綾瀬凛藍は夜に駆けていく   作:眠 いつか

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第14話 黒穴ヶ丘商店街の決斗

綾瀬「買い物に行って欲しいのです」

 

夕方、綾瀬とスゥモアが

ガールズ・デッド・モンスターと

戦うことになる日

綾瀬の屋敷に世話に来ていた時折間は

綾瀬にそう言われた、CDプレイヤーからは

スロージャズがリビングに流れていた

時刻は13時を指していた

 

時折間「買い物、ですかい、あーどういった?」

 

綾瀬が静かに目を伏せた、そして机の上にある

買ったばかりのCDと

点字版のピンクダークの少年の単行本に

そっと触れた

 

綾瀬「先日、久方ぶりに街に出かけましてね

そこでカゲロウ・デイズというスタンドに

鉄骨を落とされた際にこの二つは守ったのですが

食料品を入れたバッグが潰されてしまいまして」

 

そして、綾瀬が台所の冷蔵庫を指差した

 

時折間「綾瀬さんもやっぱりでやがりましたか

翠ちゃん、火花ちゃん、咲織ちゃん達が

スタンドに襲われたって聞いちゃったもんで

俺としては心配で」

 

綾瀬「…………やはり」

 

時折間「あん?」

 

綾瀬「君、スタンドに襲われていませんね?」

 

時折間が考え込んだ、確かにスタンドと

殆ど戦っていない、最近だと覚えがあるのは

裁判所でインヴィジブル・マンと戦ったのが最後

他の仲間達がドンパチやってるなか

時折間だけはなんて事のない日常を過ごしていた

 

綾瀬「運がいいのか、君は目標ではないのか

存じませんが…もしも君は狙われていないのなら

それは好都合です」

 

綾瀬がメモとペンを机の上に差し出した

 

綾瀬「食料品を少し買い溜めて来ては

頂けませんか?」

 

時折間は、ふと顔を上げた

………知っている、何故自分がスタンド使いに

会っていないのか、時折間玄は知っている

そしてその『答え』を見つめた

 

ソファーに座る綾瀬凛藍の隣、

誰も座っていないスペースに

『答え』が『座っていた』

真っ白なワンピースに、真っ白な髪、

真っ白な肌、時折間玄にしか見えない少女浮遊霊

『シンデレラ・グレイ』が座っていた

 

時折間玄は先日、

カゲロウ・デイズと戦ったという

交差点に通りかかりかけた

あるいは先日、革ジャンでも買おうと

あの日のアイオーンモールに行こうとしていた

 

その度に、シンデレラ・グレイが両手を広げて

行く手を遮ったのだ、

『行かないで』とでも言うように

 

今回の頼みを聞いて、シンデレラ・グレイを見る

………彼女は首を『横』に振っていた

 

だが、綾瀬を無視するわけには行かない

現に今、中々メモとペンを受け取らない時折間に

何かを察して手を引っ込めようとしていた

その綾瀬の手に、自分の手を重ねた

 

綾瀬「む?」

 

時折間「俺でよければ行きやしょう、

欲しいもんを言ってくだせぇ」

 

綾瀬「行っていただけますか、助かります

では、まずは────」

 

綾瀬が食べ物と飲み物の名を告げていく

受け取ったメモに書き込んでいく

『シンデレラ・グレイ』は肩を落としたように

俯いていた

 

綾瀬「杜王町駅前の黒穴ヶ丘商店街なら

全て揃うと思います、

あの商店街が一番賑やかなので」

 

時折間「任せてくだせぇ、なるはやですよね?」

 

綾瀬「あぁ、夜までに帰って来ていただければ、

私も今日は15時からスゥモアちゃんの

定期検診があるので、

ゆっくり行って来てください」

 

時折間「へい、それじゃ行って来ますぜ

綾瀬さん」

 

時折間が玄関に向かった、ひょこひょこと

シンデレラ・グレイも後ろをついていく

 

綾瀬「時折間君」

 

時折間玄は振り返った、見えていないはずの

彼女の金色の眼と目線が交差した

 

綾瀬「どうか、気をつけて。」

 

時折間が玄関の扉を開けた

 

 

 

