「いやー格好いいねぇかなり大喝采」
「んだお前ェ!人が格好良く締めようとしてんのに
茶々入れしやがって!」
ワルターの悪戯顔にギルバートがキレる。
折角ビシッと言ってやったところで台無しである。
「しっかし…やっぱお前も狙われてたか…よく無事で
済んだな…?俺同様、直接戦うタイプのスタンド
じゃあねぇだろ?お前の…」
「ああ。こちとらかーなーり苦戦したよ。というか
くらいにはな………それに…」
そう、ワルターが話しながら遠くを見る。
「俺も、『運命』からは逃れられなかったからな…」
――――――――――――――――――――――――
それは、一方その頃…の話。
時間は丁度オレ様以外の3人が爆ぜてた頃に遡る。
(※爆ぜてはいるが誤解である)
オレ様は『流石にそんな早くは動かねーだろ』とタカを
くくって商店街の方へ向かっていた。
金は無いので道端から店の中や店員のお姉さんを見る
正直、街からの脱出はともかく
そう考えていた。
飛行機を
たら逃げ場が逆に無くなる。
電車や車も同じ理由だ。入り込めはしても誰が敵か
現状分からないから迂闊に話すこともできないし、
飛行機より遅いからすぐ捕まる危険性:大。
結局の所ほとぼりが収まるまでは人混みに紛れて移動し、
それとなーく潜伏することしかできない現状なのであった。
今日の宿も無いしなァ!!!
ま、そうしてほとぼりが収まったら2人と合流し正規に
帰りゃ良い。肝心な所は
他力本願、とはよく言うが…これがオレ様の流儀。
結局の所はアブねー橋は叩いて砕いて
自分から首突っ込むのは自殺行為なんだ、無駄に命を
落とす位なら
それが
心に刻んでいる流儀だ。
…ということで、やることも無く彼は今、暇と言う名の
「ふーむ、これはなかなか…」
と、色々な所を、色々な面持ちで…これまた色々な
思考を巡らせながら見ては近付かずに華麗に
実に鬱陶しいタイプの冷やかしである。いくらやることが
無いとはいえ、あまりにも自分の所持金に正直な男である。
「しっかし…夕方が近いにしても人通りがやけに
少ないな。一応さっきは人が多かったのに。」
と、ワルターは一言漏らす。
少ないというより最早居ない方から指を畳んで数えた方が
早い程に、だ。
閑静だったり賑やかだったりするのが場所によって
違うのは百も承知だが、やけに少ない。
今は夕暮れが迫る時間帯。
賑わっていたのだから、今でもまだ買い物客が数十
ぐらいは居ても良いはずなのに…?
「あーーー………これ、マズい…かぁ?」
ワルターが呟く。
誰に、というよりは自分自身に言い聞かせるように。
…明確に人の数が少ないのは
そのどちらかのはず。
前者も確かにあり得る。つい先程銃声やら色々なことが
大通りで起きてたし、そもそもオレ様達がそれの中心
なんだから皆が警戒するのはまあ分かる。
…にしたって遠巻きに見るぐらいはするだろうし、決して
家族連れが全員纏めて家にヒッキーする…なーんてこと
は普通無いはずだろう。だってここは商店街なのだから。
と、するのならやはり
それも、あれだけの賑わいを見せる人数がいるような街が
こうなる位の。
どう考えても、
人達は隠れなさいってハナシ。
「………も、もしかしてだけど~?」
ワルターが笑顔で汗を垂れ流す。
既に…狙われてね?これ。
ダ ァ ァ ァ ァ ン ッ ! !
『…ご明察。
『気にしないでいいでしょ…とりあえず
問題も無しよ。』
銃声が響き、ワルターがよろめく。
その姿を
そして、その手にはスナイパーライフル。
鬼が狩られるタイプの最悪の鬼ごっこが、始まる。