戦闘描写はカットします。上手く書けないから。
あと後半彩葉視点に変わります。
感情移入して、書いててちょっと泣いた。
前も言った気がするが、時間が過ぎるのは早い。
学校行ったり、KASSENの練習したり、まあ他にもいろいろやっていたら、あっという間にこの日がやってきてしまった。
2030年9月12日、午後8時55分。
かぐやの卒業ライブ開始5分前。
俺は芦花と2人で、いろかぐ家のリビングにいた。
本当は4人で配信部屋にいたかったのだが、さすがに狭くて……妥協として、リビングのソファで芦花と2人座っている。
かぐやとはさっき話してきた。
俺が絶対になんとかするからライブ楽しんでこいよ、と。
俺と芦花と順番にハグをして、最後に3人で仲良しのハンドサインやって。
……最悪しばらくお別れだからなあ。
思い出を反芻していると、芦花がおずおずと手を握ってきた。
「かぐやちゃん、守り切れるかな」
「まあなんとかなるし、なんとでもする。黒鬼もいる、芦花も真実もいる。それに」
なんてったって。
「我らが超人、酒寄彩葉がいるんだからさ」
「……そこは他人任せなんだ」
冗談めかして手を握り返すと、芦花は呆れ半分で笑ってくれた。
『何という急展開! 突如ツクヨミに現れたフリーダム、超新星のかぐやの卒業ライブ! 泣いている場合じゃないぞ、最後のファンサだ! 目に焼き付けろ!』
オタ公は泣いている場合じゃないと言いながら、既に声に涙が乗っている。
まあ気持ちはわかるよ。
俺も映画館で見てたときはもうこの辺涙でべちょべちょだったもん。
だが今の俺は違う。
スクリーンの前の傍観者ではなく、運命に抗う1人のプレイヤーとしてここに立っている。
泣くには早すぎる。
「かぐやちゃんは俺が守り抜く……!」
「俺たちも全力を尽くそう」
「ま、やるからにはちゃんとやりますよっと」
帝、雷、乃依。
「まだまだ一緒に行きたいところたくさんあるからね〜」
真実。
「かぐやちゃんのために、頑張ろうね」
「みんな、改めてよろしくお願いします」
そして、芦花、彩葉。
ヤチヨはここにはいない。
ヤチヨは月人だから、変に月の軍勢に抵抗して連れて行かれたら困る。
そのため、ライブ全体の管理とかで裏から支えてくれている。
あとはまあ、ちょっとしたお願い事をしてあるからね。
ヤチヨもかぐやと彩葉のために、そしてヤチヨ自身のために、きっと全力を尽くしてくれる。
みんな気合い十分。
もちろん俺も。
全員の幸せのために、最後まで踏ん張ってみせる。
……え、俺が連れて行かれる可能性?
まあそのときはそのときというか、なんというか。
勝ちゃいいんすわ。
俺たちは例の桃の中に入って、特設会場に降り立った。
見上げると、驚きの表情を見せるかぐやがいる。
「みんな……どうして……?」
俺たちはそんなかぐやに向かって、おのおの存在をアピールする。
俺は芦花と鏡あわせでピースして見せた。
いえーい。
俺たちを代表して、現実世界で彩葉がかぐやに声をかける。
「ライブの余興。かぐや、私たちは私たちで、精一杯やるからさ。万が一勝っちゃったら、その時は……ドンキで買い出しして、パンケーキ作ろう!」
かぐやは目を見開いて、それから何かを彩葉に伝えて。
「そっか……みんな、自由だー!」
そう言って満面の笑みを浮かべるかぐやは、まさしく太陽のように見えた。
そして流れ始めた「瞬間、シンフォニー。」のイントロと共に、月人の軍勢が現れる。
俺あれと構造一緒なの?
なんか嫌だね。
乃依が用意された櫓に登っている。
かぐやの卒業ライブが見られないのはさみしいが、勝ってしまえば後でいくらでも楽しめるはず。
うっし、ささっと蹴散らしてしまいますか!