〔第14話、黒穴ヶ丘商店街の決斗〕

 

『古臭い』、時折間玄がこの商店街に来る度に

そう思わずにはいられなかった

丸電球の街灯と自宅と一体化した商店が立ち並び

電線が遠慮なく商店街の空に張り巡らされる

豆腐屋のラッパが聞こえて来ても驚かないだろう

まるで1970年で時代が止まったような

老いた商店街、ノスタルジー、センチメンタル

そういえば聞こえはいいが

 

時折間「白黒映画なんて今時流行んのかぁ?」

 

だが意外にもこの黒穴ヶ丘商店街は賑わっていた

驚きなのは学生も多い、

ぶどうヶ丘高校の生徒達が

ゲームセンターで騒いでいる

主婦が必死こいて八百屋と交渉していれば

お婆さん達が井戸端会議しており、

斉唱四角学園の女学生が魚屋の生きた魚に

悲鳴をあげている

 

改めて『古臭い』、

時折間玄がこの商店街に来る度に

そう思わずにはいられなかった

だが嫌いではなかった、

こんな商店街は今や少ない、まして

アイオーンモールとカメユーデパートがある

この町で生き残っているなど

 

ゆっくり行って来ていいと言われた時折間は

その言葉の通り、のんびり買い物をしていた

『珈琲茶館』と表記されたカフェで

ゆっくりしてから

薄暗いゲームセンターで遊び、当初の目的である

買い物を既に済ませていた

 

時折間「やっぱりいいなァ、この商店街は

知らない『懐かしさ』って言うか、

『匂い』がいいぜ……そろそろ帰るか」

 

と、シンデレラ・グレイが目の前に現れた

袖を掴み、商店街の出口へと指を指している

『早く出ろ』、そう言っているような気がした

 

時折間「ちょっと待ってくれよ

シンデレラ・グレイ、そう急かすんじゃあねぇぜ

見ろよ、あれ」

 

時折間が振り返る、時刻は16時、夕暮れの始まり

オレンジ色の夕陽の光が昭和時代に取り残された

黒穴ヶ丘商店街の通りを照らしていた

 

時折間「『夕陽は人を振り返らせる』なんて、

よく言ったもんだな」

 

時折間がふと前を見た、夕方が故に

段々人がいなくなる商店街の通りの人混みを見た

 

人の流れに逆らうように、一人の少女は

こちらに歩いてきていた

いやただの少女ならば気にしないだろうが

その少女に関しては気になってしまった

 

左二の腕に通した「風紀」の腕章、これはいい

金髪に碧眼、そういうこともあるだろう

問題は『服装』だった

西部劇のようなテンガロンハット

素肌に着たYシャツは胸の下で結んでいるために

胸元とへそを露出しており、胸下丈の革ジャン

履いたチョップスは下のショートジーンズのため

内腿も見えていた、どう見てもカウガール、

それも絶対に西部開拓時代にはいないだろう

イラストで描かれがちな

セクシーな雰囲気のコスプレカウガールだった

 

風に吹き飛びそうになったテンガロンハットを

片手で抑える、ニヤリと帽子の下で笑っていた

あまりの雰囲気の良さに、

転がるタンブルウィードが幻覚で見えかけた

 

「ゲン・ジオリマで、間違いないかしら?」

 

時折間「そういうお前は?」

 

テンガロンハットの鍔をぐいっと上げると

ズァァッ!と両足を開いたッ!

まるで、銃をこれから抜くようにッッ!!

 

「………第4条『パンチと弾丸は同じだ、

最初の1発目で決まる』、

ガンマン10ヶ条は名言だらけ、そう思わない?」

 

思ったより若い声、しかも綺麗な声をしていた

[風紀]の腕章から学生だとは思っていたが

可愛い声と、美しい姿と、『溢れる殺気』

時折間玄の緊張が違った

 

時折間「お前は誰だと訊いたんだ、カウガール」

 

ヒュウ、と口笛を吹くと片手を拳銃のようにして

時折間に向けた

 

「黒澤・アンジェリーナ・ホース

長いならアン・ホースと呼ぶといい

斉唱四角学園の風紀委員長もやってるんだ

イカしてるでしょ?」

 

時折間「んじゃあ、アン・ホースちゃん

あんたみたいなカウガールが俺に用か?

