御覧いただきありがとうございます。
・この物語はフィクションです。実在の人物
団体、事件とは関係ありません。
・このシリーズは荒木飛呂彦先生の
「ジョジョの奇妙な冒険」を原作としております。
・いくつかに原作とは異なる独自設定が
含まれております、ご了承下さい。
彼女は、生まれた時から「暗闇」だった
彼女は、ずっと暗い夜の中にいた
彼女は、その中で光を見た
暗い夜の中に、しかし確かに、導きの光を見た
人は誰でも導きを見つける
それは「見える」ものではなく、
「見つける」ものだ
物語はM県S市、
この杜王町の東の森の中から始まる
これは、「導き」を探す物語である
〔第1話 バンブーハウスに盗みに行こう!〕
杜王町のコンビニ「オーソン」
その裏手の駐車場では2人の少年が屯っていた
小太りの少年・増根(まね)が買ったばかりの
ホットスナックを齧るのを鬱陶しそうに
ガラも素行も悪い少年・有駒(あれく)が
肩に腕を回した
有駒「増根よォ〜〜オレ、お金に困っててさァ〜
なんかいい稼ぎ方探してんだけどよォ〜」
増根「も、もう、かい?
キミは、使いすぎなんだよ
こないだ、空き巣して1番、君が儲かったのに?」
有駒「モテる男ってのは金が掛かるんだよ増根
太ったオメェが食費がかかるみてぇになァ〜?」
増根「ロ、ロ、ロキちゃんが来たら聞こうよ
いい、稼ぎがないかって」
と、そう放つ2人の肩に白い、ギラギラした指輪と
ブレスレットで飾られた少女の腕が回された
露姫「じゃ、まぁた、小使い稼ぎに行く?
在駒?増根?」
2人が彼女に振り返った、いい感じに日焼けした
ギンギンの金髪に染めた不良少女が
見下ろしていた
有駒「なんかあんのか?露姫?」
露姫「杜王町名所の『バンブー・ハウス』は
知ってるよね?」
増根「しっ、知ってるけど、まさかあそこに!?
む、無理だよ、だってあそこの家主は
結構偉い人なんだって?」
有駒「んだよびびってんのか、
ふとっちょマネが?
で?そこはどんなのが住んでんだ?」
露姫「ニュースを見なよ少しは、ただでさえ
暴力しか取り柄のない鉄バットのアレク
ま、簡単にいうと『目の見えない女』
真夜中に入って、目が見えないそいつを縛って
ごっそりいただいちゃうってワァケ」
増根「で、でも君もバッドクイーン・ロキとか
言われて有名になってるし、その人に捕まったら
終わりだよ、裁判で不利にな、なっちゃ」
ガァンッ!と有駒がバットを地面に振り下ろした
有駒「いざっつー時はよォ〜〜、俺のバットの
出番だから任せろってことだなァ〜!」
露姫「じゃ、そゆことで。増根はどうするの?
行かないなら置いてくけど」
増根「い、行かないとは言ってない!
