文庫本1冊くらい書いたわけだし、どうせなら記念に本にしたい……
やり方知らないしお金ないし、PDF出力して家のプリンターで印刷するか()
俺、芦花のこと好きなんだなあ……
なんか自覚したら恥ずかしくなってきた。
前世含めても人をここまで本気で好きになるなんてことなかったし。
「えーっと……」
言いよどみ目線をそらす俺を、芦花がじっと見つめてくる。
返事待ちってことだよな……
「まあ、その、俺も芦花のこと……」
言え、朝来圭。
覚悟決めて俺も好きって伝えろ。
早く言えって。
「s……大切に想ってるし? みんなで幸せになりたい……です」
……うん。
恥ずかしすぎるって、言えないって!
これが俺の精一杯です。
今は許してください。
「……へたれ」
「うっ」
「ま、いいよ。いつか好きって言わせてみせるから」
そう言って芦花は、不敵にウィンクしてみせた。
は〜〜〜顔が良い〜〜〜
芦花かわいい……好き……
「2人だけで良い雰囲気作ってるけど、私たちも忘れないでよね」
「かぐやも、かぐやも一緒!」
彩葉とかぐやも、俺と芦花に抱きついてきた。
彩葉は、幸せをかみしめるようにゆっくりと。
かぐやは、あふれる喜びを隠さずに勢いよく。
3人にもみくちゃにされて、そのまま床に倒れ込んでしまった。
重みも暖かさも感じないのに、すごく心がぽかぽかする。
最後に輪に加わった彩葉と目があった。
この気持ちを無性に共有したくて、彩葉に笑みを向ける。
すると、彩葉は俺に近づいてきて。
「私だって圭のこと好きだから、地球帰ったら覚悟しといてよね」
そう言って、彩葉は俺の頬に顔をくっつけた。
え、いや感触は無いけど今絶対キスしましたよね!?
5人で幸せにって彩葉もそういうあれなの!?
彩葉って俺のこと好きなの!?
芦花はまあ思い返せばわからんでもないけど彩葉はマジでなんで!?
そんなそぶりあったっけ、というかいつから!?
「い、彩葉さん!? 今のはいったい」
ぴりりりりっ、ぴりりりりっ
突然、空気の読めないアラームの音が響く。
すると、彩葉と芦花が慌てだした。
「あっやばい、タイムリミット近いじゃん!」
タイムリミット?
そういえば俺と会ってすぐのときも時間が無いとか言ってたな……!
「あとどれくらい!?」
「月基準であと5分!」
「おおおおおやばいやばいやばい!」
月人の偉い人に、もと光る竹を送ってもらう話を通さないといけないのに!
それからはもうずっとダッシュ。
かぐやを先頭にして月のお偉いさんの元へ向かい、もと光る竹のことをお願いし。
ごねられたらどうしようかと思ったが、幸いあっさりと許可が下りた。
かぐや姫がそれをお望みなら手配致しましょう……みたいな。
やっぱ月の仕事さえ回ればどうでも良いということなのか、なんだかんだ月人もかぐや姫には甘いということなのか。
ただ……いや、これは後でいいか。
そして猛ダッシュでゲートまで戻り。
警備月人たちに走りながら手を振って、頭を下げてくれる月人を横目にゲートに飛び込む!
じゃあな、次会うときまでにもうちょいゲーム強くなっててくれよ!
膜を通り抜けるような気持ち悪い感覚のあと、見慣れた和風な景色が目に飛び込んできて。
「ぐへ」
そのまま頭から、ぺしゃっと地面に突っ込んだ。
顔だけ上げると真実にヤチヨに黒鬼と見慣れた面々。
本当にツクヨミに帰ってきたんだな、俺……
「うわわわ危ない!」
「ん? うっぐぅ……」
頭の上から声がしたかと思った次の瞬間。
遅れてゲートを通り抜けた芦花や彩葉、かぐやが、次々と俺の上に降ってきた。
ツクヨミだから感覚は無いとはいえ、上からのしかかられてるのはわかるからなんかキツい!
