響きが気に入ったので……
追記
彩葉誕生日おめでとう!
日付変わる前に予約して寝てたせいで気づかなかった!
追記その2
過去にやったことある彩葉と二人での仲良しのやつを初めてやったと書いてしまっていたので、修正しました。
9月になり、新学期が始まった。
学生達は学校という檻の中に連れ戻され、授業という名の拷問を受けていることだろう。
そんな中、同じ学生であるはずの俺が何をしているのかというと。
「圭、ほんとによかったの?」
「いーのいーの、かぐやの方が100倍大事〜」
堂々と学校をサボり、かぐやと遊びに出かけていた。
昨日はみっともなく家で泣いてしまったが、俺は俺で、ちゃんとかぐやと話したくて。
学校休んで、かぐやと2人の時間を作ることにした。
この世界は原作とは違う。
俺が今ここでかぐやと手を繋いでいるのが何よりの証だ。
かぐやの気持ちを、俺自身で聞き出したい。
もしかぐやが本当は帰りたくないのであれば、俺も少しでも抗いたい。
俺のあがきが、最後の一押しになるかもしれないじゃん?
「それで、どこに向かってるの?」
「ふっふっふ、そーれーはー」
着いた。
じゃじゃーん。
「ス○ッチャです!」
「スポッ○ャ! ……ってなに?」
○ポッチャを知らないかぐやのために説明すると、ラウンド○ンの中にある施設の一つで、定額時間制(フリーパックもある)でいろんなスポーツが楽しめる場所です。
テニスとか卓球とかバスケの3on3とか、道具とコートが用意されてるので手ぶらでいろいろ楽しめるんですね。
前世では超かぐや姫コラボもやってたからみんなも友達誘って行くと良いよ。
……みんなって誰だ?
「すっご〜〜〜おもろ〜〜〜!!!」
体全身でわくわくを表現するかぐや。
喜んでくれて良かった。
真面目な話をするには向いていない場所ではあるけど、かぐやと一緒に遊びたかったから。
「圭、はやくいこ!」
「よっしゃ、とことん遊ぶぞー!」
「疲れた……」
「いっぱい遊んだねー」
2時間以上ぶっ続けでいろんなスポーツ片っ端からはしごして、さすがに疲労がやばい。
キャッチボールとかでも途中から「魔球!」とか言って、お互いわけわからん投げ方してわけわからんとこに飛ばす事になるし。
だいたいどのスポーツやってもそんな感じ。
平日だからコート空くの待ちとかもなくて、文字通りぶっ続けで動いていた。
疲れた、でもめちゃくちゃ楽しかった。
今はスポ○チャ内のカラオケボックスで休憩中。
自販機でスポドリ買ってきて、一気飲みする。
体にしみるね……!
かぐやが「私は、わたしの事が好き。」を歌って、俺が合いの手を入れて。
そんな感じで数曲歌って一区切り。
……さてと、そろそろ切り出すか。
「かぐやさん、ちょっとお話をしようか」
「ん? なに?」
俺の声が震えているのが自分でもわかる。
でも、聞かなきゃいけないし、聞きたい。
「かぐやはさ。やっぱ月に帰るって決心は変わらない?」
「……うん、帰ってやらなきゃいけないことがあるから」
かぐやの声色は、不自然なくらいに明るかった。
なんとなく怖くて顔は見られなかったけど、声だけでも明るさを作っているのがわかる。
俺たちは、それくらいの濃い時間を共に過ごしてきたのだから。
「今日一緒にこうして遊んだけど、楽しかった?」
「うん、めーっちゃ楽しかった!」
「そりゃ良かった」
やっぱり、かぐやだって帰りたくて帰るわけじゃない……よな?
