杜王警察署の刑事、焔森咲織警部補、25歳。
そのルックスと正義感から所属している
強行犯係の刑事達の中でも
人気の高い女刑事であり
困った時は綾瀬判事に事件の相談にやってくる
綾瀬の親友の1人でもあった
習性を嗅ぎ分けるスタンド「ハビット」は
まさに彼女の『絶対に犯人を逃さない』という
執念の発露であり、
その事からも彼女の気高い心は伺える
だが、元からこうだったのではない
咲織はかつて、超問題児だった。
2年前………『ある事件』をきっかけに
彼女は正義の心に覚醒し、
………こんな風に変わってしまった
咲織「貴方はッ!やって良いことと悪いことの
区別もつかないのッ!?
この犯罪者ッ!この街の悪ッ!
生きる価値もないクソガキがッ!」
ここはスーパーの事務所
咲織が跨ぐように胸ぐらを掴んでいる少年は
ここでボールペンを盗んだ万引き犯、
だが駆けつけるや否や少年はパイプ椅子ごと
彼女に地面に叩きつけられ、
痛みと怒りの剣幕に押されて半泣きになっていた
咲織「泣くんだったら最初から………ッ!」
ソジュ「ちょっと落ち着くサオリ……
被疑者は未成年だし、もういいでしょ」
咲織は舌打ちと共に手を離すと
タバコを咥えて点火した
ソジュは優しく少年を立たせると肩を抑えて
咲織と共に事務所を出て行った
らむ「あ、ソジュが怒ってる、
またやりすぎたんでしょ咲織〜!……
ダメだよ本当に、焔森竜夜ちゃんのことは
残念だったけど……それを……」
咲織「八つ当たりだ思ってるから違うよ、らむ
あの少年、最初否認してたのよ
だったらもう『大人』として、
『教育』するのは当たり前でしょ?」
らむは押し黙った、
ソジュは車内で少年を宥めている
らむ「うん……そう、だけど……」
咲織「ソジュが待ってる、行くよらむ」
咲織はパトカーに向かっていく、
らむも後に続いた
「鉄拳制裁のサオリ」、その異名の通り
過剰な制裁指導により当時の彼女は良くも悪くも
有名だった、彼女が現れると不良はもちろん、
現場の警官すら恐れ上がる
若干23歳の巡査部長だった
そしてそんな彼女に、『導き』はやってきた
2年前の某日、それは押入り強盗が多発して
杜王警察が血眼になって探していた頃、
とある民家からの通報を受けて
決死の覚悟で向かった警官達によって
主犯の不良少年が捕えられた偉大なる日だった
去っていく救急車を見ながら少年は
へらへらしていた
少年「捕まっちゃった〜、
俺はやってまっせーん」
警官「今、うちの隊長が来るから待ってろ
お前……自分が何したか分かってんのか!」
少年「家に押し入って、ババアと友達になって〜
ちょっと宝石と金を貰ったァ、へへ、いる〜?」
警官「………そのおばあさんだけどね、
さっき救急隊の人曰く、
半身不随になるかもしれないって言ってたわ」
少年「まじっ!?俺のパンチ、
もしかしてさいきょー?シュッシュッ!
ボクサー向いてる?」
警官「お前……っ!」
少年「ところで少年院ってさ、女看守いる?
いたら俺に紹介してくれよォォ〜!」
と、警官達がそんな少年の言葉を無視して
敬礼した、フィガロが止まり、
中からコートを翻して焔森 咲織が降りてきた
少年は手錠に繋がれたまま、体を揺らす
少年「おいおいおい!大当たり!
あれが俺をエスコートしてくれるのか!?
めっちゃ美人じゃあねぇかッ!」
咲織「この子が?」
警官「はい、主犯で間違いありません」
警官「おばあさんを殴り縛るところも
監視カメラに……」
咲織「…………わかったわ」
咲織が少年の前に立った
少年「うほーっ!近くで見るとすげー美人!
おばあちゃん殺しかけたかいあったぜェ〜
顔もいいし、おっぱ」
バキャッ!!
