私「4時寝6時起き最新話投稿! からの宝塚記念! そして日本オランダ戦視聴! さらに1限から大学!」
FUSHI「……人の身体で耐えられるかわからない」
私「問答無用!」
私はただの人だったらしく、2日合計6時間睡眠には耐えられませんでした。
皆さんはちゃんと睡眠を取るよ(信頼)
うにお願いします(注文)
真実を見送った後、芦花の病室の扉をノックする。
芦花の返事を聞いてから扉を開けると、芦花は咄嗟に顔を逸らした。
「圭か……真実と一緒に帰ったかと思ってたよ」
「まさか」
面会時間ギリギリまで側にいるに決まってんじゃん。
……ところで。
「なんで顔を隠してるんだ?」
「いや、だって……」
手で隠した向こう側、頬が少し赤くなっているのがわかる。
蚊の鳴くような声で芦花は言う。
「さっきも言ったけど、今の私すっぴんだから……」
「芦花はメイクがなくとも世界一可愛いし綺麗だよ」
今度は言えた。
あんま柄じゃない気がするけど、もう我慢しないと決めたので。
ええい、全部言ってしまえ。
そのままの勢いで芦花の手をそっと握って、顔からどかす。
「えっ? えっ……?」
困惑する芦花にかまわず、言いたいことをぶつける。
「芦花、聞いて欲しい」
窓にたたき付ける雨音も、冷房の低くうなる音も聞こえなかった。
ただ芦花の手から伝わる熱だけが、鮮明に感じ取れる。
「昨日芦花が車に撥ね飛ばされるのを見て、本当に怖くなった。芦花が俺の隣から居なくなるのが。この手をもう二度と離したくないって思った」
いきなりの俺の言葉に、芦花は固まっている。
でも止められないし、止まらない。
もう言わずにはいられない。
「俺は芦花のことが好きだ。幼馴染みとか友達とかじゃなくて、一人の女の子として、芦花のことが好きだ。俺と付き合って欲しい。俺の側に一生いて欲しい」
言いたいこと全部伝えて、芦花の目を見た。
芦花はさっきと変わらず、目を大きく見開いたまま固まっている。
もしかして……勢いで言ってしまったけど、突然こういうこと言われるの迷惑だったか?
「えと、その、返事は急がないし、迷惑だったら忘れてくれていいから……」
「ううん」
さっきの勢いはどこへやら、しどろもどろになってごにょごにょ付け加える俺。
そんな俺の頭を、芦花はそっと抱き寄せてくれた。
「やっと好きって言ってくれた」
芦花の目から、一筋涙が流れる。
「あー、えっと。……お待たせしました?」
「すごく待ったんだから、このクソボケ」
「クソボケ!?」
思ったより暴言飛び出してきたんですけど!?
「だって私、中学の時にはもう圭のこと好きだったんだよ? 気づいてなかったでしょ?」
「マジ……?」
「マジだよ。ほら、クソボケじゃん」
…………マジか。
全然気づかなかった。
「いやその、芦花ほどの人が俺を好きになってくれるなんて思わないし?」
「今日からそういう自虐全部禁止」
「はい」
わたわたと言い訳をするも、ぴしゃりとシャットアウトされた。
俺、将来尻に敷かれんのかなあ……
「そうだ、私もちゃんと言わないとね」
俺の頭をようやく離した芦花が、今度は俺の手を自分の手で包み込む。
「私も圭が好きです。ずっと側にいて、私を幸せにしてください」
「………………」
やばい。
破壊力やばい。
にやにやが止まらない。
皆さん見てください。
これ、俺の彼女。
うらやましいだろ、でもあげないよーん。
「え、なんか言ってよ。なんだか恥ずかしくなってきたんだけど?」
「はっ。ごめん、あまりの破壊力に」
「? よくわかんないけど、これで恋人……ってことで良いんだよね?」
「俺はそのつもりだったけど……」
「じゃあそういうこと、だね。えへへ、圭の彼女……」
だからやばいってその顔。
俺の表情筋がデロデロに溶けてしまっています。
俺の彼女が世界一可愛い。
「その、恋人らしいこと、したいなー……なんて」
芦花が照れながら言う。
「キス?」
「……なんかそうはっきり言われると雰囲気台無しだけど。まあ圭だし仕方ないか」
芦花はそういってため息を一つ。
すごい不名誉な納得の仕方されてる。
いや、まあ、言ってから自分でもこの発言はないなと思ったけど。
経験値不足だから大目に見てほしい。
「俺だって雰囲気作るときは作るから」
「じゃあやってみてよ」
「おうおうやってやりますよ見てろよ」
売り言葉に買い言葉。
恋人になっても幼馴染みらしい軽口がたたき合えるのも、なんだか嬉しい。
それはそれとして普通に不本意だけどなあ!
わざとらしく咳ばらいをして、一度リセット。
「んっんんっ。じゃあ芦花、目を閉じて……?」
自分の中でのイケボを呼び起こして言ってみると、案外素直に芦花は目を閉じた。
……こうして間近で見るとやっぱ顔整ってるよなあ。
おっと、見とれている場合ではない。
覚悟を決めて、俺はゆっくりと芦花の唇に自分の唇を近づけた。
「んっ」
少しツンと消毒液の匂い、小さく漏れる芦花の息。
柔らかな芦花の唇。
ぱしゃっ
そして病室の入り口から響くカメラの音。
……カメラの音?
