ジョジョの“よう”な冒険   作:星城 丈人

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【 ペラペラな者同士 その1 】

 

 

ハインツはほんのり肌に流れる汗と、鼻から後出しで

垂れてきた鼻血を拭う。

 

 

ガツンッ!と一撃、膝蹴りをモロに喰らったが今の所

ダメージはソレが初で未だに身体もスタンドも健在。

 

 

 

 

 

一方で、ワルターは爆発こそなんとか避けたものの

スナイパーライフルやハンドガンによるダメージが

各所に残り、スタンドも身体の一部が欠けている。

 

 

 

 

 

 

 

それでも、スタンド能力の相性という点においては…

軍配はワルターに上がっていた。スタンドと銃などの

武器があるハインツが相手であっても、なお有利。

 

 

 

なにせ、攻撃さえ視認できていればそれを避けるのも

攻撃するのも瞬間的に移動しながら行えるのだ。

 

当たらなければ何の問題もない!という相手なために、

今回2人の刺客は今までの策を以て戦いに来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

故に、ハインツは内心焦っていた。

この男は、()()()逃がしてはいけない。

 

 

 

 

 

 

 

ハインツは、腰裏のバッグからカートリッジ(予備弾倉)

複数個取り出してそのまま乱雑に腰のポケットへと

突っこみ、サブマシンガンを取り出して両手で構えた。

 

 

手持ちかつ、普通の人()()の括りなワルターには

充分効果的な連射速度と威力。後は両手で撃ちながら

弾丸をリロードするのをスタンドに任せさえすれば

『スピード』の面はカバーできる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「『プレッシャー・ゾーン(高圧的場面)』ッ!」

 

 

 

「『スケルトン・キー(ありそうで無い鍵)』ッ!!」

 

 

 

 

 

 

2人はほぼ同時にスタンドを出現させて、片方(ハインツ)

そのままスタンドを飛ばし、もう片方(ワルター)は様子見した。

スタンドがそのまま来るようなら能力を使い、そうで

なければ生身で(かわ)す魂胆だ。

 

 

 

 

 

 

しかし、スタンドがワルターの下へと到着する前に

ハインツはサブマシンガンを構えて、それはそれは

計画的な()()()()をした。

 

 

 

 

 

 

 

 ガ ガ ガ ガ ガ ッ !

 

          ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ッ !

 

 

 

 

 

 

大きく横薙ぎに、とても()()()に十数発ばら撒かれる弾丸。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だぁーッ!クソッ()()()()か!』

 

 

  

 

 

 

 

 

無論そのまま喰らうつもりもなく、ワルターは能力を

発動しモノクロの地図世界へと消える。

 

 

 

 

 

「まあ、この状況ならそうするよなぁ貴様なら。

 さぁ…ドンドンと()を掛けていこうではないか。」

 

 

 

 

 

当然、想定通り。

こちら(ハインツ)からすればワルターの予測できる次の

行動は『一旦隠れる』か『大きく移動する』かの2択。

 

 

すぐに攻撃はしてこない (ロープが使用不能故に)

だろうし、モタモタしてたら今度はアリシアが

ロープを解き復活してくる。

 

 

可能な限りだが奴は体勢の立て直しを図ってから

襲い直す筈だ。もしくは追ってこいとでも挑発する

かもしれんなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

…だが、断る。

わざわざ敵の挑発も策にも、乗ってやるような甘い

頭はしていないのだ!このハインツ・ニーコンはッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「徹底的に『圧』を掛けるッ!!」

 

 

 

 

 

 

 ガシャ ガシャ ガシャ ガシャ ガシャッ!!

 

 

  ガシャ ガシャ ガシャ ガシャァンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

先行したプレッシャー・ゾーンは横薙ぎに撃った

その全ての弾丸を圧縮し、固定していった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『くっそ…ッ!なるべく粘りたかったが先に入っちまった

 から()()が分かんねぇ…ッ!!』

 

 

 

 

 

と、一方のワルターは地図世界でボヤいた。

 

 

  

そう、ハインツの狙いはワルターの能力(スケルトン・キー)よりも

『後出し』で能力を使用すること。

 

 

発動すると周囲の情報も読み取れるワルターの能力は

確かに便利だが、その『情報』を読み取れるのは能力の

()()()()()

 

 

 

 

 

現在、ワルターが持つ情報は周囲の地形と真正面から

襲いかかってきたスタンド(プレッシャー・ゾーン)及び数発の弾丸の名残(なごり)となった

()()()場所の情報だけ。

 

 

 

 

そう。撃たれた弾丸こそその場で回避できるが、

地図上からはその軌道からおおよその方向を読み

取れるぐらいで、弾丸が()()()()()()()()となると

話が全く変わるのだ。

 

 

 

 

ワルターの地図世界は様々な悪影響をシャットアウト(完全遮断)

する堅牢さを持っているワケだが…

 

 

 

そうして遮断されるのは『空気』もそう。

 

()()()()()空気は自分とスタンド、そして自分が

引き入れた物体や相手の()()の空気のみ、と言えば

その意味が分かるだろうか。

 

 

 

最初にメディを助けた時(『暴れる時間』参照)もメディや自分の吸える

空気が走る分だけ早く減るために短時間で解除した…

いや、せざるを得なかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

つまるところ…()()()()()()のである。

この地図世界には。

 

 

 

 

 

 

しかも、()に出ればそこはハインツがバラ撒いた弾丸が

そこら中に固定されており、彼の意思1つで即座に

好きなコースの料理(弾丸)()()()()()ことになる、という

最悪の()()()()()が所狭しと並んでいる。

 

 

 

一度でも喰らえばデザート(トドメ)までがとにかく長い

フルコース、が。

 

 

 

 

 

 

 

「アイツのことだ、どーせまだまだ固定してくんだろう

 なぁ…!これじゃあアイツの掌の上…いやアイツ風に

 言うなら『私のスタンドの手の()』じゃあねぇかよ…!」

 

 

 

 

 

これが(ハインツ)の放つ『(プレッシャー)』。

ワルターは如何にこのプレッシャーを跳ね退けるか、

限られた時の中で…持ち前の頭脳をフル回転させた。

 

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