少年が………顔に拳をもらった少年が
地面に崩れ落ちた
警官「え、え、えぇぇぇぇっ!?」
警官「ちょっ……焔森さん!?」
少年がゆっくりと身体を起こす、
鼻が死ぬほど痛い、手で触るとわかった、
『へし折れていた』
少年「はぁぁぁぁぁあ!?テメェなにしやが」
ゴキュッ!!
2発目は重く鋭く顎に刺さり、少年の脳を揺らした
白目を剥いて意識が半分持っていかれた彼を
咲織は胸ぐらを掴み上げたッッ!
咲織「小学校の時に習わなかったのかしら」
ボギッ!と拳が意識朦朧の顔面に入った!
咲織「人を」
ボギッ!
咲織「殴っちゃ」
ボギッ!
咲織「いけませんって」
ボギッ!
咲織「ね?」
少年の顔はパンパンに腫れ上がっていた
うわごとのように謝罪を呟いていた
部下の警官達は怯え切っていた
咲織「はァァ〜〜……もう一度教えてあげる」
腕を振り上げるッ!
だが、その腕は白杖を挟み込まれて
制止させられた
「君、何をしているのですか」
咲織がゆっくりと立ち上がると、
その杖の主を見た
自分よりも小柄な薄い金髪と光のない金眼の女性
黒いインバネスコートを風に翻して、
ハットを風に晒して立っていた
………裁判に同行した時に、見覚えがあった
咲織「綾瀬凛藍判事……!?」
綾瀬「はい、綾瀬です。大事件なので私も現場に
来たのですが……君は……」
咲織「『正義』を執行していました」
綾瀬「過剰に痛めつけて、ですか」
咲織「正当に痛めつけて、です判事
犯罪者には何をしてもいいと私は思っています
……叱っても殴っても、彼のためになるし
その後の人生には興味ないので」
綾瀬はそれを聞いて、だが怒らなかった
綾瀬「気持ちはわかります、やったことに対して
相応の罰はあるべきです、ですが………」
綾瀬が手探りで咲織の『右手』を握った
咲織は、明らかに不機嫌そうにそれを甘んじた
きっとありきたりに怒鳴られるのだろう
半ば諦観していた、だが……
綾瀬「この手をそんなことに使わないでください
………傷だらけの綺麗な手です、『正義』よりも
『怒り』を優先させてはいけません」
咲織「………え」
綾瀬「触れれば、感じられます。貴女の心を
きっと泣いているのでしょう?
怒りが抑えられないのでしょう?
………でも、やめてください、貴女は警官です
市民の『正義の味方』なんです」
叱るでも、怒るでもない、目の前の判事は
本気で悲しんでいた、その悲痛な姿を見て
咲織は思い出した
8歳の時、彼女は酷くいじめられていた
彼女にしか見えない『犬』とよく遊んでいたから
囲まれて、足蹴にされて、
酷いことを言われていた
でも彼女は抵抗しなかった、
唇が切れるほどに必死に耐えていた
「そこの悪ガキども!何をやっとるんじゃ!!」
そんな彼女を助けてくれた
お爺さんの警察官がいた
警官は這いつくばる咲織を優しく支えた
「お前さん……やるのう」
咲織「え?」
「何を怪訝な顔をしておる、今の喧嘩は
お前さんの勝ちじゃ」
警官は優しく『右手』を握った
「拳が擦り切れとる、お前さん……
『空手』をやっとるじゃろう、
何故使わなかった」
咲織「………やったら怪我させてしまう、
そこまでしたくない」
警官はニカっと笑った
「ほら見たことか、お前さんの勝ちじゃ
お前さんは『怒り』よりも『正義』を
優先したんじゃよ。強い子じゃ、傷だらけだが
綺麗な手が教えてくれとる」
咲織「お爺ちゃん、名前は……?