「ちょっとお父さん、シャッター音切ってって言ったでしょ!」
「すまん、スマホには不慣れで……」
芦花も俺も慌てて離れて入り口を見ると、芦花のお父さんが芦花のお母さんに叱られて小さくなっていた。
え、今そのスマホで撮ったんですか……?
「お父さん!? お母さん!?」
芦花も大慌てだし顔真っ赤。
たぶん俺も顔真っ赤。
「いやー邪魔する気はなかったのよ? でもやっぱ娘と未来の息子の大事なシーンだもの、記録に残さないと」
「そんなの残さなくて良いから!!!」
芦花とお母さん……いいか、お義母さんが言い合っている。
それを眺めていると、お義父さんがこちらに近づいてきた。
お義父さんは声を震わせながら言う。
「圭君」
「はい」
「……芦花を、よろしく頼む」
「ええ、もちろん」
すごい苦渋の決断って感じの顔をしていて圧もすごい。
ただ即答してやった。
そりゃそうだ、それだけの覚悟を決めてるんだから。
芦花は一生かけて幸せにしますよ。
ちなみに、「いくら個室でも騒ぎすぎだ」と後で看護師さんにみんなで怒られた。
残念でもないし当然。
すみませんでした。
それから俺は毎日病室に通った。
さすがに学校を休みはしなかったけど。
いや、本当は休みたかったけど、芦花に拒否された。
「私の代わりに授業受けて、後で圭が私に教えてよ」なんて言われてしまったら、反論の言葉はなかった。
だから、学校が終わったら即座に病院へダッシュ。
それからは面会時間ギリギリまで、ずっと芦花の病室で過ごす。
お風呂から上がった芦花の髪をドライヤー使って乾かしたり。
「圭もだんだん上手くなってきたねー」
「お姫様の髪を傷めるわけにはいかないからな」
「ふふっ、お姫様だって」
「なんだよ、柄じゃないって笑うか?」
「ううん、嬉しい」
芦花の代わりにいろんなもの代わりに取ったり。
「圭ー」
「んー? ああリモコン? はい」
「よくわかったね」
「伊達にずっと芦花の幼馴染みやってないからね」
「じゃあ圭ー、次私がしてほしいことなーんだ」
「えー……ハグかな」
「当たりー、そんな圭にはご褒美としてハグする権利を上げましょう」
「ありがたく頂戴致します」
イチャイチャは……まあ、ご想像にお任せします。
真実にも、晴れて芦花とお付き合いすることになったと報告した。
病室で芦花と二人、真実に向かって両手でピース。
「いや〜、やっとですか〜。この真実さんも頑張った甲斐がありましたな〜」
「尻蹴飛ばされたのは事実だけど、なんか腹立つなー……」
「でも私が言わなかったらずっとうじうじしてたでしょ〜?」
「……それは否定できない」
「今度何かおごってね〜」
「はいはい」
まあお世話になったのは事実だし、そのくらいはいいか。
ため息をつく俺を横目に、真実は芦花の方を向いた。
「芦花」
「ん?」
「よかったね」
「……うんっ」
真実の眼差しはすごく優しく、それに応える芦花は満面の笑みで。
俺の知らないところでどんな話をしてたかわからないけど、芦花と真実はちゃんと親友なんだな、となんとなく思った。
それから、酒寄のバイトの無い日にお見舞いに連れてきた。
「芦花、すぐにお見舞い来れんくてほんっとうにごめん!」
「彩葉が忙しいのはわかってるから」
「ほんと、この埋め合わせは何でもするから!」
「えっ今何でもするって」
「朝来にじゃないけど?」
「いやごめんつい」
おっと、前世が出てしまった。
酒寄からの差し入れは芦花と二人全力で断った。
いや、あの酒寄から物を貰うなんて出来るわけないので……
酒寄は余計申し訳なさそうにしていたが、最後には折れてくれて助かった。
最後にヤチヨのアクスタ差し出そうとしてきてさすがだなと思ったけど。
それから、酒寄にも芦花と俺が付き合ったことを報告した。
酒寄はあまり驚いた感じでもなく、芦花に祝福の言葉を投げた。
「へーそっか、芦花ずっと頑張ってたもんね」
「あんま驚かないんだな」
「そりゃ真実と二人、芦花のアドバイザーしてましたから?」
「そんなことしてたのかよ」
「あっやば、これいっちゃだめなやつだっけ」
「時効だろ」
「だよね」
しばらく芦花といろいろな話をしてから、酒寄は予習があると言って帰っていった。
少し静かになった病室で、芦花がぽつりと呟く。
「彩葉、ほんと頑張るねえ……」
「ほんとなあ……」
「……彩葉を魔法で助けてくれる人とか、来ると良いね」
「絶対現れるよ」
月から、破天荒なかぐや姫がね。
たぶんあと2話ですかねー。
3話になるかもしれない、書いてみないと文字数がわからないので。
あと前書きでも言ったけど本当に睡眠はちゃんと取りましょう。
人間は簡単に死ぬってかぐやも言ってましたからね。
……でもワールドカップ見たいんだよなあ