自分だけのオリジナル男子生徒を作って、他と差をつけよう! 作:レイトウカイトウ
??『……地獄というのは抽象的だね』
??『君は、七つの古則を否定するつもりかい?』
リタ『否定するっていうか、最初からどうでも良いんですよ』
リタ『古則には興味がないし』
リタ『楽園は、存在しちゃいけない』
??『楽園の存在についての証明は、全ての人にとって重要なはず。それなのに、なぜ?』
リタ『前提が間違ってます』
リタ『別に、証明は必要ありません』
リタ『ただ、楽園が存在しないっていう事実、オレはそれを信じます』
??『……』
リタ『楽園は、無くて良い』
リタ『楽園に行っちまった人は、帰って来なくて良い』
リタ『……楽園は、真の地獄を覆い隠すために作られたお花畑です』
リタ『お花が無くなると、真の正体を現します』
リタ『だから、お花を植え続けて、正体を隠し続けるんです』
??『そのお花は、誰が植える?』
リタ『誰だと思いますか?』
リタ『オレが答える前に、あなたの解釈を聞きたいです』
??『私か……』
??『そうだね、誰が植えるのだろうか』
??『そこが楽園であると言う必要がある人物、地獄であると察せられては困ってしまう人物ではあるのだろう』
??『……人間、かな?』
??『不都合を隠し、自らでさえも隠してしまう……それが人間だ。誰かを自らの敷地に招き入れたいが、そこは地獄である場合、誰も来てくれないだろう。ならば、お花でも植えて、覆い隠してしまえば良い。そうすれば、誰もがそこが楽園だと思い込み、地獄であるという認識はしなくなる。愉悦に塗れた、楽園に見立てられる何かの完成だ』
??『……どうかな?』
リタ『……確かに、考え方はわかります』
リタ『ですが、オレは別の解釈をしています』
??『聞かせてもらえるかな?』
リタ『……お花を植えるのは――』
◇◇◇◇◇
電車内
リタ「……」
リタが目を開ける。
"おはよう"
リタ「……あれ、寝てた?」
"それはもう、ぐっすりと"
リタ「うわぁ、先生に寝顔見られたぁ……」
"写真も撮ったよ!"
リタ「今すぐ消せ!」
"嫌だね!"
リタ「くっ……!」
"弱みを握ってしまったよ"
リタ「ぐぬぬ……!」
"っと、そろそろ目的地だ"
リタ「……誰にも見せるなよ?」
"私だけの特権だもんね"
"誰にも見せてあげないから"
リタ「なんじゃそりゃ」
"降りる準備……はできたね?"
リタ「はい」
"なら、電車が止まってから降りようか"
リタ「わかってる」
電車が止まり、先生とリタは降りる。
リタ「そういえば、AIも寝るのか?」
"AIも疲れるんだよ"
リタ「そうか」
"アロナも頑張ってくれたからね、お休みさせてあげよう"
リタ「わかった」
リタ「……先生」
"どうしたの?"
リタ「……楽園って、誰が作ってると思う?」
"急だね"
"うーん、夢の国の人かな"
リタ「わっかんねぇな」
リタ「そういうのでは無くて」
"……人間じゃない?"
リタ「どうして?」
"まあ、言葉を作ったっていう意味でも当てはまるけど"
"人間が、楽しい事を求めて作るのが、楽園だと思うよ"
リタ「あー……」
リタ「そういうものか」
"うん"
"君は誰だと思うの?"
リタ「……」
リタは、目を閉じて、しばらく沈黙した。
リタ「……」
そして、少し考えたのか、目をゆっくりと開いた。
リタ「……楽園を作るのは、地獄だ」
"?"
リタ「地獄が、自分を覆い隠すために、楽園を作る、って思う」
"なるほど。だから君は地獄でも楽しめるんだね"
リタ「ちょっと違うっていうか、なんていうか」
リタ「まあ、半分は合ってるかな」
"そっかぁ"
リタ「……楽園は、全て偽物なんだよ。地獄を覆い隠すための、言い訳に過ぎない」
"でも、あるって信じた方が、楽しいと思うよ"
リタ「……まあ、そうかもね」
諦めたように、それでいて意志を瞳に宿しながら、リタは言った。
"どうせだし、家に泊まっていかない?"
"せっかくの男同士なんだし"
リタ「……じゃあ、ご一緒させてもらおうかな」
この後、リタは先生の家に泊まらせてもらうのであった。
癒せ! 三人きりのジャングル探索 完
エミュが難しいけど、まあ許して