でもたぶん重いとか言ったらいけないのはわかるから何も言えない……!
そんな俺らを見てから、顔を見合わせて笑い始める真実たち。
こっちは必死だったのにさあ……
そんなことを思いつつも、俺たちもつられて笑い始めてしまった。
ほんとしまらないなあ……!
でもまあ、俺たちらしいエンディングなのかもしれない。
「4人とも、おかえり!」
真実がみんなを代表して、俺たちに言ってくれる。
俺たちは、満面の笑みで答えた。
「「「「ただいま!」」」」
「じゃあ、今後について話していくよ」
しばらく感動の再会を喜び合ったあと、これからについて話し合うことになった。
司会進行役は彩葉。
一番状況を詳しく把握してて、なおかつ頭の回転も速いし、適任だろう。
「まずかぐやと圭についてだけど、今はヤチヨみたいにツクヨミだけの存在になってる」
いえーい。
真実が少し曇った顔をしたので、ピースしておく。
そこはあんま悲観的に捉えてないから、心配しないで欲しい。
真実はそんな俺を見て、少し表情を緩めた。
「来年の8月3日、もと光る竹っていう船で、かぐやと圭の肉体を送ってもらって、そこに2人の精神を入れる」
「月ってそんなことできんの?」
「できる。そもそもかぐやもこの船で地球に来たんだし」
「かーっ、月のテクノロジーってすげえんだな……!」
帝は驚きとわくわくが半々といった反応を見せた。
雷もちょっと目がいつもより開いている気がする。
やっぱ男の子なら超テクノロジーはロマンだよな……!
「でも、その精神はどうやって入れるの〜?」
今度は真実からのもっともな質問。
「それについては、かぐや、説明お願い」
「まず、月からインバウンドしたもと光る竹を回収して、それをツクヨミの量子メインフレームとホスト接続することで、リモート・キネティクス制御が可能になって、私たちの精神データをもと光る竹にデジタル・トランスポーズできる。あとはもと光る竹をツクヨミ経由でパケット操作して、肉体を物質化すればいけるよー」
……と、いうことらしい。
みんなぽかーんとしている。
インバウンド?
リモート・キネティクス?
デジタル……なに?
正直俺は半分も理解できてないし、あの様子だとヤチヨ以外はほぼ全くわかってないな。
それを確認した彩葉は、説明を諦めた。
「まあ、できるってわかってくれればいいよ」
「お、おう……まあだいたいわかった」
理解を諦めた帝が、腕を組みながら頷いた。
本当にだいたいわかったかは甚だ怪しい。
「じゃあ俺たちは退散しますかね。なんか困ったことあればいつでも呼んでくれて良いから」
「またな」
「じゃあね〜♡」
そう言って、黒鬼の3人はログアウトしていった。
「私も落ちるね〜、お幸せに〜」
真実も、声を掛ける間もなくログアウト。
まあ気を遣ってくれたんだろうけど……
そのログアウトの光が消えた直後、ふっと奇妙な静寂が落ちた。
さっきまでみんなと一緒に喜んでいたはずのヤチヨが、いつの間にか、俺たちの輪から一歩後ろに引いている。
「……じゃあヤッチョもこれにて」
その声は、いつもより少しだけ低くて、どこか他人行儀だった。
「ヤチヨ、ちょっと待って」
どこかに行こうとしたヤチヨを、彩葉が引き留める。
「なんだいなんだい?」
いつもと同じヤチヨの口調、いつもと同じヤチヨの笑顔。
つまり、何か仮面をかぶっているってことだ。
彩葉も気づいたらしい、さすがスーパー主人公。
「まずは……ごめんね、ヤチヨの体、用意できなかった」
「そんな、みんなが無事に帰ってきてくれただけでヤッチョは嬉しさパンケーキなのですよ☆」
謝る彩葉に、ヤチヨは大げさに手を振って答える。
