ジョジョの“よう”な冒険   作:星城 丈人

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【 暴れる時間 】

 

 

「「な … 何 ィ ィ ィ ー ッ !?」」

 

 

「馬鹿なッ!?い、一体…」

 

 

 

 

突然。隠れることも避けることもできない筈の詰み(チェック)

状態からの、逆転。撃ち込んだはずの弾丸が空を切り、

何処かへ消えていく。

 

 

 

目の前の現象に混乱する男達。

当然だろう、突然追っていた筈の人間が眼前で消えたのだ。

普通なら有り得ない。

 

 

 

 

 

 

 

そう、()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、突然の事態に混乱するのはこちらも同じだった。

 

 

 

 

 

  

「何が…貴方は一体何者ですか…ッ!?」

 

 

「あー…通りすがりの正義のヒーローってとこ?」

 

 

 

 

 

  

唐突に、そして謎の現象を引っさげて現れた救世主(オッサン)

自らを正義のヒーローと名乗るがどう考えても違う。

もう見た瞬間に違うと確信する。

 

 

 

 

 

女性はその相手に当然起きる疑問をぶつける。

 

 

 

「あ、貴方は…一体()()()()んですか?」 

 

 

「…あァン?…あー…あんたパンピー(一般人)か?

 なら秘密☆それより、あんまここに長居はできないから

 さっさと移動するぞ。」

 

 

 

 

 

対して何も教えてくれない男。

疑問も残るどころか刻み込まれてるが、それでも

『助けてくれた』のは事実。彼女は一瞬迷うも、

男の言葉に従い移動を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

そして10m程距離を稼いだところで男は再び口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

「…あー………悪いがやっぱり長時間は無理だわゴメン。

 そもそも()()は超短時間しかできないもんで。」

 

 

 

 

 

「………はい?」

 

 

 

 

「…スマン!解除するわ。」

 

 

「ええッ!?」

 

 

 

 

 

 

彼女は気づいていないが、彼の()()は1人なら

ともかく、複数人招き入れると長時間使えないという

デメリットが存在した。

 

 

 

 

 

 

 

故にまた、今度は先程の逆再生のように建物が…

 

 

全てが隆起していく。

 

 

 

 

 

 

 

モノクロの世界は錯覚ではなかった。

あれは彼の()()の賜物であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

再び盛り上がっていく地形と、歓声…いや悲鳴。

どうやら撃たれてからそれほど時間が経っていないからか、

周囲の人達(オーディエンス)は悲鳴をあげていたことがよく分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

…そして、あっという間に再び邂逅してしまう。

先程私を狙い、追いかけてきた男達に。

 

 

 

 

 

「居たぞあそこだッ!」

 

「クソッ!変な手品を使いやがって…ッ!」

 

 

 

 

 

一瞬でも逃げられたものの、束の間のあっという間に

距離を詰めてきた。焦る女性と、「やっべー」と口から

出た言葉に対して、焦ってます感をまるで感じない

様子の余裕そうなワルター。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後、別の2つの足音が2人の後方から迫る。

 

 

 

 

女性が追っ手か?とそちらを振り向くとほぼ同時に、

その横を通り過ぎる2つの人影。

それらはワルターの隣に立って、威風堂々と、そして

不敵に男達を見据えて立ち塞がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

「全く、颯爽と駆けつけた割には大して逃げられて

 ねーじゃないのオイ。いつものトンズラはどうしたァ?」

 

 

 

「あァ!?オレ様は複数侍らすの苦手なんだっつの!」

 

 

「まあ、間に合ったなら僥倖(ぎょうこう)だろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

この2人は追っ手ではなかった。

モノクロの世界をワルターが連れ逃げる間に、彼の

更なる2人の味方(変人仲間)が駆けつけてきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さァて…暴れるか。」

 

 

 

ジョージが肩を鳴らす。

 

 

 

 

 

「いかにも、な空気だなぁ…久しぶりだぜ。」

 

 

 

ギルバートがこめかみに指を立てる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし後は任せたぜ。」

 

 

 

そしてワルターは程良く楽できそうな空気を感じて

後を任せようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いやお前も戦うんだよ。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

息のあったツッコミが場に響いた。

なんとも締まらない男達のコントである。

 

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