猛ダッシュでワルターがハインツに近づく。
会話からのあまりに突然の行動にハインツは対応
できず、左手のライトを取られてしまった。
「いやー、良いもんを手に入れちまったなァ…!
絶対お前等なら
思ってたぜェ…!」
「貴様ァッ!ペラペラと口の回る奴だ…!!」
「そりゃー…俺らは『ペラペラ』だもんなぁ!そんで
それは勿論テメーもそう、だろッ!!」
そして、
1秒も耐えられないほどの光量のソレがハインツと、
ついでにワルターにも襲いかかる。それを持っていた
角度的にワルターも喰らってしまったのは完全に誤算
だが…彼は腐っても看守。
「ぐあああああッッ!!!」
「うおっまぶしィッ!!…っが…俺様は多少
からこれぐらいは大丈夫そうだな…ッ!」
ごく
監獄の襲撃で銃弾や閃光弾が飛び交うような修羅場は
越えてきていない手練れなワルター。直前の情報から
ハインツの位置を把握し、すぐさま行動に移る。
「…ぐぅ…!(しまった…『
一方…完全に偶然ではあるが、ハインツは眼を
閉じてしまっていた。
それは
チェンジ・オブ・ペースの点眼による能力の付与は、
眼を
まるで目薬を垂らした時に、眼をギュッと瞑ることで
涙を流すように。
…まあどの道ハインツはワルターを見失う訳だが。
数秒間マトモに視界が利かなくなり…なんとか戻って
きたときにはもう時既にオスシ。じゃなかった遅し…
だがまあ間違ってはいない様子。
まな板の上の
何をするにせよ…対象のハインツから姿が視えない以上、
なす術が無いのだから。
「ま、まずいッ!来い『チェンジ・オブ・ペー』…」
『遅ぇよ」
ガ シ ィ ッ !!
明確に、掴まれる感覚。
ハインツの後ろからワルターが現れ、そのままハインツの
身体を拘束しにかかったのだ。
ワルターは左腕をハインツの左脇の下から右肩へ伸ばして
掴み、肘裏で首を絞め上げ…右腕はハインツの右手首を
掴み引きながら鳩尾の裏に横一文字にあてがい、
後ろから持ち上げるように圧迫する。
これでハインツはマトモに動けず、肺を強制的に押し
上げられながら首を絞められるという状態。
ワルターズオリジナルの特別な拘束、と言いたくなる
ような特殊な拘束方法を用いてワルターはハインツを
無効化しにかかった。
右手首は後ろ回しに掴まれ、左腕は肩の下にワルターの腕
を挟まれているため、下ろせず上手く動かせない。
オマケに首も締まってマトモに呼吸ができないためイヤでも
焦らざるを得ない状態だ。
ギリリリッギッギギッ
「カッッ…ご…」
「さ~て…このまま楽しい楽し~い『
とでもいこうじゃね~の。…まあ向かう先は
世界だけどなァ。」
そう話すワルターの隣には、
整え、紳士のように軽く会釈。
「高額な旅だが
声で我慢してやるぜ。」
「待ッ…」
「『スケルトン・キー』ッ!」
瞬間、錯覚。
まるで、自分の気が失われていく…かのように周りが
沈み、
ハインツに取っては
…まあ絶対嬉しくは無いだろうが。
この空間においては、ワルターが触れている物以外は
いかなる物も『持ち込めない』。
それは当然ながら直接触れていない『スタンド』も例外
ではなく、チェンジ・オブ・ペースは勿論、間接的な
バッグ・スペースのリンクすらも切れてしまう。
『どうだ?懐かしいだろ~?たまには手ブラで旅行を
楽しむのも良いもんだよなァ?』
穏やかそうに話しているが、絶賛首締め中である。
この辺がワルターの恐ろしいところ。見知った仲間や
友人とは軽
ひたすらに無慈悲に、冷酷になれる。
そんなワルターの『笑ってるようで笑ってない眼』が、
意識も薄れつつあるハインツの瞳に映る。
『ッッッ!!!』
底知れぬ恐怖を感じ、身体が拒否反応を示す。
この世界の酸素も減っていく中、意識こそ失いかけていた
ハインツは最後の力を振り絞り抵抗する。
持ち上がった左掌をワルターに向け…
『プ…『プレッシャー・ゾーン』ッッッ!!!』
ガ シ ャ ァ ァ ン ッ ! !
と、左掌を
掌を
ならではの唯一の攻撃方法であり、0距離で密着している
ワルターの顔へと真っ直ぐ突き進んでいく。
『あっぶ…まあ流石にそう上手くは行かないよな~』
と、アッサリハインツを手放し回避するワルター。
流石に予想はしていたのか、ハインツが左掌をこちらに
向けた段階で避ける素振りを見せていた。
ゼイゼイ…と息を荒げつつ、血走った眼をワルターに
ギロリと向けるハインツ。もう『余裕は無い』と顔に
書いてあるかのようで、いかに早く
しか頭にはない。
『