賞金首のポスターでも

貼られた覚えはないだがな」

 

アン・ホース「大アリよ、頼まれてね

時折間玄を殺してくれって」

 

時折間「は?」

 

アン・ホース「ま、誰に頼まれたとかは

正直どうでも良いし、

あなたが何をやったかも興味はない

ただ、前々から決闘には興味があってね

しかもッ!あなたのスタンドは『銃』と来た

ガンマンとガンガールが向かい合ったら

………『やること』は一つよね?」

 

時折間がスタンドを出す準備をした

 

アン・ホース「西部劇で『決闘』ってある

じゃない?あれで勝つのは『良い銃』を

持ってる奴じゃあない

『良い腕』を持ってる奴よ、良い?

 

要するに先に言っておくと、私のスタンド

『アンフォーギヴン』は拳銃のスタンドよ」

 

アン・ホース「第9条『挑まれたのなら逃げるな』

ガンマン10ヶ条は

名言だらけ、そう思わない?」

 

時折間「許されざる者、思ったより物騒だな

もっとこう可愛い名前の方が可愛いあんたに

似合ってるぜ、ラブ・ガンとかどうだ?」

 

サラ「ラブ・ガ……アハハハッ!ハハハッ!

なるほど?確かに、可愛い名前ねッ!

ラブ・ガンね、なるほどなるほどッ!」

 

時折間「だろうッ!ははははッ!」

 

 

 

風が吹き、近くから缶が………コンッと落ちた。

 

 

 

アン・ホース「なら、しっかり教えてあげる

私のスタンドの名をッ!

『アンフォーギヴン』ッッッ!!」

 

メギャアンッッッ!!!

 

本来はついていないはずのシリンダーと

銃剣がついた漆黒のデザートイーグル

スタンド:アンフォーギヴンがアンの手の中に

スピンしながら現れたかと思うと

何の躊躇いもなく時折間にそれを向けたッ!

 

時折間「『ゴー・ゴー・ゴーストシップ』ッ!」

 

G.G.G『ヨォォォホォォォォッッ!!』

 

ブリキの海賊ゴー・ゴー・ゴーストシップが

時折間の後ろから現れると間髪入れずに

ラッパ銃を構えたッッ!!

 

ドンッ!ガァンッ!とほぼ同時に銃声がした!

 

時折間から飛び出したのは爆発樽!

アンまでは届かないが手前で着弾したそれは

銃を構えたアンを土煙と爆風で覆った!

 

ドバァァァンッッ!!

 

アン・ホース「火薬樽、なるほど爆風で

私の弾丸を撃ち落としたか」

 

ガァンッ!!ガァンッ!!

 

アンフォーギヴンを続けて二発ッ!

 

時折間「ゴー・ゴー・ゴーストシップッ!

撃てェッッ!!」

 

G.G.G『ヨーホー!!』

 

ドンッ!ドンッ!とラッパ中も二発

一つは骸骨海賊、一つはカトラスッ!

それぞれに当たったアンフォーギヴンの弾丸は

骸骨を貫き、刃に食い込んで地面に弾かれたッ!

ヒュウンッ!と骸骨を貫いた弾丸を

時折間が軽く交わした

 

アン・ホース「へェ………」

 

時折間「今日は風向きがついてるぜ、

弾の調子が絶好調ォォォ〜〜〜ッッ!!」

 

アン・ホース「……アンフォーギヴン」

 

カチャッ………

 

時折間「ただ撃つだけかァ!?

ただの銃のスタンドって感じだなァッ!

薄いカトラスの刃すら避けれないってことは

弾丸を横にずらすこともできねぇッ!

ただ真っ直ぐに飛ぶ銃のスタンドッ!

それじゃあ海賊は倒せないぜヨーホーッ!」

 

アン・ホース「第6条、『危険な時程よく狙え』」

 

ガァンッ!!

 

ドンッッ!

 

ゴー・ゴー・ゴーストシップから放たれたのは

鉄の砲弾ッッ!弾丸を通すなど不可能ッッ!

砲弾に当たった弾丸はッ!