私、お爺ちゃんみたいな警察官になりたいな」
「わし?ふむ……わしの名は────」
どうしてこんな大切なことを忘れていたのだろう
誓ったのに、約束したのに、思い出にしたのに
怒りしか見えていないなんて、
正義を忘れるなんて。
もうあの警官はいない、殺人鬼に殺されたから
あんな美しい『正義』が、薄汚い『悪』に負けた
だから、自分があの人みたいにならなければ
いけないのに
でもこれは『導き』だ、
運命は再び、同じことを言ってくれた
『正義の味方』を引き寄せた
咲織は静かに膝をついた、綾瀬凛藍の前で
そして、憧れたお爺さん警察官の名を呟いた
咲織「東方お爺ちゃん………ッ」
綾瀬「君………」
咲織「綾瀬判事、私……やり直せますか……ッ
『正義の味方』になれますか…………」
綾瀬は……一言だけ言った
綾瀬「それは君次第です、
でも、もし本当にやり直したいのなら
誰かに頼ることを覚えてください、
人間は独りでは強くなれません」
綾瀬が立ち去り、咲織が立ち上がる、
もうその瞳は燻んだ灰のように死んではいない、
静かに瞳の中に炎が灯りはじめていた
「ヤット……カエッテキタナ、
ワガシュジン……」
数年ぶりに聴こえた、『犬』の声と共に
〔第6話 "ロスト・ボーイ"のカイム その②〕
そんなことを思い出しながら、
咲織はフィガロを杜王町の道を走らせていた
もしかしたら追ってくるかもしれないことを
加味した綾瀬の指示で、郊外の田園風景の中を
名車フィガロが走っていく
咲織「私も標的、か………」
時折間「ついに咲織さんまでとはなぁ!
困った奴だぜまったく!」
時折間がふと窓の外を見る、屋根に座って
ぶらぶらさせている少女……
シンデレラ・グレイの半透明の脚が見えたが
見えなかったことにした
咲織「あの、綾瀬先生……」
綾瀬「なんですか?」
咲織「私、『正義の味方』になれていますか?」
綾瀬「…………今回の攻撃は貴女だからではなく
彼を探っていたからです、
だから、貴女を悪としたわけでは……」
咲織「そう、だといいんですが……」
咲織のハンドルを握る手が震えていた
か細い声で東方の爺ちゃん……と、
聞こえた気がした
綾瀬は手探りで咲織の左手に自分の右手を重ねた
綾瀬「貴女が今回の事件について
私に頼ってくださった時、私は嬉しかったですよ
君は理解してくれた、独りでは強くなれないと
大丈夫です、だって戦おうとしている
得体の知れない爆弾魔に、私も戦います
時折間君も戦います、君の力を見せてください」
咲織が頷いた
綾瀬「……………?この音はなんですか?」
咲織がそう言われて耳を澄ました、
先に聞き取ったのは後部座席にいた時折間だった
時折間「これは………金属をアスファルトに、
擦る音ッ!」
ガガガガガガガガガガガ!!!!
火野「クソが、逃げてんじゃあないぞ……ッ!」
時折間が窓から外を見るッ!
三輪バイクに乗った火野が鉄パイプを擦りながら
後方から接近してきていた!そして槍のように
鉄パイプを構えたッ!
火野「ニトロ・マイクロフォン・
アンダーグラウンドッッ!!」
火野が構える鉄パイプをテロリストのような
N.M.Aが握ると赤熱し始めた!
火野「死ね………!!」
バビュッ!と槍投げのようにフィガロに
飛んでくる!
時折間「ゴー・ゴー・ゴーストシップッ!
撃てェッ!!」
ラッパ銃から出たのはカットラスッ!
飛んできた鉄パイプをガギィンと弾くと
轟音と共に鉄パイプが爆発した!
だがその爆発音に紛れて火野の三輪バイクが
フィガロの横につけた!
N.M.Aが車体に手を伸ばす
咲織「させるかァッ!」
ハンドルをわずかに切ってそれを遠ざける!
火野「させるよ、これでなッ!」
火野が投げたのは長いボルト!
空中で赤熱を始めている!
だが綾瀬がイン・トゥ・ザ・ナイトで
道路に映るボルトの影を弾いたッ!
明後日の方向でボルトが爆散するッッ!
火野「チッチッ……クソクソクソッ!
これならどうだ!」
バイクの後ろに積むボルトの山を鷲掴むと
それをフィガロ全体へとばら撒く!
