メカニカル☆ウィッチ   作:星乃祈

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第111話「皆との再会と新たな出会い」

 

 

 ——学園祭二日目。

 

 学園祭二日目の日曜日は、一般の人も来ることができる。

 その為、美月はいつものメンバーに加えて、ネオンとネプチューン、麗とウラノス、きららとポラリス、そして、レイと光とルミとエールと言った面々と一緒に学園祭を回っていた。

 

 ちなみに、一般の人は仮装してもしなくても良いが、丁度ハロウィンと言うこともあり、殆どの人たちが仮装していた。

 そんな訳で、ネオンたちは魔女の仮装を、麗たちはジャック・オ・ランタンの仮装を、きららたちはゾンビの仮装を、そして、レイたちは黒猫の仮装をしていた。

 特にチャンピオンバディの面々は、余計な騒ぎを起こさない為にも、変装を兼ねて念入りに仮装していた。

 

「——だ〜れだ☆」

 

 そんな中、後ろから伸びて来た手により、美月の視界は突然覆われた。

 少しビックリしたが、それだけだ。自分の護衛を兼ねているサターンやムーンやサン、それからリンや爺やと言った面々が止めなかったと言うことは、見知った人物なのだろう。それに、この特徴的な声により、美月も一発でその正体が分かっていた。

 

「ス(・)ー(・)ち(・)ゃ(・)ん(・)?」

「大正解だよ、みづみづ☆」

 

 美月がその人物の愛称を口にすると、自分の視界を覆っていた手が取れ、横からスーちゃんこと、ステラが顔を見せて来た。

 ステラはJP国の国民的アイドルと言うことで、正体がバレない様にバッチリとナースの仮装していた。ちなみに、マネージャーの空(そら)もお揃いの仮装で一緒に来ていた。

 

「いや〜、みづみづが目を覚ましたって聞いていたけど、こうして直接目にして、ようやく安心できたよ〜☆」

「そうですね。 ステ……んんっ、スーちゃんも美月さんにあんなことが起きた後は、かなり気が滅入っていましたからね……」

「本当に……いろいろとご心配をおかけしました……わ」

 

 美月は目を覚ました後に、ちゃんと知り合いの面々に連絡を入れていた。しかし、スタースピリットとワールドユニオンの面々に狙われている以上、宇宙の方舟ひいては学園から出ることが出来ず、今日まで直接会う機会が無かったのだ。

 

「ううん、みづみづが謝ることじゃないよ☆ それに、私以外の子たちも来ているみたいだからさ☆ その子たちとも話をしてあげなよ☆」

 

 ステラがそう口にしながら指を刺すと、そこにはレキシキョウト校の夏凛(かりん)と千秋(ちあき)とジェミニたち、それから、カガクアイチ校の心(こころ)とヴァルゴ、菜々(なな)とアクエリアス、そして、シゼンホッカイドウ校の天魔(てんま)とカプリコーンがいた。

 

「美月ちゃん! 元気そうで安心したんよ!」

「ほんま、目が覚めた様で良かったわ」

「「本当なのですー!」」

「お姉様! ううっ……ぐすっ……ご無事で本当に良かったのですわ……! うわ〜〜ん!」

「心姉様〜。 あんまり泣き過ぎると、仮装のメイクが落ちてしまうのですぅ〜」

 

 すると、夏凛たちと心たちはいの一番に美月の元へと駆け寄って来た。

 

「コラコラ、黒土さんはまだ病み上がりなんですから……無理をさせてはいけませんよ?」

「はい。 菜々様の言う通りですね」

 

 そして、そんな心たちを菜々たちが宥める中、天魔たちはレイと話をしていた。

 

「天魔お兄ちゃん! カプリコーンちゃん! 久しぶり!」

「そうだな、レイ。 二ヶ月ぶりか?」

「元気にしてたかしら?」

「うん!」

 

 すると、そんな天魔たちと同じ学校の闘子(とうこ)とトーラス、カイウンフクオカ校の正義(まさよし)とリブラ、サンスイミヤギ校の刃(じん)とアリエス、オヤシロシマネ校の大和(やまと)とサジタリウスもやって来た。

