転生オリ主は綾紬芦花を幸せにしたい   作:天戸 蒼香

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なんか(当社比)めちゃくちゃ読まれててビビってます。
というわけで、ストックを消費して臨時更新のカードを召喚……


憧れのゲーミング電柱と出会ったよ

今日はついに原作開始の日、3連休前日の夜。

いつも通りにこそこそと根回しをして、バイトを酒寄と同じタイミングで上がれるようにしておいた。

酒寄の3連休が潰れてしまうのも忍びないし、後々先回りしてベビー用品を渡さないといけないのでかぐや降臨に立ち会った方が都合が良いのだ。

ほんとはこの役回り芦花がやった方が良いんだろうけど、このタイミングで芦花と酒寄を一緒にする理由付けが思いつかなかった。

あと俺自身原作ファンとしてゲーミング電柱を見たかったのもちょっとある。

 

 

 

「へへ……3連休がついにやって参りやした……」

「参りやしたな……」

 

しわしわのふにゃふにゃな酒寄と、隣でこれから起こることにわくわくしてる俺のペアで家路につく。

 

あ、俺の家は酒寄の家の隣……ではなく、下。

原作近くで見たいなあってことで親を説得して一人暮らしさせてもらっている。

隣は壁ドンニキ(推定)が既に住んでいたため、真下を選択した。

ボロアパートなので親には大分渋られたが、自立の精神とかなんとか言って押し通した。

普段から成績が良くて素行も良いからなせる技ですな。

さすがに食費とか家賃とかは出してもらっている。

俺は前世のアドバンテージがあるだけで超人ではないので。

 

 

 

「超久しぶりに1日6時間は寝られる……」

「頼むからもうちょいちゃんと寝てくれよ」

「朝来と違って私は普通の人なので睡眠削らないと……」

「全科目ほぼ満点たたき出すやつのどこが普通?」

 

なんでもない会話をしながら歩く。

原作と違って俺がいるので、酒寄がRememberを聞いて目を潤ませるシーンはカットだ。

というかたぶんそんなシーン見たら俺が泣く。

前世の映画館でそうだったので。

 

 

 

「お、流れ星」

 

ふと空を見上げて気づいた()()に俺が言う。

遅れて空を見上げるふにゃふにゃ酒寄。

 

「なんか願い事でもしてみたら?」

「え……か、金……」

「酒寄ぃ……」

「えなに急に、お札とか受け取れるわけないでしょ」

 

いかんいかん、無意識に財布から万札を差し出していた。

 

「まあ万札は冗談として」

「どう見てもガチの顔だったけど?」

「俺はやっぱみんなの幸せかなー」

「私のツッコミはスルーか。にしてもまたずいぶんと抽象的な……」

「まあね、人類愛を体現する男だから」

「なーに言ってんだか」

 

 

 

そんなこんなで我が家の前までやってきました。

原作通り光る電柱が俺たちの前に鎮座している。

ゲーミング電柱だーーーーー!!!

この世界に生まれてきてよかったー!

 

「ねえ、朝来……私幻覚見てる?」

 

スマコンつけたままだっけと目を擦りながら訊いてくる酒寄。

 

「いや……俺の見間違いじゃなきゃ電柱が虹色になってる」

「だよね……じゃあ私ら二人とも疲れてんだ……」

「うーん……そうかもな……」

 

ブシューーーー!!!

 

ゲーミング電柱は、吸い込んだら体に悪そうな煙を勢いよく吐き出した。

そしてよくわからん音楽と共に開き始める扉。

咄嗟に酒寄が扉を閉めた。

 

「……どうしよう、朝来」

「いや、俺に訊かれても……」

「だよね……てかなんかだんだん力強くなって……!」

 

酒寄の奮闘むなしく、扉が開いていく。

中には、可愛い赤ちゃんがいた。

 

「……どうしよう、朝来」

「酒寄さっきからそれしか言ってないけど」

「だってどうすればいいかわからんし!」

 

顔を見合わせる俺ら。

赤ちゃんが酒寄のこと見てにっこり笑ってる。

あらかわいい。

それで俺のことちらっと見て首かしげた。

なんすか、俺はだめなんすか。

 

「いやまあ……置いてくか拾って育てるかだけど」

「私赤ちゃん育てる余裕ない……」

「俺もさすがになあ……」

 

「もうどーなってもいいんだあーーー!!!」

「ひっ」

 

ここで酔っ払いおじさんのカットイン。

まあこうなるのわかってたからここまで引っ張ったんだけど。

 

「さすがにここは危ない……」

 

そう言って酒寄が赤ちゃんを抱き上げた瞬間。

扉はすーっと消えていき、ノーマル電柱に戻った。

うおすっげえ……

 

「朝来ぃ……どうしよう……」

「……まあもう責任持って育てるしかないんじゃね、酒寄が」

「え、いや私には無理だって!」

「いや俺だって無理だわ」

 

俺としては酒寄にメインで育ててもらわないといけないからね。

と、俺たちの言い争う声がうるさかったのか、赤ちゃんが泣き出してしまった。

 

「うええええんんん」

「わわわええとどうしよう朝来!」

「よし、赤ちゃんの性別確認しろ、それで男だったら俺、女だったら酒寄が育てる。これでどうよ」

「わ、わかった」

 

勝ったな。

——酒寄性別確認中——

 

「お、おんなのこ……」

「よーし、じゃあ今日からこいつは酒寄さんちの一人娘な」

「ううう……手伝ってよ?」

「まあそれはね、こんな面白い……じゃなくて酒寄一人じゃキツいだろうから」

「今面白いって言った?」

「はははきのせいだよ」

「はぁもう……」

「じゃあまた明日なー」

「あっちょっ」

 

このあと二人には壁ドンされてもらわなきゃなんで退散退散!

