑のマフラーを、男は緑のマントを取る。

 

「この場に来ていただき感謝します。バゼット・フラガ・マクレミッツです。彼は私のサーヴァントです。早く終わらせましょう」

 

 男が前に出る。

 

「アーチャー。行って」

 

 アーチャーに受け取りに行くよう言う。2人の距離が1mまで縮まった。

 

「アーチャー。1つ約束してくれ。この子を教会に渡さないでくれ。あのクソ神父は信用できない」

 

「マスターに進言しておこう。だが、気を抜きすぎだな。敵である私が彼女ごと斬るとは思わなかったのかね」

 

「殺気を出していないクセに。それに無意味な殺生なんてしないでしょう貴方は」

 

 アーチャーが綾子を受け取る。

 

「その言い様………聞くが、貴様と私は会ったことがあるか?」

 

「いや、初対面だよ。生前すごく似ている人がいただけさ」

 

 言葉を交わすと2人は自身のマスターのもとに戻る。私は綾子の顔色を窺い、大丈夫だと判断した。

 

「それでは、次に会ったときは……」

 

「ええ。その時は敵どおし。封印指定執行者だからって容赦しないわ」

 

 必要最低限の言葉を交わす。本来私たちは敵同士。今回は事情が事情なだけで特例だ。バゼットはあのマフラーをしたら姿が消えた。見た目普通の緑マフラーだが使用者を透明化させる概念武装なのだろう。おそらく男が纏っていたマントも同じ類。

 

「アーチャー。1つだけ聞かせてくれ。貴方に名前は“まだ”あるか?」

 

「なにを言っているのだ? あったとしても貴様に教えなどしない」

 

「……そうか」

 

 意味不明の質問をした男は緑のマントを纏い透明化した。普通に霊体化すればいいのにと思う。すると、こくうから声がきこえてきた。

 

『あ、そうそう言い忘れてた。胸が小さい凛も十分かわいいよ』

 

 

 

「……………………」

 

「凛?」

 

「なにかしらアーチャー?」

 

「いや、なんでもない」

 

 これ以上は地雷と判断したアーチャーは深い溜め息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのアーチャーのことを知っているようでしたが?」

 

 バゼットは手に持つ端末に話しかける。画面に映るのはウィザード。

 

「忘れるわけない。彼は私のサーヴァントだった英雄だよ」

 




追加情報

魂の改竄
 本来は魂の最適化だが、自分の魂を改竄することで姿を変えることが出来る。彼女の場合性転換と年齢を変えることができる。元ネタ:Extra本編で間桐慎二がやっていたことと同じ

魂の量子化
 彼女が持つ本来の魔術であり唯一の魔術。霊体化できないがこれによって携帯電話などの端末に侵入でき姿を消すことが出来る。
 本来量子化したら体が残ってしまうが彼女は魂だけの存在なので量子化したら現実世界から消える。

星の観測者
 聖杯戦争終了後観測機の機能だけ残し閉鎖したムーンセル・オートマトン。分解された彼女は何の因果か前の記録を維持したまま再び自己に目覚めてしまった。消す必要がない彼女にムーンセルは観測者としての役割を彼女に与える。
 数多の記録。ありえたかもしれないIFの地球をすべて閲覧することが出来る。観測・記録だけで操作はしないししようとも思っていない。

『すべてを見守り、受け入れる。そこは彼方達の星だから』

 人間ではない、月で生まれた彼女は地球を見守る。

 全ていなくなるその時まで。



好きなもの:飴、気遣い、ヒト

嫌いなもの:武器自慢、堅い床、神








コハエース ハーメルン出張版第一回

使用人「ど~も皆さんはじめまして! 秋葉様に生涯を捧げた忠実な使用人琥珀さんでーす!!」

当主 「嘘乙。あ、どーも遠野家当主遠野秋葉です」

ちゃりん娘「え、なんで私もいるんですか?」

使用人「なに言っているんですか! ライダーさんはコハエースの真ヒロインなんです」

ちゃりん娘「帰っていいですか?」

当主「あきらめろ」

当主「てゆーかなんであとがきこんなんにしたんだ?」

使用人「それはですね」

空魚「小説あとがきにタイガー道場が多くてそれを真似てみた&コハエース版あんま見ないななら自分がやっちゃおう」

使用人「と言ってました」

当主&ちゃりん娘((めんどくせえぇ……))

使用人「それよりも触れなければいけないことがありますよね」

当主「お。やっとあの話題か」

ちゃりん娘「次回一番の盛り上がり間違いなしですからね。私居ませんけど……」

当主「銀幕まで待て」











使用人「艦これ2周年おめでとうございます!」



当主「アニメじゃねーのかよ!?」

ちゃりん娘「別の話題じゃないですかああああ」

使用人「空母BBAが……甲E-6ラスボスの空母BBAがじゃま強すぎ………」

ちゃりん娘「ラスト1時間泣く泣く丙にしましたね」

当主「丙~www」

ながもん「二周年か……胸が熱いなっ!」

58「ボイコットでち。提督殺したいでち」

当主「おい。何だこの差は」

使用人「ゴーヤさん春イベント大活躍でしたからね」(白目)

ちゃりん娘「潜水艦娘にホワイト鎮守府など存在しない」



使用人「アニメのアイアス凄かったですね! 作者も採用決定のハンコ押してました」

当主「そしてさりげなく話題を持ってくる」

ちゃりん娘「クオリティ高すぎて毎回待つのがつらいですね」



使用人「そして一番気になるのが噂の『瑞鶴改二』ですね!」

当主「アニメの話これだけかよ!?」

ちゃりん娘「すいませんっファンの皆さんマジすみません!!!」

使用人「これで彼の零戦虎鉄が……零戦21型岩本隊が実装される」

当主「いや、まだ決定じゃないからな?」

ちゃりん娘「実際出たら対空どれくらいですかね。+15でしょうか?」

使用人「うちの瑞鶴ちゃん張り切ってますし」

甲板胸「これで一航戦に目にもの見せられる」

当主「あだ名ヒデーな。まぁ、がんばれ」

ちゃりん娘「公式化してますから。大百科のありますし」

使用人「これでストパン3期が始まったらコラボイベント間違いなしですね!」

当主「おいやめろ」

ちゃりん娘「あったとしてもアルペジオみたいに小規模イベだとしても鬼畜設定になることしか見えない。ネウロイの特性考えたらゲージ回復復活不可避」

当主「地獄じゃねーか」

使用人「とまーこんな感じであとがきやってきますので、おまけ程度で読んで下さーい」

当主「おまけかこれ?」

ちゃりん娘「これだけで1000文字超えてるんですが……」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。