自分だけのオリジナル男子生徒を作って、他と差をつけよう! 作:レイトウカイトウ
裏切りを成敗する事はありますが。
ミカ「っ、浦和ハナコ……!」
ハナコ「ちょっとした約束をしましたので」
ハナコ「あなたが知る必要の無い事ですが」
サクラコ「これまでの慣習に反する事ではありますが、ティーパーティーの内紛に、介入させていただきます」
サクラコ「聖園ミカさん。他のティーパーティーメンバーに対する傷害教唆、並びに傷害未遂で、身柄を拘束させていただきます」
ミカ「……歌住、サクラコ」
ミカ「シスターフッド、これが切り札って事?」
ミカ「どうやって動かしたのかは知らないけど」
ミカ「……」
ミカ「シスターフッドが動くなんて、何を支払ったのかな?」
ハナコ「……」
ミカ「すっごい興味がある。敵が増えちゃったけど」
ハナコ「……やっと、表情が変わりましたね?」
ミカ「……まあ、大聖堂も掃除しようって考えてたし、一気に一掃できるのは良しとしておこうっと」
ミカ「さてと、やろっか」
ハナコ「あくまで、戦う事を選ぶのですね」
ハナコ「勝算がどれくらいか、ミカさんなら理解できるはずですが」
ミカ「……そうかもね」
リタ『……クーデターを起こすなら、地獄を見る覚悟をした方が良いですよ』
リタ『失敗したらもちろん地獄、成功してもクーデターに怯える地獄……』
リタ『いくら権力があったって、地獄に耐えられないと始まらない』
リタ『強い覚悟を持って、必ず信念を突き通す……地獄に身を置く覚悟がないと、きっと耐えられない』
リタ『これは、忠告です。地獄で生き残ってきた、一人の生徒としての』
ミカ「……せっかくここまで来たのに、降参する訳ないでしょ?」
ミカ「強い覚悟を決めてまでここまで来たのに」
ミカ「行く所まで、行くしかないの」
一度は顔色を変えたミカ、だが、目つきが鋭くなる。
"……訊いても良いかな"
ミカ「……」
"ティーパーティーには、リタもいるはずだよ"
"彼がいる限り、そのクーデターは完遂されたとは言えない"
ミカ「……わかってないね、先生は」
ミカ「リタくんは、セイアちゃんの代理なだけだよ」
ミカ「彼自身には何の力も無い」
"……"
ミカ「だから、私がホストになったら、彼は従うしかないの」
"本当に?"
"リタは権力を欲しがってる。それなのに、素直に従うかな"
ミカ「あは、細かい事は後で、詳しく説明してあげるね」
"……"
ミカは、改めて戦う事にした。
強い意志と覚悟を持って。
◇◇◇◇◇
ミカ「……はぁ、はぁ」
ハナコ「……ここまで強いなんて」
サクラコ「……まさか、押し切るつもりで?」
ミカ「言ったでしょ? 降参はしないって」
ミカ「もう、地獄への切符は買って、特急列車に乗ってるの」
ミカ「あとは、辿り着くだけ」
アズサ「くっ……」
"ミカ……"
ミカ「邪魔しないで。セイアちゃんが襲撃した時に動かなかったくせに」
ミカ「私の身柄を拘束できるなんて、そんな都合の良い話があるわけないでしょ」
ハナコも、シスターフッドも、先生も、ミカを見誤っていた。
強い意志と覚悟で動く、ミカの強さを。
ミカ「私は進むしかない。もう止まれない」
ミカ「もう、誰も私を止める事はできない」
ミカ「お願いだから、そっちが降参して」
ミカ「でないと、私が人殺しになる」
"……どうすれば"
ハナコ「ミカさん、聞いてください」
ミカ「嫌だ。話なんて聞きたくない」
ミカ「早く、倒れて」
ハナコ「っ……」
サクラコ「……」
ミカ「……そっか」
ミカ「倒れてくれないのなら、仕方ないね」
ミカ「……地獄は、もう迫ってるし」
そうして、ミカは再び銃を握り締める。
"……ミカ"
ミカ「大丈夫、先生は殺さない」
ミカ「だから、下がってて」
"それはできないよ"
"君を止めないと"
ミカ「なら、気絶させておかないとね」
ミカ「先生がいなければ、もっと楽に戦えるだろうし」
"う……"
ミカ「また後でね、先生」
ミカが、先生に近づいて行く。
戦いの余波で、誰も動けない。
ヒフミ「せん、せい……逃げて……!」
"……ミカ"
ミカ「私は止まらないよ」
"ミカ!"
ミカ「うるさいなぁ」
ミカ「大丈夫、ちょっと寝ててもらうだけだから」
"っ……"
ミカが、先生に近づいて行く。
"……"
"君の乗った特急列車、止めてみせるよ"
"絶対に"
ミカ「それじゃ、また後でね」
そうして、ミカは先生に危害を加えようとした。
ミカ「……え?」
"ミカ?"
突然の事だった。
ミカが、倒れていた。その傍らに、男子生徒が立っていた。
ミカ「……どうして君がいるの?」
"リタ!"
