ヤチヨ憑依譚   作:銀一

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2Chネラーやっちょ

199Ⅹ年。携帯電話とデスクトップパソコンが一般普及し、インターネット社会が爆発的に広がった。

オタクはみんなパソコンをネットに繋いで掲示板立ち上げたり、レスバしたり、私もレスバに参加してみたり・・・

あと、私はパソコン普及を目途にラジオ放送の最終回を放送し、多くのリスナーに惜しまれながらも「宇宙人系ラジオシンガーのルナ」という役割に終止符を打った。

代わりにバブル時代で稼いだ資金で引っ越しし、ネット回線を引いて小型サーバーも増設し、もと光る竹に接続。

いやぁかぐやのプログラマーとしての腕が無かったらマジ間に合わんよコレ・・・というか作ろうとしてるソフトに対してまだ全然ハードが追い付いてねぇ~ッ!!

 

具体的に言うとゲーム〇ーイで3Dアクションゲームを作ろうとしてるような感じ。無理だわ

こりゃハード作れる工場か企業を買収しないと無理だ。ソフト面はやっちょとかぐやで何とか間に合わせるけど、このままだと出力する機械も無いデカイデータでしかない。

え?そんな簡単にツクヨミを作れるワケない?これが違うんだなぁ・・・

大雑把に言うとここでかぐやの出自が関係してくる。彼女、かぐや姫みたいなストーリーで一旦月に帰ったんだけどそこでバリバリ社畜してて、その仕事がなんか月の都のなんかすごいプロジェクトを担当してたみたいで、電子世界を作るだけなら前職のノウハウを生かして余裕なんだそうだ。具体的に言うと3年で土台が完成した。

ただ、これを現代のパソコンにぶち込むと・・・うん。容量が足りなくて一発でその辺のパソコンはオシャカだ。一般公開など夢のまた夢。しかもコレVRでしょ?

未来過ぎてあと四半世紀でVR機器も作れとかムリゲー過ぎて草が生えてきた。

 

え?かぐやの時はコンタクトレンズ型だった!?うっそでしょ!?そこまで小型化すんの!?

 

「ヤチヨ・・・お願い・・・」

 

かぐやの上目遣いによるお願いを聞いた私は、早速行動を開始した。(ちょろいのは自覚してる)

ネット回線を通じてそりゃもう西へ東へ駆け回ったが・・・ここで都合のいい出来事が発生した。

バブル経済の崩壊だ。多くの企業が倒産したり株価が大暴落したこの時代、ラジオ放送で稼いだお金で資産運用をしていた私はここで複数の企業や工場をネットワーク上で株を独占し、財閥を形成。

財閥名は「ツクヨミグループ」、そう名付けた私の企業財閥は電話会社から精密電子工場まで資金が許す限り買収し子会社化した。

そして、第1回ツクヨミグループ総会にてインターネット越しに財閥への至上目的を提示。

2020年代後期までに「VR技術」を実用化させ、インターネットを通じSFの設定でしかなかったメタバース世界を実現させる。

そのために電話会社も通信会社や通信基地局も買ったし、ハード開発するための電子機器メーカーも買った。

 

そして時は201Ⅹ年。ITバブルやスマホの登場などでツクヨミグループの株価はうなぎ上りの滝登り。

国産スマートフォンやワイヤレスイヤホンなどを製造する傍らでVR機器の開発研究を進める。

かぐやのエンジニア知識をフル活用してやっちょも協力して数年後。スマートコンタクト、略してスマコンの試作モデルがついに完成。

技術的ブレイクスルーをブッチギリ、ついに苦労が報われた・・・が、喜ぶのはまだ早い。

これ、コンタクトレンズ型だから安全基準とかそういうテストしないと売れないのだ。

 

って訳で私は国産スマホや通信費などの莫大な利益から得た資金力に物を言わせて医療品メーカーと提携し、スマコンの試作モデルで臨床試験を開始。

計画では2025年にスマコンを売り出したいと考えており、現在は先行販売として眼鏡型AR機器である「スマートグラス」を販売。

Bluetooth接続で機器と連携することでダイナミックなAR体験ができるととんでもないヒット商品となった。

 

その間にやっちょも何度も引っ越しをし、かぐやもやっちょの分身の1人に乗り移ってツクヨミを形成するサーバーの増設やツクヨミグループ製のスパコンの開発と導入を行い、ついにかぐやの考えた仮想世界「ツクヨミ」が完成した。・・・ガワだけ

 

「誰も居ないとすっごい不気味だよね」

「そうだねぇ・・・あと10年くらいすればここにもいっぱい人が来るはずだから!」

 

まだ内部ネットワーク上に沈んでいる深海の不夜城が脚光を浴びるのはあと10年・・・

スマコンの臨床試験は順調だし、この調子なら彩葉と出会うのは時間の問題・・・と思っていた矢先だ

 

2020年ごろ、ネットワーク上で彩葉を探していた分身エージェントから彩葉の父親が交通事故で死亡したと報告された。

・・・そっか。もう、そんな時期だったんだ

 

彩葉には申し訳ないが、これは避けられない事柄だ。かぐやは時間を飛び越える技術力を持っているため、時間軸や因果律についても豊富な知識がある。

その知識によると、仮に私かかぐやがこの事故を未然に防ごうとしても別の死因が彩葉の父親を襲い、時間軸はそのまま進む。

これは避けられない運命であり、既に8000年以上前からかぐやは彩葉の身の上話からその死因を観測してしまった以上、この事態は運命として決定されている。

そして、それを巻き戻そうとしても無駄だし今の私にはどうすることもできない。

 

ただ、これはある意味では朗報でもある。彩葉の歩む時間軸はヤチヨとかぐやの知る時間軸だと保証された。

このまま運命に身を任せつつ、タイムパラドックスが発生しないように気を張れば・・・大丈夫。ちゃんと、かぐやをハッピーエンドに連れて行くから

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