ジョジョの“よう”な冒険   作:星城 丈人

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【 ココロの天秤 】

 

 

『離脱宣言』をしたワルター。

 

 

 

 

ジョージはワルターに何も言えなかった。

それも当然のことであり、ワルターはそもそも2次的に

手伝うよう召集し(引っ捕らえ)たのでこちら側の不都合に巻き込む

のは道理ではない。

 

 

しかしながら彼の『能力』はこの女性を『護る』のに

とても役立つものなのも、事実。

 

 

 

 

 

「…」「…」

 

 

 

 

 

ジョージを睨むワルターと、ワルターを静かに見つめる

ジョージ。空気がとても悪い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズ ゥ ゥ  ウ ウ ゥ ン 

 

 

 

 

 

 

 

 

…そんな沈黙した空気に『振動』が割って入る。

 

 

 

 

「いい加減にしろワルター…ッ!!オマエの『流儀(逃げ腰)』なんか

 知るかよッ!重要なのは…『敵がどこに何人潜んでるか』

 が今分かんねぇって所だろうが。」

 

 

 

 

「…そうだな。間違いなく、俺達の顔は割れただろう。」

 

 

 

 

 

 

あれだけ大っぴらに暴れた(不可抗力だが)のだ。

敵に顔が割れているのはワルターも百も承知であった。

 

 

 

 

 

しかしながら、それでも。

ワルターの、子供の頃からずっと歪み傾いている『天秤(ココロ)』が。

 

 

 

 

『人をそう簡単に信じない(今までの人生)境遇』

 

 

が、

 

 

『漸く慣れ親しめるようになっ(今の自分のオトモダチ)た仲間』

 

 

よりも重く、傾いている。

 

 

 

 

 

 

「………だから何だよ。オレ様は捕まらねぇ。誰にもなッ!」

 

 

 

 

 

「…てめぇらと(つる)んでるのはまぁ…楽しくないと言えば嘘

 だったかもしれねぇけどさ…人生は人生(人は人の事情)、だろ…?

 早死にだけは本当に勘弁願うぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…だから、()()は1抜けする。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()調()のワルターはそう言うと、挨拶もそこそこに

日の傾き始めた街へと駆けだしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…お前はどうする?ギル。」

 

 

 

 

 

「…決まってんだろ、連中をまとめてレンジで()()して

 やるんだよ。…ま、どうせお前も…」

 

 

 

「…ああ。未だにあの時の彼女の悲痛な顔が忘れられん。」

 

 

 

 

 

 

 

初めて会ったつい数時間前、女性は『恐怖』にまみれた顔を

していた。彼らから逃げる為の、『諦めない本能』こそ持ち

合わせるものの…人の感情は『恐怖』とは切っても切れない

関係にある。

 

 

 

 

 

 

そんな彼女を、彼女の心を。

ジョージ達は見過ごせなかった。

 

 

 

 

 

もしかしたら、自分達も()()()をしていたのかもしれない、

と思うと。見過ごせない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな依頼なんかクソ喰らえだ。俺はこの子を助けると

 覚悟を決めたぜ。ジョージは?」

 

 

 

 

「ああ。レンジ調理の()()()を手伝ってやろう。」

 

 

 

 

「…ハッ!バーのマスターによく言うな?レンチンの

 下処理なんざ俺独りでも出来るぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…いや、普通出来るだろうが。というかお前やっぱり

 あの料理レンチンだったのか…」

 

 

 

 

「な、なぜバレたッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が覚悟を決めた頃、夕日が傾きだす頃合。

ワルターはそれとな~く人目こそ気にしつつも、この街から

脱出する算段を立てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ああは言ったものの…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼は道端の石ころを蹴りながら、己の行動を

振り返っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「よく考えたら連れてこられた(連行されてきた)からオレ様だけで帰れる

 かも分かんねぇんだったァ~…!今更『やっぱナシで』

 は通らねーし何とかしねぇと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は向こう見ず(無計画)だった。何となく、どうしようもなく

今をライブ感で生きてる彼からして能力でなんとか

なると思っていた様子。

 

 

 

 

 

 

 

「とにかく、離れねーとだなァ…この街から。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、彼はとても無計画で、向こう見ずだった。

そしてあまりにも、不用心だったことを悟ることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダ ァ ァ ァ ァ ン ッ ! !

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故なら、『彼』はもう既に。

 

 

 

()()()()()()からである。

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