「は…はははッ!
リタは今度こそ、ギルバートに爆発を直撃させた。
そのためにわざわざ三文芝居をし眼に少なからずダメージ
を負ったが、向こうのダメージに比べればほとんど無いに
等しいレベル。
むしろ
持っていた所からして、お釣りが来るくらいなのだろう。
もうもうと立ち込める煙。
今度は、セプテンバーによって煙を吹き飛ばすことも、
虚を突くつもりで突進してくることもなかった。
つまりギルバートはスタンドを出せないほど
「おー痛ぇ。そういうのは良くねぇと思うな俺は。」
が、そのリタの顔が驚愕に歪む。
煙が晴れると、そこには…確かに新しく小さな傷こそあれ、
殆どダメージを負っていないギルバートが居たのだ。
そしてよくよく見れば、いつの間にやら大きく変わって
いたのは彼が掛けている『ゴーグル』のみ。
スチームパンクなゴーグルは歪な形に歪んでおり、
透明だったレンズ部分には『アルミ』が接着されていた。
アルミは高熱で溶けるため、アルミホイルを振動で溶かし
ゴーグルに接着したのだ。アルミはどれだけ薄くとも光を
通さない。お陰で先程の不意打ちの光によるダメージは
ほぼ0だった。の、だが…
「ああもう…
セプテンバーで無理矢理『加工』したが…こりゃもう
使いもんになんねーな…」
「ば…バカなッ!何故…」
悪態をつきつつも余裕そうなギルバートに思わずリタは
何故と聞いてしまった。あの爆発で何故無事なのか。
更に言うなら煙の中から現れたということは
「おめーさんの敗因はここが『何処なのか』をよく
計画に練り込まなかった事だな、ウン。」
そう言いつつギルバートが話しながら取り出したるは、
片手サイズの小袋に入った白い粉。
※キメてる訳ではありません、という注意書きがほしく
なる程には怪しいソレだが、中身は…
「これは片栗粉、正確には
偶然とはいえ穀物類の倉庫が近場にあったのは
本当に幸運だった…!」
コーンスターチ。トウモロコシ由来の
片栗粉の代わりになるソレはアメリカが主な生産国
であり、一般家庭にも広く流通しているのだ。
「『ダイラタンシー』って、知ってるか?」
「だ、ダイラタンシー…水と片栗粉などを1:1で混ぜると
衝撃に対して瞬時に堅くなるとかいう…あれ、か…?」
「そのとーり!」
と、話すギルバートの陰には2つのバケツが置かれていた。
1つにはたっぷりと白濁色の液体が、そしてもう1つは空。
「俺のセプテンバーの空気の
爆発には耐えられない。ならどうするかは簡単だろ?」
小袋を上に投げ、キャッチ。
そしてそのまま小袋をリタへ向けて掲げる。
「『壁が保たないなら
に限る。俺のセプテンバーは爆発より早く『振動』
を発生させられるからな。ぶちまけた液体を振動を
使い空中で固めたのさ。あとは爆発の衝撃もそのまま
ガードできるってぇ寸法よ。」
「これが
「そんな…バカな理論があるかッ!!というか意味
同じだろそれでは…ッ!」
「ああー言ったなお前ッ!?…確かに俺はバカさ。
だけどな…だからと言っても
言ってねーぜッ!!」
シュンッ と、改めてセプテンバーがマフラーを伸ばし、
今度はリタそのものを捕らえた。
爆弾を取り出せないよう、腕を身体ごと厳重に縛り込む。
これなら何かを取り出すことも投げることも、勿論逃げる
こともできない。
「今度こそ俺の勝ち、だな…ッ!」
これが、
ちゃんと頭はまあまあ使いつつも、それでも真っ直ぐ
前に突っ込んで…そのまま勝ちをもぎ取る!
単純明快、シンプル痛快な彼の