そのまま、砲弾を貫いたッッ!!

 

ドジュウゥッッ!!

 

時折間「何ィィィィィィィイイッッッ!!?」

 

時折間の左脇にアンフォーギヴンの

弾丸が突き刺さったッ!

 

時折間「バカなッ!鉄の砲弾を貫けるはずがッ!

いや、違うッ!まさかこれが能力なのかッ!

だが何が能力なんだッ!?」

 

ガァンッッ!ガァンッッ!

 

時折間「ゴ、ゴー・ゴー・ゴーストシップッ!

応戦しろッッ!!」

 

ドンッッ!ドンッッ!

 

だが、吐き出されたのは花束と骸骨海賊ッ!

弾丸は二つとも貫くだろう、時折間はそれを見て

判断したッ!商店街の出口へと走ったッ!

距離を大きく取り

弾丸が重力で角度も速度も落ちる

偏差でかわそうと試みたッッ!

 

時折間「そして、ここでかわし……」

 

ドジュッ!ドジュウゥッッ!!

 

時折間「ぐわあああっ!?な、にィィッッ!

変わらないッッ!『速度』もッ!『角度』もッ!

弾丸の『ルール』が適用されていないッッ!!」

 

だがここで奇妙なものを見た、

アン・ホースがアンフォーギヴンを縦に折り

シリンダーを露出させるとひっくり返して薬莢を

落とし、手のひらに突然現れていく弾丸を

一発ずつ装填しているのが見えた

 

時折間「どういうことだ……ッ!?

スタンドなのに『リロード』があるのかッッ!?

『デザートイーグル』みてぇな形で

『エンフィールドリボルバー』みてぇな

装填がッ!」

 

リロードが終わったアンフォーギヴンを

元の形に戻した

 

アン・ホース「何を言ってるのよ、

『銃』は『リロード』した方が

かっこいいじゃない」

 

時折間「………確かに」

 

アン・ホース「わかってくれた?

じゃあ死んでね」

 

ガァンッ!!

 

時折間「撃てェッッ!!」

 

放たれたのは海賊旗ッ!理解した、

これではアンフォーギヴンの弾丸は防げないッ!

時折間がその場に身を伏せたッ!

ゴー・ゴー・ゴーストシップも身を屈めながら

2発目を放ったッ!『火薬樽』だったッ!

 

時折間「大当たり(ビンゴ)だッ!

吹き飛べェッッ!!」

 

アン・ホース「アンフォーギヴンッッッ!!」

 

ガァンッ!!

 

1発目が火薬樽を貫き大爆発を起こす

 

ガァンッッ!ガァンッッ!

 

続け様に二発、まだ爆炎と爆風は残っている

その中をッ!弾丸は『直進』したッッ!!

 

チュンッ!ドジュッ!

 

時折間「ぐぉぉっ………ッッ!!」

 

アン・ホースがテンガロンハットを片手で直した

 

アン・ホース「(もう気づいているのでしょう?

私の『アンフォーギヴン』は貫通弾のスタンド

角度も速度も変えられない代わりに

『弾丸』の形を保っている限り銃撃は、

『水平』に飛翔する)」

 

うずくまる時折間に狙いをつけた

 

アン・ホース「さよならね、

アンフォーギヴンッ!」

 

ガァンッ!!ガァンッ!!

 

時折間「ゴー・ゴー・ゴーストシップッッ!!」

 

ドンッッ!ドンッッ!

 

アン・ホース「馬鹿の一つ覚えねッ!

あなたの砲弾は全て見たッ!その全てッ!

我がアンフォーギヴンの敵じゃあないッッ!」

 

飛び出したのはしゃれこうべッ!

弾丸はそれをやすやすと貫いたッ!

そのまま時折間の顔を掠める

 

次に飛び出したのは羊皮紙、広がったそこには

『そこを動くな』と書かれて………

 

アン・ホース「なっ………ッッ!?」

 

アン・ホースの身体が硬直するッ!

2発目の弾丸は時折間は完璧に見切ってかわし

明後日の方向に逸れたッッ!

 

時折間「手荒にいくぜェッ!

ゴー・ゴー・ゴーストシップッ!

