無事に現代かぐやちゃんを彩葉に送り届け、私は急いでツクヨミへと戻る。
彩葉との扉の押し合いで予定より時間が掛かってしまったが、電子の歌姫であるやっちょの最高速度は雷と同じ!
ツクヨミに入れば管理者権限でテレポートし、約束の時間に間に合った。
え?なんでそんなに急いでたかって?
実は、ヤチヨカップ開催の準備としてブラックオニキスの面々と打ち合わせがあるのだ。
ぶっちゃけて言うならば「客寄せパンダ」になってってお願いするだけだが
4日後に控えた私のミニライブにヤチヨカップの開催を告知する予定。
その際、人気ライバーチームであるブラックオニキスは私のミニライブに乱入してもらい、大々的に参加を表明してもらう
これらのお願いはかぐやが同じルートを沿ってもらう目的もあるが、ブラックオニキス側にはそれを伏せてメリットを提示する。
彼らに説明するのはライバー業界全体の「新規ファン開拓」と「交流」がお題目だ。
ヤチヨカップの勝利条件は「期間内に得た新規ファンの獲得数」が最も多い事。
ツクヨミにおけるライバー達の総数は十分集まったし、何だったらツクヨミライバー企業なんてモノもできてる
多くの動画配信者やアーティスト、インフルエンサーなどがツクヨミを利用しているがどうしてもファンの数には偏りが生まれるし、新規ライバーや無名の個人勢ライバーにもスポットを当ててあげたい。
そこで「私とのコラボライブ」という景品を出して配信活動を活発化させ、より多くの人々にライバー達の活動やツクヨミへの関心を向けさせるのが狙いだ。
このイベントにおいてブラックオニキスの参加表明はライバー業界全体で大きなプラスとなる。
ブラックオニキスは今や押しも押されぬプロゲーマーであり、男性ヴァーチャルアイドルユニット的な存在で元からの固定ファンは億に届く
私もファン数には自信が有るが、ヤチヨカップの運営側なので除外。
そして、ファン数が多いブラックオニキスが新たにファンを開拓する方法はかなり限られる。
他のライバーとの「コラボ企画」や「対決企画」などのライバー同士での交流を増やし、ライバーに付くファン達の撹拌も狙いだ。
元からファンが多いライバーとの合同企画はそれだけで多くのファンを得られるメリットが生まれる。
そして、ファンが多く付けばツクヨミライバーにも長期的に多くのメリットが得られる。
それが「ライバー収益」。ツクヨミライバーには投げ銭や広告収入だけでなく、動画企画などで多くの人間の心を動かしたり関心を与えると
まぁ1人辺りから得られる額は雀の涙で子供の小遣い以下だが、母数が増えれば話は変わる。
10万人のファンを得られれば短時間バイトに届くくらいの収入が入るし、100万人を超えればライバー活動だけでつつましく暮らせる。
1億人以上のファンから支持されれば高級マンションに住むのだって夢じゃない。そこから更に「投げ銭」や「広告収入」、社会的人気を得れば「企業案件による報酬」も加算される。
ファン獲得イベントは現代のゴールドラッシュならぬ「ツクヨミドリームラッシュ」を魅せるイベントだ。
まぁファン獲得は各ライバーの努力次第としか言えないケドね~
ブラックオニキスは正統派プロゲーマー集団だし、複数のスポンサーがついてるツクヨミドリームの体現者だ。
下手なライバーに参加を呼び掛けて炎上企画とかやられては困るが、彼らなら安心してこの企画の盛り上げ役を任せられる。
「お待たせ~」
「時間ピッタリだねヤチヨちゃん」
私がツクヨミ内にあるブラックオニキス専用のハウジングにログインすると既に3人揃ってくれてた
我らが鬼ぃちゃんこと「帝アキラ」
寡黙な「雷」とその弟の「乃依」
私は早速企画データを3人に送信し、表向きの企画内容で話を進める
「へぇ~。つまり、次のヤチヨちゃんのミニライブでこのイベントを告知した後、俺たちは会場に殴り込んで参加を発表って流れ?」
「そうなるねぇ。帝様も含めてブラックオニキスはライバーもそれ以外もファンがいっぱい居るから、盛り上がると思うんだよねぇ」
「で、俺たちが優勝しても良いんだよな?」
「当然。集計は平等にするよぉ~。
優勝できるかは運命が決めるけど
「よし、乗った!」
「えぇ~」
「リーダーは絶対だ」
帝は即決。乃依ちゃんはちょっと不満そうだが雷君が窘め、彼らの参加は内定。
さて、演出担当としてオタ公ちゃんに話を通しておこっと
ブラックオニキスのハウジングから出て個人メッセでオタ公ちゃんにブラックオニキスの参加内定を報告。
専用の紹介PVの準備と段取りを通しておく。
かぐやの記憶だと告知後にいきなり乱入して優勝宣言してたけど、流石に非常識極まりないから絶対裏で話しを通してたはずでしょ
さーてと、忙しくなるぞォ~!