赤く赤くその全てがN.M.Aに触れられて光る!
咲織がブレーキを踏んだ!あまりの急に
綾瀬と時折間のシートベルトが働く!
フィガロのボンネットを掠めるように
爆撃が巻き起こった!その爆風の中からッ!
N.M.Aが手を伸ばすッ!だがそれに構えていた
イン・トゥ・ザ・ナイトが
『触れてしまった』ッ!
綾瀬「しまった……ッ!!」
時折間「綾瀬さん!」 咲織「綾瀬先生!!」
触れた手は右手、
綾瀬の手も赤熱を………ッッ!!
…………始めなかった。
綾瀬「ん……?」
咲織「………え?触れたのに爆破しない……?」
時折間「まさか人殺しはしないとかかぁ!?」
綾瀬「いえ、今までの攻撃をしながらそれは……
あるいは……『出来ない』」
咲織「フェンス、パトカー、白バイ、鉄パイプ
ボルト……そうか!!まさか!!彼のスタンド
ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンドは
触れたものを爆弾にする能力ではなくッ!
『金属』を『起爆』する能力ッッ!!」
火野が歯を食いしばった、
舌打ちを2回、イラついていた
咲織「ふふ、その顔が見たかったわ爆弾魔……
だからこの車体なのね、
『私たち』でも『タイヤ』でもなく『車体』
そうしないと、お前は爆弾に出来ないッッ!」
火野「それがわかったからなんだよクソが
吹っ飛ばせば同じだろうが頭悪いなァッ!
ニトロ・マイクロフォン・
アンダーグラウンド!」
咲織「いいえ、だったら先手必勝よ
落ちなさいッ!」
咲織がフィガロのハンドルを
『バイク側に』切った
車体が思い切り三輪バイクにぶつかるッ!
火野「は!?お前………ッ!?」
火野のバイクがバランスを崩す、
N.M.Aが伸ばしていた腕が空中を掻いた
咲織「このままその横の田んぼに
さよならさせてやるわ」
火野「頭の悪いメスゴリラが……ッ!
お前はクソじゃない、
最低最悪のクソビッチだッッ!
ニトロ・マイクロフォン・
アンダーグラウンドッ!
車体に触れろォォォッッ!!」
その前に咲織は片をつけようと
ハンドルを握った!
だがその時だったッ!後ろから聞こえたのは
けたたましいクラクションッッッ!
過積載な錆びたトラックが後ろにいたッ!
ドライバー「おい邪魔だよォォォ〜〜ッ!
これから山に不法投棄するっていうのによォ〜!
早くしないとバカ警察とアホ市民に
バレるだろうがァァァ〜ッ!
踏み潰すぞォォォ!!」
ドライバーは蛇行しながら煽ると
イライラしながら『三輪バイク』へ
何度も追突した
火野「…………チッ、チッ」
ドライバー「邪魔だよクソガキィィ〜〜ッ!」
火野「我がスタンド、ニトロ・マイクロフォン・
アンダーグラウンドは既に、ゴミカストラックの
バンパーに『触れている』」
綾瀬「!!!………やめなさい!!!!」
火野が合図を出した
ドライバー「は?何を言っでぶぇ」
ドッグァァァァアアアアアアアアアアンッッッ!
トラックの車体前方が、エンジンとガソリンに
点火した車体が大爆発を起こしたッッッ!
錆びた車体が、人だったものが、車の部品が
そして過積載の『鉄屑』が辺り一体の
田園に爆散した!!
爆発の余波でフィガロもスピンしながら少し先に
やっと急停止した、真っ向から爆風を受けた
三輪バイクはひっくり返ったが、その前に降りた
火野 皆武は炎上するトラックを背に歩いてくる
ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンドも
誇らしげに腕を組んで見ていた
フィガロから3人も降りてきた、
凄惨な事故現場、熱波が吹き付ける中で
火野「『スノビズム』幹部、オレが触れたものは
みんな跡形も無くなる、故に"ロスト・ボーイ"
火野 皆武(ひの かいむ)だ」
咲織「ドライバー……は……」
火野が落ちていた右腕だけを蹴り飛ばした
時折間「やりやがったな……」
綾瀬「もう、後戻りは出来ませんよ火野君
君は、刑法第199条の殺人罪です」
咲織「必ず捕まえてやる……!!」
火野「やってみろ、クソ警察が……!!」
火野が転がった無数の鉄屑の中から!
