ジョジョの“よう”な冒険   作:星城 丈人

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【 俺の身体はマスター・キー その1 】

 

 

空中から圧をかけてくる2人組の連係攻撃。

 

 

それに対しワルターは屋根しか足場がない状態…

故に圧倒的に不利と思われるが、実は違う。

 

 

 

 

 

「ハッ!無駄だぜ!』

 

 

 

 

 

能力を発動しその身体を沈めながら、ワルターは先程

ハインツが足場にしていたライフルの弾を回避する。

 

 

 

 

 

 

 

そして、広がる平面の静寂な世界。

 

 

ワルターは目の前にある()を越え、

そのままアリシアがいる()()()の中へと一気に走る。

 

 

 

 

 

そして、能力を解除。

浮き上がった世界の、目の前にはアリシアが居た。

 

 

 

 

「うわっ!?」

 

 

 

 

アリシアから見ると突然消えたワルターが自分の眼前に

登場するのだから、この能力の移動面における強さは

計り知れない。

 

 

 

 

 

「オレ様の『スケルトン・キー』は能力発動時点で

ある程度(1階分)の高さを無視して移動できる。こんな風にな…!」

 

 

 

 

 

スケルトン・キーは能力を発動する瞬間に周囲の

情報を集め地図の世界を作るが、それは本体の居る

階層の高さから上下おおよそ1階分の高さの情報。

 

 

それを足元に投影し、解除時点で元の高さに戻る。

あくまでも階段など2階以上に跨がる構造物は1階扱いで

反映されるため、途中で発動しても2階には能力が

反映されないのだ。

 

 

 

 

その代わりに今回の場合は屋根から高低差が少ない

『アリシア達の居た足場』が能力の範囲の中に入って

おり、屋根から登るように移動することが可能。

 

 

 

 

 

 

 

つまり、ワルターにとっては今ハインツが作る足場は

ほぼ全て自分も使用できるという訳だ。

 

 

 

 

 

 

 

「悪ぃーな、おじょーちゃん。とにかく今は先に

()()()()()()を絶たせて貰うぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

そうワルターが告げ、一応警戒の為にハインツを

一瞥する。ハインツは見た感じ丸腰。

 

 

バッグみたいなものを付けているが…まあ対した

モノは入ってなさそうだ。

しかしハインツもまたこちらを睨んでおり、彼が

予測できる範囲の行動をしたことが分かる。

 

 

 

 

 

 

 

…あくまでも、『材料(モノ)』扱い。

 

 

それは()()()()()()()()()と言われているような

モノであり、それを聞いたアリシアはまたしても

血管がブチギレた。

 

 

 

 

 シュバッッ!

 

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「ぅおっとォ!!?」

 

 

 

 

 

 

突然アリシアはスナイパーライフルを放り投げ、

右手で腰裏のバッグからアーミーナイフを取り出し、

そのままワルターに振り上げた。

 

 

 

 

 

遠距離の狙撃は不可能、ならば()()()に変えるのみ。

 

 

アリシアは完全に戦力外、と思っていたワルターは

突然死角から振られたナイフの一撃を避けようとし

思わず体勢を崩した。

 

 

 

 

 

 

「嘗めるな、ワルター・ヴィットマン…!貴様を殺す

 算段は立ててきている…!」

 

 

 

 

 

そのまま体勢が崩れたワルターに向け、今度は

左手でハンドガンを取り出しそのまま撃ち込んだ。

 

 

 

 

 

 ガァァンッ!

 

 

 

「…あっぶねッ!」

 

 

 

 

 

ワルターはそれを寸での所で回避するが、避けきれず

左腕に掠り傷ができてしまった。

 

アリシアはそこを見逃さず、そのままナイフを

持った手で更にワルターの腕を掴もうとしてきた。

 

 

 

 

 

 

 

「まずっ」

 

 

 

 

 

 

 

ワルターは慌ててそれを避けアリシアをロープで

括ろうとするも、逆にロープを掴まれてしまう。

 

 

 

 

 

 

 ガッシィィッ!

 

 

 

 

「し、しまったァッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「トコトン不意打ち、貴様の対策はソレともう1つ…

 ()()()()ことだ…!」

 

 

 

 

 

 

実は接近戦はワルターにとっては有利不利が五分。

 

 

回避もまあまあすぐできるし捕縛もし易くはなるが、

その代わりに敵に()()()()()()()()避けようが

無くなってしまうのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「貴様の能力は確かに便利、自分や掴んでいるモノを

 自由に地図の世界に入れられるんだったなァ?」

 

 

 

 

 

 

と、掴んだロープを自らの腕に巻き凄むアリシア。

 

 

 

 

()()()()場合、貴様が掴んでいるロープに

 繋がっている私も『誤認』されるらしいなァ!?」

 

 

 

 

 

そう、ワルターが能力とロープでの捕縛の相性が良い

と思っているのは、『ロープに接触しているモノ』も

地図世界に引き込むことができるからである。

 

 

 

 

 

 

 

だが、実は()

所持しているロープなどで縛っているモノを

対象に『できる』のではない。

 

 

縛っているモノが『対象になっている』のだ。

 

 

 

 

 

 

 

つまり…

 

 

 

 

 

 

 

「こ、コイツはマズい…!」

 

 

「だろうな、これからはずっっっと一緒だぞ?

 能力を発動したところで私はもれなく付いていく。

 嫌ならロープを捨てるんだな。さあ選べ。このまま

 我々2人と戦うならどちらか一択だろう…?」

 

 

 

 

 

 

「なにそのヤンデレみたいなセリフぅーーーッ!!

 嫌なんですけどォ!」

 

 

 

 

 

 

ワルター(マスター・キー)が、遂に捉えられた。

 

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