 

 そんな訳で、全国大会高校生の部に出場した面々も一緒に学園祭を回ることになった。

 

 ハロウィンのテーマにもぴったりなお化け屋敷や迷路。

 程良く頭を使う謎解きや脱出ゲーム。

 学園内を回るスタンプラリー。

 ミニゲームが楽しめる縁日。

 いろんな体験ができる部活動体験。

 写真映えするアンブレラスカイやバルーンアート。

 ステージで行われるバンドや演劇。

 

 いろんな出し物を回ったが、やはり皆が一番気になっていたのが、一番の目玉である、学園が主催するスーパーウィッチバトル大会だった。

 これは普段の学園リーグ戦とは一切関係の無い、エキシビションマッチの様なものであるが、高等部と大学部の生徒たちが入り混じり、さらに他校の生徒たちを始めとした外部の面々も飛び入りで参加して来るだけあって、大盛り上がりを見せていた。

 

 ——メカニカルウィッチ学園第四スタジアム『火山』。

 

『行くぜ、雷牙! 音牙!』

『『おう、兄貴!』』

『イーグルとオルカも行くのであーる!』

『『おう、レオ!』』

『『『『『『合体変形! 爆誕! ハイパーキングレオ!』』』』』』

 

 大会は十人によるバトルロワイヤルで勝ち残った一人が次に進めるが、お祭りと言うだけあって協力プレイもアリになっていた。なんなら敗者復活戦もあるし……。

 そんな訳で、合体した王牙たちのハイパーキングレオへと、焔たちのトゥインクルマーズと、冬馬たちのサーガマーキュリーと、小春たちドリームジュピターが強力して立ち向かって行った。

 

『『冬馬! 小春!』』

『『うん、焔!』』

『『マーキュリーとジュピターも!』』

『『分かった、マーズ!』』

『『『『『『合体連携マジカルスキル! トライスターバースト!』』』』』』

 

 そして、以前とはメンバーが少し異なるが、今だに決着が着いていない、チームオールスターズとチームキングダムのチーム戦が始まった。

 

 ——メカニカルウィッチ学園第一スタジアム『工場群』。

 

『菜々会長! 咲良先輩たちは強敵なので、ここは手を組むべきだと思うのですわ!』

『や〜ん、心姉様とヴァルゴだけでは荷が重すぎるのですぅ〜!』

『仕方ありませんね……行きますよ、アクエリアス』

『お任せください、菜々様!』

 

 別のバトルフィールドでは、心たちのハートヴァルゴと菜々たちのレインアクエリアスが手を組もうとしていた。

 

『それなら、正義! リブラ! アタシたちもペアを組むわよ!』

『二対二対のタッグ戦でござる!』

『ふむ……確かにそれならフェアな勝負になるな……良いだろう』

『ワタクシとしても異論はありません』

 

 それに対抗する様に、咲良たちのオーガキャンサーと正義たちのエンジェルリブラも手を組んでいた。

 そして、三年生同士によるタッグ戦が繰り広げられた。

 

 ——メカニカルウィッチ学園第五スタジアム『遺跡跡』。

 

『冥道御影! ここが合ったが百年目! この前の借りを返させて貰うぜ!』

『ほら、秀次! スコーピオ! アンタたちも手伝いなさい!』

『やれやれ……仕方がないっすね……』

『ここは天魔とカプリコーンに付き合うとするか……』

 

 また、別のバトルフィールドでは、昨日の美月たちとのバトルでシンクロゾーンを獲得して絶好調な御影たちのシャドウカロン相手に、天魔たちのハイドカプリコーンと秀次たちのステルススコーピオが協力して挑んでいた。

 

『押忍! 自分も二年生世代最強の御影さんとカロンさんに挑みたいっす!』

『ああ! 全国大会の時は機会がなかったからな!』

『それなら、俺もだぜ! 行くぞ、サジタリウス!』

『はい、大和兄様。 拙(せつ)もお供します』

 

