男の水着なんぞなんでもよろしい。
あと評価バーが赤で埋まりました。
本当にありがとうございます、これで私も神作家の仲間入り(ではない)
「かぐや行くぞ、せーのっ」
「「海だーーー!!!」」
我々ね、今海に来ております。
俺、芦花、かぐや、酒寄、真実の5人で。
最初男1人は誰も嬉しくなかろうと思って断ったのだが。
「みんな良いって言ってるんだから来なよ、というか来てくんないと困る」
「えー? ナンパ避けなら真実の彼氏で良いじゃん、俺はパス」
「ごちゃごちゃうるさい男だなぁ。ほら芦花、かぐやちゃんも、あれやって」
「「おねがぁい」」
「くぁwせdrftgyふじこlp」
という感じで、真実の指示を受けた芦花かぐやのおねだり攻撃に屈した。
かぐやのおねだりの破壊力は言うまでも無いが、芦花のおねだりも照れが混じってて非常に威力が高かった。
足下を照らしてくれる思い出が1つ増えましたね。
ありがとうございます。
行くこと自体には乗り気では無かったが、行く以上は全力で楽しむ。
かぐや以外の3人に呆れた目で見られようとも!
「圭、まず何する!?」
「俺のことは、海にいる間は隊長と呼べ!」
「はい、隊長!」
「よし、それじゃあまずはやっぱ泳がないとな! 行くぞーーー!」
「おーーー!」
「まずはちゃんと準備運動しなよ〜」
芦花が後ろから、そんな俺たちを見守ってくれていた。
一通り泳いで、今は砂浜に広げたレジャーシートの上でみんな休憩中。
いや、実は俺だけ砂浜に埋められて身動きとれないだけなんだけど。
おのれかぐや、隊長になんてことを。
それで酒寄は優雅にドリンク飲んでて、かぐやは……あれ何してるんだ?
芦花は真実の髪を弄ってて、そんな芦花にされるがままの真実は焼きそばすすってる。
……真実さんや、それ何個目だい?
「どうすればいいのだー!」
かぐやが叫んだ。
叫びながらごろごろ砂浜をころがっている。
「ゆう゛じょう゛じだい……!」
悔しさがにじみ出て濁音がすごいけど。
何にと問われれば、当然ヤチヨカップのことである。
いくら快進撃とは言え、それは「無名からのスタートでは」の条件付きだ。
やっぱ上位は安定して数字を伸ばしているし、まだまだ背中は遠い。
「こないだの歌配信良かったけどね〜」
「ね、かぐやちゃんゲームも歌も上手いよね」
「天っ才、歌姫ですから?」
さっきまでぐぬぬしていたのに、芦花真実の賞賛に鼻を伸ばすかぐや。
調子の良いやつだ。
「オリジナル曲も良かったしさ」
「わかる〜。あれ彩葉が作ったの?」
「彩葉、可愛い上に天才過ぎ〜」
賞賛が酒寄に飛んでいった。
「まあ、昔に作ったやつだし……」
酒寄めっちゃ照れてる。
愛いやつめ。
「でもまだ足りない……どうすればいいのだ〜!」
「う〜ん、もう色々やってるみたいだしな〜……」
地団駄を踏むかぐやに対して、真面目に考える芦花。
こういうとこ芦花の美点だよな。
「はいは〜い、やっぱここはいろPが着ぐるみを脱いで……」
「はい、却下」
「あ、あ、あああ……」
余計なことを言った真実が、酒寄に焼きそばを奪われた。
残念でもないし当然。
「やっぱ歌! オタクもみんな喜んでたし!」
「オタクいうな」
「ねえ彩葉〜新曲作って〜演奏もして〜」
「これ以上勉強もバイトも減らせません」
かぐやのおねだりを毅然と突っぱねる酒寄。
諦めきれないかぐやがツッコミを入れる。
「でも海来てんじゃん!」
それに対し酒寄はキメ顔でこう言った。
「ふっ、マジなエリートは遊びも疎かにしないはず。睡眠時間削ってでも遊ぶ」
「「倒錯してるなぁ……」」
俺と真実の声が重なる。
いや、本当に本末転倒なんだよなこれ。
原作進行のために手助けできない俺を許してくれ。
それでも攻める一択のかぐやは、最終手段に出た。
そう、泣き落としである。
「このままじゃ優勝できない……彩葉に演奏して欲しい……」
「うぐ……まあ、時間が空いてたら……」
ピピーッ!
