俺は映画館で泣いていた。
っぱ「超かぐや姫!」は超面白い。
なんかみんながめちゃくちゃ面白いって言うから某サブスクで見たらどハマりしちゃって、映画館にまで来てしまった。
いやあ、ウェルカムアナウンスがどうしても聞きたくて……
一周目でもまあまあ脳を焼かれたけど、二周目だといろいろ見える景色が変わってやばいね。
あれとかそれとかこれとか、「あーこういうことだったんだ!」って。
もうね、ぶっちゃけRemember流れたくらいからもうずっと泣いてたよね。
今エンドロール流れてるけど、もうハンカチが涙でびしょびしょだもん。
みんなもそうだと思うんだけどさ。
うん、でもねえ……
超面白いと言っておいてなんだが、俺には一つだけ小さな不満があった。
綾紬芦花。
酒寄彩葉のことを一途に想い続けた女の子。
そして酒寄彩葉のことを想って自ら身を引く選択をした女の子。
俺はこういう報われないヒロインみたいな存在に惹かれがちだった。
報われない子が画面の端でひっそりと涙を流しているのに、何がハッピーエンドか。
いや、もちろんいろんな解釈があると思う。
主人公の彩葉からは芦花の想いは「見えないもの」なので、超かぐや姫としてのハッピーエンド判定に関与しないのもわかる。
でもぶっちゃけ俺ここだけ
さて、映画ももう終わりかけ、かぐやの声が響く。
いやまあハッピーかハッピーじゃないかならハッピーなんだろうけど……
完璧ではないと思うんだよね……
などと脳内で返事をしていると。
……はて、こんな展開あったっけ?
少し首をかしげつつも、なぜか答えなきゃいけない気がした。
だって登場人物全員が幸せになってないじゃないか。
画面の端で見えない涙を流している子がいる。
全員幸せになってこその大団円。
報われない想いを秘めたまま終わるなんてあまりにも悲しいよ。
え? え? え???
スクリーンに映る手書きの「超かぐや姫!」が光り輝いて、俺の目の前が真っ白になっていく。
えなになになになにまぶしまぶしやばいやばい
意識を失う寸前、かぐやともヤチヨともつかない声が聞こえた気がした。