もはや空元気なのが丸わかりで、痛々しさすらあった。
その笑顔が無理に作られたものだと分かって、彩葉の表情がキュッと歪む。
「だから、後は4人で幸せに……」
これ以上ここにいたら、自分のせいでハッピーエンドが濁ってしまう。
そう言いたげに、ヤチヨは本当に、俺たちに背を向けて消えようとした。
「ヤチヨ!」
なおも立ち去ろうとするヤチヨの背中に、彩葉が声を荒げた。
もはや怒鳴るような声量だった。
……たぶん彩葉が先に声を上げなかったら、俺が怒鳴っていただろうな。
「ヤチヨだって、かぐやなんでしょ? だったらなんで私たちから離れようとするの!」
「……だって、ヤチヨは……私は、彩葉をハッピーエンドに連れて行けなかったダメなかぐや姫で……8000年経っちゃっておばあちゃんになっちゃって、こんな私が彩葉やみんなの側にいる資格なんて」
「資格なんて要らない!」
ヤチヨのセリフを遮って、彩葉が叫んだ。
「私は、私たちは、ヤチヨも入れて5人で幸せになりたいの! ねえ、みんな!」
彩葉は溢れる感情に目を潤ませながら、こちらを見た。
俺たちの答えは1つしかない。
「いろかぐヤチ芦花は至高だからな、ヤチヨが欠けるなんて許されないよ」
「ヤチヨも一緒じゃないと。私たちのお話で1人陰でさみしく微笑んでるなんて、全然ハッピーエンドじゃないもんね」
「かぐやはよくわかんないけど、ヤチヨも一緒ならきっと楽しいよ。コラボライブもあんなに楽しかったし!」
俺は後方腕組みオタクになった。
芦花もかぐやも、それぞれの言葉と一緒に、ヤチヨに笑いかける。
「ね、みんなもこう言ってるし。ヤチヨも一緒に、幸せになろう?」
ヤチヨの手を握りながら、彩葉が言う。
それがとどめになったか、ヤチヨは泣き出しながら笑った。
「みんな、ありがとう……!」
うんうん。
8000年頑張ってきたんだし、たくさん甘えてほしい。
俺たちでヤチヨにもたくさんの幸せをあげたいと、心から思う。
「なあ、彩葉」
「なに、圭」
「……ヤチヨの体、作ろうぜ?」
「……奇遇だね、私もそれ言おうと思ってた」
まあ、俺はこれから1年ツクヨミに幽閉だけどね。
いつかヤチヨにも、ふわふわパンケーキを食わせる。
ハッピーエンドのその先の光景を思い浮かべて、2人で笑い合った。
各キャラの感情のデカさを数値化しようの回(いろかぐヤチver)
最大が10、あくまでイメージ
彩葉→圭 10
母の呪縛から解き放ってくれた人だし。
ZETTAI逃がさないから!
彩葉→かぐや、ヤチヨ 10
原作通り。
わたしのかぐや、わたしのヤチヨ。
彩葉→芦花 10
10ばっかじゃんと思ったそこのあなた、これが欲深怪獣いろはです。
全部、欲しい。
かぐや→彩葉 10
「彩葉のこと、すぐ好きになったんだ」。
卒業ライブのあのセリフが一番泣ける。
かぐや→圭 9
ほぼ全面的に家族愛、お父さんだと思ってる
かぐや→芦花 8
こっちも家族愛的、色々教えてくれるお姉ちゃん。
かぐや→ヤチヨ 7
なんか他人とは思えないんだよねー
今はまだ細かい事情も知らないし、今後一緒にいる中で上昇していくよ
ヤチヨ→彩葉 10
原作まま。
8000年の月日が愛を熟成させた。
ヤチヨ→かぐや 10
かぐやからするとヤチヨは自分ではないけど、ヤチヨからしたらかぐやは自分という奇妙なねじれが起きている。
かつてのキラキラした自分をとても眩しく思っているよ
ヤチヨ→圭 9
9.5でもいいくらい、かぐやと比較すると恋愛成分マシマシ。
ヤチヨ→芦花 8
彩葉のこと見守っててくれてありがとう、芦花も幸せそうでよかった……
最後のとこは、周辺含めてヤチヨ視点でいつか補完します。