 すると、刃たちのゴールデンアリエスと大和たちのクニツサジタリウスも加わった。

 

『もおぉぉぉぉぉーーッ!! オラたちのことを忘れるのは許さないべ!!』

『ああ!! 油断してたらアタイらに足元掬われるぜ!!』

 

 さらに、闘子たちのレイジトーラスも乱入する。

 

『ほわっ!? 私ちゃんととしてはウェルカムと言いたいところですが……流石に五人同時は厳しいですね……』

『……と言う訳で、歌ちゃんとピスケス、ヘルプ〜』

『やれやれ、仕方ありませんね……。 みーちゃんたち、サポートは私たちに任せて下さい』

『……全く、次(・)の(・)生(・)徒(・)会(・)と言い、これからも長い付き合いになりそうね……』

 

 そんなチャレンジャーたちに対して、シャドウカロンは歌たちのマーメイドピスケスとタッグを組んで迎え撃った。

 

『良ーし、うーちゃんたちがいれば百人力です! 行きますよ、カロンちゃん!』

『了解だよ〜』

『『——シンクロゾーン!』』

 

 そして、二年生世代によるバトルロワイヤルが開幕した。

 

 ——メカニカルウィッチ学園第二スタジアム『荒野』。

 

『現大学生チャンピオンバディと元高校生チャンピオンバディとバトルする機会……! 絶対に勝って見せるんよ!』

『『元中学生チャンピオンバディの力を見せるのですー!』』

『望むところだよ。 さあ、ヴィーナス。 僕たちの力を見せるよ!』

『はい、マスター……! 学園リーグランキング一位の座に返り咲いたヴィーナスたちの力を見せましょう……!』

 

 夏凛たちのデュアルジェミニと輝たちのロイヤルヴィーナスがぶつかり合う。

 

 輝たちだけではなく、焔たちと冬馬たちと小春たちも、美月が眠っている間は絶不調になって、学園リーグランキングのトップ十から外れていた様だが、元の順位に無事に返り咲くことが出来ていた。本当に心配をかけてしまった。

 ちなみに、美月たちはまだ学園リーグ戦ができないので、今はランク外になっていた。

 

 すると、そんな二機を相手取る様に、大学生チャンピオンバディ兼ミライトウキョウ校の大学部の学園リーグランキング一位の御霊たちのゴーストプルートが立ちはだかった。

 

『フハハハハハーーッ!! さあ、楽しい楽しいスーパーウィッチバトルの時間だ! 行くぞ、プルート!』

『……全く、御霊は彼の件が解消して絶好調ですね。 それなら、僕も頑張りましょうか……』

『『——シンクロゾーン!』』

 

 そして、新旧チャンピオンバディ同士によるバトルが始まった。

 

 

*****

 

 

 ——学園の中庭に建てられた観戦広場にて。

 

 学園祭の目玉であるらしいスーパーウィッチバトル大会は、八個のスタジアムで同時に行われ、さらに、観客の数も多いこともあって、こうして野外に全てのバトルを観戦できる広場が建てられていた。

 

 その広場で知り合いらしき人たちと一緒に観戦している美月の姿を、ワールドユニオン軍最強のガーディアンズの新人であるゼロが遠くから見ていた。

 

「——はい、お兄ちゃん。 お昼まだだったから、いろいろと勝って来たよ」

 

 すると、そんなゼロに妹のナインが声をかけて来た。

 

「ありが……いや、待て、ナイン!? どれだけ買って来たんだ!?」

 

 ナインは焼きそばやたこ焼きやフランクフルトと言った主食系に、チュロスやクレープやベビーカステラと言ったデザート系、それからジュースなどのドリンク系と、両手の袋がパンパンになるくらいに買い込んで来ていた。

 いくら、ワールドユニオン軍の経費で落ちるとは言え、自分たちは入隊したばかりの新人なのだから、少しは遠慮しないといけないのに……!

