ウマ娘ロイヤルダービー 作:ロイヤルヒューマン社員
『芝2000m、GⅢ第 回中山金杯、まもなく出走です』
中山レース場の空気が張り詰める。
ゲート入りが進み、中に入ったウマ娘たちが意識を全員が集中させていく……GⅢ、重賞レースを勝つという栄誉を得るために。
『全ウマ娘のゲート入りが終了し、今スタートしました中山金杯!先頭は5枠10番ラッキーチャンプ!今日も行った今日も行った、10万の観衆に見守られながら今日も大逃げで単騎先頭を駆けて行く。既に2番手とは4バ身ほど差があるかといったところ』
2番手を大きく突き放してラッキーチャンプと呼ばれたウマ娘がターフの上を駆けて行く……少々飛ばしすぎではないかと思うくらいに大きく突き放し、1000mを過ぎる頃には最後方とは数十メートルも突き放して逃げていく。
しかしそのレースの中で、1人不敵な笑みを浮かべる者が居た。
(今日のチャンプは調子が良さそうだ……恐らくあまり垂れてこない。その上で、まだ仕掛け時ではない……)
そうして決して長くない中山の直線へ入り、ラッキーチャンプのスピードが落ちて垂れてきたところで一気にレースが動いた。
『ロイヤルダンス!5枠9番ロイヤルダンスだ!1人、2人、3人と一気に上がっていく!だが中山の直線は短いぞ!』
最後方から気を見ていたロイヤルダンスが直線で一気に加速し、前を行くウマ娘たちをことごとく抜き去っていく。
もう、彼女の前に居るウマ娘は1人しか居ない。
「捉えたぞチャンプ!」
「ダンスさん……!追いつかせてなるものか!」
数十メートルもあったリードはもう殆ど無く、残り100mのところで2人は並ぶ。しかし、ラッキーチャンプも逃げきってやるというかのように気力を振り絞ってロイヤルダンスを引き離そうとする。
『9番か!10番か!チャンプか!ダンスか!どっちだ!どっちだ!今並んでゴール!』
ゴールを駆け抜けて2人は減速していく。
『勝ったのはダンス!ロイヤルダンスです!ハナ差でラッキーチャンプを差し切りました!』
ロイヤルダンスが勝利のポーズを決め、ラッキーチャンプは悔しさに拳を握る。
そんな様子を、ある者はテレビで、ある者はレース場で、見ていた。
「これがウマ娘のレースか……ハマる人の気持ちも分かるな」
税理士をしていて、付き合い程度に友人と関係のあるウマ娘が出るからとテレビで見ていた男が部屋で呟く。
「ダンスさん……勝った!勝ったよ!」
「遂にまたロイヤルから重賞を勝つウマ娘が……」
勝ったロイヤルダンスと同じロイヤルの名を持つウマ娘が、レース場で喜ぶ。
「次は、私の番です!」
「私も、重賞を取れるウマ娘になってみせよう」
こうして、運命の歯車は動き出す……
ラッキーチャンプとロイヤルダンスはザ・ロイヤルファミリー原作小説の冒頭に登場した馬たちですね。今後はドラマをベースに小説の要素が混ざっていくと思います。
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