やってやる、ぞォォォ〜〜!!」
露姫「んじゃ、行こっか今夜
杜王町地方裁判所判事、
綾瀬凛藍(あやせ りら)の
バンブーハウスに!!」
満月が輝く00:30、音もなく3人の少年少女が
竹林をかき分けていた
露姫「見えた………ッ!」
竹林の中に見えるのは、
不相応に立つ洋風建築の館
ロッキングチェアーのある広い玄関デッキがあり
寝室のある部屋は屋根の上に飛び出すように
高楼となっている
露姫「じゃあ増根、家主を縛るのは任せたわ
有駒、リビングの灯りをつけたら
周りに人がいなくなるまでリビングにいて
いなくなったら好きにしていいわ
あたしは2人がそうしてる間に金目の物を
探し回るから」
2人が無言で頷く、
そしてこそこそと裏手の低い窓に
近寄ると肩車で届かせた露姫が静かにガラスに
手を当てて音もなく割った
カシャリとサッシが下げられると
雪崩れ込むように3人は静かに
バンブー・ハウスの…洗面室にまんまと侵入した
露姫「ふとっちょマネ、鉄バットのアレク
いいわね……?作戦開始よ」
3人が真っ暗な家の中に散らばっていった
増根は太っちょとは思えないほど
静かに家主のいる
高楼への階段を探し当てて向かう、
有駒はバット片手にリビングに向かうと
音もなく電気をつけた、
部屋の明かりに照らされた
窓側に3台のソファーとテーブルと……
有駒「露姫、トラブル発生だぜ」
手前のソファーにベスト姿のまま短髪の人物が
静かに寝ていた、
冷静に無線を使って報告を続ける
有駒「もう1人寝てやがる、縛り上げるか?」
露姫『やっちゃって、声を出させずに』
有駒が返事をする、ポケットから結束バンドと
ガムテープを取り出した────
短髪「んーー!むーーーッ!?」
有駒「鉄バットだ、縛ってテーブルの下に
押し込んでおいたこの男……いや女かこいつ?
まぁともかく顔は見られてねぇよ」
露姫『ナイスよ、後はふとっちょの無線を
待ちましょう』
増根はゆっくりと、ゆっくりと階段を上っていた
そして階段の先にある扉に「綾瀬の寝室」と
点字と文字が書かれた看板を確認すると
カシャリとドアノブを回した
部屋の中は、やけに殺風景だった。
窓は空いていて夜の風が吹き込み、
白いカーテンが風に揺れていた、
その下にシングルのベッドが一つだけ、
そしてその上には
月の光に照らされた腰まである黄金の髪を広げて
女神の彫刻のような顔立ちをした女性が
手を胸で組んで黒い寝巻きを纏って眠っていた
増根は息を呑んだ、まるで御伽話の姫のような
錯覚を覚えた、迷いすら出た、
だが下にいる親友達のために
捕まえておかねばならない、
せめて優しくしようと思いながら
足を一歩踏み入れた
チリン
増根「…………?」
足元で何かが転がった、月の光で見えたそれは
小指ほどの鈴だった
増根「(す、鈴かァ〜〜〜!?なんの音かと
思っちゃったよォ〜〜?)」
増根が顔を安堵しながら上げた
「どなたか、いるのですか。」
増根が目を見開いた、声を上げかけたッ!
ゆっくりと、ゆっくりと、金髪の女神が
いや綾瀬凛藍が、ベッドから上体を起こしたッ!
まぶたが少しずつ開かれる、
月のように金色の瞳は、
だが目の中に光はなかった
増根「(い、今の、す、鈴の音で
起きたっていうのォ〜?)」
綾瀬「翠(すい)ですか?」
翠…‥というのは恐らく下に寝ていたという
少年のことだろうと増根は理解した
ゆっくりと一歩下がった
綾瀬「………いや、今の床の軋み音からして
体格のいい男……でしょうか、
どなたでしょう?」
綾瀬がぱしぱしと布団の感触を確かめながら
ベッド下に足を下ろし、立ちあがろうとしていた
増根「う、動くんじゃあないッ!!
何もしなければ、何もしないぞッッ!」
綾瀬の動きが止まった
綾瀬「…………わかりました、君、1人ですか?」
盲目が故に、虚ろに全く違う壁の方を見ながら
綾瀬が尋ねてきた
増根「それを聞いてどうするんだッ!」
綾瀬「………判事の私が質問しているのです、
質問に返されたら困ります」
増根「両手をあげて手首をさ、差し出すんだッ!