勝者、かぐや。
「よっしゃーっ! もっともっと配信するぞー!」
「なぜ断れない……なぜ……」
すごい体勢でガッツポーズをかますかぐやと、突っ伏して地面を叩く酒寄の対比が美しい。
「ちょろは〜」
「ちょろはだねぇ……」
「俺はそんなちょろはが好きだぞ〜」
ばっっっ。
え、なに、芦花も真実も酒寄もなんでそんな首もげそうなスピードでこっち見るのさ。
その後かぐやが岩場からカニの大群を見つけたりその大群が酒寄に襲いかかったりしたが、それは割愛して、今はかぐやと一緒に追加の飲み物調達中。
唯一の男である朝来・荷物持ち・圭と、残りの中で一番元気のあったかぐやという人選である。
「かぐやと2人ってなんだかんだ珍しいよな」
「そだね、いつも彩葉いたし」
ちょうど良い機会なのでかぐやの内心を探りたいんだけど、あまり上手い聞き方思いつかないな……
まあいっか、困ったらストレート。
「ぶっちゃけ聞くけどさ」
「うん」
「かぐやは酒寄のこと好き?」
「彩葉? うん、好きだよ!」
「じゃあ芦花とか真実とかは?」
「みんな好きだよ!」
「その好きは酒寄に対する好きと一緒?」
「うーん……」
かぐやは頭を物理的にぐるぐるさせて悩んでいる。
アホ毛もプロペラのように回っていて、ちょっと脳がバグりそう。
まあまあな時間悩んだかぐやの答えは、予想通りの物だった。
「ちょっと違うかも」
「そっかそっか、どんな感じに違う?」
「彩葉も芦花も真実も、一緒にいると楽し〜ってなるのは一緒なんだけど」
「うん」
「彩葉には幸せでいてほしい、笑ってて欲し〜って」
「なるほどね」
これは……結婚やな。
まごうことなき純愛、美しき愛である。
原作の一端に触れて心の中で涙を流す俺に対し、かぐやが聞いてきた。
「逆に聞きたいんだけどさ」
「なんぞや?」
端的に言おう、俺はかぐやの鋭さをなめていた。
「圭って、なんでいつも一歩引いて見てるの?」
いつも破天荒なかぐやの瞳が、俺の奥深くにあるものを射貫く。
「……へ? なにが?」
「なんっていうか、私たちを見てるようで見てないっていうか、私たちを通して向こう側の何かを見てるっていうか……上手く言えないんだけど」
何も言えなかった。
正直自覚があったから。
押し黙る俺をまっすぐ見据えて、かぐやは言った。
「かぐやたちを、ちゃんと見て欲しい。じゃないとかわいそうだよ。彩葉も、芦花も」
「うーん……」
かぐやの最後の一言が、頭から離れない。
この世界はあくまで現実だということを俺は忘れていたのではないか?
芦花を幸せにすると意気込んでおきながら、よりによってその本人をないがしろにしていたのか?
それとは別問題として、なんでかぐやは芦花と酒寄の名前を強調したんだ?
わからない。
いや、直視したくないだけか。
「おーい、圭さんや」
「芦花……」
レジャーシートの上で悩んで居ると、芦花が声をかけてきた。
「かぐやちゃんと何かあったの? 喧嘩じゃなさそうだけど」
「うん、ちょっと気づきをもたらされて……」
芦花はよくわからないという顔をしている。
そりゃそうだ。
「芦花、俺は……いや、なんでもない」
言いかけて、やめる。
俺はみんなのことを映画のキャラクターとしてしか見ていませんでした、などとカミングアウトして何になる。
芦花の負担になるだけだ。
「圭がこんな深刻に悩んでるの珍しいね」
体操座りで丸まる俺の背中をさすりながら、芦花は続けた。
「何悩んでるかは知らないけどさ、私たちも頼ってよ。圭は今まで自力でなんでもやってたから、私たち頼りなく見えるかもだけど……私たちだって圭の力になりたいんだってこと、忘れないでよね」
芦花はひたすらに優しい声色で、俺に語りかけてくれた。
その優しさは、むしろ俺の過ちを突きつける刃となって俺に突き刺さった。
俺は自分の力で他人を動かそうとしていたわけだ。
とんだ傲慢、なんたる独りよがり。
「……芦花、ごめん」
「んーん、圭は何も悪いことしてないよ〜」
「……うん」
わけもわからないのに何も聞かず俺を慰めてくれる芦花の優しさが暖かくて、同じくらい辛くて。
男の意地で、涙だけはこらえきった。
前半と後半の温度差で風邪引きそう。
でも圭には「自分も周りも同じ1人の人間だ」ってことを自覚してもらわないと、ハッピーエンドにたどり着けないのでね。
あとかぐやのターン今まで無かったし。
それはそれとして、富士市めちゃめちゃ良かったです。
私がスタンプラリー好きってのもあるんですが、「富士山ってあんな大きいんだ……!」って。
レンタサイクルは電動でも楽じゃないので、楽座とかかぐや姫ミュージアムまで行くなら車を推奨。
あと、富士川楽座に雷のグッズだけ大量に残っててさ……
次回、「転生オリ主は駒沢雷も幸せにしたい」お楽しみに!(嘘予告)