神様の祝福は不要です! ~こじらせ魔導師と異世界ガノタ少女のビーム魔法開発記録…のはずだが、周りの連中が勝手に二人をくっつけようとしてくる件~   作:小河白明夫

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第14話 魔導師の決闘

 結局この日、レクスは昨日起こった光の魔力の変質を再現することが出来ず、光の剣に関する研究はほとんど何も進まなかった。

 そしてレクスとアナが学校から帰ろうと校門の辺りまでやって来ると、そこではカーマが何人かのギャラリーに囲まれながら待ち構えていた。

 

「なぜ昼休みに来なかった? おかげでオレ様は、もう一度決闘の申請をし直す羽目になったんだぞ!」

 

 カーマはこの場にやって来たレクスにそう告げた。

 だが果たし状を読んでおらず、この決闘のことなど全く知る由もないレクスは、この前のうざい奴が騒いでいる…としか思わず、そのうざいカーマを避けてさっさと学校から出ていこうとした。

 

「逃げるなぁっ!」

 

 だがいくらカーマがそう叫んでも、決闘の相手が自分だと思っていないレクスの足は止まらない。

 そこでカーマは強行手段に出ることにした。

 

「おい審判、さっさと決闘を始めろ!」

「で…でも向こうは…」

「問題ない。今の奴は、指定した決闘フィールドの範囲内にいる。決闘開始の条件はすでに満たしているから、早く始めろ! 奴がここから出る前に!」

「は…はいっ! それじゃあ…五年光属性クラスのカーマ・セドッグ対、元光属性クラスのレクス・ヴァンダム、決闘開始っ!」

 

 もうすでにカーマのいた場所を通り過ぎていたレクスは、審判の者から自分の名前を呼ばれたことで、これは何事かと後ろを振り返った。

 するとそこでは、両手を天に掲げたカーマが不敵な笑みを浮かべていた。

 

「やっと貴様にこのオレ様の力を思い知らせることが出来る。神よ、神を崇めぬ不届き者に裁きを! ホーリージャッジメント!」

 

 カーマがそう唱えると、カーマの頭上からレクスのもとへといくつもの光が降り注ぐ。

 

「ふははっ、くたばれぇっ!」

 

 だがレクスはその攻撃を紙一重で回避していた。

 しかし…

 

「きゃあっ!」

 

 レクスに光の攻撃は当たらなかったものの、その降り注ぐいくつもの光のうちの一つがアナの脚をかすめていた。

 そしてアナは脚にやけどを負って倒れている。

 

 光の攻撃魔法によるやけど。

 だがこれは、先日レクスが起こした光の魔力の変質によるものとは違う。

 

「火属性の力、インフェルノリングか」

 

 光属性の神聖魔法には普通の攻撃魔法というものが存在しない。

 存在するのは悪魔やアンデッド系の魔物にのみ絶大な効果を発揮する浄化系の攻撃魔法だけである。

 

 そしてそういった魔法は対人戦ではほとんど効果がないため、この魔法学校の決闘では光属性の魔導師のみ、攻撃魔法に他の属性の力を付与する魔導具の使用が認められている。

 カーマが装備している腕輪、インフェルノリングがその魔導具。

 

「おい、これはどういうつもりだ、うざい奴」

 

 レクスがカーマを睨みつけながらそう問うと、カーマは少々焦りながらも自身には何の非もないと正当性を語る。

 

「オレ様はお前に対して攻撃を放っただけだ。決闘のフィールド内にいるほうが悪い! オレ様のせいじゃねえっ! いや、そもそもてめえが素直に決闘を受けねえからこうなったんだろうがっ! 全てはてめえが元凶だ!」

 

 そのカーマの無茶苦茶な言い分にレクスはかなりキレている様子。

 そして自身の体内で、明らかに魔力の変質が起こっているのを感じていた。

 

 レクスはアナの鞄から魔導鏡を取り出し、それをアナの顔にかけた。

 

「それでよーく見ておけ、アナ。次、いつ再現できるか分からんからな」

「レクスさん?」

 

 レクスがアナの作った短い杖を手に取ると、その杖の先端にある魔鉱石がバチバチと音を立てながら光の魔力を放ちだす。

 

「覚悟しておけ、うざい奴。お前はこれから、自分の行いを死ぬほど後悔することになるんだからな」

「オレ様はうざい奴じゃねえっ! カーマ様だ、覚えとけ!」

「覚える価値すらない」

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