『ラッパ銃』で『ぶん殴れ』ッッ!!」

 

G.G.G『ヨォォォホォォォォッッ!!』

 

鉄製のラッパ銃、その振り上げた影が

アン・ホースに差した、動けない、

いや動けたとしてもアンフォーギヴンは今ので

『6発目』ッ!シリンダーに弾は残っていないッ!

 

アン・ホース「あ…………ッ!!」

 

時折間「(悪りぃな、これでしまい、だッ!)」

 

 

アン・ホース「デ…………」

 

時折間「あ?」

 

 

アン・ホース「デザイアァァァアアアッッ!!」

 

時折間「(なんだ?デザイア?聞いたことない

スラングか?気合いか?それともスタンドの

本当の名前とか?)」

 

その瞬間ッ!その一瞬がッ!

時折間の勝利を遠ざけたッ!油断と意識の逸れ

それが致命的だったッ!

 

ドジュウゥ………………ッッ!!

 

時折間「が………は…………ッッ?」

 

 

時折間の右脇腹を、『後ろ』から

アンフォーギヴンの『弾丸』が貫通した。

 

時折間が膝をつく、

その瞬間に羊皮紙の呪いが解け

振り下ろされたラッパ銃を、

アン・ホースはかわした

ホップしながら十分な距離を取ると

リロードを始めてしまった

 

時折間「なん、だ……今のはァァァアッッ!?

なんで今、俺は『後ろ』から撃たれた……ッ!?

いやッ!『いつ』撃った弾丸なんだッ!?」

 

ジャキン!とアン・ホースがシリンダーを

元に戻した、リロードは完了だった

銃を時折間に向けた

 

アン・ホース「さぁ決闘の続きと行きましょうか

第5条、『傷を負わせたら必ず殺せ』

ガンマン10ヶ条は名言だらけ、そう思わない?

 

ここからは、本気(マジ)で殺しに行くわ」

 

ガァンッ!!

 

だがッ!その発砲した瞬間をッ!

時折間は警備で鍛えた観察眼で見ていた!

アン・ホースは弾丸を外したッ!

 

撃つ瞬間、銃口はこちらではなく斜め上に向けた

明後日の方向に発砲したのを見ていたッ!

あまりにも不気味な意図的な失敗

ここに来て威嚇射撃の類ではないことなどわかる

 

ガシャァンッ!と右後方の商店の2階窓が割れた!

最大限に警戒しながら、時折間は叫んだ

 

時折間「………どこを狙っているんだッ!

アン・ホース!

俺を狙ってきたんじゃあないのかッ!」

 

パリィンッ!と左後方の何かが割れた

そう、2度目の破損音だった

 

時折間「(2回?1発しか撃っていないのに?)」

 

アン・ホース「いいや………『狙い通り』よ」

 

時折間「何───」

 

ドギュウッッッ!!

 

時折間「ご、は………!?」

 

時折間が背中に弾丸を喰らった!!

 

時折間「こ、これはッ!?まただ……ッ!?

誰が撃った……いや、何処から、

いつ、どうやって……ッ!?違うこれはッ!

さっき……アン・ホースが撃った弾丸……ッ!」

 

時折間が膝をついた………

 

アン・ホース「あなたはすでに射程距離内よ」

 

時折間「(意味がわからん……ッ!

何が起こっている……ッ!明らかに違う能力ッ!

いや、例えば弾丸の軌道を曲げる能力を

隠していたとしても

撃ってからの着弾が速すぎるッ!)」

 

時折間「ゴー・ゴー・ゴースト……シップッ!」

 

G.G.G『ヨー……ホォォォ………』

 

時折間「距離を取られちまってる、

アン・ホースまで

まずは距離詰めなきゃな……ッ!」

 

ガァンッ!!

 

アンフォーギヴンが発砲されたッ!

やはり撃った方向は自分ではなく周りの商店ッ!

 

ガァンッ!!ガァンッ!!

 

今度は二発ッ!これは自分へ向けてッッ!

ラッパ銃が火を吹くッ!

出たのは火薬樽と花束ッッ!

 

ガシャアンッ!破損音が近くの商店から聞こえた

 

火薬樽が1発目を防ぐッ!