「ぐえっ」
……秒速で残機無くなった。
我ながらあまりにも情けない。
コメ欄にも笑われてますね、残念だが当然。
いや、言い訳させて欲しい。
そもそも俺はあんまKASSEN上手くないし、普段やるモードもSETSUNAが中心。
つまりどういうことかというと。
リョウサン型月人の数の暴力に押しつぶされた。
あいつらずるいって、何百体いるんだよ。
芦花がカバーに入ろうとしてくれたけど、多勢に無勢。
芦花の残機まで無駄に減らせないので、途中で断った。
自分が月人に近しいってわかったからって、別になんも変わんないよね。
原作だと芦花真実すらリョウサン型月人に苦戦する描写は無かったから、さすがに俺でも余裕やろとか思ってたのに……あれ俺と変わんないくらいだよ。
どっちかというと俺が雑魚なのだが。
1曲目を歌い終わったかぐやが、キョロキョロしている。
何か探してるんだろうか。
あ、目があった。
ビックリしてる。
いやあ、雑魚でごめんね?
俺のことはいいから、Replyを聴かせてくださいな。
こっちはこっちでまだ二の矢の準備があるんですわ。
一旦スマコンをARモードにしてっと……
じゃあヤチヨ、あとは頼んだ……!
彩葉side
数が多すぎる。
黒鬼の3人もチートを使ってまで戦ってくれたが、それでも届かなかった。
もう何をすれば良いのかもわからなくて、ただかぐやの元へ走る。
かぐやが歌い終わるのと同時に、無数の月人がかぐやや私を取り囲んだ。
くそ、これでも手加減されていたのか。
無力感に、私の足は止まった。
元から勝てると本気で信じていたわけじゃない。
それでも、最後かぐやの元に駆けつけることさえ叶わないのか。
腕に力が入らなくて、コントローラーを取り落としてしまった。
それを拾う気にもなれなくて。
ただ、浅い呼吸を繰り返しながら、かぐやを見上げるだけ。
「はるばるようこそ」
かぐやは、恭しく頭を下げる月人を優しい声で迎え入れた。
「逃げちゃってごめん。でも、すっごい、すっごい、楽しかったんだ」
月人もまた、微笑んでいるように見えた。
そして、かぐやが上っていく。
月へ。
もう私の手の届かないところへ。
「最高の卒業ライブでした! いっぱいお土産もらっちゃった。みんなありがとう!」
詰めかけたファンに手を振るかぐやに、手を伸ばす。
待って、いかないで。
もっとたくさんやりたいことあるって言ってたのに。
私ももっとかぐやとやりたいことあるのに。
私の喉からは、かすれた音が、声にすらならない何かが漏れるばかり。
「それから……」
現実世界の肩に温もりが乗った。
かぐやだった。
目を開けることはできなかった。
もうこれが最後なんだとわかったから。
体が動かなかった。
この期に及んで、かぐやとの別れを心から受け入れられなかったから。
そんな私に、かぐやは言った。
「彩葉。大好き」
次の瞬間、配信部屋に何かが落ちる音がして。
半端に優秀な私の脳は、かぐやのヘッドホンだとすぐに理解して。
もう隣には、かぐやの温もりの残りカスしかなくて。
私は、うなだれることしかできなかった。
気がついたら、ツクヨミの方ではみんなが集合していた。
黒鬼も真実も、沈痛な面持ちで私たちを見ている。
……私「たち」?
見ると、芦花が取り乱している。
どうしたんだろうと思った次の瞬間、芦花が配信部屋に飛び込んで来た。
「圭が、圭が……圭が消えていなくなっちゃったの!」
圭はどこいったんすかね(すっとぼけ)
そんなことよりBlu-rayですよ、皆さん予約しました?
私はパスケースのところで予約しました(実用性ありそうから)。
もちろん高い方、だってキャラコメンタリーはエグいですよまじで。
私、超かぐや姫!の全部を見なきゃ(使命感)
予約商品なんで、お金も未来の私がなんとかしてくれるし!
……この作品で読者の心動かしたってことでふじゅ〜もらえません?