い、痛くしないからさァッ!」
綾瀬が観念したかのように、ゆっくりと
手首を差し出した
増根「よ、よぉし、それでいいんだ……」
チリン、チリン
増根が一歩踏み出すごとに
足元に転がった鈴が鳴る
綾瀬「………人間が、生まれた時から持つ
『2つの恐怖』を知っていますか君」
増根「えっ?」
綾瀬「『1つ』は『落ちる恐怖』、
高所を恐れる人が多いのは
本能とも言えるのです」
増根「な、何を言ってるんだ……ッ!」
綾瀬「『1つ』は『大きな音への恐怖』
わかりますか君、聴覚です。人間は生まれた時
胎内にいる時から優れているのは耳なのです。
目は見えず、口からは産声のみ、にも関わらず
『耳』は聴こえている、わかりますか?」
綾瀬「何故、鈴をこんなに床に撒いているのか
分かりますか、と訊いているのですよ君?」
ガシィィィッッッ!!
増根の首がッ!腹がッ!何者かに掴まれたッ!!
増根「なッ!なにィィィッッッ!?
これはなんだッ!?ぼぼぼぼ僕は!
何に掴まれているんだッ!」
綾瀬「鈴の音………それで君のおおまかな位置は
いいえ、君の『影』が伸びる位置は把握しました
捕えました、就寝中の女性の屋敷に
押し入るとは……刑法130条 建物侵入罪ですよ
では質問していきます───お願いします。
『イン・トゥ・ザ・ナイト(夜に駆ける)』」
そういうと、月に照らされて伸びる増根の影が
異様に伸びていった、そして影から出てきた手が
ハットを被ると、スーツジャケットシルエットが
広がり、襟首を正すような仕草をすると
静かに一礼して増根の影を掴みなおした。
綾瀬「君に、仲間はいますか?」
増根「い、いなぁいッ!」
綾瀬「君には訊いていません、君の『影』に
答えてもらいます。『今も家の中にいますか?』
『武器は持っていますか?』『私を殺す気です
か?』『戦う意思はありますか?』『2人ですか?』『3人ですか?』」
増根「ぼ、僕は何も答えてなぁい!僕は何も!」
綾瀬「…………いえ………なるほど……
答えてくれましたよ。
イン・トゥ・ザ・ナイトは読み取ってくれました
君の心臓の音、血管の音、呼吸の音。
どんな人間も感情は抑えても身体の機能は
抑えられません、影を通じてそれらを聞き取る、
それこそが私のスタンドです」
増根「スタンド……って、な、なんなんだァ!」
綾瀬「ふむ………」
綾瀬がイン・トゥ・ザ・ナイトに手を離した
果たして増根は逃げ出そうと後ろを向いた、
つまり月光を背に、
影は顔の前に伸びる形になった
イン・トゥ・ザ・ナイトが影の顔部分を掴み上げ
増根の顔を覗き込んだ
綾瀬「見えますか?」
増根「ななななになな、なんの話だッ!?
僕、僕僕はなにに掴まれ……
ひ……ひぃ……!」
綾瀬「見えますか?私の『影の紳士』が?」
増根は答えなかった、ガクりと力が抜けた
綾瀬「おや?私は訊いていただけなのに……
失神するほど怖がるのなら強盗など
しないことですよ君」
無線機『おい、増根。そっちはどうだ?』
綾瀬が無線機の音を聞き取った、ゆっくりと
床にひざまづくと、転がっている
鈴を鳴らしながら優しく床を手探り始めた
指先にこの部屋にはない鉄の感触を感じると
綾瀬はそれが無線機だと確信して拾い上げた
綾瀬「無線機など触ったことがないですが……
恐らく、横にボタンが、これですかね」
綾瀬はボタンを押すと大胆にも口に近づけた
綾瀬「マネ君、というのですねこの方は
今からもう2人を捕まえに降りますので
そこで待っていてくださいね」
無線機『なっ…………ッ!?』
ところ変わってリビング、呑気に歩いてきた
露姫に有駒が詰め寄った
