ニヤリと、不敵にワルターが笑った。
斜め上の方から微かに聞こえた。絶対そこには足場は
無いだろうし、聞けば何かを連続で叩く?ような音が
してたことから…
やはり、
とにかく相手方の情報はありがたいし、釣られて移動も
してくれたお陰で今の音などからおおよその方角や、
距離も掴めた。
それに、爆弾の
こちらにとってかーなーり、 大きい。
「良いねぇ…良い流れ来てるじゃあねーのよ。」
思うことこそあれ、ワルターは笑みを崩さない。
もう既にボロボロな帽子のつばをクイッと上げ、
今の所存在感0なロープを左腕から少し緩める。
ここからは確実に詰めないと、な。
だが、うまーくやればきっと何とかなる筈。
俺を…いや、俺様を。
ちゃんと
「『スケルトン・キー』ッ!!」
――――――――――――――――――――――――
「動いたッ!角に寄ったぞ。」
ハインツが叫ぶ。
家の壁の向こうに居るはずのワルターの位置を
「少しばかり
あそこには
「ああ。今起動するさ。」
と言いながら、ハインツは
プレッシャー・ゾーンの能力は『圧縮』。
手を前後に分割・展開し閉じることで、まるでプレス機
のように対象を圧縮することができる能力。
その能力は『空気抵抗』すら周りの空間ごと圧縮し、
その空間内は
つまり、場所さえ決めて
ことにより、罠のように運用することが可能なのだ。
例えば、
そして、進み続けるため短時間という縛りはあるが、
今、彼が解除したのは後者。
爆弾は謎の動作不良(?)が起き不安が残る故、今度は
回避が間に合わない程のスピードのソレをブチ込む
そうして、すぐに弾丸が
…え、聞こえない?
「えっ」
何も聞こえない?奴の悲鳴も?
ば、バカな…?そんなハズは…?
見やれば、彼は
うずくまったりは全然していない。
なんで???
「どうしたハインツ!何故奴は
と、今度はアリシアが怒鳴る。
呼吸の乱れ、体温の急な上昇を伴うものであり…
本来なら一目でわかるハズのもの。
追い詰められ、焦り…体温を上げていると正常な
判断が鈍る、そう
尚更
ところがどうだ、現実はまるで平常心ではないか。
むしろ、そう怒鳴りつつ睨んだ先で見てるハインツの
体温の方が明確に上がっている始末。
まあ、かく言う自分も間違いなく
ことだろうが。
「ここここれは…一体…?」
自らの爪の味を追求しているのか、ハインツは親指の
爪を噛み、ついでにちょっとだけ爪を舌で舐めながら
乱れた思考を纏めようとする。
これは彼の癖であり、想定外の事象が起きる度によく
やってしまうモノのようだ。
万物を潰せる彼のスタンドも、思考や計画を圧縮
することは不可能。
どこまでも
纏まることのない思考や
そんな慌てている此方の
ここで更に行動を続けた。
大胆にも窓から身を乗り出して、屋根へ向けロープの
先端を回し、投げたのだ。
それを
それを頼りに屋根へと即座に登っていく。
割とギリギリ(スタンドの腕力的に)だったのだが
体重的にワルターなら大丈夫だったようだ…
…これがジョージ辺りだったら落ちていただろう。
「くっ…!」
ガ ァ ァ ァ ァ ン ッ !!
慌ててアリシアが狙いを定めて狙撃しようとするも、
登り終わったワルターは余裕の表情で地図世界に
沈んで回避した。
ある意味で、
今俺を銃で狙っている方ではなく、スタンド使いの
方が
奴はフリーズするという、確信。
ワルターはもう、完全に相手の目星を付けていた。
「!!!…これはマズい!」
「何がマズいってェ?…ハインツゥ!!」
そして、漸くの対峙。
レンズ越しなどではなく、直接…お互いの怒れる顔を
隠すことなく、合わせたのだった。