 

 

 

次の日。

 

「おっすー酒寄ーおはよー」

「朝来……来てくれてありがとう……」

 

事前に「酒寄が起きたら連絡くれ」と伝えておいたので、事前に買っておいたベビー用品を手に、今こうして酒寄の部屋にいます。

酒寄が子守歌歌うシーンとか感涙ものなんだけど、俺がいるわけにはいかなかったから……

 

「酒寄、ひとつ訊いていい?」

「なに?」

「赤ちゃん、でっかくなった?」

「……やっぱそうだよね」

「まあゲーミング電柱よりはマシだしいいや、それよりこれ」

 

酒寄にベビー用品を差し出す。

ドン引きする酒寄。

なんか誤解されている気がする。

 

「えっ、ありがたいけどなんでそんなん持ってんの」

「いやー……それg」

「もしかしてそういう趣味?」

「言い訳くらいさせてくれない?」

「いやだって……」

「違うから、昨日のうちに親戚から譲ってもらっただけだから」

「ほんとかなー……まあいいや、後でお金払うから」

「いやいらんよ、もらいものだし」

「いやでも……」

 

お金の押し付け合いをしていると、酒寄のスマホからアラームが鳴った。

 

「うわやばっ」

「酒寄今日もバイトだっけ」

「そう、昼過ぎまで」

「オッケー、俺はバイトないしこの子の面倒見とくわ」

「正直助かる、あとでお礼するから」

「じゃあ定期テスト前に現国教えてね」

「そんなんでいいなら……」

「交渉成立、じゃこの子は預かった」

「よろしくお願いします」

 

律儀に頭を下げる酒寄。

俺はいーよいーよと適当に手を振って、自分の部屋に赤ちゃんを連れて戻る。

そのすぐ後に、バタバタと酒寄はバイトへ行った。

 

「さて、と」

「あうあうあー」

 

……原作では大きくなるまでダイジェストだったもんな。

原作で使ってたやつ一通り買ってきてはいるけど、赤ちゃんのお世話ってなにすりゃいいんだ?

 

 

 

わからないことがあっても、現代文明にはインターネットという武器がある。

それで調べて、赤ちゃんにミルクあげたりとか。

 

「ほらげっぷをしなさいげっぷを」

「あうあー……げぷっ」

「おお……できるもんだな……」

 

おむつ替えたりとか。

 

「うおうんこしてやがる、くっせ」

「むぅ〜」

「いやごめんて」

 

泣いたときは、あやすために歌ってみたりとか。

 

「ちゅっ 可愛くてごーめーん」

「きゃっきゃっ!」

「これでもいいんだ……」

 

 

 

ぴんぽーん。

インターホンが鳴ったのでドアを開けると、酒寄が立っていた。

 

「面倒見てくれてありがとう朝来」

「酒寄……」

「どうしたの? 疲れた?」

「赤ちゃんの世話、楽しいわこれ」

「じゃあ今日からは朝来さんちの子n」

「それはだめ」

 

ここは譲れない。

 

「ほら、赤ちゃんもこう言ってることだし」

「あうー」

 

空気を読んだのか、酒寄に向かって手を伸ばす赤ちゃん。

うんこのときといいこの子賢いな、将来大物になるんじゃないか?

いやライバーとして大物になるんだけどさ。

 

「はぁ……まあいいよ、ありがとね」

「お安いご用ですぜー」

 

そう言って赤ちゃんを引き渡そうとしたのだが。

 

「むぅ〜……」

「この子なんか不満そうですよ朝来さん」

「そう見えますわね酒寄さん」

「やっぱ朝来さんちの子にするべきなのでは?」

「でも俺の方に来ると今度は酒寄に手を伸ばしてるし」

「ええ……」

「あー……酒寄さえ良いなら、昼間は酒寄の部屋で二人で面倒見るか?」

「私もそれ言おうと思ってた、助かるよ」

 

そういうことになった。

ちょっと想定外だがまあこのくらいの原作ブレイクなんとでもなるでしょう。

あと赤ちゃんってマジで可愛いなあ!

親でもないけど親馬鹿になってしまう。

これもこの子の魅力ってことかな。




ちなみに初期プロットから大幅に方針転換したのは、彩葉と圭のやりとり書くのが楽しすぎたから。

明日(4/3)は更新ありません。
なぜなら私が4回目の超かぐや姫をキメに行くからです。
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