「っつぁ…」
完全に入った (肩に) 。
ギルバートやジョージならば無効化したり軽減できる
ような一撃だが、ワルターにはそのどちらも不可能。
自在に動き回れるのはあくまでも『能力の発動後』。
ワルターはこういう不意打ちにはめっぽう弱いのだ。
先程の爆発もそうで、対応が間に合っていなかったが
故に帽子が焼け焦げたのである。
「ぐぅ…くっそ…」
左肩を抑え、壁を背にうずくまるワルター。
幸い弾丸は貫通しており摘出するような事態にはならない
ものの、裏を返せばその威力の高さが分かる。
「どっから…どっから狙ってきやがったんだ…ッ!?」
と、こっそり弾が来た方角を見るも、
彼は今、右肩の上に部屋の窓がある位置関係で
うずくまっている。
つまり先程は、身体を捻り右後ろを覗く形で見ようと
して、本来まっすぐ窓を見れば頭の位置である左肩の
位置に撃ち込まれたのだ。
窓の
如くギリギリの角度で、鋭く正確な一撃。
よほどしっかり準備してタイミングを見計らっても
ターゲットが
筈のごく小さな隙間。
それをこのワルター相手に決めてみせるほどの
実力者となると…
「ダメ、だな…思いつかん…!」
一応看守時代に様々なスナイパーの噂や情報を仕入れ
調べ上げたことこそあれ、割とアッサリ短期で辞めて
しまったためにそれ以後の現状は知らない。
それでもこれ程までの狙撃の技術力、並大抵のモノ
ではないだろ…ッ!
余程名うてのスナイパーなんだろうなァ…まあ名前は
知らないんだけど。
流石に恐らくは観測手も居るであろうその2人組は、
腕によっぽど自信があるタイプか、自信関係無く執拗に
屠るタイプかの2択…恐らくは後者だろう。
何せ
恐らくは観測手がサポートでやってる。
何せ、どう考えてもこちらが
かつ起爆するタイミングも完璧なのだ…これは…
「『スタンド攻撃』…かなぁやはり。」
一度は集中するため除外しようとしていた思案が
ここでまた復活した。
でも、これは先程のとは恐らくは別件。
先程想定していた能力とは別で、明らかに監視に役立つ
タイプの能力者が居る…といったところか?
つまりは観測手側の能力…透視…とかなのかなぁ…?
現状全くもって、答えには辿り着けていない。
「クッソ参ったな…筒抜けじゃあマトモに相手できねー
だろこんなの…ッ!!」
どんなチートだよ、透視とかさぁ…!
動向がバレるのはとにかくマズい。なんとか誤魔化す
方法はないのか…ッ!?
―――――――――――――――――――――
「フフフ、焦ってるねぇ…ワルター…!」
観測手であるハインツが
ニタニタと笑みを浮かべる。よく見れば、ハインツの
左眼だけが
「いいぞ、もっと焦れ…!もっと…もっとだッ!」
一方のアリシアは、スコープでワルターの居る建物を
狙っているというよりは何となく、監視しているという
表現が正しいだろうか。
そして、彼女の右目もまた
「おや?今度は別の部屋に入るようだ。我々も場所を移動
しようではないか?アリシア君。」
「ム…!そ、そうか。了解した。」
そう話すハインツと、応じるアリシア。
2人が居るのは…なんと
ワルターの想定より遥かに上、全てを見下ろす高みから
彼らはワルターを見下ろしていたのだ。
そしてハインツの身体からゆらりと、
遊離する。
なんと左手が手の甲と
そしてそこへハインツが複数、石を投げ込む。
ガ シ ャ ァ ァ ー ン ッ !
とソイツは次々に石を挟み込み、石はまるでペラッペラの
…そして動かない。
そうして、その石の足場を悠々と歩き、ハインツ達は
次の狙撃ポイントへ向かっていった。
ハインツから遊離したそれは、『スタンド』。
向かい合う矢印の意匠を持ち、手が前後に分離する…
人型ながら独特な
「…さあ!ワルター・ヴィットマン…今度こそ…今度こそ
この悲劇のヒロインと共に貴様を討つッ!」
構成員が一般人のみ懲罰同盟には本来
スタンド使いがここに居た。
【登場スタンド】
スタンド:
本体 :ハインツ・ニーコン
【挿絵表示】
【破壊力, スピード, 射程距離, 持続力, 精密動作性】
B A D A C
灰色のカラーの身体の各部に黄緑色の向かい合う矢印の
意匠を持つ人型のスタンド。手は大きめサイズ。
能力は物体の『圧縮』。
シャフトで繋がった両手を『手の甲側』と『掌側』に
分割させ展開、そして範囲内にある物体を周りの空間ごと
挟み込むことで圧縮し、空中に固定できる。
なおこの圧縮による破壊は発生せず、本体の意志で解除
した際に圧縮前の形に膨らむ形で元に戻る。
なお移動し続ける物体の移動は止めることができないが
超スローモーションにはできるため、その範囲内にある
うちは足場にも利用できる。