ジョジョの“よう”な冒険   作:星城 丈人

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【 ギルバートの理論 】

 

 

「ぐ…ううっ…」

 

 

 

「見えない布に身体丸ごと搾られるのはそうそう体験

 できねーだろ?…頼むから話してくれねーか?

 お前らの『組織(懲罰同盟)』の事を。」

 

 

 

 

ギルバートはセプテンバーのマフラーでリタを縛り上げ、

かつジワジワと絞っていく。

 

 

彼本人からすればこの方法はあまりやりたくないし、

一応手の替わりなので色々とマズいのだが敢えて

そこには触れないものとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

今、ギルバートとしてはなんとしても懲罰同盟の

情報が欲しかった。相当の『覚悟(憎悪)』と、その『手段(問答無用さ)』。

 

 

 

 

 

 

 

一体彼女達は()()()()()そこまでのモノを手に入れたのか、

いやそもそも何人居て、誰が親玉かすら分かってもいない

のである。が…

 

 

 

 

 

 

「ふ…フンッ!懲罰同盟(ウチ)は、懲罰同盟(ウチ)だ。

 ただそれだけだし、知ってても教えるものか。」

 

 

 

 

 

 

…という、あまりにもテンプレのような返しをされた

ギルバートは苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

この男(ギルバート)は、間違っても人を好んで殺すような

男ではない。性根が善人である。

 

 

なので、例え相手が自分を殺しに来ていようとも彼の方

からは強く出られないのである。ましてや女には。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あー!!もう!!!分かったよッ!とりあえず気絶だけ

 してもらう…!その後全部装備だけ奪うからな!!」

 

 

 

 

 

…仕方なくギルバートは情報を諦め、気絶させる方向

へと考えを改めた。

 

 

殺しはしない。拷問など以ての外。

ギルバートにとっては奴らの情報より、リタの命・無事

が大事なのだ。そこだけは変えるつもりも、変わる

つもりも無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…が、故に。

 

 

 

 

 

 

彼女が()()()()()()()()()()()()()のには毛頭

気付けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…持ってる装備からボロを出すのは御免だッ!それに

 貴様は『甘チャン』だからな。どうせ殺しはしないと

 思っていたよ…!」

 

 

 

「は、何ッ!?」

  

 

 

 

 

 

 

気付けば、リタの手にはまたしても起爆装置。

 

 

 

 

しかし先程の物とは()()()()

明らかにDanger(危険)な黄色と黒のツートンカラー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、()()()()()()()彼女は大量の爆弾(C-4)を自分に

くっ付けていた。言わずとも、やろうとしている

ことは嫌でも分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

こ…これは、まさか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、おいお前さんまさか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

  

私達(懲罰同盟)は、貴様達(スタンド使い)を許さん。

 どれほど時間がかかろうとも必ず駆逐する。それは

 永劫変わることのない我々の意志(殺意)であり、貴様達

 への揺るぎなき宣戦布告だ。」

 

 

 

 

 

リタは怨みを込めた睨みをギルバートに向けた。

ギルバートの背中に冷や汗が走る。

 

 

一体、どれほどの憎悪を抱えているんだ?懲罰同盟(彼女達)は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぅおおおお『セプテンバー』ッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

慌ててバッと、セプテンバーが彼女を放す。

当然だ、逃げるにせよ取り上げるにせよ…()は1つしか

ないのだから。

 

 

 

 

 

 

しかし今は、そのタイムラグが命取り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Die,(死な)together.(ば、諸共)

 

 

 

リタが、スイッチを、押し…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいや、()()

 

 

ギルバートの目の前で()()()()が消え失せる。

大量の爆弾だけが、そこには残っている。

 

 

 

 

 

 

そして彼の目には一瞬、世界が『モノクロ』に見えた。

パズルのピースのように情報だけがそこにある。

 

 

 

 

 

 

「ッシャぁぁぁぁーーーッ!!!」

 

 

 

 

 

 

ギルバートは瞬時に全てを理解し、行動する。

先程爆発を防いだ『液体』を、全力で爆弾の方へ投げ込み。

 

 

 

 

 

 

 

 

震えろッ!セプテンバーッ!!

