ジョジョの“よう”な冒険   作:星城 丈人

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【 平面上の戦い 】

 

 

猛ダッシュでワルターがハインツに近づく。

 

 

 

会話からのあまりに突然の行動にハインツは対応

できず、左手のライトを取られてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、良いもんを手に入れちまったなァ…!

 絶対お前等なら()()()ぐらいはあるだろうと

 思ってたぜェ…!」

 

 

 

 

 

「貴様ァッ!ペラペラと口の回る奴だ…!!」

 

 

「そりゃー…俺らは『ペラペラ』だもんなぁ!そんで

 それは勿論テメーもそう、だろッ!!」

 

 

 

 

 

 

  

そして、ピカッ(発光)

 

 

 

 

 

 

1秒も耐えられないほどの光量のソレがハインツと、

ついでにワルターにも襲いかかる。それを持っていた

角度的にワルターも喰らってしまったのは完全に誤算

だが…彼は腐っても看守。

 

 

 

 

 

 

 

「ぐあああああッッ!!!」

 

 

「うおっまぶしィッ!!…っが…俺様は多少()()()()

 からこれぐらいは大丈夫そうだな…ッ!」

 

 

 

 

ごく短期間(7~8ヶ月ほど)しかやってなかった…とはいえ、伊達に

監獄の襲撃で銃弾や閃光弾が飛び交うような修羅場は

越えてきていない手練れなワルター。直前の情報から

ハインツの位置を把握し、すぐさま行動に移る。

 

 

 

 

 

 

 

「…ぐぅ…!(しまった…『レイヤー()』が…!)」

 

 

 

 

 

 

 

一方…完全に偶然ではあるが、ハインツは眼を()()()

閉じてしまっていた。

 

 

 

 

それは()()の合図。

チェンジ・オブ・ペースの点眼による能力の付与は、

眼を()()()瞑り続けることで解除されるのだ。

まるで目薬を垂らした時に、眼をギュッと瞑ることで

涙を流すように。

 

 

 

 

…まあどの道ハインツはワルターを見失う訳だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

数秒間マトモに視界が利かなくなり…なんとか戻って

きたときにはもう時既にオスシ。じゃなかった遅し…

だがまあ間違ってはいない様子。

 

 

 

 

まな板の上の(コイ)の如く、見失ったワルターがこれから

何をするにせよ…対象のハインツから姿が視えない以上、

なす術が無いのだから。

 

 

 

 

 

 

 

「ま、まずいッ!来い『チェンジ・オブ・ペー』…

 

 

『遅ぇよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガ シ ィ ッ !!

 

 

 

 

 

 

明確に、掴まれる感覚。

ハインツの後ろからワルターが現れ、そのままハインツの

身体を拘束しにかかったのだ。

 

 

  

ワルターは左腕をハインツの左脇の下から右肩へ伸ばして

掴み、肘裏で首を絞め上げ…右腕はハインツの右手首を

掴み引きながら鳩尾の裏に横一文字にあてがい、肋骨(あばら)

後ろから持ち上げるように圧迫する。

 

 

これでハインツはマトモに動けず、肺を強制的に押し

上げられながら首を絞められるという状態。

 

 

 

 

 

ワルターズオリジナルの特別な拘束、と言いたくなる

ような特殊な拘束方法を用いてワルターはハインツを

無効化しにかかった。

 

 

 

右手首は後ろ回しに掴まれ、左腕は肩の下にワルターの腕

を挟まれているため、下ろせず上手く動かせない。

オマケに首も締まってマトモに呼吸ができないためイヤでも

焦らざるを得ない状態だ。

 

 

 

 

 

 

 

 ギリリリッギッギギッ

 

 

  

「カッッ…ご…」

 

 

 

「さ~て…このまま楽しい楽し~い『()()()()』、

 とでもいこうじゃね~の。…まあ向かう先は地図(俺様の)

 世界だけどなァ。」

 

 

 

 

 

そう話すワルターの隣には、スケルトン・キー(旅先案内人)が帽子を

整え、紳士のように軽く会釈。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「高額な旅だが旅行費用(お支払い)はお前サンの苦しそーな

 声で我慢してやるぜ。」

 

 

 

「待ッ…」

 

 

 

「『スケルトン・キー』ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、錯覚。

 

 

 

まるで、自分の気が失われていく…かのように周りが

沈み、天井()が迫ってくるかのような感覚。

 

 

 

 

 

ハインツに取っては()()()()()世界旅行となった。

 

 

 

 

…まあ絶対嬉しくは無いだろうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この空間においては、ワルターが触れている物以外は

いかなる物も『持ち込めない』。

 

 

それは当然ながら直接触れていない『スタンド』も例外

ではなく、チェンジ・オブ・ペースは勿論、間接的な

バッグ・スペースのリンクすらも切れてしまう。

 

 

 

 

 

 

(ハインツ)はここに来て初めて孤立無援に陥ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

『どうだ?懐かしいだろ~?たまには手ブラで旅行を

 楽しむのも良いもんだよなァ?』

 

 

 

穏やかそうに話しているが、絶賛首締め中である。

この辺がワルターの恐ろしいところ。見知った仲間や

友人とは軽(愚痴)を叩き笑い合えるが、捕まえた相手には

ひたすらに無慈悲に、冷酷になれる。

 

 

 

 

 

そんなワルターの『笑ってるようで笑ってない眼』が、

意識も薄れつつあるハインツの瞳に映る。

 

 

 

 

 

 

 

 『ッッッ!!!』

 

 

 

 

 

 

底知れぬ恐怖を感じ、身体が拒否反応を示す。

 

この世界の酸素も減っていく中、意識こそ失いかけていた

ハインツは最後の力を振り絞り抵抗する。

 

 

 

 

持ち上がった左掌をワルターに向け…

 

 

 

 

 

 

 

 『プ…『プレッシャー・ゾーン』ッッッ!!!

 

 

 

 ガ シ ャ ァ ァ ン ッ ! !

 

 

 

 

 

 

と、左掌を()()した。

 

掌を前後(・・)に開く事ができる、というプレッシャー・ゾーン

ならではの唯一の攻撃方法であり、0距離で密着している

ワルターの顔へと真っ直ぐ突き進んでいく。

 

 

 

 

 

 

『あっぶ…まあ流石にそう上手くは行かないよな~』

 

 

 

 

 

と、アッサリハインツを手放し回避するワルター。

流石に予想はしていたのか、ハインツが左掌をこちらに

向けた段階で避ける素振りを見せていた。

 

 

 

 

 

ゼイゼイ…と息を荒げつつ、血走った眼をワルターに

ギロリと向けるハインツ。もう『余裕は無い』と顔に

書いてあるかのようで、いかに早く(ワルター)を倒すか…

しか頭にはない。

 

 

 

 

 

 

平面上(ペラペラ同士)』の戦いの、決着は近い。

 

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