露姫「ちょちょちょ何!?」
有駒「マネが捕まった、
どうする殺しちまうか?」
露姫「殺すのはやりすぎだけど、万が一の時は
………待って、来るわ」
ギッ、ギッ、ギッと階段が一段ずつ軋む
綾瀬「『ライオン』『ブリキのロボット』
『カカシ』『猫』『女の子』」
綾瀬が階段の壁に飾られたおもちゃを撫でながら
降りてきていた
露姫「大声を出すな……綾瀬凛藍は目が見えない
そんなやつ怖くもないわ……」
有駒「だよな……もしなんだったらこのバットが
あるからなァ〜〜ッ!」
露姫「うるさいっての……ッ!」
綾瀬「ん………蛍光灯の音……
電気がついていますね?つまり私の姿もお2人には
見えている……」
綾瀬が階段を降り切る、そのまますすすと
壁を撫でると『部屋の電気スイッチ』を
ピンポイントで指にかけた
露姫「電気ッ!まずいッッッ!!」
有駒「任せろ、ぶっ殺してやるゥッッッ!!」
綾瀬「……私の『世界』を見せてあげましょう」
だがその前に、パチンとリビングの灯りが
落とされた、綾瀬は闇の中に消えるとその場から
身体を逸らす、そのすぐそばをバットが掠め
電気パネルを破壊した、だが外したことを悟って
めちゃくちゃにバットを振り回した
綾瀬「『器物破損』も追加、『殺人未遂』も
視野に入れましょうか」
有駒「どこだ!ここか!ここかッ!ここかァッ!
出てきやがれ、ぶっ殺してッ!や、るゥ〜〜!」
綾瀬は暗闇の中を壁、ソファー、テーブルと
触りながら歩いていくと足に何か当たった
綾瀬「翠………かわいそうに、
もう少し寝ていてくださいね……」
寝息を立てて寝ている短髪ベストの人物は
何も答えなかった
綾瀬はそのまま窓の前に立つと、サッシをおろし
窓を開け放った!
カーテンがふわりとその風圧ではためいた
外から月の光が漏れる!
綾瀬「『イン・トゥ・ザ・ナイト』」
綾瀬がふわりと浮かび上がる、
そして浮き上がった影が伸び紳士が
身なりを直すと、有駒も空中に浮かび上がった!
露姫「ッ!!?」
有駒「なっ、なッ、なんなんだァ〜〜ッ!?
俺は今何に掴まれて………ッ!」
綾瀬「ふむ、貴方から欲しい情報はありませんね
では、おやすみなさいませ」
天井付近、高さ1.5mほどから
イン・トゥ・ザ・ナイトは手を離すと有駒は
床に叩きつけられて気を失った
露姫「まじかよ、お前………」
綾瀬が降り立つ、目の前にいる
露姫とたまたま目が合っているが
それが逆に露姫は怖かった
綾瀬「女の子ですか、あとは君だけです
ロキ、と言われていましたか」
露姫「あたしは、パパッと盗んで終わりだと
思ったのによォ〜〜、まさか『会う』なんてね」
露姫はそういうと近くに置いてあった
ランプの傘に手を開いた
パァンッ!と破裂するかのように
ガラスが床に飛び散ったッ!
綾瀬「割った……いえ、鈍器の音はしなかった
ひとりでに割れた……ッ?」
露姫「『耳』はいいんだね本当に……
だけど、あたしの攻撃は
始まったばかりなんだッ!」
露姫が両手をそれぞれ近くの壁とドアノブに
触れたッ!
露姫「『破裂』させろッ!
『スクール・アウト』ッッッ!!」
露姫の後ろに学帽と学ランを纏った上半身だけの
マネキンのようなヴィジョンが現れた!
同時に、ドアノブの鉄がッ!壁の木がッ!
バァンッ!と音を立てて破裂した!!
綾瀬「………私の家なんですが」
露姫「そんな呑気なこと言ってる場合か
あんたッ!あんたは目が見えない、
あたしは視界が見えない、
けどあたしとあんたが違うのは
『靴』を履いているってことよ〜〜ッ!」
露姫「いま、リビングの床にはガラスと木と鉄の
破片が剣山のように刺さってるッ!