 

 すると、ナインは悲しそうに目を伏せ、小さな声で呟いた。

 

「だって……パパとママがテロで亡くなってから、こうしたお祭りの場には来たことが無かったから……」

「ナイン……」

 

 ナインの言葉でゼロも両親のことを思い出した。

 ゼロたちの両親が亡くなったのはもう十年以上も前の話だ。

 当時、UK国の一般家庭で幸せに暮らしていたゼロたちは、ある日突然、反ワールドユニオンの組織が起こした無差別テロにより、両親を失うことになった。

 それにより身寄りを失くしたゼロたちは、その事件を鎮圧したワールドユニオンを率いるアダム議長に拾われ、彼の建てた孤児院に入ることになった。

 そして、両親の復讐と言う訳では無いが、そんなテロを起こす連中を根絶やしにする為に、血の滲む様な努力を重ねて、ワールドユニオン軍の……それも最強部隊と名高いガーディアンズに入ったのだ。

 

 しかし、任務とは言え、まかさこうして故郷から遠く離れたJP国の学園祭に来るなんて思いもしなかった。

 

 反ワールドユニオンの組織の中でも頭抜けて脅威とされている、スタースピリットを率いる明日斗博士の目に見える弱点である娘の美月が、JP国の全国大会高校生の部から約二ヶ月振りに表舞台に姿を現したので、こうしてガーディアンズの面々がその監視に来ていたのだ。再びスタースピリットが現れるかもしれない以上、妥当な判断だろう。

 だが、そんなガーディアンズの面々は白金代表に顔を把握されている為、軍の士官学校の中でも特殊部隊の養成所の出身であるが故に、表向きには軍の情報にも無い自分とナインがこうして学園に直接潜入することになったのだ。学園祭の来場者数により、身元確認がいつもよりは緩くなっているとは言え、全然バレなかった。流石はワールドユニオンだ。

 

「そうだな……。 ナインもいつも頑張っていることだし……任務のことを頭に入れつつも、学園祭も少し楽しんでも良いだろう」

「うん! それに、お兄ちゃんの仕事は体が資本なんだから、いっぱい食べて力をつけないと! はい、どうぞ!」

「アハハ……ありがとう、ナイン」

 

 そんな訳で、ゼロはナインが買って来た物を口にしつつ、美月の監視を続けた。

 こうして、学園に潜入した身だが、今回の任務はあくまでもアダム議長が確保したがっている美月とサターン、ネオンとネプチューンに監視だけだ。それから、スタースピリットが現れた時の対処もとい、本隊が到着するまでの時間稼ぎだ。

 前者は兎も角、後者の条件を満たせるのは自分くらいしかいなかった為、こうして今回の役割を任されたのだった。

 士官学校の時は教官から人(・)外(・)などと散々な言われ方をしたが、果たして自分にそんな大役が務まるのだろうか……。

 

 すると、そんな中、ナインがゼロに声をかけて来た。

 

「ねえ、お兄ちゃん……。 あのオブジェクト……少し危なくない?」

「ん……?」

 

 運動能力に自信のあるゼロとは違って、ナインはそれに関しては普通だが、その分、妹は自分とは違って高い頭脳を持っていた。

 そんなナインのおかげで、両親を失くした無差別テロで自分たちは生き残ることができたのだ。逆にそのせいで、妹は両親を助けられなかったことを今でも悔いているのだが……。

 

 兎に角、ナインの危機察知能力は自分が一番良く知っている。

 ゼロは直ぐにナインが指差した方向を見た。

 

「あれは……」

 

 すると、広場にあるハロウィンのお化けの巨大なオブジェクトを支えているロープの一本がギチギチと怪しい音を立てていた。

 あれでは千切れるのも時間の問題だ。しかも、運が悪いことに、あのオブジェクトが倒れたらドミノ倒しの様に連鎖的に他の物も倒れてしまう。その上に、その近くには監視対象の美月たちがいた。

 

「不味いな……何とかしないと」

 

 美月たちをワールドユニオン以外の者たちから守る任務を引き受けているゼロは、直ぐに行動を開始した。

 美月たちに注意を促すのが一番手っ取り早いが、下手に接触して顔を覚えられても困るので、近くにいる学園関係者に危険を報告することにする。

 