大量のボルトとナットを投げ放った!!
3人がそれをかわすと、今度はドラム缶を転がすが
それはゴー・ゴー・ゴーストシップが
砲弾で爆発させた!
だがその後ろに、火野の姿がなかったッ!
咲織「!?」
咲織があたりを見渡す、燃えるトラック、
散乱した巨大な鉄屑、田園の草むら、
身を隠すところはあまりにも多く、
その姿を見失った!
咲織「綾瀬先生!」
綾瀬は地面に座り込み、
イン・トゥ・ザ・ナイトで辺りの音を聞いていた
綾瀬「(燃えるトラックの音が大きい……!
環境音が聞こえにくいですね……!)」
咲織「時折間さん!」
時折間はゴー・ゴー・ゴーストシップでたまに
ハズレを出しながらどこからともなく飛んでくる
無数の起爆する鉄屑へと応戦していた
時折間「悪ぃです咲織さん!
手がッ!離せないッ!」
咲織「なら、私だ……私がどこかに隠れた
火野を探さなくては……ッ!」
咲織が息を吸って、吐く、呼ばなくては。
自分だけの警察犬を。
だがそうはさせるかと言わんばかりに
得意の鉄パイプが飛んできた!!
それをイン・トゥ・ザ・ナイトが
キャッチして投げ返した!
そして咲織の足元にはッ!釘ッッ!!
そっちが本命だ……クソが……
バァンッッ!!
咲織が爆風をもろに受けて吹っ飛んだ……
空中を飛びながら、だが!叫ぶ!!
咲織「ハビットッッ!!ゴー!!
………あぐっ!」
地面に背中から落ちながら、入れ替わるように
ハビットが地面へと着地して走り出した!
咲織「なんでもいいッ!
どんなに小さなことでもいいッ!
必ず見つけて、必ず嗅ぎ分けて私のハビットッ!
お願い………
もう、あなたに頼るしかないのッ!」
ハビットが駆けていく、緑色のラインを輝かせて
焔森 咲織、彼女だけの警察犬が、燃え盛る現場を
積極的に話しかけることはしないが自我がある
このスタンドは、
彼女が鉄拳制裁のサオリだった時、応えなかった
ハビットは、このスタンドは、
咲織の『正義の心』の発現なのだから
火野「クソが……始末も出来ない、逃げれない
さっさと諦めろよ、クソども……」
火野は燃えるトラックの後ろ、
鉄屑の後ろに隠れて
無駄に抵抗する3人を見ていた
だがなかなかどうして死なない、イラつきは頂点
火野は舌打ちを2回した
火野「チッ、チッ……さっさと死にやがれ……」
ハビット「記録スル、『ヒノ・カイム』
舌打チヲ、2回スル『習性』アリ
……目標ヲ、発見。」
火野「なっ…………ッッ!!!!?」
火野がハビットを見た!
急いでN.M.Aを呼び戻し………
火野「このクソ犬────」
咲織「みーつけたァッッッ!!」
後ろから来た咲織のドロップキックを振り向いた
顔面に喰らったッッッ!!
火野「ぐぅおあっっ!!!」
咲織が転がって受け身を取る、
火野は地面に倒れた
ハビットとニトロ・マイクロフォン・
アンダーグラウンドも向き合う!!
火野「この……クソ警察………ッッ!」
ハビット「ヒノ・カイム発見、
ヒノ・カイム発見」
咲織「そう、その名前よ。思い出したわ
生活安全課の同僚が言っていた、
貴方一度捕まってるわね?恐喝と暴行で……
どうしてこんなに我々を狙うの」
火野「はぁ………!?はぁ……ッ!?
このクソが……!
それに決まってんだろうが……!
そうだよ、そうだよお前らのせいだ!」
火野「たった15万、親の財布から
持ってこいと言っただけなのに恐喝とか……!