あたしには見える、仮に踏んでも『靴』がある、
でも寝巻きで素足で目も見えない、音もないから
場所もわからない破片をあんたが踏んだら
ただじゃあ済まないッ!」
露姫「そんな状態であたしの攻撃をかわせる?
綾瀬判事ィ〜〜〜ッ!」
綾瀬が咄嗟にソファーの上に足で探りながら登る
綾瀬「(しまった……白杖は玄関……ッ!
しかも私が開けた窓からの月光で私の姿が
見えているのですね……ッ!)」
露姫「ふふん、ただ訊いてもこんなじゃ教えて
くれるわけがないから、
ちょっと痛い目にあってもらうわ」
露姫は突然ジャンプして破片を上手く避けながら
綾瀬へと走り、そのまま下をすり抜けると
開けられている3枚の窓を順に撫でた!
綾瀬「私の後ろッ!位置と方向が分かれば
貴女の影の位置もわかるッ!」
露姫「そんなことだろうと思った!
あんたのスタンドが
どこでも影を掴めるんだったら
さっきあたしが割りまくっていた時点であたしを
締め上げればよかったのにやらなかったッ!」
露姫「つーことはッ!
あんたのスタンドが動く時は
『影の位置』へスタンドを『召喚』してるんだ!
『影の位置』がわからなければ探るしかないッ!
『一手』遅れたわね綾瀬判事!
私はもう3枚の窓に触れているッ!!!!
傷つけてから、金庫の居場所を訊くわァ〜ッ!」
露姫「スクール・アウトッッッ!!!」
パパパァァァンッッッ!!と3枚の窓が弾けたッ!
破片がマシンガンのように空中にいる綾瀬へと
飛んできた、風切り音で察知した綾瀬が
咄嗟にリビングの中央に体を投げ出した!
露姫「バカがよォッ!!もう忘れちゃったの?
そこにはあたしがぶちまけた剣山がある!
そのまま床に落ちたら見える見えない関係なく
串刺しになるわッ!」
綾瀬が床に落ちていく、彼女には見えないが
キラキラと鉄と木とガラスの破片が床に無数に
刺さっていた!それを見て露姫は確信して
だが少し見たくなってソファーという特等席に
膝を折って座った
綾瀬「……………近づきましたね、君」
ピタァァァッッッ!!
露姫「え?」
露姫は目を疑った、今のは確実に床に落ちていた
破片で串刺しになりスカッとザマミロ
金庫の居場所を聞くはずだった
だが、綾瀬は床から30cmの空中で頭を下に
足を上に伸ばす斜めの姿勢で静止したッッッ!!
綾瀬「イン・トゥ・ザ・ナイト、
間に合いました」
露姫「はッッ……まさかッ!『自分』の影を
掴んだというのッ!それで無理やり空中に影を
留めたというのッ!?」
綾瀬がゆっくりと横に浮かびながら手探りで
破片が落ちていない床に体を横たえた
露姫「だけどそこに寝たわね、
だったら天井の電球を………ッ!」
綾瀬「それと、窓を割ってくれて
ありがとうございます………今日は確か満月
月光が強いはず、おかげで君の位置が………
『影の位置』がよくわかります」
露姫「スクール・ア………がぁっっ!!?」
綾瀬「捉えましたよ。」
露姫の身体が空中に浮かび上がる、
イン・トゥ・ザ・ナイトがその影の首筋を
掴み上げていた
露姫「ちょっ……あんた……
ふざけやがっ……!!」
綾瀬「君たち3人は後ほど法廷で裁きますが
それはそうとして、少しお仕置きです
おや、ちょうど良いところに串刺しの床が」
露姫の顔色が変わった
露姫「はっ……ちょっ、ちょっと待って
綾瀬判事!死んじゃうわッ!流石にッ!
この高さからそこに落とされたらッ!