「あの、すみません……」

「はいはーい、何ですか?」

「あそこのオブジェクトが……」

 

 すると、そんな中、学園祭に来ていた小さな子供たちが、戯れる様に件のオブジェクトにぶつかった。

 どうやら、バトルの熱に影響されて、じっとしていられなくなった様だ。

 しかし、そのせいでロープが千切れ、バランスを崩したオブジェクトが傾き始めた。さらに、懸念していた通り、他のオブジェクトにぶつかって、連鎖的に崩れ始める。

 

「ーーッ!? 不味い!?」

 

 それを見たゼロは反射的に体を動かした。

 こうなったら自(・)分(・)の(・)手(・)で(・)止(・)め(・)る(・)し(・)か(・)無(・)い(・)。

 しかし、そこに辿り着く前に、人混みが多過ぎて進めない。

 ええい、こうなったら……!

 

「すみません、ちょっと通りますよ!」

 

 ゼロは思いっきり飛び上がると、近くにあった木に飛び乗った。

 さらに、そのまま他の木や、最悪倒れても他に影響しない看板を伝う形で、件のオブジェクトの元に一気に駆け寄って行った。

 

「さ、サターン! ムーン! サン!」

「くっ……! リン! 早く、美月を避難させるんだ!」

 

 すると、件のオブジェクトの近くではサターンを始めとするメカニカルウィッチたちが魔法でオブジェクトを支えていた。

 しかし、その大きさもそうだが、数の多さにより、現状維持が精一杯の様で、どれが起点となってドミノ倒しを起こしているのか分かっていない様子だった。

 それなら自分がその起点を直接止めるだけだ。

 

「え?? 人が飛んでる……?」

 

 しまった。美月に思いっきり顔を見られてしまった。だけど、緊急事態なので仕方がないだろう。

 後、飛んでるのては無く、跳んでいるだけだ。

 

「はあぁぁぁぁぁーーッ!!」

 

 ゼロはそのまま件のオブジェクトの元に向かうと、千切れたロープとロープを両手で掴み、人力で引き戻した。

 とても人間が支えられる大きさと重量ではないが、自分はゴリラだのなんだと言われているので、問題ない。

 流石にずっとこのままなのは辛いが、そこはナインが何とかしてくれるだろう……。

 

「こっちです! お兄ちゃんが押さえているロープさえ、なんとかすれば、他のドミノ倒しも収まります!」

 

 予想通り、ナインが学園関係者を連れて来てくれた。

 そして、ゼロはロープを繋げ直す間、人力でそれを支え続けた。勿論、他の人間やメカニカルウィッチも手伝ってくれたが、ちょっと人外の目で見られたら。解せない……。

 

 そして、応急処置が終わると、安全の為に、一時この観戦広場が封鎖されることになった。

 それにより、人々が別の場所に移動しようとする中、ゼロたちもそそくさとその場を離れようとした。

 しかし……。

 

「あ、あの……先程は助けて頂き……ありがとうございました……わ……!」

「ああ。 君がいなければ、お嬢様の身にも危険が及んでいたかもしれない……」

「……ん。 ありがとう……」

「いや〜、それにしても凄いパワーだね〜♪ ねえ、君、本当に人間? 中身ロボットだったしない?」

 

 よりにもよって監視対象の美月とサターン、ネオンとネプチューンに声をかけられてしまった。

 これは……逃げられないかもしれない……。

 

「あ、申し遅れました……わ……! わたくしの名は黒土美月です……わ……!」

「サターンだ」

 

 挨拶された以上、返さない訳にはいかない。……とは言え、アダムチルドレンの証であるアダム議長と同じガーディアンの性を名乗るわけにはいかないので、孤児院に引き取られる前の元の性を名乗ることにした。

 

「えっと……自分はゼロ。 ゼロ・ナンバーです」

「私はナイン・ナンバーです。 お兄ちゃん……ゼロの妹です」

 

 ——こうして、ゼロとナインは、美月たちと対面することになった。

 

 

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