 

 

 

 

 

 

エ ェ ア ァ ァ ア ァ ァ ア ァ ァ ッ!!!

 

 

 

 

    ド   ド   ド   !

   ド   ド   ド   !

  ド   ド   ド   ッ

 

 

 

 

  

高速で振動するマフラー(片腕)が、まるでしなる鞭のよう

にラッシュで液体を殴り、振動を与えて瞬間的に硬化

させていく。

 

 

 

爆弾をすっぽり丸ごと包み込むように。

 

 

 

 

 

 

 

発生した爆風が一瞬ギルバートの顔めがけて迫るが、

ギルバートは怯まない。 

 

 

 

 

 

 ゴ ッ ッ ッ … ズ ン ッ ! !

 

 

 

 

 

 

 

そして爆発が液体によって丸ごと遮られ、彼女の()()

抵抗は失敗に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「っっは~…あっぶねぇ!!」

 

 

 

  

ブハッと息を吐き額に汗をかくギルバート。

そのままクールにすましてれば格好良かったのに、

やはりどうも締まらない男である。

 

 

 

 

 

 

「もう()()良いぞ。」

 

 

 

 

 

 

と、ギルバートが虚空へ話しかけると、再び周囲の

景色がモノクロの世界へと変わり…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よ…よう!ご機嫌いかがお過ごし~?随分派手に

 やらかしてたみたいだからすぐ見つけたぜ!」

 

 

 

 

 

 

と、()()()()()のワルターが縛ったリタを連れて現れた。

 

 

 

 

 

「…はぁ…お前が言うなワルター。絶対(ぜってぇ)お前も狙われてた

 上に派手にやらかしただろ?そのボロボロな服が全てを

 語ってるじゃねーか。」

 

 

 

 

 

※バレてる。ワルターに小さなダメージ。 

 

 

 

 

 

「…そうだな。ああ…その通りだよッ!勝手に抜けといて

 独りで居たら追っ手にボコボコにされてこの有様だよ

 コン畜生!!悪かったよッ!!詰まるとこお前達と

 居た方がオレ様的にも安全だって再確認したよ!!!」

 

 

 

「ンでキレてんだよお前…だがまあ、お互い無事で(命あって)

 何よりだ。そこの嬢ちゃんもな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ぜ。」

 

 

「…はい?」

 

 

 

 

 

「何故…何故助けたッ!私は…私、には…もう…」

 

 

 

 

彼女は、自分の命すら失う覚悟で戦っていた。

それがまさかの生存エンド。

 

 

眼には涙を浮かべ、まるで死にたがっているかの

ような口振り。思わずワルターも空気を読んでしまう。

 

 

 

 

 

 

「…確かによー、お前さん達に何があったのかまでは

 知らないしまだ同情するほどの情報もねー…」

 

 

 

 

 

と、静寂を切る風音のように…ギルバートが返す。

 

 

例え相手がどうであれ、命を狙われようと。 

 

 

 

 

 

「だがそんでも。命を自ら投げ捨てにいくのだけは

 『人』として間違ってるぜ。人は『生きて』ナンボ。

 どんな過去があろうと今を生きてるアンタ自身が今、

 まさにここに在る、だろ?他人様(ひとさま)がどうあれ、例え

 身近な人が亡くなろうと。それでヤケになって暴れて

 死のうとするのだけは間違ってる。」

 

 

 

 

「…」

 

 

 

 

「『愚直に真っ直ぐ(バカ正直に)生きる』。自分なりの信条だけど、

 今まで1度も曲げたことはない。

 

 それが俺の『理論(人生)』だぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…プッ…あはははは…ッ!!やはり、やはりお前は

 バカだった、か…!!あぁ…データも要らないほどの

 真っ直ぐな男だよ…アンタは。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リタは、そこで遂に肩を落とし…投降した。

 

 

 

 

 

 

 

「…私の負けだ。完敗。」

 

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