 

ガシャアンッ!ガシャアンッ!今度は2回の破損音

 

2発目は花束を華麗に貫き散らすのを見て

時折間は体を捻ってかわした

 

ガシャアンッ!またしても破損音ッ!そしてッ!

 

ドジュウゥッッ!!

 

時折間「ぐわああああッッッ!!」

 

時折間の右腕に着弾した。

だが、もうアン・ホースは止まらない

 

ガァンッ!!

 

またしても商店に発砲したッ!

 

ガァンッッ!

 

そして2発目は自分へ、時折間は賭けに出たッ!

防御はしないッ!自分に向かってくる弾丸をッ!

時折間は右肩で受けたッ!!

 

時折間「ぐゥッ………だらっしゃあァァッ!!」

 

アン・ホース「Wow、男気あるじゃない」

 

そして、明後日の方向に撃った弾丸を目で追った

弾丸は商店の窓に当たるとガシャアンッ!と

それを撃ち割り、『軌道』を変えたッ!

 

時折間「ッ!?」

 

軌道を変えた弾丸は反対側の商店の花瓶に当たり

それをガシャアンッ!と撃ち割ると

また『軌道』を変えたッ!

そして近くに停車していた車のピッカピカの

バンパーに飛んでいくと

 

『バンパー』の中に反射した景色の中から

『両手を貼り付けた女性のシルエット』が

浮かんだ、弾丸が当たり、バンパーにヒビが入り

そして時折間へと跳ね返り、

右股を貫いた……ッ!

 

時折間「ぐあっ……ッ……そういう、ことかよ

読めたぜ、アン・ホース……あんたの……

いや、『あんたら』の、能力が…………」

 

時折間がその場に、

 

…………うつ伏せに倒れた。

 

アン・ホースがアンフォーギヴンを

くるくると回すとそのまま腰の空のホルスターに

スチャッと収納した

 

「やったか?アン?」

 

アン・ホースの後ろから一人の少女が話しかけた

いつからか、アンの後ろでヤンキー座りしながら

この戦いを見ていた少女だった

黒いラバーショートジャケットに

ラバーのミニスカート

腰まである跳ねたブロンド髪を頭の上で

ポニーに縛ったストリートガールのような

赤目の少女だった

 

アン・ホース「………デザイア、助かった」

 

先ほどアンが叫んだ名前、その人物

黒澤 デザイアが立ち上がると軽く肩を叩いた

 

デザイア「気にすんなよアン、お前がやられたら

あたしも何するかわかんねぇから」

 

デザイア「んで?仕留めたか?

まさか、お前のアンフォーギヴンに

ここまで抵抗するとはな」

 

アン・ホース「えぇ………」

 

時折間はまだうめいていた

 

アン・ホース「そのはずよ、もし生きていたら

………必ず殺さなきゃ」

 

デザイアがアン・ホースの顔を見た、

その瞳は光を失っている

その顔を見て、デザイアがにっこりと笑った

 

デザイア「アンがそういうんだったら、いいぜ

殺しでもなんでも手伝ってやるさ

あたしの『ホリデイ』でな、ひひひッ!」

 

アン・ホース「ふふ、ありがとうデザイア、

私の………大親友」

 

二人が倒れている時折間を見下ろした

 

To be continued……

 




[アンフォーギヴン]
【破壊力-B/スピード-B/射程距離-A/
持続力-C/精密動作性-E/成長性-E】

シリンダーと銃剣がついた
漆黒のデザートイーグルといったような
スタイリッシュなヴィジョンをしている
名を叫ぶと共に右手の中に現れる
トリガーを引いて発砲する拳銃のスタンド
『弾丸』としての形を保っている限り
能力を解除するまで直線軌道で水平に飛翔する
つまりこの銃には偏差や空気抵抗というものが
存在しないため、盾どころか人体すら貫通する
だが、ただ真っ直ぐ飛ぶために偏差撃ちや
跳弾などは不可能
更に装弾数が6発と決まっているため
スタンドでありながらスタンドの弾丸を込める
リロードタイムを要する
元ネタはアメリカのスラッシュメタルバンド
メタリカの楽曲から
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