ズ ガ ァ ァ ァ ン ッ !
「…チッ!」
アリシアの舌打ちとほぼ同時に、
ロケットランチャーの弾頭。もうもうと立ち上る煙には
目もくれず、アリシアとハインツはワルターを探している。
当然、ワルターは回避していた。
ロープを手離したため、アリシアが一緒に付いてくることも
ないのだから当然である。
『そう。』
と、ワルターの声がどこからともなく聞こえる。
『こうやってロープが飛んできたら咄嗟に
よなぁ!お前ならッ!!!」
能力を解除したワルターが
先程ワルターが投げ、ハインツが固定し、アリシアが腕に
巻いていることでピーンと張られたロープの上、距離で言う
ところのちょうど中間ぐらいの位置。
アリシアを無力化するのなら背後に回れば良いのに、
自ら不安定な
固まってしまった。
そうして、ワルターはこう宣言する。
「
そのまま体勢を整えることもしないまま、ワルターは
ギャグみたいにスッと落下していった。
誓って言うが、これは事故ではなく、
そして、そのままロープを
するとぉ~?
「うぉああっ!?」
現在は空中に
掴んだのだ、
当然、右腕に巻いていたロープがいきなり物凄い
勢いで引っ張られることになる。
つまり、俺を含む2人が落下するってワケ。
「ぬぅおおおおおッ!(ガチ恐い!)」
「ひっっ…ッ!!!」
ワルターも、アリシアも。お互い割と本気で死は覚悟
していたが…こういうタイプの絶叫マシン (マシン?) は
あまり得意ではなかった。しかも離せば死ぬ模様。
だが、決して地面までは落下しないはずだ。
何故なら…
「貴様…私の能力を
そう、ハインツの
彼の能力で『圧縮』されたロープはそこでガッチリと
ガクンッと衝撃を残し0に変わった。
ギ リ ィ ィ ィ ッ !
「ぐぇェッ!」
「流石の嬢ちゃんも急降下には慣れてないよなァ…!
ましてや俺様より下、地面まで数mってところで
全部片腕にかかる位置エネルギーだ…
まともに動けねーだろォッ!」
そう…いかほどに殺傷力の高い武器を出そうとも、
『持てなければ』意味はない。アリシアは自分から
結び目を持ってロープを右腕に巻き付けたために、
そのロープが締まることによって右の片手を上にする
形で宙吊りになってしまった。
しかも。
ロケットランチャーもナイフも、当然思わず手放さざるを
えない勢いでの落下。
右腕を力一杯引っ張られた脱臼もあり得るというこの
状態で、腰裏から何かを取り出す余裕は無いだろう。
「俺様はよ~くと
ならどうってこともないぜ。」
ブラ~ンブラン、と釣具が片方だけのブランコの揺れが
収まるまで、余裕の表情で語るワルター。
そして、ハインツが我に返り慌てて能力を解除しようと
するも、即座に
今度は垂直になったロープの『真上』に移動した。
そしてまた解除すれば、あら不思議。
ハインツの
そう、このジョージ謹製のロープ、実は2階分の長さ未満
更に中心の節目にはちゃんと模様も付いており、定規の
代わりとして
先程はその模様を目安に移動し、更に能力を発動する
事で縦方向に自由に移動が可能となったのだ。
勿論、先に結び目を固定する必要があったが、今回は
その手間を割愛して
顔掴んで膝蹴りを入れてやったぜ!!
「オラァッ!」
ボ グ ッ !!
「ぶへェッ!」
ハインツはその膝蹴りをモロに喰らい、よろけたまま
バランスを崩すも先程ワルターが居た屋根の上に着地する。
そしてそれを追い、ワルターも屋根の上に移動。
スカッとジャムパン? (※違う上にここはアメリカ) とか
言ったか、そういうタイトルの番組の『スカッと』とは
おそらくこういう感覚なのだろうとワルターは思いながら…
右手の中指を立てる。
「よー!やく!漸くだ!!
テメーの顔に一発ブチ込めたぜッ!!」
「ぐぅっ…よくも…!」
実は先程の『あっ』はハインツが
しまったから漏らした言葉で。
お互いがお互いの考えていることをそれぞれ確信的に
予想できるほどの間柄であり。
ハインツが作る『足場』は、もれなくワルターの『足場』
にもなり得る…という。
これは
「貴様…貴様貴様ァ!
ワルター・ヴィットマンン!」
「うるせぇなァ!!
ハインツ・ニーコン!!」
『
名前を叫び合った。