待って………ッ!」
綾瀬「…………では、沈みなさい、溶けなさい
君だけの夜に。」
イン・トゥ・ザ・ナイトが手を離したッッッ!
露姫が絶叫する!そして床ギリギリで
イン・トゥ・ザ・ナイトが再び影を抱きしめて
落下を止めた
綾瀬「わかりましたか?これに懲りたら……」
露姫「は、はは……あたし……し、死んで……」
露姫はもはや失神寸前になっていた
綾瀬「……………おや、君もですか」
綾瀬はそういうと近くの受話器まで這っていった
それから数時間後、
夜が明けたバンブー・ハウスの
前にはパトカーが集まってきていた
「綾瀬先生!!!」
綾瀬に、紺色の髪に黒いスーツの女刑事、
杜王署刑事の焔森 咲織が駆け寄ってきた
バルコニーのロッキングチェアに揺れている
綾瀬に軽く敬礼する
咲織「3人とも身柄を確保しました、
彼女達、少し手を焼いていた空き巣強盗でして
ある意味お手柄ですよ綾瀬先生」
綾瀬「そうですか……それより、翠は?」
「あ、綾瀬さん………ごめん僕は大丈夫だよ」
家の中から手首と口に拘束された跡をつけた
ベストにネクタイの短髪の少年と
見紛うほどの少女、事務の学生バイトの
名舟 翠(なふな すい)が申し訳なさそうに
出てきた
綾瀬「無事なら何よりです……
巻き込んでごめんなさい、翠」
「綾瀬さァん!大丈夫でございやがりますか!」
奇妙な敬語と共に大柄な男が綾瀬の手を取った
綾瀬「今何時かわかりませんが、
こんなところにいて良いのですか?時折間君」
時折間「あんたの家が襲われたって聞いたら
裁判所警備の準備どころじゃねぇですよ!
良かった、無事で……うっうっ」
綾瀬が安心したかのように椅子に深く腰をかけた
綾瀬「今日は公判だというのに、なんとも……
騒がしい朝になってしまいましたね……」
綾瀬が空を見上げる、何も見えないが彼女は
なんとなく予感した……何か大きなことが
始まりそうな、そんな予感を
To be continued………
[スクール・アウト]
【破壊力-B/スピード-C/射程距離-D/持続力-C/
精密動作性-E/成長性-E】
上半身だけの長ランと学帽姿の古い不良姿の
ビジョンのスタンド、触れたものを破裂させる
能力を、持つがただ破裂させるだけでなく
音量を調整できるというもう一つの効果があり
露姫はこの力を使ってほぼ無音でガラスを
割って侵入し、見つかったら身近な物を
破裂させて撹乱して逃げるという手段で
幼馴染2人と杜王町中で空き巣を行っていた
常習犯だった
由来はボウイの楽曲から
[イン・トゥ・ザ・ナイト(夜に駆ける)]
【破壊力-B/スピード-B/射程距離-?/持続力-C/
精密動作性-B/成長性-B】
夜闇と暗影のスタンド、普段は綾瀬の影と
同化しているが動く時は異様に手足と胴体が伸び
シルクハットと外套を纏う
影の紳士といえる真のビジョンを発露する
暗闇の中を自在に行き来し相手の影を実体化して
掴み上げるスタンド。
掴んだ影から本体の心拍、脈拍、呼吸音などを
読み取ることが出来るほか、また力を込めれば
影が掴まれた場所をそのまま本体に同等の力を
同期させることが出来る、
ただ欠点として遠くまで移動が出来ず、
またスタンドには視覚がない為
正確に相手の影の元へと派遣しないと掴めない
原作5部のブラック・サバスに似ているが
こちらの真価は影そのものがスタンドのため
暗闇の中だと早く動けるだけで
日光の下でも動ける
ただし殺すための能力ではなく、相手を感じて
審問の助けとなることを旨とするスタンドである
元ネタは日本の音楽ユニットYOASOBIの名曲から