気絶するほど殴ったやつなんて
たがか8人ぽっちなのに血も涙もねぇ……!!」
火野「だから、警察に復讐してやるんだ!
お前ら警察は俺みたいな善良な市民を捕まえる
クソだからな!!!」
咲織「良かった」
火野「は!?」
咲織がジャケットを脱ぎ捨てた
咲織「綾瀬先生と時折間君が見てなくて」
火野「だから何を……!」
咲織「今から君を正義の名の下に
打ちのめすから」
火野「その前に俺が!お前を殺す!!
ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド!
『トラック』を『起爆』しろーーーーーッ!!」
N.M.Aが手を伸ばす!!
だがその前に火野の顔面に正拳突きが入った!!
火野「ぐぉぉぉおっ!!?」
大きくよろめく、それを見計らったかのように
ハビットが咲織の後ろから飛びかかったッッ!
咲織「ハビットッッッ!!ゴーッッッッ!!」
ハビット「バウッ!!」
火野の身体に噛みついた!
ハビット「バウッ!!」
口を離して、再度噛みつく!
火野「いでぇぇ!?まっ、まさかっ……!!
やめ、やめろっ………おおぉぉぁぁあああああ
ああああああああ!!!」
ハビット「バウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウバウッッッ!!」
何度も何度も、ハビットの鋭く痛い正義の
噛みつきがラッシュのように襲いかかる!
火野の全身がどんどん傷だらけになっていく
ハビット「バァァァウッッッッッ!!!」
最後の噛みつきで火野は悲鳴をあげて
転がっていった……!!
咲織が膝をつきかける、
だが必死に息を切らせて歩いていくと
ズタボロになった火野の手首を取って
手錠を嵌めた
咲織「はぁっ……はぁっ………火野 皆武……!
殺人罪、器物損壊罪……あと、えっと、えっと、
あぁぁもう!私をこんな目に合わせた罪で
16時27分、確保!!」
夕陽が差し込む、燃えるトラックの側で
咲織がへたり込む、その後ろからパトカーの音と
救急車の音と、時折間と綾瀬が近づいてきた
咲織「………あっ……綾瀬先生…あの……」
綾瀬「被疑者を確保しましたね、
よく頑張りました」
咲織「ですがあの……ちょっとやりすぎ……」
綾瀬「はて、すみません私は目が見えないもので
何をしたかはよくわかりませんね」
綾瀬はそういうと手探りで拾ってきた
ジャケットを咲織に差し出すと、
それを、咲織は静かに受け取った
スタンドマスター:火野 皆武
スタンド名:ニトロ・マイクロフォン・
アンダーグラウンド
[再起不能(リタイア)]
実刑判決は、ほぼ確定である………
その日の夜、綾瀬の屋敷
綾瀬「なんと……つまり、火花も今日の朝方、
大変なことに?」
火花「そうなんだよりらっち〜!キッショい蝿に
襲われてさ〜!りらっちとすいすいは?」
翠「病院でなんか……ちょっと大変なことに」
綾瀬「私も爆弾魔と……ふむ……」
翠「綾瀬先生、
この町で何が起こっているのですか
僕にはよく……」
火花「スタンド使いが急に増えたね〜?
それも凶悪な!困ったな〜」
綾瀬「いつか翠には教えなければなりませんね
いい機会です、明日何か知っている情報がないか
訊きに行ってみましょうか」
翠「わかりました……どちらへ?」
綾瀬「私の古い親友……
岸部露伴先生の家へ」
To be continued………
[ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド]
【破壊力-A/スピード-E/
射程距離-E(手を伸ばせる距離)/持続力-A/
精密動作性-E/成長性-C】
バンダナに口を覆うようにスカーフを巻き
全身に巻いた包帯の上からボロ布のマントを
羽織る中東のテロリストのようなビジョンの
スタンド、金属にその灰色の肌の手で触れると
"射程距離に関わらず"赤く変色し始めて炸裂する
射程や個数の限界なども作中見受けられず、
尋常ではないほどに応用力が高い
元ネタは日本のヒップホップグループ