リタは、着実に詰めていたはずのギルバートが倉庫に
隠れ、なかなか出てこない現状に苛立っていた。
いや、
おいた
彼の行動に合わせて攻撃をすればいいのだから。
ただ想定外なのは…何故か先程からギルバートに
規模の爆発を、彼の近場で発生させ続けているはず。
先程、
その時からまるでダメージを与えられていない。
与えられていないというより爆発が彼を
ようにすら見える。
何故。何故。何故。
気付けばリタは汗をかき、呼吸が乱れていた。
ペースが乱されたマラソン選手のように、リタの身体を
一気に疲労の波が襲う。
このまま無駄撃ちするのはなんとしても避けなければ…!
『おーおー、ご苦労なこって。教えてやろうか?』
「!」
そこでギルバートが、家屋から出てきた。
『タネは簡単な話だ。俺の『セプテンバー』の能力は
振動を操るだけじゃあない。その―――』
ズ ド ォ ォ ォ ン ッ ! !
目標を確認次第、リタはC-4を投げ込み即爆発する。
ギルバートの話はガン無視である。しかし…
『いやいや、無駄だよ。ちったァ話聞けって。』
そこには
「ば…バカなッ!!何故…何故効かない!?」
『こう言うのも何だが…思ってたよりオツムがよろしく
ない感じかアンタ?バーのマスターやってる俺からの
忠告だ。人の話ってーのはよく聞くべきだぜェ?』
そう話すギルバートの姿はぐにゃりと
「な…んだそれは。」
『俺のセプテンバーは『温度』も操れる。複数層の
超高温の膜を張れれば、こういう芸当も可能なのさ。』
「お、温度…まさか
歪ませ私の『距離感』をッ!狂わせた…ッ!?」
『
ないようだな。俺のこのセプテンバーはマフラーを
自在に振動させて、複数の温度の膜を作り上げたッ!』
そう話すギルバートの蜃気楼が消える。
正確には能力を解除したのだろう。夜に近付いて次第に
冷えてきた空気が能力によってできた熱い空気を一気に
押し流し、ゴウッと風が吹く。
「うっ!?」
突風の如く吹き付ける風。下の空気がどれだけの温度を
持っていたかがよく分かる。
当然、その目の前に居たリタは突然発生した突風に
バランスを崩し、転んでしまった。
そしてギルバートは、その隙を逃さない。
「『セプテンバー』ッ!!」
セプテンバーのマフラーが、高速で伸びる。
狙いは、リタの手の『起爆装置』。
「しまった…ッ!」
バシッと、只の布切れとは思えない精度でリタの手から
装置を奪い取り、ギルバートの手の中に収まる。
ようやく相手の攻撃の手段を無効化できた、そう確信した
ギルバートは高らかに叫ぶ。
「よォしッ!!これでようやく厄介な爆弾は無力化
できたぜ…!ざまぁみ」
「…などと、油断しやすいよな貴様は。」
カ ッ ッ ッ ! !
「r!!、ッ!?」
叫びを抑えつけるかのように…ギルバートの手の中で、
奪ったはずの起爆装置が光を撒き散らした。
「ウッ…ぐぅッ!?」
それはギルバートが完璧に装置を見たタイミング。
勝利を確信した者への下克上の一撃。
不意打ちへの、不意打ち返し。
油断ではなく、彼女は
したのだ。
セプテンバーがマフラーで装置を奪うまさに直前!
既に、リタは装置と
そしてそのライトは『遠隔』で起動が可能な代物、
二重のトラップ。それ単体でも、リモコンでも可能な
ように改造されていた。今までは単体で使用して、
リモコンの存在を隠していたのだ。
そして彼女は躊躇いなくその
辺りが眩く照らされる…というよりは、最早光の爆発の
ように周囲が光に包まれ、そのまま輝き続ける。
その光度と熱量はバッテリーを全て消費しきる程、故に
爆弾以外で彼女が持つ唯一無二の手段、まさしく彼女の
奥の手であった。
勿論、彼女自身も眩い光に眼を灼かれる危険性を孕む。
だがそれでも尚、リタは迷わなかった。
「
リタは瞑った眼はそのままにほくそ笑み、眼の見えぬ
ギルバートが居るであろう場所へに直接C-4をブン投げる。
そう
気配で相手を狙う事が可能だった。このライトを紹介、
支給された時からそれは覚悟の上であり…ほぼ全てが
想定内、彼女の『作戦』である。
「(しかし正直『蜃気楼』は予想外で焦ったが…)」
「(わざわざ自分から解除してくれるとはなッ!)」
「トドメだ『スタンド使い』ッ!!」
彼女は今度こそ迷いなく起爆装置を起動し、そして…
ズ ド ォ ォ ォ ン ッ ! !
そしてギルバートはモロに、爆発に巻き込まれた。