ハナコ「え?」
ミカは、自身を倒したであろうリタを見上げていた。
◇◇◇◇◇
リタ「……もう終わりか?」
アリウスの生徒A「つ、強すぎる……」
アリウスの生徒B「こ、こんなの、勝てっこ無い……」
リタ「……結局、その程度か」
リタ「はぁ、期待して損した」
アリウスの生徒C「ひ、ひぃ……」
リタ「……んで、お前らはアリウス生って認識で良いの?」
アリウスの生徒A「そ、そうだ!」
アリウスの生徒B「ま、マダムに報告しよう! 大人なら何とかしてくれるはず!」
リタ「ふーん?」
リタが、不敵に笑う。
アリウスの生徒A「あ、あぁ……」
アリウスの生徒B「ど、どうすれば……」
アリウスの生徒C「……全ては、虚しいね」
リタ「あはは、面白い事言うな」
リタ「全てが虚しい、これはこれは」
アリウスの生徒C「な、何がおかしい!」
リタ「……お前らは、地獄を経験した事あるか?」
アリウスの生徒A「い、いきなりなんだ!?」
リタ「まあ良い。それより、お前らを無力化して引き渡さないといけない」
リタ「だから、抵抗してくれるなよ?」
アリウスの生徒B「うぅ……」
リタが、アリウスの生徒たちに近づく。
すると、スマホが鳴った。
リタ「……?」
"『助けて』"
"(位置情報)"
リタ「……そうか」
リタ(……位置情報が示している所って、ミカ様が近づくなって言ってた所だよな)
リタ(……まさか、な)
アリウスの生徒C「い、今のうちに……」
リタ「今日は見逃してやる」
リタ「次会ったら、捕まえるからな」
リタ「それと、マダムにしっかりと報告しな。オレの強さを」
その言葉に、アリウスの生徒たちは全力で逃走する。
リタ「……っし、行くか」
ミカの命令を無視して、リタは先生の下へ向かった。
◇◇◇◇◇
ミカ「命令違反だなんて、どうしたの?」
ミカ「君らしく無い」
リタ「先生から連絡を貰って、ここに来ただけです」
リタ「助けてって送られたので」
ミカ「いつの間に……?」
ミカ「そんな素振り、全く見せていなかったのに」
"……え?"
アロナ「先生、私です」
"……そういう事か"
秘密裏に、アロナが先生に言う。
リタは、ミカに先生とのモモトークを見せる。
ミカ「それに、連絡されたのってほんの五分前じゃん」
ミカ「近くにいたの?」
リタ「いえ、結構遠くにいました」
リタ「オレの速さをお忘れで?」
ミカ「そうだった、君はそういう人だったね」
ミカ「……君は先生の味方なんだ」
リタ「もちろん」
リタ「ミカ様の敵では無いですが」
ミカ「そう」
ミカ「ならさ、私に従ってくれないかな?」
ミカ「私がホストになったら、君の地位を約束する」
リタ「そういうの、オレが乗るはずがないじゃないですか」
リタ「ティーパーティーの皆さんなら、知らない人はいないかと」
ミカ「そうだったね」
ミカ「君はこういう提案に乗らない」
ミカ「自分で実績をあげて、自分で成り上がる」
ミカ「でも、守ってほしいっていうお願いとかは受ける」
ミカ「そういう人だったね」
リタ「……」
ミカ「いやー、ダメだな、私」
ミカ「先生を呼んだあの日から、私は負けてたんだ」
ミカ「君と先生がそこまで仲良しだなんて、知らなかったなぁ」
ミカ「……ナギちゃんが裏切者がいるって騒がしくなって、仕方なくシャーレの先生に連絡をした時から、私に勝ち目は無かったんだ」
ミカ「はぁ……」
ハナコ「ミカさん、セイアちゃんは……」
ミカ「……殺すつもりじゃなかった。今の私が言っても、信じてもらえないと思うけど」
ミカ「セイアちゃんは元々体が弱かったし、事故だったんだ。それに……」
ハナコ「……生きてます」
ミカ「!?」
ハナコ「ずっと、偽装をしていたんです」
ハナコ「襲撃の犯人が見つかるまで、トリニティの外に身を潜めています」
ミカ「セイアちゃんが、無事……?」
ハナコ「まだ傷が治らず、目を覚ましていません。ですが、救護騎士団の団長が、今も傍で守ってくれています」
ミカ「ミネ団長が?」
ハナコ「あの時、セイアちゃんを助けてくれたのは……」
ハナコ「……ご本人の口からが良いですかね」
ミカ「……リタくんは、知ってた?」
リタ「……」
リタは、何も反応しない。
ミカ「……良かったぁ」
ミカ「……私の負けだよ、降参」
ミカ「あなたたち、補習授業部と先生の勝ちだよ」
ミカ「だから、もう好きにして」
アズサ「……」
ミカ「アズサちゃん、自分が何をしたのか、それによってもたらされるであろう結果は、わかってるんだよね?」
アズサ「もちろん」
ミカ「トリニティが、守ってくれると思う?」
ミカ「どこへ行っても、ずっと追いかけられるよ?」
ミカ「あなたが快眠できる日、それは来るのかな?」
ミカ「……それに、サオリから逃げ切れると思う?」
ミカ「……知ってると思うけど――」
アズサ「それでも、私はあがく。最後まで」
ミカ「……そっか」
ミカのクーデターは、幕を閉じた。
リタは、誰からセイアの生を伝えられていたのかな。