そう言って欲しくて、でも聞くのが怖くて。
勇気をもらいたくて、かぐやの手を握った。
汗ばんだ手から伝わる熱が、かぐやがここにいるって実感させてくれる。
俺は、かぐやの顔をまっすぐに見て、問うた。
「最後に、これだけ聞こうかな」
「……?」
「もし、帰らなくて良いなら、ずっと俺たちと一緒に居たい?」
「……そりゃあ本当はさ。もっと彩葉と歌いたかったし、圭とこうやって遊びたかったし。そうだったらよかったんだけど、仕方ないことだよ」
「……そっか、ありがとう」
それが聞ければ、もう十分。
その日の夜、彩葉からツクヨミに召集をかけられた。
集められたのは、俺芦花真実に、ヤチヨ、それからブラックオニキスの3人。
「かーっ、かぐやちゃんが本当に月のプリンセスとは……わかるっ」
原作でも同じ反応してたけど、帝は何がわかってるのか。
彩葉は、かぐやに関する全ての話を包み隠さず話した。
俺や芦花真実は知ってたけど、黒鬼の3人は知らないし、まあヤチヨも知らないことになってるからね。
だから、芦花真実の反応は原作とは違うものになった。
「実はね彩葉〜、私も圭君から聞いてて知ってたんだよ〜」
「えっ、どこで誰から聞いたの!?」
「一学期の期末終わりにパンケーキ行ったじゃん? あのとき彩葉帰った後圭君から聞いた〜」
「ごめんね彩葉、私もそのタイミングでかぐやちゃんのこと知ってたよ」
カミングアウトする真実と芦花。
信じてくれるか不安で悩んでいた時間が無駄だったからだろうか、彩葉が俺のことを無言でにらんできた。
いや、あのときは芦花と彩葉をくっつけるのにそれが良いかなって……
「ごめんなさい」
「……はあ、まあ圭がその方が良いって思ったんだから、いいよ」
素直に謝ると、彩葉は大きなため息一つで許してくれた。
ぶっちゃけ今はそれどころじゃないもんね。
「ヤチヨ、この前のライブの変な奴らのこと、わかった?」
「調べてみたんだけど、どこからアクセスしてるかもわからなかったんだよね。ごめん」
……これヤチヨはどんな気持ちで言ってんのかなあ。
すると今度は、芦花がアイデアを投げてきた。
「じゃあ、ライブも中止して、かぐやちゃんがツクヨミにログインしなければ?」
「それは厳しいかな……」
そもそも、月の技術は現実世界に対し、ゲーミング電柱なんてわけわからん干渉ができるわけで。
そうである以上、現実世界なら安全という保証などあるわけがなかった。
不可能なのか、という重苦しい雰囲気が漂う。
そんな空気を払ったのは、帝……ではなく。
「私は、ツクヨミであいつらを追い払おうと思う」
酒寄彩葉その人であった。
「追い払うって……どうやって?」
「ライブ中にKASSENやる。そんであいつらをぶっ飛ばす。できること、全部やりたい」
覚悟の決まった目。
原作と何が変わったのかわからないけど、いい目をしている。
できること全部やる、か。
「なるほどね、それで俺らの力も借りたい、と」
「そういうこと。お兄ちゃん、お願いします」
「いいよ、お安い御用。そんじゃ乃依、雷、準備するぞ」
「えーめんどー」
「リーダーは絶対」
あっさりと承諾した帝。
乃依は文句を言っているが、なんだかんだやってくれることを、俺は知っている。
「彩葉、来年もみんなで海行こうね」
「温泉も行こー!」
芦花と真実も、やる気に満ちている。
芦花にとってもかぐやはかけがえない存在になっているし、真実にとっても大事な友達だ。
俺も、覚悟は決めた。
原作と同じ対処法。
俺というイレギュラーはいても、正直分の悪すぎる勝負。
でも、それは抗わない理由にはならない。
他の方法が思いつかない以上、これでやりきるしかない。
「かぐやがさ、できるならずっと一緒にいたいって言ったんだ」
「うん」
「じゃあ、それを叶えてやるのが、俺ら親の役目だよな」
「……そうだね、がんばろ」
チョキぶつけて、ガオーからのチュッ。
もはや手慣れた仲良しのやつをやってから、笑顔を交わして。
そしてログアウトしようとする寸前、運営からのメッセージを受信した。
『月見ヤチヨさんからのメッセージ
ASAKくんへ
ヤオヨロ〜☆ 突然のメッセージごめんね〜
もし大丈夫そうなら、一度2人でお話できないかな?
15分後、もう1回ログインして欲しいな。
座標はこっちで移動させとくからね〜
待ってるよ〜!』
この期に及んで最後の展開に迷ってたんですが、決めました。
運命の荒波に揉まれる覚悟はいいか?